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プロフィール

はぴせ
元会社員の後期高齡者。自称平均的な日本人。札幌市出身、東京都在住。「心と体の健康維持・増進」を願い、求める極意は「自然体」で「頑張りすぎない程度に頑張って」日々を暮らすこと。
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2015年06月28日
A452・自分の被介護を考える〜子・孫に過大な負担をかけないために(4)
(目次)
(前回まで)
1、自分の被介護を考える
2、「寝たきり老人」〜欧米ではあまり見られない?
3、終末期医療〜本人の意思 

(今回)
4、「延命医療無用」の意思表示

年を取り、衰えていくのは自然の摂理です。
「子に面倒を見てもらう」という考えもありましょうが、
私は、体が動く間は孫・子への応援を心がけ、気持ちに張りをもって行きたいと思っています。「面倒を見てもらう」的な受け身の生き方は望みません。

本題は、自分が介護される様になった時のことをテーマにしているので、「終末期」とか「その時のための本人の意志」とかに言及しますが、どうも自分のその時の姿に実感が伴いません。(もともとこの手の話題には違和感があって、活字を目にしても、黙殺する傾向がありました)

親の介護体験、同じような体験をした人の話は実感を覚えるのですが、自分のことになると、理屈通りには行きません。人間と言うのは案外こんなものかもしれない!などと思いながら話を進めます。

(4-1)「終末医療はせぬように」と意思表示する

「”安らかに命を終えるために”
”どのように生きて、どのように死んで行くか、真剣に考える時に来ている”
このブログには、反響が多くてびっくりしました。
一般の人だけではなく、医師や看護師等も書いてくれ、若い人も関心を寄せて書いてくれて大変参考になりました。
体験に基づいたコメントなので、とても説得力がありました。


この問題には高齢者だけでなく、様々な年代、立場の人が関心を寄せていること知り、意外な気がしています。
それに反して、傘寿を迎えようとしている自分が、自分のこととしては実感を伴って考えていないことに反省させられます。
「終末医療はせぬように」と言うことぐらいは最低限しておかなければいけないと、己に語りかけます。

(4-2) 「事前指示書」「エンディングノート」

「意思表示できなくなった時に医療処置の希望を書く”事前指示書”や、
残された人に伝えたいことをまとめる「エンディングノート」を書いている人は一部です。
制度化、法制化しようという動きは、反対意見もあって、日本では実現していないです。
・・・”事前指示書”といっても、いきなりは書けないと思います。最近ようやく話し合っている家族が多くなってきたと感じますが、書き残している人は、確かに少ないです。
・・・
エンディングノートや事前指示書を書いたとしても医療現場ではなかなか相手にされないというのも事実です。
・・・
書きたくないということもあるようです。刻々と医療技術も、薬も進歩するのに、書き残した意思で医療を決められてしまう恐ろしさがあるのではないでしょうか。・・・


(4-3)尊厳死に関する法制化

最近、脳腫瘍を病み、苦痛を長引かせたくないと、自ら死を選んだ米国のブリタニーさんの報道がありましたけれど、欧米の尊厳死法案は、積極的に死を早める安楽死法です。医師による自殺ほう助です。
日本で検討中の法案は、死を免れない患者に本人が望むなら延命処置をしない、または延命処置を中止しても医師が責任を問われないという内容です。

要するに、欧米では当たり前のことを、日本で法制化しようとしています。そこに大きな違いがあります。
私が危惧するのは、もし、日本で法律が出来たら、事前に尊厳死を望むことを書面で残していない患者は、逆に延命処置をしなければならなくなる可能性です。尊厳死ができなくなります。
だから、尊厳死に関する法律を作るより、終末期の高齢者の延命処置は倫理的でないという社会通念を作る方がいいと思います。自分の親が悲惨な状況で死ぬのを見たら、将来、自分は延命処置なんていやだという人ばかりになる。あと20年もすれば自然とそうなる。ただそこまで待てないから、こうやって本などで訴えるわけです」


欧米では、積極的に死を早める安楽死法があり、医師による自殺ほう助との由。日本で検討中の法案は、死を免れない患者に本人が望むなら延命処置をしない、または延命処置を中止しても医師が責任を問われないという内容だそうです。
裏を返せば、事前に尊厳死を望むことを書面で残していない患者は、延命処置をしなければならなくなる可能性があると解説されています。
何のための、誰のための法制化なのか?疑わしくなってきます。

法制化ではなく、”延命措置はいやだ”という考えが普遍化することが好ましいのでしょうが、実際にはなかなか進まないように思われます。
どの様に進めたらよいか?

「啓発は大事ですね。特に新聞やテレビの力は大きい。それがあったから、ここまで変わってきたと思うのです。

医師教育も必要ですね。日本の大学では終末期医療を教えることはほとんどないです。アメリカでは、内科学の世界的なスタンダードであるハリソンの内科学の教科書の第1章に、終末期医療について詳細に記載されています。終末期は緩和医療を行うべきとはっきり書いてあります。教科書からして違います。医学教育も変えていかないと、医師の意識改革は難しいかもしれないですね。

アメリカは、終末期医療を重視しています。
日本は軽視し過ぎています。日本の医療では、穏やかに死を迎えることの大切さが認識されていません。


(4-4) 終末医療・延命措置全般

「枯れるように死んでいくのは、本来の自然な姿。それを良しとする風潮を、みんなが持って欲しい。もちろん医療制度の問題もありますけれども。
政府は在宅の看取りばかり言っていますけれども、無理な延命処置をしなければ、今の病床数でも十分間に合うんです」

「自宅や施設だけで看取るのは無理です。看護師がいない施設も多いので、介護の人に看取りなさいというのは酷です。(注;終末医療では医師・看護師・介護ヘルパーがチームを組みます)
自宅で死んでいけることは幸せですが、みんなは無理だと思います。自宅で死ぬ人、施設で死ぬ人、病院で死ぬ人があっていいと思いますが、どこで死んでも安らかに死ねることが大切と思います」

「病院というと、病気を治すところと思われるけれども、いい死に方を提供するのも病院の役割です」

「私が現在勤務している認知症治療病棟の看護師が、”今まで、内科病棟で通常量の点滴をして亡くなった患者さんは皆苦しそうだったけれど、ここの病棟で食べるだけ飲めるだけで点滴を行わなかった患者さんは、どの人も・・穏やかになくなっていった。こんな穏やかな死は見たことがない”と言っていました。
別の看護師は、”若い頃は、病院は医療処置をするところだと思っていた。しかし今は、何もしないで穏やかに看取って上げるのも私たちの仕事だと思えるようになった”と言っています」


(4-5) 緩和医療

この様な話を聞いたとき、私たち一般市民が注意すべきは、「終末期には、すべての医療処置が悪いと短絡的に思わない」ことだろうと思います。必要な医療までをも拒否する愚に陥らないことが肝要なはずです。

「医療側も、無駄な延命治療をやめるという考え方を利用して、必要な医療を怠ることがあってはいけないですね。(これでは医師と患者の信頼関係が壊れてしまいます)
何もしないということではないです。必要な緩和医療はどんどんやるということを強調したいです」

とドクターは強調しています。

「早々とあきらめる”みなし終末期”があってはならない」
とドクターは強調します。

本当に終末期か正しく判断する責任が医師にはあります。そして、本当に終末期であるならば、無駄な医療はしない代わりに、緩和医療を積極的にやりましょうということです」

 「胃ろうは悪いが、鼻チューブは悪くないと誤解している人がいます。その誤解から、胃ろうが減り、鼻チューブや中心静脈栄養が増えるということが起きています。しかし、鼻チューブはもっと苦しいものです。問題は、経管栄養や点滴で無理に生かされている、という点なのです」

「なんでも極論に走ってはいけないと思います。がんでも、一切の治療を拒否するというのは極端な話。治る患者もたくさんいるのですから。
胃ろうは栄養を送る良い手段です。それをどのように使うかが問題なのです。胃ろうを作る対象が広がりすぎているのが問題なのです」


(4-6) まとめ

「こうして日頃から死ぬ時のことを考えていると、1日1日が大切に思えてきます。どのように生きて、どのように死んで行くか、一人一人が真剣に考える時に来ていると思います」

ドクター夫妻の長いブログはこの一文で締めくくられています。

前述の如く、自分が介護される状態になった時、子や孫に過大の負担をかけないように、この先どの様に心がけ、どの様なことをしておく必要があるのか?

あれこれ考えはしますが、おいそれと収斂することでもなく、思い迷っているときにこのドクター夫妻のブログに出合いました。

自分の体験したこと、同じ問題を抱える人との交流で得た知見で、自分なりの「介護かくあるべし」論を持っていた積りでしたが、その外堀を埋めるように、視野が拡大された思いでいます。

ドクター夫妻のブログから多くの箇所で文章を紹介させていただきました。
全て「斜字体」で表示して、私の記事との混同がない様にしたつもりです。

今後も指導書として読ませていただきながら、自分の問題を考えていこうと思っています。

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2-2、「運動」
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2-3、「食習慣・食生活」
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3、「心・頭脳の健康」
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