そんな中でも映像表現の幅は物凄く広がり、とてもリアルでまるで実際の現場のような空想の世界を歩くことも不可能ではなくなりました。
しかしあるへはずっと思うことがあるのです。
この地球に普遍的に存在しているある概念。重力と物理。それが持つ力に対してほとんどのゲームは注意を払っていないなぁ、と。
これからのゲーム時代、さらにリアルさを追求するならば、物が持つ質量に対してアプローチしていくべきだと思うんですよね。
実際にはこうです。
現代の技術であれば、非常にリアルで緻密で、ずっしりした「感じ」は表現できますよね。
ごつごつした「重そう」な全身鎧、歩けば当然のようにガチャガチャSEを鳴らしてくれます。
両手では扱いきれない大剣だとか、巨大なアンチマテリアルライフルだとか、ファンタジーな重火器とか。
でもこれって、キャラクターが持ち上げた瞬間「紙で出来た武器」になっちゃうんですよね。
実際の刀や、木刀を本気で振ってみたことはありますか?
あるへは大学時代剣術を習っていたのであるのですが、結構重いんですよ。でもって、真っ向から振りかぶって腰の位置でぴたりと止めるのって、物凄く難しいんです。
そんな「力の伝わり」、手で柄を握ってから、切っ先にまで力が伝わり、刀自体が持ち上がるまでのタイムラグというか、そんな、動きの中で「重み」を表現されているゲームというのが、非常に少ないと思うんです。
拳銃だって鉄の塊、だからこそグリップで殴られると昏倒するわけですが、あらゆるゲームをプレイしていて、そんなステルステイクダウンのシーンを見て、「拳銃の重み」を感じられるシーンが一体何度あるでしょうか?
ゲームの中のキャラクターは常人とは比べ物にならない筋力の持ち主だったり、設定やら何やらで非常に重い重火器も軽々と扱える、のは別にいいんですが、そっちじゃなくて武器自体の重みが伝わってこないんですよね。
私が個人的に、この「重み」を表現できていたのは「ワンダと巨像」じゃないかと思ってます。
当時、非常に動きがリアルで、だからこそ評価された作品で、私もあの作品は大大大好きなんですが、PS2の多少荒いグラフィックでも、なぜあそこまでリアルであると評価されたのか、そこにはこの「重み」の表現があったからなんじゃないかな、と思えてならないのです。
剣の重さ、人の重さ、馬の重さ、巨像の重さetc.
重い物を持ち上げたらキャラの筋肉がぱんぱんに膨れ上がったり、背中に重火器を背負って走ったら、一拍遅れて武器が揺れたり、その場で武器を捨てたら武器グラの一部が凹んだり、まぁ現実の物理をそのまま持ち込んでもゲームは面白くならないんですが、うまい具合に表現して欲しいなぁと、それこそリアルだなぁ、と、よく思うんですよ。
まだ未プレイですが、MGS:Vなんかその辺気を付けてそうなイメージです。実際プレイした時そうだったらいいなぁ。
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