2020年12月08日
【懸念】食品中に含まれるアクリルアミド
2002年にスウェーデン政府が、糖質を多く含む芋などを焼く、あるいは揚げることで、 食品中にもアクリルアミドが生成されると発表しました。それから世界中で研究が進み、糖質を多く含む食品を 120 ℃以上の高温で加熱調理することで、食品中のアミノ酸のアスパラギンが、ぶどう糖や果糖などと反応して、アクリルアミドになることが分かりました。
食品安全委員会では、人の健康に与える影響についての食品健康影響評価を行っており、食品由来のアクリルアミドの摂取について、発がん以外の影響については極めてリスクは低いとする一方、発がんのリスクについては、人における健康影響は明確ではないものの、動物実験の結果から懸念がないとは言えないため、合理的に達成可能な範囲で、できる限りアクリルアミドの低減に努める必要があると結論付けています。
アクリルアミドの摂取量を控えるため、特定の食品の摂取を控えるといった偏った食生活を送った場合、あるいは食品の加熱を控えた場合、体に必要な栄養素を十分に摂取できなくなるおそれ、食中毒のリスクが高まる可能性があります。大切なことは、野菜を含むさまざまな食品をバランスよく取り、揚げ物や脂肪分が多い食品の過度な摂取を控えることです。バランスの良い食生活を送ることで、アクリルアミドを多く含む食品の摂取量は抑えられ、その結果、食品全体から摂取されるアクリルアミド量も低減できることになります。
アクリルアミドは、主に合成樹脂や合成繊維、接着剤、塗料などの原材料として用いられている物質です。2002年にスウェーデン政府が、糖質を多く含む芋などを焼く、あるいは揚げることで、 食品中にもアクリルアミドが生成されると発表しました。
それから世界中で研究が進み、糖質を多く含む食品を 120 ℃以上の高温で加熱調理することで、食品中のアミノ酸のアスパラギンが、ぶどう糖や果糖などと反応して、アクリルアミドになることが分かりました。
内閣府に設置されている食品安全委員会では、食品の安全性を確保するため、科学的見地から、食品に含まれる可能性のあるさまざまな物質などの危害要因を摂取することが、人の健康に与える影響についての食品健康影響評価を行っており、アクリルアミドについても評価が行われました。食品健康影響評価においては、食品由来のアクリルアミドの摂取について、発がん以外の影響については極めてリスクは低いとする一方、発がんのリスクについては、人における健康影響は明確ではないものの、動物実験の結果から懸念がないとは言えないため、合理的に達成可能な範囲で、できる限りアクリルアミドの低減に努める必要があると結論付けています。
国際がん研究機関( IARC : International Agency for Research on Cancer )による発がん性分類において、人に対する発がん性の証拠は不十分であるが、動物実験における発がん性の証拠は十分にあることから、アクリルアミドは人に対しておそらく発がん性がある「2A」に分類されています。
国際がん研究機関 による発がん性の分類としては、「1」が人に対して発がん性がある物質で、コールタールやアスベスト、カドミウムなどが該当します。「2A」は人に対しておそらく発がん性がある物質で、アクリルアミド 、木材の防腐剤などがあげられます。「2B」は人に対して発がん性を示す可能性がある物質となり、クロロホルムやわらびなどです。「3」は人に対する発がん性については分類できない物質で、カフェインやコーヒー、お茶、コレステロールなどです。「4」は人に対しておそらく発がん性がない物質で、ナイロンの原材料などがあげられます。
食品安全委員会の評価によれば、日本人のアクリルアミド平均摂取量における食品グループ別の摂取割合については、フライドポテト、炒めたたまねぎ、炒めたれんこん、炒めたキャベツなどの高温調理した食品から56%、コーヒー、緑茶、ウーロン茶、麦茶などの飲料から17%、ポテトスナック、小麦の菓子、米菓などの菓子類から16%、パン類などから5.3%、ルウなどから6.2%と推定されています。
アクリルアミドの摂取量を控えるため、特定の食品の摂取を控えるといった偏った食生活を送った場合、あるいは食品の加熱を控えた場合、体に必要な栄養素を十分に摂取できなくなるおそれ、食中毒のリスクが高まる可能性があります。大切なことは、野菜を含むさまざまな食品をバランスよく取り、揚げ物や脂肪分が多い食品の過度な摂取を控えることです。バランスの良い食生活を送ることで、アクリルアミドを多く含む食品の摂取量は抑えられ、その結果、食品全体から摂取されるアクリルアミド量も低減できることになります。
また、 バランスの良い食生活を送るとともに、調理方法を工夫することで食品中のアクリルアミドを生成しにくくすることができます。
食品安全委員会の評価によれば、日本におけるアクリルアミド推定平均摂取量は、海外と比較して同程度、もしくは低い値とされています。各国のアクリルアミド推定平均摂取量(μg/kg 体重 / 日)は、日本が0.240、EU 0.400 〜 1.900、カナダ0.157 〜 0.609、オーストラリアおよびニュージーランド1.000 〜 4.000となっています。
FAO/WHO 合同食品添加物専門家会議( JECFA )において、アクリルアミドの評価が行われており、以下の報告がなされています。人のアクリルアミドの平均的な摂取量は、体重1 kg あたり1日1μ g であり、高摂取群では体重1 kg あたり1日4μ g となります。アクリルアミドの人への影響として、平均的な摂取量では、発がん性は除き毒性影響は想定されません。平均的な摂取量では、神経への影響はないと考えられますが、高摂取群では動物を用いた毒性試験でみられた神経の形態学的変化が人でも生じる可能性を排除できません。そのほかに食品中のアクリルアミド濃度を減らす努力を続けるべきと指摘しています。
2002年にスウェーデン政府が、糖質を多く含む芋などを焼く、あるいは揚げることで、 食品中にもアクリルアミドが生成されると発表しました。それから世界中で研究が進み、糖質を多く含む食品を 120 ℃以上の高温で加熱調理することで、食品中のアミノ酸のアスパラギンが、ぶどう糖や果糖などと反応して、アクリルアミドになることが分かりました。
食品安全委員会では、人の健康に与える影響についての食品健康影響評価を行っており、食品由来のアクリルアミドの摂取について、発がん以外の影響については極めてリスクは低いとする一方、発がんのリスクについては、人における健康影響は明確ではないものの、動物実験の結果から懸念がないとは言えないため、合理的に達成可能な範囲で、できる限りアクリルアミドの低減に努める必要があると結論付けています。
アクリルアミドの摂取量を控えるため、特定の食品の摂取を控えるといった偏った食生活を送った場合、あるいは食品の加熱を控えた場合、体に必要な栄養素を十分に摂取できなくなるおそれ、食中毒のリスクが高まる可能性があります。大切なことは、野菜を含むさまざまな食品をバランスよく取り、揚げ物や脂肪分が多い食品の過度な摂取を控えることです。バランスの良い食生活を送ることで、アクリルアミドを多く含む食品の摂取量は抑えられ、その結果、食品全体から摂取されるアクリルアミド量も低減できることになります。
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