おはようございます。あるへです。
本日はこちら「デッドアイランド」とその続編「デッドアイランド :リップタイド」のレビューです。
本二作品は時系列的に繋がっており、初作のキャラたちが続編にて新たな一人を加えて活躍します。ボーダーランズ2とその続編プリシークエルのような、あるいはドラゴンエイジ:オリジンズとアウェイクニングのような関係で、もともとは大型DLCとして作られた経緯もあってUIは無印の流用となっています。
この、リップタイドは無印の大型DLCとして制作開始された、という経緯が、良いようにも悪いようにも働いている印象を受けました。
公式サイト(PS3版ダブルゾンビパック)
公式サイト(Xbox360版Riptide)
さて、デッドアイランド全体のゲーム性ですが、これは非常に面白いです。ゾンビというキーワードにさして興味のない方でも、ハクスラジャンルに目が無ければ間違いなく買いでしょう。近距離戦闘向きのコンセプトで、様々な武器を振るのが楽しいですが、足で蹴り倒して頭を踏んづけるのもクセになります。
特に無印ACT1の高級リゾート地+ゾンビというシチュエーションは、美しい自然とリッチなホテル環境とそしてゾンビというギャップが良い感じにマッチしていてシリーズ中一番好きな場所でもあります。
デッドアイランドが一躍有名タイトルとなったのも、実はこのシーンが縁の下の力持ちではないかと思っており、個人的にはリップタイドの評価は少し落ちます。
このような天国(地獄?)の中を駆け回りながら、強力な武器を発掘し、経験値を溜めてレベルを上げ、スキルを割り振って進んでいくわけです。
スキルを深くまで掘り進めて行けばもちろん個性のある強力なキャラクターに育っていくのですが、本作はアクション要素も強いです。
特に、体力の上限が低く、防具の概念や被ダメを軽減するようなスキルはないこと、そしてスタミナ制限があることが本作の特徴というか、バランスを取り持っていると思います。
スタミナが切れれば走ることも満足に武器を振ることもできませんし、この状態で攻撃を食らうとダウン(尻もち)し被ダメが上がるというデメリットもあります。
またミニマップ等の直感的な情報はあえて無くしてあり、マップを見てゾンビの位置を把握することもできません。
どんなに育っていても囲まれればあっという間に食い殺されますし、目や耳でゾンビの急襲を察知し迎撃するという「レフト4デッド」ライクなゾンビゲーなんですよね。
無印続編ともこうしたハクスラRPGとアクションを上手に融合させたゲーム性で、それでいて高みを目指さずとも終始まったりと独特な世界をお散歩気分で歩けるのが良いところです。
ただ、これがデッドアイランドブランドなのか、お話の展開が後になるほどだんだんと早く、駆け足になっていき、B級映画のような流れでサックリと終わる、というのはちょっと寂しくもありました。
初見ゆえの観光もありますが、一番駆けずり回ったマップは最初のリゾート地で、後になるにつれて「空白地帯(イベントのない場所)」が多くなっていったのが残念と言えば残念です。
もう一つ、楽しくもあり、辟易したのが「市街」マップですね。無印、リップタイド両方ともこのステージが存在するのですが、無駄に入り組んでいて酷く混乱させられました。
もちろん世界観としてはアリなんですけど、デッドアイランドのもう一つの顔といってもいいくらいにイベントの詰まった場所なんですけども、個人的には「やめてくれぇ〜」と言いたくなるくらいに迷路状態でした。
続編リップタイドについてですが、本作のエンディングを引き継いでその直後から始まります。前述の通り、もともとは無印のDLCとして開発が始まりましたが、様々な大人の事情によりボリュームアップしての一つの作品としてリリースされました。それゆえ操作感や操作系統、実際のゲーム画面やUIなどには変わりがなく、すんなりとゲームに入り込むことができます。スキルなどは微調整が施されていたり、プレイアブルキャラが一人追加されるなど、この辺は良い方向に働いています。
逆に個人的に嬉しくなかったのが、「リゾート+ゾンビ」要素の減少です。デッドアイランドと言ったらビーチにゾンビだろ、という印象が強烈に埋め込まれた無印でしたが、本作はそのDLCとして無印とは印象の異なるマップを用意するつもりだったのでしょう。
そのため、目覚める場所こそビーチですが、すぐにジャングルに分け入ることになり、ゲームの3〜4割は鬱蒼とした密林を探索することになります。
前作でも何度か出てきたキーワード「モンスーン」の過ぎた後ということで、ジャングル自体が浸水していてボートで移動したり、雨や雷など天候の変化があったりするのは新鮮ではあったのですが、綺麗(磨かれた人工物)と汚い(破裂するゾンビの頭)のギャップを楽しみたかった私としては申し訳程度のビーチ要素には若干ガッカリです。
また、再三述べるこの経緯の都合で、リップタイドは無印に比べてボリュームが少ないです。これしかないわけではありませんが、大まかに分けて「密林」と「市街」しかなく、メインだけ追えば無印以上にテンポ良く終了します。
またハクスラの規模に関しても縮小したイメージがあり、様々なユニーク武器や改造による拡張性も薄くなってしまったように思えました。なんというか、無印に比べてコモンやアンコモンばかり出るようになり、箱を開ける楽しみが減衰してしまった気がします。特にユニーク武器についてはかなり数が少なく、中には一定以上のグレードが存在しないか非常に出にくい種類の武器もあります。
そのため、私のように無印プレイから大分経ってからリップタイドを起動するならば、懐かしさと昔取った杵柄感に新鮮味が加わり、それでもやっぱりデッドアイランドは過去に既にプレイしているわけであんまり長々とやっても飽きが早いよな、ということでちょうど良いボリュームかもしれません。逆に無印のあと続けてプレイするとなると、ストーリーやサブクエスト、その内容までだいたい無印と似た流れですし、胸焼けするかもしれませんね。
あくまで特大のDLC、久しぶりにもうちょっとだけデッドアイランドが出来る、という意識でやるのが正解だと思います。
攻略サイト(無印)
攻略サイト(Riptide)
【このカテゴリーの最新記事】