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2016年05月28日

「木綿のハンカチーフ」とロマンチスト

 今朝の新聞(土曜版)に、歌手の太田裕美(おおたひろみ)さんの記事が掲載されていました。太田裕美さんも、61歳になられたそうですが、ステージで歌う新聞の写真(2016年2月)を見ると当時のままの笑顔でした。

太田裕美さんの代表曲は、何といっても「木綿のハンカチーフ」です。この歌は、田舎(いなか)で待っている素朴な彼女が、都会に出て変わっていく彼氏への思いをつづった、ちょっと悲しい遠距離恋愛の物語です。

この歌は、明るくて素直で伸びやかで、太田裕美さんを、そのまま現しているような歌でした。「木綿のハンカチーフ」という曲名も、どこかノスタルジーの響きを感じさせるもので、この言葉を聞いただけで若い頃を思い出してしまいます。

学生時代に、太田裕美さんの大のファンだった友人がいます。彼は北海道の出身で、真面目で目立たない寡黙(かもく)な若者でしたが、彼女のファンであることは隠そうともしないで、繰り返し歌を聴いていました。

今、思い出すと彼は、照れ屋でロマンチストでした。

太田裕美さんは、歌手でしたから普通の人に比べると派手な世界の人でしたが、そんなことは全く感じさせない人で、身近に感じさせる女性でした。

あまりに明るい人は、眩(まぶ)しくて近寄りがたくなりますが、彼女の明るさには、どこかナイーブで、助けてあげたいと思わせるようなところもありました。

そうです、彼女はロマンチストの男性の心をわしづかみにしてしまったのです。

そもそも、世の中の男性の大部分はロマンチストと言っても良いと思います。これは女性が男性をロマンチストと感じている以上だと思っても間違いないと思います。

但し、ロマンチスト人間は積極的に、自分をロマンチストですという人は少ないと思います。

口には出しませんが、ロマンチストの心の中は篤(あつ)い情熱であふれています

太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」は、40年前の、ひ弱で自信が無いのに生意気だった自分を思い出させてくれました。

とりとめのない思いを書きつづりましたが、これからもロマンチスト人間であることは、ひたすら隠して、胸に秘めた想いを追い求める夢追い人であり続けたいと思います。
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