アルルの女(27)
L'ARLÉSIENNE
−−−−−−−−−−−【27】−−−−−−−−−−−−−−−
Jan lui- même avait l' air content: il voulut
faire danser sa mère ; la pauvre femme en
pleurait de bonheur*.
A minuit, on alla se coucher. Tout le monde
avait besoin de dormir ... Jan ne dormit pas,
lui. Cadet a raconté depuis que toute la nuit
il avait sangloté ... Ah ! Je vous réponds qu' il
était bien mordu, celui- là...
−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−
ジャン自身も満足げだった: ジャンは母親を踊らせよ
うとしました。哀れなるかな、母親は感極まって涙をこ
ぼした。
真夜中、人はみな眠りにつきました。疲れて誰もが
眠られずににはいられませんでした...ジャンは眠ら
なかった。後に弟が語ったことなのですが、ジャンは、
一晩中、嗚咽していたのだった。ああ、(何ということ
か)請け合って言いいます。ジャンは実に苦しんでいた
のです、あの青年は・・
−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−
avait besoin de dormir: 眠らなければならなかった
< avoir besoin de + 不定詞: 〜しなければならない
その理由は、踊りつかれたからで、「眠らずには
いられなかった」、ということです。
* depuis: この depuisは「〜以来」ではなく、単独の副詞で
「のちに」「あとで」「あとになって」などと訳します。
なお、後で話したら、その時点も過去なので、話した内容は
大過去です。 il avait sangloté これが大過去。
過去の中の過去。
sangloté: <sangloter (自)すすり泣く、むせび泣く、嗚咽する
réponds:(直、1単)<répondre 請け合う
répondre + que + 直説法(ことを)保証する
Je vous réponds qu'il viendra./ 彼が来ることは保証します。
bien: まさに; mordu の前の bien は
「まさに」、「確かに」と訳します。
mordu:(過去分詞) <mordre @ 嚙む、A 苦しめる、傷める、
bien には「強調」の効果もあります。「よく嚙まれた」
のではありません。悪人なら、
「よくぞ犬に嚙まれてくれた」なのですが、
celui-là 主語と同格、対比強調させる効果があります。
「あの人は!」という感じです。
−−−−−−−−−−−《文法》−−−−−−−−−−−−−−−−−
使役のfaire (1)
faire と不定詞は親和力が強いので、この間にたとえ
不定詞の主語であっても入ろうとしても、放り出され
てしまうほどです。一句できました。
「主語でさえ放り出されるfaire + 不定詞かな。」(字余り)
J'ai fait partir mes enfants en Suisse.
ジェ フェ パルティール メザンファン アン スュイス
(私は子供たちをスイスへ発たせました)
使役のfaire (2)
代名詞の場合はfaire の前に来ます。とにかく、faire + 不定詞
の間には来させない。
「代名詞 + faire + 不定詞」
Je les ai fait partir en Suisse.
ジュ レ ゼ フェ パルティール アン スュイス
(私は彼らをスイスへ発たせました)
* 女性名詞の国に行くときの前置詞は en です。
使役のfaire (3)
不定詞が他動詞のときの構造
「faire + 不定詞+ 不定詞の補語名詞
+ par (または à) + 名詞」
長ったらしい設計図ですが、よく見ると、主語はついに
放り出されて、「par 付きの名詞」という前置詞句に格下げ
されました。例文をみましょう。
J'ai fait construire une maison par (もしくはà) un architecte.
ジェ フェ コンストリュイール ユヌ メゾン パール (ア) アン ナルシテクト
私は一軒の家を建築家に建てさせました。
使役のfaire (4)
不定詞が他動詞で直接補語が人称代名詞の場合
「代名詞 + faire + 不定詞」
Je l'ai fait construire par lui.
ジュ レ フェ コンストリュイール パール リュイ
私はそれを彼に建てさせました。
( par のあとは強勢形人称代名詞になります。)
尚、このlui は間接補語人称代名詞にすることもできます。
Je la lui ai fait construire.
ジュ ラ リュイ エ フェ コンストリュイール
私はそれを彼に建てさせました。
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