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2016年07月03日

242.Splinter Cell :Conviction

スプリンターセル コンヴィクション



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「スプリンターセル :コンヴィクション」のレビューです。

 本作はステルスアクションですが、「ラストノウンポジション」などの仕様により非常に「攻め」の割合の強い、新感覚のステルスアクションに仕上がっています。
 非常に面白かったです。

公式サイト

 みなさんご存じサムおじさんことサム・フィッシャーが、トム・クランシーらしい地味ながらも練り込まれた陰謀に立ち向かうお話で、本作は天誅シリーズのような明快なステルスを楽しみつつも、先の気になるストーリーでもぐいぐい引っ張ってくれました。
 特にレインボーシックスなどとは比べ物にならないくらいに派手な展開が多く、キャラの魅力を十二分に引き出してくれ、映画的に楽しめると思います。
 サムが激怒するあのシーンは、演出とゲーム性の混合具合が素晴らしく、こちらまでドキドキしてしまいました。すごく印象深いです。

 本作には、前述のように「ラストノウンポジション」と呼ばれるシステムが搭載されています。
 なんのことはない、敵が最後に自分を発見した場所へ寄ってくるという、ただそれだけなんですが、これが思った以上に本作のデザインと合っているんですよね。

 本作は基本、見つけた敵は全て殺していくスタイルです。武器は銃器で、遠距離攻撃ですから、そっと背後に忍び寄って一人、また一人と締め上げていくような他のゲームとは若干趣が違うんですよね。
 また、このスタイルを生かすために「M&A」というシステムも搭載されており、これが牛歩の如き進行になりがちなプレイスタイルを加速させ、さらに「攻め」のゲームデザインに貢献していると思います。

 すなわち「M&A」で一度に、多くの敵を、一瞬にして葬り去り、すぐに隠れる。すると敵は一瞬だけ見えた「自分の軌跡」を警戒しつつ寄ってくるわけです。その、「ラストノウンポジション」に引き寄せられた敵を、別ルートで裏に回って背後から……、とこんな感じですね。
 非常にスタイリッシュで、格好良く、それでいてステルスしながら、ある時はわざと自分の姿を見せることで突破口を作り、と地味になりがちな「ステルスもの」というジャンルに革新性を持たせていると思ったわけです。

 とはいえ「ラストノウンポジション」はリスクも高く、ストーリーにおいてはそこまで重要なシステムではありませんでした。どうせなら一瞬だろうと警戒させずにクリアを目指したいですから。

 そしてステルスものであるにも関わらず、GoWのHordeのようなモードがあるのが、実は不思議でなりませんでした(笑)
 いやいやいや全然ジャンルが違うだろっ、空気嫁。なんでステルスアクションで敵とドンパチせにゃならんのだ、と。

 しかし。
 初めこそそんな気分で嫌々攻略していたのですが、この「ラストマンスタンディング」モードも攻略中盤に差し掛かり、なんだか納得してしまった自分がいるのです。

「もしかして……このモードこそスプセルの真骨頂かもしれん……」と。

 なぜなら、本モードはステージに鎮座しているEMP爆弾を敵の攻撃から守りつつ、waveを凌ぐというのが目的です。
 敵は自キャラの存在を感知している間はこちらに向かって攻撃してきますが、自キャラを見失うと今度はEMPに攻撃し始めるのです。
 つまり、悠長に隠れて時間をかけて一人ずつ……といった戦法、もっと言えばステルスアクションのセオリーを真っ向から否定するようなデザインなんですよね。

 そこで輝くのが「ラストノウンポジション」。本モードの攻略セオリーは、言ってしまえばGoWのHordeと同じように、籠り場所を見つけて敵をおびき寄せて抹殺していくに限るのですが、このラストノウンポジションが同じような働きを見せ、なんとまぁ見事にステルスと銃撃戦とをマッチさせているではないですか。
 なんか作業終盤には楽しくなってきちゃって(笑)

 うはぁ、これぞスプセル!

 などと喜んでバンバン撃ちまくってました(笑)
(籠る→音の出る銃で呼び寄せる→順にご案内する)
 セオリーがあるといってもそう簡単ではなく、タイミングを間違えれば返り討ちにあったり、予期せぬ場所から現れたり、なかなか一筋縄ではいきませんでした。
 結構難しかったですが、それがまたリトライ魂に火をつけて。

 既存のステルスゲーのように、敵が侵入してくるかもしれないから警備する、ではなく、敵がいるのはわかっているがどこにいるかわからない、という少し違ったコンセプトで忍んでいるのが斬新で、まさにそのコンセプトを生かした戦法を取れるのが本作の一番の醍醐味だと思います。

 本作はステルスジャンルに新たな方向性を見つけた作品であり、ゲームとしても、またストーリー的にも惹かれるものが多く、胸を張って名作と呼べるでしょう。

攻略(シリーズ)


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