ジュール叔父さん(15)
−−−−−−−−−【15】−−−−−−−−−−−−−−−−
Mon oncle Jules, le frère*1 de mon père,
était le seul espoir de la famille, après en
avoir été la terreur*2. J'avais entendu*3 parler
de lui depuis mon enfance,*⁴ et il me
semblait que je l'aurais reconnu du premier
coup*⁵, tant*⁶ sa pensée m'était devenue
familière*⁷. Je savais tous les détails de
son existence*⁸ jusqu'au jour de son départ
pour l'Amérique, bien*⁹ qu'on ne*1o parlât*11
qu'à voix basse de cette période de sa vie.
−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−
わがジュール叔父さんは、父方の兄弟(弟)で、
家族にとって、嘗ては恐怖の的だった人だが、
その後は一家の唯一の希望の星である.私は
幼少期の頃から、叔父についてのうわさを聞い
てきました.それで私には、叔父を見たらすぐ
にわかるような気になっていました.それほど
叔父への思いに慣れ親しんでいたのでした.叔
父がアメリカへ出立する日までの叔父の生き方
の全詳細を私は知っていました.もっとも、こ
の時期の彼の生活については大きな声では話せ
なかったのではあるが.
−−−−−−−−−−《語句・語法》−−−−−−−−−−−−−−−
*1) frère: 兄または弟;
邦文タイトルが「ジュール叔父さん」、
すなわち「叔父」なので父の弟.ついで
にいえば、「伯父」ならば父の兄.
*2) terreur: (f) (大きな)恐怖
*3) entendre: 聞く;
entendre + 不定詞 〜するのを聞く
J'entends frapper à la porte. /
ドアをノックするのが聞こえる.
*4) enfance: 幼年時代、幼少期;
J'ai passé mon enfance à Paris.
私は幼少期をパリで過ごした.
*5) du premier coup: ただちに、はじめから、
すぐに、すぐには
*6) tant:(副) 非常に、それほど、そんなに
*7) familier(ère):(形) なじみの、慣れ親しんだ、
親しい、打ち解けた
精通している、よく知っている
*8) existence:(f) 存在、生活、生き方
*9) bien que + 接続法:(対立、譲歩)
...ではあるが、
*10) ne…que ~ : 〜でしか…ない
*10) ne…qu'à voix basse:低い声でしか…ない
*10) ne parler qu'à voix basse:低い声でしか話さない、
低い声でしか話せない
*10) on ne parle qu'à voix basse:
私たちは低い声でしか話せない.
*9 *10) bien qu'on ne parlât qu'à voix basse:
もっとも、私たちは低い声でしか
話せなかったのだが
bien qu'on ne parlât qu'à voix basse de
cette période de sa vie.
もっとも、この時期の彼の生活について
は大きな声では話せなかったのではあるが.
*11) parlât:(接続法半過去3単)
主節 je savais...が過去形(半過去)の
ため従属節 bien que の中は文章語では、
接続法半過去になります.日常会話では、
主節と従属節が同時期なら接続法現在
を取ります.
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