2012年03月03日
A031 糖尿病との上手なお付き合い（２）
＜前回＞
１、一生のお付き合い
２、糖尿病予備軍時代のお付き合い
＜今回目次＞
３、糖尿病正規軍入隊とその後のお付き合い
４、人間には「知恵」があります
５、それでもA1cが上昇して１２％を超えてきた
３、糖尿病正規軍入隊とその後のお付き合い
数年の予備軍時代を経て正規軍に入隊してしまいました。
退職の数年前に「糖尿病」と診断され、即入院の羽目になりました。１カ月弱の入院を含めて3カ月程でA1cが12,8%から7,8%まで下がったので、この調子で行けばよいと気楽に思っていたところに「心の隙」がありました。
糖尿病について、自分の問題としての理解が出来ていませんでした。
@「予備軍」時代にキチット対応できるチャンスがあったのを逃がし、続いて
A２度目のチャンスを逃がす結果となったのです。
後になってみて分かったことですが、自宅療養では個人で幾ら努力したつもりでも、殊に数年以上もA1cが8％~10％以上を行ったり来たりした人は、同じ治療法で11%以上のA1cを７％台に下げることなど先ず不可能と言っても良いくらいに困難なことと思った方が良さそうです。
ところが、入院した結果3か月程の短期間で下がったので「こんなものだ」と思ってしまったのです。案の定、以後暫くして8％~9％~10%以上を行き来するようになってしまいました。そうしながら数年以上が経過しました。
決していい加減な暮らしをしていた訳ではありません。「人並み以上に工夫をし、努力をしてきた」と、自分では思っていたのですが、結果は「ＮＯ！」でした。
４、人間には「知恵」があります
重い荷物を背負って長い坂道を、自分の人生を進んで行かねばなりません。
誰かに代わって貰うことは出来ません。
外科手術で直るものでもありません。
糖尿病にはこんな金縛りにあうようないやらしさのあることを身をもって知りました。
だからと言って思いつめすぎると暗い気持ちになってしまい「百害あって一利なし」です。
折角の人生です。重い荷物を背負っていても明るく楽しんでいきたいものです。
人間には「知恵」があります。
私も私なりに考えて、工夫してやってきました。
結論から申しますと「糖尿病だけを見詰めないで、注意を他のことに向ける」
ということでした。
・幾ら合併症を怖がってばかりいても、気がめい入るばかりです。
・カロリーコントロルを徹底しようと終日節食と向き合っていようとしてもストレスが溜まるばかりです。第一長続きしません。
趣味とか、目標のはっきりした事に取り組むと間食・夜食への欲求がお留守になりとても効果的です。
５、それでもA1cが上昇して１２％を超えてきた
この様な人並み以上の工夫をし努力をして（と、自分では思って）結果を期待していたのですが、逆にA1cが１２％以上に急上昇する結果となりました。
数年〜１０年近くも血糖値が高い状態で過ごしていると＜食事、運動、経口薬＞の方程式では対応できなくなるケースがあるようです。真面目にカロリーコントロールを続けるほど、体を痛めることになってしまうようで、私の場合がそうでした。
私は更に念の入った話で、インスリンには強い抵抗感（誤解）を持っていた為に、頑なに回避して、１年半程有害無益の時を過ごしてしまったという失敗もありました。
検査値が急激に悪化し、さすがに危機感を強くしてセカンドオピニオンを求めた結果、納得のいく説明をいただき、誤解も解消されて、インスリン治療を始めました。そうして1年ほどでA1cが12%台から７%そこそこの水準まで下がってきました。
低く垂れ込めていた雲間から陽の光が差し込んできた思いです。この時の感動は一生忘れないものと思っています。
此処で油断しないように気を引き締めることが出来ました。過去の度々の失敗を繰り返さぬように、失敗体験を生かし「同じ轍を踏まないように」と、自分に言い聞かせています。
「インスリンを打てば血糖値は下がる」などというような生易しいことではないと実感しています。
「自分なりのあらゆるノウハウを駆使して、懸命に努力して、１年半かけて、やっと此処まで来れた」と思っています。私が対面している年季の入った筋金入りの糖尿病はこの様に頑固な難物なのだと自覚しています。（続く）
１、一生のお付き合い
２、糖尿病予備軍時代のお付き合い
＜今回目次＞
３、糖尿病正規軍入隊とその後のお付き合い
４、人間には「知恵」があります
５、それでもA1cが上昇して１２％を超えてきた
３、糖尿病正規軍入隊とその後のお付き合い
数年の予備軍時代を経て正規軍に入隊してしまいました。
退職の数年前に「糖尿病」と診断され、即入院の羽目になりました。１カ月弱の入院を含めて3カ月程でA1cが12,8%から7,8%まで下がったので、この調子で行けばよいと気楽に思っていたところに「心の隙」がありました。
糖尿病について、自分の問題としての理解が出来ていませんでした。
@「予備軍」時代にキチット対応できるチャンスがあったのを逃がし、続いて
A２度目のチャンスを逃がす結果となったのです。
後になってみて分かったことですが、自宅療養では個人で幾ら努力したつもりでも、殊に数年以上もA1cが8％~10％以上を行ったり来たりした人は、同じ治療法で11%以上のA1cを７％台に下げることなど先ず不可能と言っても良いくらいに困難なことと思った方が良さそうです。
ところが、入院した結果3か月程の短期間で下がったので「こんなものだ」と思ってしまったのです。案の定、以後暫くして8％~9％~10%以上を行き来するようになってしまいました。そうしながら数年以上が経過しました。
決していい加減な暮らしをしていた訳ではありません。「人並み以上に工夫をし、努力をしてきた」と、自分では思っていたのですが、結果は「ＮＯ！」でした。
４、人間には「知恵」があります
重い荷物を背負って長い坂道を、自分の人生を進んで行かねばなりません。
誰かに代わって貰うことは出来ません。
外科手術で直るものでもありません。
糖尿病にはこんな金縛りにあうようないやらしさのあることを身をもって知りました。
だからと言って思いつめすぎると暗い気持ちになってしまい「百害あって一利なし」です。
折角の人生です。重い荷物を背負っていても明るく楽しんでいきたいものです。
人間には「知恵」があります。
私も私なりに考えて、工夫してやってきました。
結論から申しますと「糖尿病だけを見詰めないで、注意を他のことに向ける」
ということでした。
・幾ら合併症を怖がってばかりいても、気がめい入るばかりです。
・カロリーコントロルを徹底しようと終日節食と向き合っていようとしてもストレスが溜まるばかりです。第一長続きしません。
趣味とか、目標のはっきりした事に取り組むと間食・夜食への欲求がお留守になりとても効果的です。
５、それでもA1cが上昇して１２％を超えてきた
この様な人並み以上の工夫をし努力をして（と、自分では思って）結果を期待していたのですが、逆にA1cが１２％以上に急上昇する結果となりました。
数年〜１０年近くも血糖値が高い状態で過ごしていると＜食事、運動、経口薬＞の方程式では対応できなくなるケースがあるようです。真面目にカロリーコントロールを続けるほど、体を痛めることになってしまうようで、私の場合がそうでした。
私は更に念の入った話で、インスリンには強い抵抗感（誤解）を持っていた為に、頑なに回避して、１年半程有害無益の時を過ごしてしまったという失敗もありました。
検査値が急激に悪化し、さすがに危機感を強くしてセカンドオピニオンを求めた結果、納得のいく説明をいただき、誤解も解消されて、インスリン治療を始めました。そうして1年ほどでA1cが12%台から７%そこそこの水準まで下がってきました。
低く垂れ込めていた雲間から陽の光が差し込んできた思いです。この時の感動は一生忘れないものと思っています。
此処で油断しないように気を引き締めることが出来ました。過去の度々の失敗を繰り返さぬように、失敗体験を生かし「同じ轍を踏まないように」と、自分に言い聞かせています。
「インスリンを打てば血糖値は下がる」などというような生易しいことではないと実感しています。
「自分なりのあらゆるノウハウを駆使して、懸命に努力して、１年半かけて、やっと此処まで来れた」と思っています。私が対面している年季の入った筋金入りの糖尿病はこの様に頑固な難物なのだと自覚しています。（続く）
