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2018年08月01日

To make a database of Jingoro Sahashi of Ogai Mori and its deviation 7

◆ Scene 1 To shoot a heron

Table 1

Original sentence/translation
とある広い沼のはるか向うに、鷺が一羽おりていた。銀色に光る水が一筋うねっている側の黒ずんだ土の上に、鷺は綿を一つまみ投げたように見えている。
A heron wades in a large pond. It looks like cotton on the darkish ground where the silver water lightly waves.
A1 B2 C2 D2
ふと小姓の一人が、あれが撃てるだろうかと言い出したが、衆議は所詮打てぬということにきまった。
An apprentice challenged whether one can shoot it, but everyone thought it was impossible.
A1 B1 C2 D1
甚五郎は最初黙って聞いていたが、皆が撃てぬと言い切ったあとで、独り言のように「なに撃てぬにも限らぬ」とつぶやいた。
First Jingoro stood in the silence, but since everyone said it was impossible, he then murmured to himself, ”I could shoot it.”
2 2 1 2
それを蜂谷という小姓が聞き咎めて、「おぬし一人がそう思うなら、撃ってみるがよい」と言った。
A fellow apprentice named Hachiya heard this and said, “if you think you can, try to shoot it.”
A1 B1 C1 D2
「随分撃ってみてもよいが、何か賭けるか」と甚五郎が言うと、蜂谷が「今ここに持っている物をなんでも賭きょう」と言った。
Jingoro said confidently, “I can absolutely shoot it” while Hachiya said, “I bet you anything that I have you can’t.”
A2 B1 C2 D2
「よし、そんなら撃ってみる」と言って、甚五郎は信康の前に出て許しを請うた。
Jingoro said, “I can shoot it.” and he approached Nobuyasu for permission.
A2 B1 C2 D2
信康は興ある事と思って、足軽に持たせていた鉄砲を取り寄せて甚五郎に渡した。
Nobuyasu was interested and retrieved a gun for solders and handed it to Jingoro.
A1 B1 C2 D2
「あたるもあたらぬも運じゃ。はずれたら笑うまいぞ」甚五郎はこう言っておいて、少しもためらわずに撃ち放した。
Jingoro said, “whether I can hit it or not depends on luck.” and did it without hesitation.
A2 B1 C2 D1
上下こぞって息をつめて見ていた鷺は、羽を広げて飛び立ちそうに見えたが、そのまま黒ずんだ土の上に、綿一つまみほどの白い形をして残った。
The people stared intently at the heron which seemed like it was going to fly off, but it remained as a white shape like cotton against the dark ground.
A1 B1 C2 D1
信康を始めとして、一同覚えず声をあげてほめた。田舟を借りて鷺を取りに行く足軽をあとに残して、一同は館へ帰った。
After hitting the heron, everyone cheered including Nobuyasu . The party remained while the foot soldier borrowed a boat and retrieved the heron, and they returned home together.
A1 B1 C2 D1

花村嘉英(2017)「日本語教育のためのプログラム」より英訳 translated by Yoshihisa Hanamura
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花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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