「荷 車」(49)(フィリップ短篇集より)
LA CHARRETTE
.−−−−−−−−−【49】−−−−−−−−−−−−−−−−
Les hommes voulaient enlever leur culotte,
mais les filles s' y étant opposées avec force,
ils en retroussèrent tout simplement les jambes.
.−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−−
男たちはズボンを脱ぎたかったが、娘たちが強く
それに反対したので、男たちは単に膝までズボンを
たくし上げただけでした.
−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−
étant:être の現在分詞で、ここでは理由を示す分詞構文.
それと同時に複合過去の助動詞となっていて過去分詞
は主語のles filles に呼応してopposées.分詞構文が
主語をもつときは分詞の前に出すが、主語という機
能ではなく文の主題というか看板のようなものです.
バナナに張られたシールのようなもので、なくても
バナナであるように、看板がなくても文は成立します.
s' y:se opposer à ~ / 〜に反対する
複合過去はs' est opposé à ~
この「à ~」 がyに置きかえられたものが
s'y est opposé.これが分詞構文になって
s'y étant opossé これを懸垂分詞にして主語追加
les filles étant opposées (娘たちが反対するので)
retroussèrent:(単純過去3複) < retrousser [ルトゥルセ](他)
( 袖・ズボンなどを)まくり上げる
simplement:(副) 単に、単に〜だけ
jambe :(f) 脚(普通膝から足首までを指すが
腿の付け根までを含むこともある)
en:ここでは de + leur culotte
en retrousser en jambe:ズボンの脚をまくり上げる
↓
ズボンを膝までたくし上げる
* 物理的には脚をまくり上げるのではなくズボンのほう
をまくり上げるのだが、言葉としては往々にしてあるこ
とです.日本語でも「ごはんを炊く」と言いますが炊く
のは米です.外国人の日本語学習者がよく質問にきます
が「なぜお湯を沸かすのですか?沸かすのは水じゃない
ですか?」
ごもっとも.この質問には、ぐの音も出ません.
で、そういうことがフランス語にもありまして、まさに
この en retrousser en jambe そしてこの表現がOKという
ことは、腕まくりもOKでしょうね.こっちは日本語で
も袖をまくるはずが、腕をまくるという人が多いんじゃ
ないですか?日本人の腕はその他、鳴らすこともできる
し、振るうこともできます.
さて「腕まくり」のフランス語のほうは⦅成句⦆になっ
ていて、retrousser ses manches です.もちろん、あなた
自身のことなら、retrousser mes manches
何?en retrousser bras ですか? いいとは思いますが
ここに今フランス人がいないのでチェックできません.
ごめんなさい.なのでとりあえず仏検ではこう書かず
manche を使って下さいね.
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