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posted by fanblog

2016年07月19日

「介護の達人」になるために必要なこととは

介護の達人のマネをする必要はない

介護の現場で仕事をされている方はよくご存知だと思いますが、認知症の方への介護士さんの関わり方・声掛けの場面の中には、独自の関わり方をしている場面というものがあります。


それは関わる介護士さんの元々の性格が色濃く影響している場合や、これまでの様々な認知症の方への介護の経験からあえて、「一般的な介護士には真似できないような関わり方」をしている場合などです。


一言で「声掛けの仕方」といっても、それを行う介護士さんにとっては向き不向きのあるテクニックもかなり多く存在しているのが介護の現場です。

決してマニュアルや教科書通りの関わり方ではなくとも、介護士さん自身の性格を活かしつつ、認知症の方の性格や状態などに合わせた声掛けのほうが、場合によっては「良い声掛け・良い関わり方」になることもあります。



「あの介護士さんが関わったときは、だいたい落ち着いてケアをさせてくれることが多いなぁ」


「あの介護士さんが関わると、興奮していた方も笑顔にさせてくれるよね」




と、ケアのやり方を見ていて、そんな風に思ったことはありませんか?


そしてそれはちょっと自分にはできないような、「その介護士さん独自の関わり方」ではありませんでしたか?


もちろんそのようなやり方をマネして、自分なりに工夫してもいいと思います。しかしそのような場合、「あまり上手くいかない、無理をしているから長続きしない」ということのほうがむしろ多いようです。


それはその介護士さんだからこそできることであって、性格や経験の違いもありますし、相手に呼吸を合わせたようなケアを行える介護士さんというのはまさに「達人レベル」の介護士です。


達人にはそうそうなれるものではありませんので、尊敬はしてもマネをするのはやめたほうがいいでしょう。


それよりも、もっと自分に合ったものを成長させることのほうが大切です。





達人の素質は、自分にもあると心得よう

では先ほどのような達人レベルの介護士さんになるにはどうすればいいのでしょうか?


性格や介護経験の違いによって、関わり方や声かけの仕方にもその介護士さん独自の関わり方が生まれることがあるということは、つまり自分にも「何かに特化した介護の達人になる素質」はあるということです。



たとえば、レクなどで場の雰囲気を盛り上げるのが得意な介護士さんもいれば、興奮状態の方の話を聞いて安心させるのが上手な介護士さんもいるように、それぞれに得手不得手な部分があるのが普通です。


苦手な分野を克服するための自己学習や教育などももちろん必要ではあるのですが、それよりも今自分の持っている「強み」をさらに伸ばして、それを現場でのケアに活かしていくほうが絶対に楽しいはずですし、その強みを伸ばして成長させていくことが、介護の達人への道だと私は考えています。


リーダーをはじめとする上司の方は、そのような伸び伸びと成長ができる環境で仕事ができる介護士さんであってほしいという考えのもとで、「新たな介護の達人」を作るための努力をしてほしいと思います。


と同時に、現場の介護士さんは自分の「強み」とは何かを、ここでもう一度考えてみましょう。



自分の「強み」とはなんなのか?

あなたの「強み」はなんですか?


自分の得意なことや、強く興味を持っていることが何かひとつは必ずあるはずです。


介護の達人とはいわば「何かに特化した介護士」です。


・認知症の方への関わり方・接し方が特化して上手な介護士。

・レクの盛り上げや進行が特化して上手な介護士。

・外出援助を特化して任せられる介護士。

・パソコンや書類関連に特化して強い介護士。

・入居者や家族から特化して信頼の厚い介護士。

・オムツ交換が特化して上手な介護士。



など、他の介護士に比べて群を抜いたスキルを持った介護士を「特化型の介護士」とここではそう呼ぶこととします。


もちろん他のことができないわけでも、やらないわけでもありません。苦手なこともありますが、特化型の介護士と呼ばれる人は、あるひとつのことに関しては抜群の仕事をします。


上述した介護士さんの話も、自分の性格や介護経験という「強み」を活かして、「独自の関わりで認知症の方を安心させることができる」という「特化型の介護士」です。


実はこれにはモデルとなる介護士さんがいて、その方はオムツ交換はあまり上手ではないですし、パソコンや書類を書くのも苦手です。その点は他の介護士さんがカバーする部分も多いようです。


ですが、認知症の方への対応に関してだけは、どの介護士さんよりも遥かに良いケアをされています。この方がいる日とそうでない日では、明らかに認知症の方の落ち着き方に違いがあるというのがわかるレベルです。


自分の「強み」を活かして仕事をするというのが、入居者にも、そして周りの介護士さんにも良い影響を与えるということがお分かりいただけかと思います。


改めてお尋ねします。



あなたの「強み」はなんですか?



自分の「強み」を活かして、それをケアにつなげるようにすることができればと思います。


もちろん直接的なケアでなくとも、補助的なサポートとして活かせる「強み」でもいいので、なにかひとつ、自分の「強み」というものを探してみてほしいと思います。




自分の「強み」が、後々の自分のキャリアアップ・キャリアパスにつながる可能性があります。

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介護福祉士、社会福祉士、ケアマネージャー、看護師の資格を持っています。現在はとある施設で職員教育の役職に就き、それを主な職務にしつつ、大好きな現場にもちょくちょく足を運んで、業務も手伝っています。日々、介護に対してのカンが鈍らないよう勉強中です。
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