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2020年12月11日

428.Candleman

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「キャンドルちゃん」のレビューです。

 素晴らしいゲームでした。
 一つ一つの要素がそもそもアイデアの源泉で、それらの役割がまた別の役割を持ちつつ、様々な要素に対して絡んでいるので、その相乗効果が素晴らしく、プレイを通してずっと感動しきりでした。

 まずは唯一の登場人物であるキャンドルちゃんについて。これはローカライズの妙も多分に含んでいるのですが、本編でLittle Candleと呼ばれているこの子が「キャンドルちゃん」と翻訳されていることで、かなりの愛着感がありました。これは神翻訳かと(笑)
 その翻訳に絡んで、ステージ名なども非常に童話的で、この子の冒険譚として一緒に一喜一憂しながら進ませる力がありました。たった一文ずつのストーリーなのに。
 すごく面白いと思ったのが、そのステージ名がステージの傾向とキャンドルちゃん自身のストーリーを表すとともに、コレクティブルであるろうそくを全て灯すことで、隠された二つ目の文章が出現するんですよね。ホントに憎い演出だ。
 まるで童話や絵本を読んでいる気分で進めることが出来ますし、全てのろうそくを灯したいとする非常に強いモチベーションにもなります。

 アイデアの生かし方が半端ない。
 キャンドルちゃんはボタンやトリガーを押している間だけ自分に火をつけて周囲を明るく照らせます。合計で10秒間しか保たないのですが、この力を使って周囲の環境を把握しながら、蝋が溶け切って力尽きる前にゴールにたどり着かなければなりません。
 この着火という行為が、初めは周囲を照らして足元の確認をするだけの要素だったのが、次第に「明るさ」「暗さ」そして「熱」という他の役割も持ち始め、驚くほどバラエティ豊かなステージ構成に仕上がっています。
(後半のステージで、明るく照らすことが逆にリスクを呼び込むような構成のステージで、出てくる隠しメッセージが「キャンドルちゃんは火をつける勇気もなくなった」ですからね。この一文だけではそこまでの意味はないのですが、これまでの展開やキャンドルちゃんの心理、そしてステージの作り方、それぞれを加味してこの文章を見ると、神センテンスになります)
 このアイデアの生かし方が本当に素晴らしく、なんかこう一言では言い表しづらい独特の世界観を持ってるんですよね。
 キャンドルちゃんが火をつけることによって作動するギミックなどが、ただ一瞬その場を塞ぐだけのMOBにとどまっていないというか、工夫することでまた別の意味を持つというか。そしてそれは一つのステージ内にとどまらず、章をまたいで全体に作用することでキャンドルちゃんの孤独な冒険に彩(いろどり)を加えているというか。

 そしてそのアイデアのベクトルが、ステージの作りこみだけでなく、プレイアビリティにも表れているところが本当に、制作時の神経の張り巡らせ方が末端にまで届いている気がして神ゲーとすら感じます。
 たとえばキャンドルちゃんは着火すると蝋がどんどん溶けていくんですが、その溶け落ちた蝋が足元に残って、自分の歩いた軌跡を確認することが出来るんですよね。そのため、たとえミスしてやり直しになってしまっても、自分が歩いた蝋の跡をたどることで照らさなくても歩いて行けることになります。蝋の消費を節約し、もっと遠くへ行けるということです。
 同時に、前述したコレクティブルであるろうそくは、一度着火すればミスしてやり直しになったとしてもその場でずっと周囲を照らし続けてくれます。これもまた蝋の跡と同じく、周辺の安全確認に役立ち、蝋の節約につながるわけです。
 こういった仕様からプレイヤーはたとえミスしてもそれが完全な0の状態に戻ることなく探索を続けられ、自身の経験と合わさって、相対的にステージの難易度が下がっていくんですよ。
 これらの地味で目立たず、言葉としても表示されないアイデアと優しさの数々は、実は視覚的にプレイヤーに自然に悟らせるようなステージ構成として表れており、私はそういった要素の一つ一つに「気づき」「悟り」「感動して」、ゲームクリアまで非常に高いモチベーションを維持しつつ走り切ることができました。

 雰囲気作りがまた神がかってます。
 本作は自分がトリガーを引かなければ、基本ほとんどが真っ暗闇です。その周囲を明るく照らす行為にも制限時間があるので、そうそうだらだらと火をつけているわけにもいきません。
 一瞬だけトリガーを引いて、ボッと火が付く。一瞬だけ辺りが照らされる。暖かく柔らかな光で満たされる。このなんともいえない孤独感と安心感の切り替わり。
 周囲は闇に包まれているので画面は真っ暗、オプション設定にはあえてガンマ修正などの機能が入ってないので目を凝らそうとも見えないものは見えない。
 その「本来あって然るべきの機能を封じられたプレイヤーはどう感じるか」、まぁよくある暗いだけが取り柄のクソゲーとかやってりゃわかりますよね。ストレスが溜まります。
 制作者は十分にそれを理解しています。だからこそ、「音」があるんです。
 この音は、ゲームの攻略にそこまで強く働く要素ではないです。しかし、だからこそこの音には非常に拘りが見られ、キャンドルちゃんが走ったときの足音、その足がどんな地面を踏みぬいたかで音の質感は変わり、周囲にどんなものがあるか、火が燃えていたり、水がたゆたっていたりすると、その音も聞こえてきます。
 何も見えないからこそプレイヤーは耳を澄ます、それを見越してのこの音への拘りが、ストアページにも記載されているようにある種のホラーゲーム感を彷彿とさせ、見えない代わりに聴くことによる代替行為へ十分に返答していると感じました。

 ちょっとさっきから何言ってるかわかんないよね?
 私も正直どう表したらいいかわかんないんだ。
 これがクソゲーだったらレビューも楽なんですよ。思いつく限りの嫌な体験を羅列すればいいだけですから。
 でもここまで高次元にアイデア同士が絡まってると、一つ一つの要素を紐解いていってもそんなに意味はないどころか、言葉によって変なイメージがついてしまったりして、ああもうあのゲーム体験を表現するにはいったいどうしたらいいんだってなっちゃうんですよね(笑)

 しょうがないんで最後まで続けます(諦)。
 本作は演出としてもやっぱり秀でています。本編1〜9章までの物語では、感情の起伏が「アガリ」きったところで「オトサレ」る構成になっており、ともすれば心に穴が開いた状態で終わりを迎えることになるかもしれません。ラストステージとかかなりドキドキしたんですよね。それだけにあの終わり方は切ないというか、「えー!!?」っていう、言ってしまえばがっかり感も否めない。
 なので、DLCとして結構難易度は上がりますが、ここは是非とも無料DLCである10〜12章も続けてプレイしてもらいたいです。
 無料ですし、実績も500も付きますし、やらないことのほうが稀だと思いますけど。
 本作は1〜12章までプレイしてやっと一つの物語として完結します。
 その落としどころがやっぱりすごい。感動ですよ。
 光と闇の、一番わかりやすい対比の方法としての、そしてキャンドルや灯台の役割を考えてみたうえで、一番最初にくるであろう想像が、最後の最後であんな風に演出されるのはやっぱ天才じゃね?

 ということでくどくどと語ってしまいましたが、実のところ本作はぜんぜん大作とかじゃ決してないです。よくある普通の、一日でコンプできるようなインディーのアクションゲームです。
 でもそのアイデアの生かし方や絡ませ方、魅せ方が非常にうまいので、惹き込まれてしまいます。
 そして惹き込まれれば、人間もっとよく知りたいと思うもの。
 で、よく知りたいから考える、考え、観察していくと、まるでそれに応えるかのように様々な、何か、言葉にならないものが感覚としてわかってくる。
 それが本作の神ゲーたるゆえんです。童話的で子供だまし的な見た目に騙されぬよう。ある程度人生を一周してきた大人にこそ刺さる作品でした。

 インディーベストゲーム大賞とかあれば文句なしにあげたい、そんなゲームでした。ご馳走様です。

↓暗いのだけど、どこか明るい。静かなんだけど、なぜか騒がしい。そんなコントラストの利いた不思議な旅路。



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