2019年09月14日
アイスマン
アイスマン ヴィムホフ 超人なのか変人なのか。
パンツ一枚でエベレストに登頂した男
明治のヨーグルトのCMにも出ていたので知ってる人も多いのかもしれないが、私の周りでは誰も知らなかったヴィムホフさんというオランダ人。
超人的な耐寒能力を持ちさまざまな記録に挑戦していくつかのギネス記録を持っている。
登頂は成功しなかったが、ショーツとサンダルでエベレストに途中まで登っていたり、北極海の氷の下で泳いだり、ほぼ裸でキリマンジャロ登頂を成功させたしている。
独自の呼吸法とトレーニングメソッドを提唱して自身がサンプルとなり人間の能力の限界を押し広げて見せた。
その挑戦と記録から様々なアスリートが彼のメソッドを学ぶため、セミナーを受けている。
最初は半信半疑だった人々も信じざる得ない記録の数々に彼のメソッドの効果を認めざる得ないようだ。
「サバイバルボディー」の著者スコットカーニーもその一人だ。
最初はヴィムホフのインチキの化けの皮をはがそうとセミナーに参加するが、彼のメソッドを自身の体で試すうちに彼も超人化していきとうとう過酷な耐寒サバイバルレースにも出場してしまう。
ルポライターだけあってセミナーを受ける前に入念な運動能力と生理機能のチェックを受けて数値を提示しているが、セミナーを受けトレーニングを繰り返したあと同じチェックを受けると、運動能力、生理機能ともに顕著な上昇がみられたとなっている。
秘密は褐色脂肪
人類がもともと持っていたが、文明により、退化させてしまった能力に関係があるのが褐色脂肪細胞と言われている。
体全体でもティースプーン一杯分ぐらいしかない褐色脂肪細胞を活性化させると超人的な耐寒能力が発現するという。
寒さに極端に強くなり運動能力が向上し、氷河期を生き抜いた人類が持っていた能力を再装備できるのだ。
人類がもともと持っていた能力
「サバイバルボディー」によると人類はもともと寒さに耐える能力は現代人とは比較にならないほど高かったとしてアメリカ先住民の話を紹介している。「氷点下の野外でも、彼らはほとんど裸にマント一枚はおっただけで平気な顔をして歩き回っている。子供たちは皆裸で遊んでいる。」と紹介している。
耐寒能力が高かったからなのか、気候が温暖だったからなのかは分からないが、古代の壺絵やレリーフ、絵画は半裸が多い。
裸で戦う兵士やゴリアテを倒したダビデも半裸だ。
毛皮を失い毛皮を求める矛盾
しかし、疑問も残る。ヴィムホフと彼のメソッドについてというより、人類の進化の過程がよくわからなくなる。もともと持っていた毛皮を捨ててるのに、防寒のためにまた毛皮をまとうという一見無駄にみえる進化を行っているような感じだ。全身で発汗して体温を下げる能力と極寒にも耐える能力を同時に獲得するために毛皮を捨てたのだろうか。地球規模で繁栄するために?
遺伝子が、そこまで考えてとは思わないが、行き当たりばったりの進化にしては入念なデザイン過ぎる。
科学的にも証明された非科学的な能力
そして、ヴィムホフメソッドは免疫系も強化してるることが科学的実験で確かめられている。
オランダの大学病院で大腸菌由来の人体に無害だが、インフルエンザそっくりの症状を起こすウイルスを注射し経過を観察するという実験に参加している。彼はウイルスに打ち勝ち症状を抑え込んでしまった。
こんなことありえるのだろうか。
そして私も海へ
さて、裸足で走っていた私はだんだん我慢できなくなり真冬の海へ入ることを決意した。
この本を読んだのが、12月の真冬で決意したのが1月と時期的にはちょうどよかった。
それでも最初はなかなか決心できず、風呂場で冷水のシャワーを浴びて寒さに震えあがったりしていた。
いきなり海に入るのは勇気がいるので3キロ走ってから体があったまった状態で真冬の海に入ってみた。
予想はしていたが、外気より暖かく気持ちがいい。5分から始めて2月の終わりには10分ぐらいはつかっていられるようになった。帰宅して浴びる冷水のシャワーの方が冷たい。
冷え切った状態で湯船につかると足先から数千の針で刺されるような痛痒感に見舞われる。
本の中では「生理機能のボディビルだと思って耐えるんだ」と表現されていた痛みを追体験。
今年の冬は「サバイバルボディー」の影響で寒中水泳と冷水シャワーで過ごしたが、数値化した運動テストを行っていないので効果は不明。ただ、一度も風邪をひいたり体調が悪くなったりはなかった。
残念なのは、少し体が慣れてきたかなとというところで季節が変わって夏になり、冷水シャワーのただの気持ちいい水浴びになってしまったこと。
毎日アイスバス作るのは不可能だし、関東に住んでいるので一年中このトレーニングを行えないのが少しもったいないが、また今年の冬も海に入るつもりだ。「よかったら、一緒にどっスか?」と友達を誘うが激しく拒否されてしまった。
【(カテゴリなし)の最新記事】
投稿者:ハイキック|08:59
この記事へのコメント