桑原通夫です。
ドイツと言えばヨーロッパでは
経済的に一人勝ち・・と言われていました。
それが今では欧州経済のブレーキ役・・とまで
言われている始末です。
一体ドイツにで何があったのか?
ドイツといえば世界4位の経済大国です・・
それが今マイナス成長が見込まれる
唯一の主要国・・となり、
苦境に立たされている・・
と言うことです。
なせそんな事になってしまったのか・・
ドイツの商工会議所連合会の
アドリアン会長は
我々はもはや欧州のエンジンではなく
ブレーキ役なのだ・・
といいました。
ドイツのGDPの実質成長率は
2022年後半から低迷し、
23年7〜9月期は前期比マイナス0・1%
となった。
エネルギー価格高騰による物価高により
個人消費が低迷したことなどが、
直接の要因である・・ということですが
エネルギー価格の高騰はドイツに限らず
他の主要国も一緒ですが
特にドイツが際立っている・・
ということです。
その原因は・・
ドイツのエネルギー政策にあります。
ドイツは脱原発と再生可能エネルギーへの
転換を進めてきました。
しかし現実には再生可能エネルギーで
すべてを賄うことなどできませんので
天然ガスを中心にしていました。
化石燃料→再生可能エネルギーまでの
過渡期として、天然ガスを
使用してきたわけですが
天然ガス輸入の55%は、安価な
ロシアからのパイプラインに
頼っていました。
それがロシア・ウクライナ戦争により
状況は一変いたのです。
ロシアからの輸入を停止し
アメリカや中東からの液化天然ガスに
切り替えざるを得なくなりました。
しかし天然ガスは世界的な争奪戦で
LNGの価格も高騰・・・
電気料金が大きく跳ね上がって
しまいました。
一説にはフランスや日本の2倍・・
カナダと比べると4倍・・という高さです。
この高い電気料金は
家計を圧迫するだけでなく
企業にも多大な影響を与え
商品やサービスのコストにも
もろに跳ね返りました。
独商工会議所連合会が今年9月に
発表した報告書によると、
独企業の52%がエネルギー転換は
競争力に逆風になると回答した・・・
ということです。
生産拠点の海外移転などを検討している
と回答した企業も
32%と前年から倍増した・・
ということです。
ドイツのマイナス成長の原因は・・
↓
再生可能エネルギーに
路線を変えたこと
↓
その過渡期として
ロシアからの液化天然ガスに頼ったこと
↓
ウクライナ戦争でロシアからの供給不足
となり、
慌てて中東からのLNGに切り替えた
↓
LNGは世界的な需要もあり価格は高騰・・
その煽りで電気料金が
大幅に高騰し。家計にも企業にも
圧力となっている・・
ということです。
おまけにドイツが誇ってきた自動車業界にも
深刻な状況に陥っているようです。
独の経済研究所の発表によると
8月の自動車業界業況指数は・・
マイナス24.7となり
7月のマイナス18.5から
さらに悪化した。・・
ドイツを代表する自動車メーカー・・
フォルクスワーゲンも
初の国内工場を検討中・・
コスト削減策を巡る労働組合との協議が
4日から始まる・・
ドイツ自動車メーカーは新規受注不足であり
特に海外からの受注不足に苦しんでいて
それが人員計画にまで反映されつつある・・
ということです。
ウクライナ戦争も長引いている今、
ドイツ経済は正念場を迎えている・・
ということですね。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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