しかし、テック系メディアの中には同時に同社によるXRデバイス発表に向けた布石とみる向きもあるようです。
手の動きで操作する「アシスティブタッチ」機能
Apple Watchの画面は小さく、上半身、特に手や指にハンディキャップがあると正確に操作するのが困難になります。
今回追加された「アシスティブタッチ」機能はそのような困難をクリアするため、ディスプレイに触れることなく、手の動作を検出してApple Watchを操作できるようにしました。
ジャイロスコープ、加速度計などの組み込みのモーションセンサー、光学式心拍数センサー、デバイス上の機械学習を使用して、筋肉の動きや腱の活動の微妙な違いを検出します。
親指と人差し指をつける「ピンチ」
軽くこぼしを握る「クリンチ」
手首を大きく振る
といった動作によってApple Watchを片手でも正確に操作することができる機能です。
XRデバイスの操作に利用できる「アシスティブタッチ」機能!
体にハンディキャップを抱える人がよりApple Watchを使いやすくするアシスティブタッチですが、テック系メディアを中心にもう一つのベネフィットを指摘する声があります。
それが、現在アップルが開発中とされているXRデバイスの操作です。
手首に装着した機器でジェスチャーを検出しXRデバイスの操作を行うというアイデアはフェイスブックが研究・開発を進めていることでしられています。
アップルは自社の研究・開発中の技術については厳しい秘密主義を貫いていますが、先日XRデバイスの操作方法としてマイクロジェスチャを利用するという特許を申請しました。
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そして、今回明らかにされたアシスティブタッチの入力動作はアップルとフェイスブックによるXR入力作業と非常によく似ています。
とはいえ、現時点においては、ジェスチャー操作はXRヘッドセットに理想的なものと比較して忠実度が低いとされています。
ただ、アップルは、現在の世代のApple Watchでさえ「筋肉の動きと腱の活動の微妙な違いを検出できる」と述べています。
そのため、アップルによるXRデバイスのジェスチャー操作の開発は大詰めの段階まできているのではないかと推測されているようです。
まとめ
Apple Watchに手指の動作で操作できるようになるアシスティブタッチ機能が追加されました。
非常に便利な機能ですが、XRデバイスの操作方法にもつながるのでXRユーザーとしても見逃せない機能といえます。
アップルはジェスチャーを使った操作技術と同時に、頭部に装着する触覚デバイスによるXR体験のナビゲート機能に関する特許も申請しています。
この機能がXRデバイス自体に搭載されるのかヘッドフォンに内蔵されるかは明らかではありません。
しかし、例えば、AirPodsに振動を使ったサポート機能が搭載された場合には、いよいよアップルによるXRデバイスの完成が近づいていると見てもいいかもしれません。