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永遠のボディビルダー

永遠のボディビルダーマッスル北村

39歳で夭折した北村克己というボディビルダーがいた。あまりにも桁外れ規格外の生き方と筋肉で多くの人の記憶に焼き付いている。初めて知ったのはアイアンマンというボディビル雑誌の連載だった。

「私の履歴書」という連載で自身のボディビルダーとしての半生を綴った読み応えのあるとても面白い連載で毎回楽しみにしていた。ボディビルダーと言う人種はこんな風に考えてこんな風にトレーニングに打ちこむのか、という驚きで読んでいた。書いてることがすごくて精神集中によってどんな環境でも最高のトレーニングが出来るのがトレーニングのプロなのでプロとして活動しだしてからはジムの環境に左右されることは無くなった。とか精神で肉体を彫刻する作業とか、パワーの制御が出来ないぐらい集中してしまってノーチラス社のトレーニングマシーンのバーをへし折ってしまった話とか。全く盛って書いてるとは思えない普通の語り口で、おそろしい話が、ポロポロ出てくる。

何が彼をそうさせるのか

狂気じみたストイシズムで己を鍛え抜き、自身の肉代からダイヤモンドのような筋肉を削りだす作業をひたすら行った挙句、亡くなってしまった。死因は大会に向けての減量中の急激な低血糖状態による急性心不全だという。ある意味餓死だ。

行き過ぎた情熱や無知の行った行為ではない証拠に、彼は東京大学、東京医科歯科大合格の秀才だ。
参考書代よりプロテイン代を優先したとは書いていたが。

自身の立てたトレーニングメニューと理論は化学的裏打ちのある厳密なものだったのだろう。
何度か減量中の低血糖で倒れて治療を受けて点滴されると、その点滴されたブドウ糖の数値を医者に問いただしたりしていたそうだから。

しかし、その専門性と職業的に高度な知識は少しの狂いで死に見舞われるほどの危険性と隣りあわせだったということなのだろうか。

長く生きていると自分の好きだった武術家や格闘家の死を知る機会が増えてくる。毎回、さびしく悲しい気持ちになるが、マッスル北村の死を知ったときもとても信じられなく、長く引きずる悲しい思いをした。

ニコニコやユーチューブに動画が残っている。
好きなのはボディビルダーの食事という動画、オフシーズンに体重を増やすためパンツ1枚で食べまくる北村氏を見ることが出来る。見るだけでおなかいっぱいになる食事シーンが楽しい。

あとはトレーニング風景 いったい何キロあるのかというレックプレスマシンを扱う北村氏。
1回ごとに音が響くが、トレーニングマシンから出る音じゃなくて巨大なプレス機とか工業機械が立てるような音だ。なにか、脳内物質が出てるのではと思うような表情でトレーニングをこなしていく。

自分のトレーニングのやる気が起きないときに北村氏の動画を見ると「お前のゴミ屑みたいなウェイトでなに言ってんだ」と自分に気合が入っていた。

買っとけば良かった、ボクの履歴書
そんな好きなボディビルダーの一人マッスル北村の「ボクの履歴書」ずっと書籍として刊行されるのをまっていた。アイアンマンも毎回買っていたわけではなくて、読みたい記事とか、空手選手のトレーニング特集とかがあったときに買っていただけなので連載を全部読めてない。

その後、書籍では無く、アイアンマン増刊号として2001年に出版されてて、知らずに買い逃してしまった。この増刊号はずーと探しているのだが、ほぼ手に入らない希少本であることを確信した。うそだと思うならアマゾンの「ボクの履歴書」を見てみて欲しい。定価1500円だった雑誌が64800円になっている。

恐るべしマッスル北村 

この記事へのコメント

   
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プロフィール

ハイキック
ほんとは出来ないハイキック。 股関節を痛めてしまって。 でも、まだまだ鍛えることはあきらめていません。 

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