2015年04月15日
ディズニー接客の秘密
シンデレラ城ミステリーツアーとは、
ディズニーのガイド(キャスト)が、30人ぐらいのお客様(ゲスト)を
連れ歩いて、シンデレラ城の内部を冒険するアトラクションです。
魔法の鏡とか、毒リンゴを持ったおばあちゃんとか、悪い奴が出てきます。
最後には悪の大王が出てくるのですが、それをみんなでやっつけようというものです。
以下は、ディズニー出身のコンサルタントの方が、語っていた話です。
“ ある家族のお母さんから手紙がディズニーに届きました。
「先日、東京ディズニーランドに遊びに行きました。
非常に楽しい思い出を作ることができました。ありがとうございました。
中でも最後に行ったシンデレラ城ミステリーツアーは、私たちにとって本当に
忘れられない思い出になりました。」
そのお母さんは、仮名ですが、タカシ君という5歳の息子さんと、
お父さんと家族三人で参加されたそうです。
実はこのタカシ君は病気を持っていて、生まれてから5歳になるまで、
入退院をずっと繰り返しているようなお子さんだったそうです。
そして、とうとう先生から、余命半年の宣告をされたそうなのです。
それを聞いたお母さんは非常に悩みました。
そして残された時間で彼の望むものを叶えてあげたいと思いました。
「何か欲しい物ある?」「何か食べたいものない?」
ある時、お母さんが「どこか行きたい所ある?」と聞いたそうです。
もちろんお母さんは、そんな体だから行けるなんて思っていなかった。
でも、口から出てしまったのです。
そうしたらタカシ君が「ディズニーランドに行きたい!」と行ったそうです。
きっと行ったことはないけれど、病室のベッドで、テレビや何かでその楽しそうな
その場所を見て知っていたのでしょうね。
お父さん、お母さんは「分かった」と先生にお願いをしに行ったそうです。
最初の頃は、先生からOKは出してもらえなかったそうです。
ですがお父さん、お母さんの気持ちを聞いて、やっと何度目かで、
条件付きで、ディズニーランドに行ってもいいですよと許可をくれたそうです。
いよいよ初めての、そして最後のディズニーへの来園が実現したのです。
お母さんの手紙には
「中でも最後に行ったシンデレラ城ミステリーツアーは、本当に忘れられない
思い出になりました」と書いてありました。
シンデレラ城ミステリーツアーというアトラクションは真っ暗な中を歩いて
いきますから、5歳の男の子にとってはちょっと怖いのです。
ですから途中退室といって、途中で泣いて出て行ってしまうお子さんもいる
ぐらいです。真っ暗な所を歩いていくので、小さなお子さんには怖いんです。
それでもタカシ君はお父さんに抱っこされながら最後までついて行ったそうです。
もちろんその時のガイドも、タカシ君が病気だなんてことは全然分かりません、
その時は知らされていませんでした。写真も入っていて、写真も見たのですが、
見た目には普通の男の子と全然変わらないのです。
シンデレラ城の中を、怖〜いと言いながら、お父さんに抱っこされてついて
行きました。そして最後、クライマックスのシーンで、
「次の部屋に悪の大王がいます。これが最後の決戦です!」
とガイドがナレーションを言うわけです。
「この中に勇気と善意と純粋な心のある人がいて、
その人が伝説の光の剣を持てば、きっと悪はやっつけられるはずです!
どなたか、手伝ってくれませんか?」
とガイドが言うのです。
その時にタカシ君が恥ずかしながらも手を挙げたんだそうです。
それでガイドが
「じゃあ、僕、手伝ってくれる? お名前は?」
「タカシです。」
「OK! じゃあ、もしものことがあったら、みんなタカシ君を応援しましょう!」
と言ってクライマックスのシーンに入っていきました。
セオリーどおり、悪の大王が出てきて、クライマックスで光の剣を持って、
みんなも応援して、タカシ君とガイドが一緒にやっつけるわけです。
そして悪い奴をやっつけた。
次の部屋に行って、悪い奴をやっつけたお礼にということで、
東京ディズニーランドから記念のヒーローメダルというのを差し上げます。
「手伝ってくれたタカシ君、ありがとう!」とヒーローメダルを下げた。
そうしたらそのタカシ君、お母さんの話では、そのヒーローメダルを貰って
すごく喜んでくれたそうなのです。それはもう本当に嬉しそうだったと。
シンデレラ城を出る時も、そしてまたディズニーランドを出た後も、
病院に帰ってからも、タカシ君はそのメダルをずっと首からぶらさげていたそうなのです。
病院に帰ってからも、その病院の先生や看護婦さん、お見舞いに来る人が
いれば、それをずっと見せびらかしていたそうです。
「見て、見て! これね、この間、僕東京ディズニーランドで悪い奴を
やっつけちゃったの! だから病気だってやっつけちゃうぜ!」
と自慢していたそうなのです。そんなふうに喜んでいてくれていた。
ですが、残念ながら半年後、
タカシ君が天国に行ってしまったということなのです。
そのお母さんの手紙の最後に書いてあったのが、
「タカシは5歳ということで他の人に比べたら短い一生だったのかもしれません。
ただ、その短い一生の中でも、東京ディズニーランドに家族3人で遊びに行った
あの思い出は、私たち家族にとっても、多分タカシにとっても一生の思い出に
することができました。本当にありがとうございました。」
そして最後にこう書いてありました。
「これからもたくさんのお客様がいらっしゃると思いますが、
是非またたくさんのお客様の思い出を作ってあげてください。
応援しています。」と。”
ディズニーのガイド(キャスト)が、30人ぐらいのお客様(ゲスト)を
連れ歩いて、シンデレラ城の内部を冒険するアトラクションです。
魔法の鏡とか、毒リンゴを持ったおばあちゃんとか、悪い奴が出てきます。
最後には悪の大王が出てくるのですが、それをみんなでやっつけようというものです。
以下は、ディズニー出身のコンサルタントの方が、語っていた話です。
“ ある家族のお母さんから手紙がディズニーに届きました。
「先日、東京ディズニーランドに遊びに行きました。
非常に楽しい思い出を作ることができました。ありがとうございました。
中でも最後に行ったシンデレラ城ミステリーツアーは、私たちにとって本当に
忘れられない思い出になりました。」
そのお母さんは、仮名ですが、タカシ君という5歳の息子さんと、
お父さんと家族三人で参加されたそうです。
実はこのタカシ君は病気を持っていて、生まれてから5歳になるまで、
入退院をずっと繰り返しているようなお子さんだったそうです。
そして、とうとう先生から、余命半年の宣告をされたそうなのです。
それを聞いたお母さんは非常に悩みました。
そして残された時間で彼の望むものを叶えてあげたいと思いました。
「何か欲しい物ある?」「何か食べたいものない?」
ある時、お母さんが「どこか行きたい所ある?」と聞いたそうです。
もちろんお母さんは、そんな体だから行けるなんて思っていなかった。
でも、口から出てしまったのです。
そうしたらタカシ君が「ディズニーランドに行きたい!」と行ったそうです。
きっと行ったことはないけれど、病室のベッドで、テレビや何かでその楽しそうな
その場所を見て知っていたのでしょうね。
お父さん、お母さんは「分かった」と先生にお願いをしに行ったそうです。
最初の頃は、先生からOKは出してもらえなかったそうです。
ですがお父さん、お母さんの気持ちを聞いて、やっと何度目かで、
条件付きで、ディズニーランドに行ってもいいですよと許可をくれたそうです。
いよいよ初めての、そして最後のディズニーへの来園が実現したのです。
お母さんの手紙には
「中でも最後に行ったシンデレラ城ミステリーツアーは、本当に忘れられない
思い出になりました」と書いてありました。
シンデレラ城ミステリーツアーというアトラクションは真っ暗な中を歩いて
いきますから、5歳の男の子にとってはちょっと怖いのです。
ですから途中退室といって、途中で泣いて出て行ってしまうお子さんもいる
ぐらいです。真っ暗な所を歩いていくので、小さなお子さんには怖いんです。
それでもタカシ君はお父さんに抱っこされながら最後までついて行ったそうです。
もちろんその時のガイドも、タカシ君が病気だなんてことは全然分かりません、
その時は知らされていませんでした。写真も入っていて、写真も見たのですが、
見た目には普通の男の子と全然変わらないのです。
シンデレラ城の中を、怖〜いと言いながら、お父さんに抱っこされてついて
行きました。そして最後、クライマックスのシーンで、
「次の部屋に悪の大王がいます。これが最後の決戦です!」
とガイドがナレーションを言うわけです。
「この中に勇気と善意と純粋な心のある人がいて、
その人が伝説の光の剣を持てば、きっと悪はやっつけられるはずです!
どなたか、手伝ってくれませんか?」
とガイドが言うのです。
その時にタカシ君が恥ずかしながらも手を挙げたんだそうです。
それでガイドが
「じゃあ、僕、手伝ってくれる? お名前は?」
「タカシです。」
「OK! じゃあ、もしものことがあったら、みんなタカシ君を応援しましょう!」
と言ってクライマックスのシーンに入っていきました。
セオリーどおり、悪の大王が出てきて、クライマックスで光の剣を持って、
みんなも応援して、タカシ君とガイドが一緒にやっつけるわけです。
そして悪い奴をやっつけた。
次の部屋に行って、悪い奴をやっつけたお礼にということで、
東京ディズニーランドから記念のヒーローメダルというのを差し上げます。
「手伝ってくれたタカシ君、ありがとう!」とヒーローメダルを下げた。
そうしたらそのタカシ君、お母さんの話では、そのヒーローメダルを貰って
すごく喜んでくれたそうなのです。それはもう本当に嬉しそうだったと。
シンデレラ城を出る時も、そしてまたディズニーランドを出た後も、
病院に帰ってからも、タカシ君はそのメダルをずっと首からぶらさげていたそうなのです。
病院に帰ってからも、その病院の先生や看護婦さん、お見舞いに来る人が
いれば、それをずっと見せびらかしていたそうです。
「見て、見て! これね、この間、僕東京ディズニーランドで悪い奴を
やっつけちゃったの! だから病気だってやっつけちゃうぜ!」
と自慢していたそうなのです。そんなふうに喜んでいてくれていた。
ですが、残念ながら半年後、
タカシ君が天国に行ってしまったということなのです。
そのお母さんの手紙の最後に書いてあったのが、
「タカシは5歳ということで他の人に比べたら短い一生だったのかもしれません。
ただ、その短い一生の中でも、東京ディズニーランドに家族3人で遊びに行った
あの思い出は、私たち家族にとっても、多分タカシにとっても一生の思い出に
することができました。本当にありがとうございました。」
そして最後にこう書いてありました。
「これからもたくさんのお客様がいらっしゃると思いますが、
是非またたくさんのお客様の思い出を作ってあげてください。
応援しています。」と。”
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posted by 暇つぶしに読める話のまとめ at 07:28
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