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2015年04月11日

新米時代

看護師1年目のときに出合った患者さん。

もう余命いくばくもない彼女だけど、まだ小さいお子さんがいた。
でも、いつも明るくって、楽しそうにお子さんの話をしているのが印象的だった。
つらい治療の毎日だったと思うけど、新米看護師の下手な点滴にもいやな顔一つせず
いろんな話をしてくれた。お子さんの幼稚園での出来事とか、七五三の話とか・・・・・。

あるとき「いつも病院にいるから、子供に私の顔忘れられちゃうね」と彼女は呟いた。
なんていっていいか分からずに、うまく切り返せなかったことが今でも悔やまれてる。
でも、いまでもあの時なんていえばよかったかは分からないけど。

しばらくして彼女は逝ってしまったけど、最後に見た彼女の姿はとても綺麗で・・・。
先輩が死に化粧を施したけど、赤い口紅がものすごく似合っていた。
きっと、お子さんはきっとこの美しい母親を忘れないだろうと思った。

病を戦い抜いた美しくって、強い母親を。

今自分もお腹に子供を宿しているけど、彼女みたいに強い母親になりたいと思っている。
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