2020年09月14日
【粉々】食品原材料の粉砕技術
数百o以上の食品の原材料を数十o程度まで粉砕する装置を粗砕機、数十oを数oから数百μm程度に粉砕する装置を中砕機といいます。粉砕機は、数十o以下の食品の原材料を数百μm以下にまで粉砕する装置で、数μmまで微細化することを目的とする装置を微粉砕機、数μm以下の微粉の生成を目的とする装置を超微粉砕機といいます。
・コーンクラッシャー
主に物を押す方向の力となる圧縮力によってスパイスなどを粉砕します。
・ハンマークラッシャー
スイング式のハンマー部の衝撃力と波形の容器壁部の間に生じる摩砕力で、スパイスや乾燥野菜、乾燥した魚介類を粉砕します。
・ロールクラッシャー
2個のロールを互いにかみ合うように回転させ、その間でかつお節などを主に圧縮力によって粉砕します。
・カッターミル
鋭いカッターを取り付けたローターを高速回転させ、せん断力によって、スパイスやコーヒー豆などの粉砕を行います。
・ローラーミル
複数のローラーが、遠心力によって回転するテーブルに対して押しつけられるような構造になっており,両者の間に挟まれた玄米などの原材料を圧縮粉砕します。粉砕され,細かくなった粒子は気流によって排出されます。
・ジェットミル
圧搾空気や高圧蒸気、高圧ガスを噴射ノズルより噴出させ、このジェット気流によって、さまざまな食品の原材料粒子を加速し、加速された粒子どうしの衝突または加速された粒子との衝突作用や衝撃作用、および摩砕によって粉砕します。
・ハンマーミル
高速回転するハンマーによって、供給された原材料に衝撃を加え粉砕します。出口側に多孔板やスクリーンなどを設置し、粉砕製品の粒度のコントロールを行います。
・ピンミル
向かい合った2枚の円板の表面に数十本ないしそれ以上のピンを互いにかみ合うように配置し、片方の円板あるいは両方の円板を高速で回転させて原材料を円板中心に供給し、遠心力で円周方向に移動する間にピンによる衝撃力とせん断力によって粉砕を行います。おからや海老、かつお節、乾燥野菜、きなこ、 グラニュー糖、クロレラ、コーン、スパイス、コーンスターチ、ゼラチン、大豆、フリーズドライ食品、食塩、海藻、魚の骨、米、砂糖、澱粉、小麦粉、乾燥果実などさまざまな食品を粉砕します。
・ビーズミル
容器の中にビーズを充填し、撹拌部位を回転させて、原材料をビーズの衝突、せん断力で粉砕し、原材料の舌触りを滑らかにします。
スパイスの香りや風味を損なうことなく粉砕するために、冷媒となる液体窒素を粉砕機中へ直接噴射し、原材料と装置を冷やす方法を低温粉砕、もしくは凍結粉砕といいます。さらに長い滞留時間やより低い温度が求められる場合は、装置への投入前にあらかじめ原材料を予冷することもあります。
食品メーカーの工場では、用途に応じてさまざまな粉砕機を使用します。数百o以上の食品の原材料を数十o程度まで粉砕する装置を粗砕機、数十oを数oから数百μm程度に粉砕する装置を中砕機といい、粉砕機は数十o以下の食品の原材料を数百μm以下にまで粉砕する装置で、数μmまで微細化することを目的とする装置を微粉砕機、数μm以下の微粉の生成を目的とする装置を超微粉砕機といいます。
粗砕機はコーンクラッシャーやハンマークラッシャー、中砕機はロールクラッシャー、カッターミル、微粉砕機はローラーミルやジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、超微粉砕機はビーズミルなどがあり、スパイスをはじめ、乾燥野菜やかつお節などの魚介類の乾燥品、穀類などを目的に応じて粉砕します。
また、香りや風味を保持するため、冷媒となる液体窒素を粉砕機中へ直接噴射し、原材料と装置を冷やす方法を低温粉砕、あるいは凍結粉砕といい、主にスパイスの粉砕に用います。
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10194891
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。