2020年06月18日
【清涼】甘い味にも辛い味にも万能なしょうが
世界中で広く用いられるしょうがの原産地は、熱帯アジアといわれています。中国では以前より薬用とされ、日本で食用として普及したのは江戸時代以降です。近年研究が進み、生姜の持つ有効成分が少しずつ明らかになってきており、辛さ成分のジンゲロール、ショウガオールの血行促進、抗酸化作用、脂肪燃焼作用などの効果が認知されるようになってきました。カレーの香辛料として使われるウコンもしょうがの一種です。
特有の香りと辛さを持つ野菜であるしょうがは、活用の幅が広く、豚肉のしょうが焼きや魚の煮付け、ジンジャエール、紅しょうが、お寿司のガリなど様々です。料理で使用する量はわずかですが、特長的な食材といえるでしょう。
統計によると、日本国内のしょうがの供給量の4割前後は生鮮品が中心の国産品、6割前後を加工食品用となる輸入品が占めています。国産品の主産地は高知県です。輸入品の多くは中国産となり、主要な産地は山東省や河北省、遼寧省です。加工食品で使用するしょうがは、基本的に中国産を使用します。さまざまな輸入形態があり、ガリや紅しょうがの原料として加工に適するように塩漬けしたもの、チューブ入りしょうが用に加工したもの、乾燥させ粉末状にしたものなどが該当します。なお、中国では、しょうがは調味料として使用されており、生鮮品の需要に大きな変動はありませんが、漬け物やしょうが茶、缶詰などの加工品の需要は増加しています。
・根しょうが
一般的に流通しているしょうがで、丸みがあり、皮は薄茶色です。根しょうがの根は、肥大化した地下茎の部分となります。収穫 後、数カ月貯蔵し出荷されるので、通年出回ります。香りと辛さが強く、薬味として最適です。
・新しょうが
夏に収穫される若い根しょうがで、みずみずしい状態で使用します。皮は白く、茎の付け根は赤くなります。爽快な辛さが特長です。甘酢漬けやしょう油漬けに用います。
・葉しょうが
小さな根茎に茎葉がついたものです。みそをつけてそのまま食べます。
しょうがは、豚肉のしょうが焼きや魚の煮付け、ジンジャエール、紅しょうが、お寿司のガリ以外にも、ラーメンスープやカレー、ドレッシング、タレなど様々な加工食品で使用され、香りや辛さを付与しています。
・生姜の味
しょうがは、清涼な香りとシャープな辛さが特長で、辛さの主成分はジンゲロールとショウガオールです。ジンゲロールは血行を促進し、からだを温める働きがあります。ショウガオールには抗酸化作用や殺菌作用が期待されます。加工食品では、後味をすっきりさせたいときに少量使用します。
・生姜の香り
しょうがの食欲をかきたてる香りの主成分は、ジンギベレンやシトロネラールです。香りは当然ですが、生鮮品の方が強く、乾燥品は、工程中に揮発し、香りが弱くなります。
・料理のにおい消し
生鮮品のしょうがは、スライスして料理に加えることで、肉や魚のにおい消しと風味付けに用います。
・肉の柔化
生鮮品のしょうがの酵素を利用し、肉の組織を柔らかくします。豚の生姜焼きはこの作用により肉質がやわらかくなり、おいしさが引き立ちます。
民間薬としも古くから利用されてきたしょうがは、国内では健康食品に幅広く使用されています。機能性の研究では、血行促進や抗酸化作用、脂肪燃焼作用による抗肥満といった知見が報告されており、健康食品市場での競争も本格化しています。また、乾燥しょうがは認知症などの神経変性疾患の予防や進行抑制に効果的であることがわかってきており、しょうがの多様な機能性から目が離せません。
・機能性成分
ショウガオール、ジンゲロール、ジンギベレン、シトロネラール
・期待される効果
血行促進、抗酸化作用、脂肪燃焼作用、消臭、食欲増進
しょうがは、特有の香りと辛さを持つ野菜で、薬味やカレーなどの香辛料、健康食品として幅広く使用されています。原産地は熱帯アジアとなりますが、現在は中国を中心に世界中で栽培されています。
しょうがの辛さ成分は、ショウガオールとジンゲロールです。これらの成分には血行促進や殺菌作用があります。香り成分であるジンギベレンとシトロネラールには、食欲増進や消臭作用があります。
しょうがを使った料理や加工食品を適切に取り入れて、健康の維持を図りましょう。
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