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2019年07月21日

確定拠出型年金の節税効果?

確定拠出年金(iDeCo、企業DC)の所得控除

による節税効果は、嘘ではないが正しくない

iDeCo、個人型iDeCo、企業DC。

呼び名はいろいろあれど、これらの制度は

確定拠出年金という私的年金制度です。

人生100年時代と誰が言ったか?

2000万問題。生きてる間にお金が足りなくなる

リスクへの対策として国や金融機関・有名なFPさん

全て、私的年金制度である確定拠出年金を勧めておられ

ます。

その確定拠出年金を勧める理由の1つに

『自分で拠出した金額が所得控除され、節税
 効果がある』

とありますが、お金に関する制度で何でも

かんでも美味しいだけの話があるのでしょうか?

まず結論から申しますと確定拠出年金は

資産を取り崩して受け取る際に全額が課税

対象となりますので、節税効果だけに

注目してはいけません。

確定拠出年金の優遇制度に対して

つみたてNISAと比較して書きます。

★管轄の違いを知っておく

確定拠出年金:厚生労働省
つみたてNISA:金融庁

確定拠出年金は年金制度の1つですので

制度の管轄は厚生労働省です。

厚生労働省に資産運用の知識がどこまで

あるのか不安ですが・・・

★年間投資枠の観点
つみたてNISAの年間投資枠は40万円

確定拠出年金は職種・企業DBの有無で

年間投資枠が決まりますが、双方の制度共に

『年間投資枠に上限』

があります

iDeCoの年間投資枠概要
個人事業主:81.6万円
第三号被保険者:27.6万円
厚生年金加入者:14.4〜27.6万円
(勤務先の企業DB制度の有無により変わる)

★運用利益の扱い
配当金や株式の譲渡益には通常、分離課税にて

20.315%(所得税15%+住民税5%
+復興税0.315%)

徴収されますが、つみたてNISAも

確定拠出年金もこの分離課税は

ありません。

運用による利益は双方共に非課税です

★投資元本への優遇措置
税金の基本計算式は 母数 × 税率 です

確定拠出年金は自分で拠出した分は年間所得

から控除される為、税金を算出する際の

母数が小さくなることから節税効果が

生まれます

年収 ー 確定拠出年金での拠出額=母数

そしてこの節税効果は、つみたてNISAにはありません

★確定拠出年金の資産を受け取るとき
運用資産を払い出す(受け取る)時

つみたてNISAは評価額(投資元本+運用利益)

全て非課税ですが、確定拠出年金は

投資元本含め全て課税対象となります

具体例を出すと、確定拠出年金での投資先を

ず〜〜〜っと定期預金(元本保証)に

していたとします。

そして確定拠出年金で積み立てた定期預金

の資産を受け取る時は、自分が払ってきた

元本含め全て課税対象となるのです。

当然ながら運用利益に対しては非課税ですが

仮に定期預金でしか運用してなくて

確定拠出年金を受け取る際に課税さると

元本割れしない定期預金で運用してたにも

関わらず、税金取られて元本割れが発生します。

ただし確定拠出年金は『年金』制度ですので

退職所得控除または公的年金等控除の

適用を受けれることも忘れてはなりません。

昨年、確定拠出年金の口座開設数者が

100万人を突破したと報道されましたが、

上記事実をただしく理解している人は

何%いるのでしょうか?

有名なFPさんが出している確定拠出年金

の本でも、このこと(元本も課税される)に

関してはサラっとしか記載していませんし

本によっては記載すらしていません。

巷でiDeCoは

『所得控除による節税効果あります!』

と言われていますが、受け取ると

きに評価額(投資元本+利益部分)全てが

課税対象となるため、節税効果という観点

では

『嘘ではないが正しくない』

という訳です。

★投資した際の所得控除はなんのためにしてるのか?

確定拠出年金に於ける所得控除の狙いは

手取りが増えた分をさらにiDeCoや

つみたてNISAに追加投資することで

資産形成のスピードを加速させる為かと。

つまり手取りが増えたからと言って

他の支出に宛がってしまうと、確定拠出

年金を受け取る際に手数料(税金)負け

してしまう可能性があります。

確定拠出年金は資産形成時だけ税負担が

減るが、受け取るときは課税対象となることを

忘れてはいけません。

巷でよく聞く

『確定拠出年金(iDeCo、企業DC)は節税対策に
 なります!』

の言葉の裏には、この様な事実が隠れています。

確定拠出年金の制度を正しく理解して

活用しましょう!

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