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2021年03月23日

4月から6月に残業多いと・・・

「春に残業すると、社会保険料が高くなる」

という話を聞いたことがある人も多いでしょう。

一体なぜなのでしょうか?

社会保険料の決まり方のルールや、社会保険料が

本当に安くなるのか、また、保険料が下がった

場合どのようなことが起こるのかについて

今日は書きます。

そもそも、給料から毎月引かれている

「健康保険料」
「厚生年金保険料」

は、一体どのように決められている

のでしょうか。

健康保険料や厚生年金保険料は、簡単に言うと

給与の額に決まった保険料率を掛けることで

算出されています。

そうして求められた保険料を会社負担分と

個人負担分に分けて、個人負担分が給与

から引かれているのです。

しかし、会社員の給与は、残業や手当

インセンティブなどにより、毎月変動する場合が

ほとんどです。

そこで、給与の平均を算出して

「標準報酬月額」

を決めることになっています。

健康保険料と厚生年金保険料は

この標準報酬月額に保険料率を

掛けることで算出されます。

「春に残業すると保険料が高くなる」

と言われる原因は、標準報酬月額を決める

ための「定時決定」が、4、5、6月の

給与の平均で行われるためです。

1年間の社会保険料を決める基準となるのが

この3カ月間の給与の総額
(通勤手当や残業代なども含めた額)

を3で割った金額を、標準報酬月額の一覧に

当てはめて保険料率を掛けることで

9月分から翌年8月分までの健康保険料と

厚生年金保険料が決まります。

例えば、4〜6月の平均の給与額が

27万円以上29万円未満だった場合

標準報酬月額は「28万円」となります。

普段の給与は25万円程度で、この時期だけ

残業が多かったという場合でも

28万円です。

春に残業すると社会保険料が高くなる

と言われることがあるのはこのためです。

ここで気を付けたいことがあります。

標準報酬月額を下げたいのであれば

「4、5、6月に残業をしないようにする」

のではなく

「4、5、6月に支給される残業代を
 減らすようにする」

ということです。

給与の締め日と支払日はそれぞれの会社に

よって違いますが、例えば、末締め翌月10日

払いの会社の場合、4月10日の給料で

支払われる残業代は3月の分ですから

3月から5月までの残業に気を付ける

必要があるということです。

社会保険料が変わるタイミングは

春の定時決定だけではありません。

基本給などが変わったときに

「随時改定」

という改定が行われることがあります。

改定が行われるのは、以下のすべての条件

に当てはまる場合です。

・固定賃金に変動があった
 基本給や通勤費、資格手当など、毎月決まって
 支払われる給料が変わった場合に該当します。

・固定賃金に変動があった後、3カ月の給与の平均
 から求めた標準報酬月額と、これまでの
 標準報酬月額に2等級以上の差がある

標準報酬月額は、金額ごとに等級が定められ

ています。これが2等級以上変わる場合のみ対象です。

・支払い基礎日数が17日以上ある
 (短時間労働の人など、特例あり)

・固定賃金の変動と標準報酬月額の変動が連動している

固定賃金が上がったが標準報酬月額が下がった

あるいは固定賃金が下がったのに標準報酬月額

が上がった、という場合は対象外です。

随時改定も、定時決定と同じように固定賃金が

変更された月から3カ月の平均給与で

標準報酬月額を算出し、それに応じて

社会保険料を変更します。

変更手続きに社員の申し出は必要なく

該当者について会社が行います。

春は定期昇給の時期です。ちょうどそれが繁忙期

にも重なった場合、どうしても平均給与が

高くなり、社会保険料も高額になりがちです。

そこで、一定の条件に当てはまる場合は

1年間の平均の標準報酬月額を元に

社会保険料を決めるという制度ができました。

ただし、利用するためにはいくつかの要件

を満たす必要がある上に、事業主が社員の

了承を取った上で申し立てを行う

必要があります。

申し立てをしなかった場合は、通常通りの

方法で社会保険料が決まります。

社会保険料が高いと感じている人は

できるだけ残業を減らして、健康保険料や

厚生年金保険料を下げたいと考えるかも

しれません。

しかし、必ずしも標準報酬月額を低くして

社会保険料を下げるのがメリットに

なるとは限りません。

標準報酬月額を下げるということは

将来受け取れる年金の金額も下がる

ということです。

厚生年金の金額は、加入期間中の平均標準報酬月額

の平均と加入月数に応じて決まります。

そのため、標準報酬月額が下がれば

その分年金も減ってしまうのです。

さらに、標準報酬月額を元に算出される

「傷病手当金」
「障害年金」
「遺族年金」
「出産手当金」

などの金額もすべて減額されること

になります。一概に「安い方がいい」

と考えるのではなく、なんのために

支払っている保険料なのか

どのような給付が受けられるのかを

知っておくことが大切です。

これから全世界的に未曾有の不景気が

予測されてます。

特に中小企業は資金切りが苦しい中で

高額な社会保険料を負担しないといけません。

上記の仕組みを良く理解して経営に活かして

頂ければと思います。

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 130万以上)
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連絡先:t.yokoi@imple.net
担当:横井
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