今回のテーマである「活性酸素」とは、何でしょうか。専門的ですが、難しいものではありません。現代の健康ブームと切っても切れない縁があります。医学界では、近年、特に注目されている分野です。活性酸素についての研究が進むにつれて、その害が広範囲にわたって悪影響を及ぼしていることが明らかになってきました。
活性酸素が人体の「老化」に深く関わり、ガンなどの生活習慣病の主な原因となっていることもはっきりとしています。老化によって体にはさまざまなきしみが現われ、肌にはシミやシワが増えていきます。その意味では、活性酸素対策を講じることは肌の健康を守ることになり、同時に体全体の老化をも防ぐことになります。活性酸素についての初歩的知識と若い肌を保つための秘訣を探ってみましょう。
老化とは?
酸素の消費量と寿命の長さは関係あり
日本は世界有数の長寿国です。しかし外国には百歳以上の老人が何人も暮らしている、いわゆる長寿村がいくつか存在します。そこで生活している人たちには共通点があります。
それは (1)脂肪や動物性タンパク質の摂取量が過剰ではない (2)山岳地帯にいるため酸素が薄い ‐ の2点。
これは長寿村に住む人が、酸素を体の中にたくさん取り入れていないということです。このことからも「酸素の消費量とヒトの寿命の長さは相関する」といえそうです。
そして健康維持のために適度なスポーツは必要ですが、息が荒くなるほどのスポーツは、大量の酸素を体内に取り入れることになり、体の中に活性酸素を増やす下準備をしていることになります。中年以降、体の機能が低下している年齢の人は、過度の運動は厳禁です。
老化のメカニズムとは?
なぜ老化するのか?についての説はいくつかあります。
- 1. 遺伝子説
- ヒトの老化は遺伝子が支配しているという説で、遺伝子エラー説と遺伝プログラム説の2つに分かれます。
前者の遺伝子エラー説は、遺伝子には遺伝データを伝える際にエラーを起こした場合、それを修復する機能が備わっていますが、その修復機能が年齢とともに低下し、エラーを修復しきれなくなり、その延長線上に老化や死が存在するというものです。後者の遺伝プログラム説は遺伝子の中に老化のプログラムが書き込まれているという説です。
- 2. 内分泌・免疫力低下説
- 年齢とともに下垂体や副腎皮質ホルモン等のホルモン分泌能力が低下し、病気に対する免疫力も低下しますが、これが老化や病気の原因であると説明するものです。
- 3. 複合要因説
- 老化や死は、内的・外的でさまざまなマイナス要因(トラブルやアクシデント)が複合的に絡み合い起こるという説。これは遺伝子説の対極に位置するものといえそうです。
以上、3つの説をミックスすれば、老化や死のメカニズムをかなり説明することはできます。しかし、もう1つかなり有力な説が先に述べた酸素と老化の関係説です。
ヒトの体に害を及ぼす酸素=「活性酸素」と「過酸化脂質」について
リン脂質
リン脂質はリン酸と脂肪酸が結びついてできていて、この中では脂肪酸が酸化されやすい
まず活性酸素の標的となるのは細胞膜です。細胞の1つひとつは「細胞膜」という薄い膜で覆われていて形を保っています。この膜は細胞に必要な酸素や栄養分を選択して取り込み、不必要な物や異物は通さない防御壁の役目を果たす一方、生命活動で利用し終えた栄養分のカスや二酸化炭素といった物質を細胞外に捨てる働きもしています。
この細胞膜は、リノール酸やアラキドン酸というリン脂質からできています。リン脂質は、リン酸と脂肪酸が結びついたもので、この脂肪酸の酸化が標的になりやすいのです。
さらに詳しく説明すると、細胞膜をつくるリノール酸やアラキドン酸は「多価不飽和脂肪酸」と呼ばれるものです。
脂質には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があります。飽和脂肪酸は牛、豚、鶏といった動物性の脂肪に多く含まれ、バターなど常温では固体であるのが特徴です。一方の不飽和脂肪酸は、植物性の脂肪と魚の脂肪で、常温では液体の状態で存在します。私たちの細胞膜は不飽和脂肪酸に飽和脂肪酸を加えて、バランスを保持しています。
不飽和脂肪酸は炭素が二重結合で結び付いている脂質で、この二重結合の部分に活性酸素が結合します。とても酸化されやすいということです。そして細胞膜だけでなく、細胞の中のミトコンドリアと呼ばれる部分は、細胞の呼吸を受け持っているため、活性酸素に酸化されやすいのです。
また核膜も同様です。これらの膜を総称して、生体膜といいますが、この生体膜が酸化されると、「過酸化脂質」に変化し、次々と連鎖的に酸化させていくので、じわじわと体の細胞や組織を破壊していきます。
この細胞膜は、リノール酸やアラキドン酸というリン脂質からできています。リン脂質は、リン酸と脂肪酸が結びついたもので、この脂肪酸の酸化が標的になりやすいのです。
さらに詳しく説明すると、細胞膜をつくるリノール酸やアラキドン酸は「多価不飽和脂肪酸」と呼ばれるものです。
脂質には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があります。飽和脂肪酸は牛、豚、鶏といった動物性の脂肪に多く含まれ、バターなど常温では固体であるのが特徴です。一方の不飽和脂肪酸は、植物性の脂肪と魚の脂肪で、常温では液体の状態で存在します。私たちの細胞膜は不飽和脂肪酸に飽和脂肪酸を加えて、バランスを保持しています。
不飽和脂肪酸は炭素が二重結合で結び付いている脂質で、この二重結合の部分に活性酸素が結合します。とても酸化されやすいということです。そして細胞膜だけでなく、細胞の中のミトコンドリアと呼ばれる部分は、細胞の呼吸を受け持っているため、活性酸素に酸化されやすいのです。
また核膜も同様です。これらの膜を総称して、生体膜といいますが、この生体膜が酸化されると、「過酸化脂質」に変化し、次々と連鎖的に酸化させていくので、じわじわと体の細胞や組織を破壊していきます。
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