2021年02月11日
【単糖を構成成分とする有機化合物】糖質の分類
糖質は、単糖、オリゴ糖、多糖類の3種に大別されます。単糖類とは普通の条件ではそれ以上小さな単位に加水分解されないものです。最も簡単な単糖は、グリセルアルデヒドとジヒドロキシアセトンです。オリゴ糖は加水分解で2〜6分子の単糖を生じるものです。多糖類の多くは単糖が直鎖または枝分かれでつながったポリマーです。
天然に存在する単糖類は炭素原子を6つもつものが多く、6炭糖(ヘキソース)と呼ばれます。6炭糖にはぶどう糖、マンノース、ガラクトース、果糖などがあり、全て分子式C6H12O6で表されます。
天然のオリゴ糖の多くは、加水分解で2分子の単糖を生じる2糖類です。麦芽糖(マルトース)は、ぶどう糖2分子がα-1,4結合というグリコシド結合でつながっています。グリコシド結合は、2つの糖分子などが脱水縮合して形成する共有結合です。イソマルトースは、α-1,6結合でぶどう糖2分子がつながっています。乳糖(ラクトース)は、乳の中に存在する2糖類で、加水分解すると、ぶどう糖とガラクトースを各1分子生じます。ショ糖(スクロース)は、砂糖の主成分です。加水分解で1分子のぶどう糖と1分子の果糖になります。ショ糖と麦芽糖は、食生活に重要な2糖類です。これらは小腸の酵素スクラーゼ(インベルターゼ)やマルターゼで加水分解され、吸収されます。シ
多糖類には、体の構造を維持するものとエネルギーの貯蔵物質となるものがあります。多糖類は、たくさんの単糖分子がグリコシド結合でつながったもので、酸処理あるいは酵素の作用で、単糖などに加水分解されます。でんぷんは、高等植物の貯蔵のためのホモ多糖で、アミロースとアミロペクチンから成ります。アミロースは、ぶどう糖がα-1,4結合で直鎖状につながった多糖で、分子量は数千から15万です。アミロペクチンは、枝分かれした多糖です。この分子ではぶどう糖の比較的短いα-1,4結合おおよそ30個が、α-1,6で別のぶどう糖鎖と結合しています。動物組織の貯蔵多糖は、グリコーゲンです。これはアミロペクチンと同様に枝分かれした分子です。鎖の長さは8〜10個と短く、枝分かれが多くなります。セルロースは、自然界に最も多く存在する有機物で、植物の細胞壁を構成し、植物体を支え構造を維持しています。セルロースは、ぶどう糖がβ-1,4結合で直鎖状につながったホモ多糖です。でんぷんとの違いは、この結合がαではなく、βであるだけです。セルロース分子は直鎖状に並び互いに水素結合して、強い繊維になります。セルロースのβ-1,4結合は、アミロースと異なり、酸で分解されにくく、高等動物の酵素でも分解されないので、エネルギー源とはなりません。
糖質は、単糖、オリゴ糖、多糖類の3種に大別されます。単糖類とは普通の条件ではそれ以上小さな単位に加水分解されないものです。
最も簡単な単糖は、グリセルアルデヒドとジヒドロキシアセトンです。この2つは、炭素が3原子なのでトリオースまたは3炭糖と言います。オリゴ糖は加水分解で2〜6分子の単糖を生じるものです。最も多い2糖類は、加水分解で2分子の単糖を生じます。
多糖類の多くは単糖が直鎖または枝分かれでつながったポリマーです。同一の単糖分子からなるものをホモ多糖、さまざまな単糖分子からなるものをヘテロ多糖と言います。多糖類の成分単糖には、ぶどう糖、ガラクトース、果糖、キシロース、アラビノースなどがあります。
天然に存在する単糖類は炭素原子を6つもつものが多く、6炭糖(ヘキソース)と呼ばれます。6炭糖にはぶどう糖、マンノース、ガラクトース、果糖などがあり、全て分子式C6H12O6で表されます。
炭素原子が5つのものは、5炭糖(ペントース)と呼ばれます。5炭糖にはリボース、アラビノース、キシロース、リキソースなどがあり、分子式C5H10O5で表されます。リボースは遺伝やたんぱく質の合成に関与し、キシロースは反応性が高いため、メイラード反応に利用されます。
炭素原子が4つのものは、4炭糖(テトロース)と呼ばれ、エリトロース、トレオースがあります。エリトロースの糖アルコールが、エリスリトールで、メロン、ぶどう、梨などの果実、しょう油、味噌、清酒などの発酵食品に含まれています。希少糖のひとつに分類され、ぶどう糖を発酵させることによりつくられます。
炭素原子が3つのものは、3炭糖(トリオース)でグリセルアルデヒドとジヒドロキシアセトンの2つです。
炭素原子が7つのものは、7炭糖(ヘプトース)で、 セドヘプツロースなどです。
天然のオリゴ糖の多くは、加水分解で2分子の単糖を生じる2糖類です。
麦芽糖(マルトース)は、でんぷんにアミラーゼを作用させると得られます。ぶどう糖2分子が、α-1,4結合というグリコシド結合でつながっています。グリコシド結合は、2つの糖分子などが脱水縮合して形成する共有結合です。
セルロースを構成する2糖類のセロビオースは、ぶどう糖2分子の結合がβ-1,4結合というグリコシド結合でつながっている以外はマルトースと同じです。この結合は、人の酵素で切断することができません。
イソマルトースは、でんぷんやグリコーゲンを酵素で加水分解して生じる2糖類です。マルトースと異なる点は、α-1,6結合でぶどう糖2分子がつながっていることです。
乳糖(ラクトース)は、乳の中に存在する2糖類で、加水分解すると、ぶどう糖とガラクトースを各1分子生じます。乳糖は乳中の主な炭水化物で哺乳類の子供にとって栄養上大切です。人も生まれて1年間はこの糖が主なエネルギー源となります。乳糖はそのままでは吸収されず、腸内のラクターゼという酵素でまず単糖に分解されます。この酵素は、子供のときはたくさんありますが、成長に伴い減少します。地中海沿岸のヨーロッパ人やアジア人は、大人になるとこの酵素がなくなることがあるため、乳糖を多く摂ると下痢や腹痛を起こすことがあります。
ショ糖(スクロース)は、天然の2糖類でサトウキビやサトウダイコンの主成分、つまり砂糖の主成分です。加水分解で1分子のぶどう糖と1分子の果糖になります。ショ糖は、光合成の主産物で、葉でつくられ、成長中の種、塊茎、根などの貯蔵期間に送られます。ぶどう糖などと比べて、酸化されない構造のため、貯蔵や輸送に適しています。
ショ糖と麦芽糖は、食生活に重要な2糖類です。これらは小腸の酵素スクラーゼ(インベルターゼ)やマルターゼで加水分解され、吸収されます。ショ糖は、入手が容易でほとんどの単糖や2糖類より甘いため、食品の甘味料として多量に使われます。果糖だけは、ショ糖より甘く、トウモロコシなどのでんぷんの加水分解でつくったぶどう糖を酵素で果糖に変えて、甘味料として使われます。
多糖類には、体の構造を維持するものとエネルギーの貯蔵物質となるものがあります。多糖類は、たくさんの単糖分子がグリコシド結合でつながったもので、酸処理あるいは酵素の作用で、単糖などに加水分解されます。
加水分解で1種の単糖しか生じないものをホモ多糖、2種以上の単糖からなるものをヘテロ多糖と言います。
でんぷんは、高等植物の貯蔵のためのホモ多糖で、アミロースとアミロペクチンから成ります。
緑色植物は、光合成の最終産物としてでんぷんをつくり、特に米、麦、トウモロコシなどの穀類は、でんぷんを種子に蓄えます。芋やキャッサバはでんぷんを塊茎に蓄えます。アミロースは、ぶどう糖がα-1,4結合で直鎖状につながった多糖で、分子量は数千から15万です。アミロースはヨウ素で青色を呈します。これは、アミロースが水中でらせん構造となり、ヨウ素がこの中に入り込むために起こります。アミロペクチンは、枝分かれした多糖です。この分子ではぶどう糖の比較的短いα-1,4結合おおよそ30個が、α-1,6で別のぶどう糖鎖と結合しています。この分岐部分からイソマルトースが得られます。アミロペクチンの分子量は50万以上です。アミロペクチンはヨウ素で紫または赤を呈します。
動物組織の貯蔵多糖は、グリコーゲンです。これはアミロペクチンと同様に枝分かれした分子です。鎖の長さは8〜10個と短く、枝分かれが多くなります。グリコーゲンもアミロペクチンと同様にα-アミラーゼやβ-アミラーゼで加水分解すれば、ぶどう糖、麦芽糖などになります。
ダリヤや菊芋の球根の貯蔵多糖は、イヌリンです。イヌリンは主にβ-2,1グリコシド結合をした果糖から成っています。
セルロースは、自然界に最も多く存在する有機物で、植物の細胞壁を構成し、植物体を支え構造を維持しています。樹木の木質部は、主にセルロースとリグニンです。リグニンは複雑な重合体で、アミノ酸のフェニルアラニンなどからつくられます。セルロースは、ぶどう糖がβ-1,4結合で直鎖状につながったホモ多糖です。でんぷんとの違いは、この結合がαではなく、βであるだけです。でんぷん分子がコイル状に巻くのに対し、セルロース分子は直鎖状に並び互いに水素結合して、強い繊維になります。セルロースのβ-1,4結合は、アミロースと異なり、酸で分解されにくく、高等動物の酵素でも分解されないので、エネルギー源とはなりません。しかし、牛などの反芻動物の胃に生息する細菌、カタツムリ、木材腐朽菌は、セルラーゼを持ち、セルロースを分解します。シロアリは、消化管内にセルラーゼをもつ生物がいて、生じるぶどう糖を利用しています。
植物には、ペクチンやヘミセルロースなどの構造多糖類もあります。ペクチンは、アラビノース、ガラクトースなどを含む多糖です。
甲殻類や昆虫の殻を構成するキチンは、N-アセチルグルコサミンがβ-1,4結合したホモ多糖です。
動物には、細胞外被を持つものが多く、これが隣の細胞との相互作用に重要な役割を果たします。細胞外被は、糖脂質、糖たんぱく、ムコ多糖からなります。ムコ多糖は、分子量500万程度で、動物の粘性分泌液(mucus)から得られた多糖の総称です。目のガラス体に含まれるヒアルロン酸、軟骨、腱、骨の構成成分であるコンドロイチン硫酸などが該当します。
糖質は、単糖、オリゴ糖、多糖類の3種に大別されます。単糖類とは普通の条件ではそれ以上小さな単位に加水分解されないものです。最も簡単な単糖は、グリセルアルデヒドとジヒドロキシアセトンです。オリゴ糖は加水分解で2〜6分子の単糖を生じるものです。多糖類の多くは単糖が直鎖または枝分かれでつながったポリマーです。
天然に存在する単糖類は炭素原子を6つもつものが多く、6炭糖(ヘキソース)と呼ばれます。6炭糖にはぶどう糖、マンノース、ガラクトース、果糖などがあり、全て分子式C6H12O6で表されます。
天然のオリゴ糖の多くは、加水分解で2分子の単糖を生じる2糖類です。麦芽糖(マルトース)は、ぶどう糖2分子がα-1,4結合というグリコシド結合でつながっています。グリコシド結合は、2つの糖分子などが脱水縮合して形成する共有結合です。イソマルトースは、α-1,6結合でぶどう糖2分子がつながっています。乳糖(ラクトース)は、乳の中に存在する2糖類で、加水分解すると、ぶどう糖とガラクトースを各1分子生じます。ショ糖(スクロース)は、砂糖の主成分です。加水分解で1分子のぶどう糖と1分子の果糖になります。ショ糖と麦芽糖は、食生活に重要な2糖類です。これらは小腸の酵素スクラーゼ(インベルターゼ)やマルターゼで加水分解され、吸収されます。シ
多糖類には、体の構造を維持するものとエネルギーの貯蔵物質となるものがあります。多糖類は、たくさんの単糖分子がグリコシド結合でつながったもので、酸処理あるいは酵素の作用で、単糖などに加水分解されます。でんぷんは、高等植物の貯蔵のためのホモ多糖で、アミロースとアミロペクチンから成ります。アミロースは、ぶどう糖がα-1,4結合で直鎖状につながった多糖で、分子量は数千から15万です。アミロペクチンは、枝分かれした多糖です。この分子ではぶどう糖の比較的短いα-1,4結合おおよそ30個が、α-1,6で別のぶどう糖鎖と結合しています。動物組織の貯蔵多糖は、グリコーゲンです。これはアミロペクチンと同様に枝分かれした分子です。鎖の長さは8〜10個と短く、枝分かれが多くなります。セルロースは、自然界に最も多く存在する有機物で、植物の細胞壁を構成し、植物体を支え構造を維持しています。セルロースは、ぶどう糖がβ-1,4結合で直鎖状につながったホモ多糖です。でんぷんとの違いは、この結合がαではなく、βであるだけです。セルロース分子は直鎖状に並び互いに水素結合して、強い繊維になります。セルロースのβ-1,4結合は、アミロースと異なり、酸で分解されにくく、高等動物の酵素でも分解されないので、エネルギー源とはなりません。
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