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2015年05月16日

★運命に「正解」はない!★



ある日、私のところへたずねてきた初老の男性が

「いや、あのとき、アメリカへ渡っていれば
 私もビバリーヒルズにプールつきの家が
 持てたかもしれないと思うと、本当に残念だ
 と思いますよ。」

と、話してくれました。

彼の物語は以下のようなことなのです。

今から30数年前、日本から引き上げる米兵について
アメリカに渡った知人から手紙が来た。

「こちらでなんとか仕事に成功したから、君と君の
 友人のAとでアメリカへ来ないか」と・・


そのころ、彼は、別にこれという重要な仕事に就いて
いたわけでもなかったし、独身だったからアメリカへ
渡ることも、さほど難しくはなかったらしい。

友達のAも同じ状況だったから、どうしようかと
2人は酒ビンを前にして相談をした。

Aは自分の会社で上司とうまくいっていないことも
あって、アメリカへ行くことに心が傾いた。

しかし、彼はなんとなく見知らぬ国へ行くことに
対して不安があったし、Aと同様、英語が話せない
こともあって、アメリカへ渡ることを断念した。

彼とAは、横浜埠頭で、手を握って別れたのです。

それから、

アメリカへ渡ったAから、二度ほどアメリカへ
来ないかという誘いがあった。

自分たちを呼んでくれた先発隊の知人は
とてもよくしてくれるし、言葉も努力次第で
どうにかなった。

今では学校時代、おまえより頭の悪かった俺が
アメリカ人と話をしているんだ。
仕事も大変だけど順調だから、早くこっちへ
こいよ!

Aからの手紙は友情にあふれるものだった。

でも、やっぱり、彼はアメリカへ渡ることを
せずにいた。

やがて、Aからの誘いも来なくなり、
30数年の月日が流れていった・・



そして、今ではAはロスで食料品の問屋として
大成功し、文字通りプールつきの家に住んで
いる。

日本に残った彼は、中小不動産会社の課長として
定年を迎えることになっている。


「あのとき、アメリカへわたっていれば・・」

彼の口から、こんな言葉がこぼれるのも
わからなくはないですね。

運命は皮肉なものです・・

では!

彼を30数年前の横浜埠頭の場面へ
タイムトラベルしてあげましょう!





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