2015年01月25日
FMトランスミッターの制作
車で音楽を良く聴くが、車の型式がちょっと古いのでラジオとCDしか着いてない。最近は音楽をCDで管理するのも再生するのも面倒なので、音楽ソースをデータとして管理している。ハイレゾ音楽も日増しに増えているのでデータ管理が主流になってる。その音楽を再生するにもカーステレオにはライン入力がない。と言うことで、車の中でMPプレイヤーを使って音楽を再生し、そしてその信号をFM波で飛ばし、ラジオで聴くことにした。
現在、使用フォーマットはmp3よりもwmaが圧倒的に多い。なぜならいろいろ調べてみると、wmaの方がレンジも広く音が良いと判断したからだ。
FM発信器について最初は既製のバッファローのトランスミッターを使ってみた。しかし、電波が弱くなかなか車中では拾ってくれない。また、音質も不明瞭で不満があり既製品はどれもこれも同じ様に見えたので、自作することにした。回路設計などは出来ないので、キットを探すことにする。秋葉原に購入しに行くのも大変なので、通販で見つけることにした。私がよく利用する通販は、秋月電子(部品)やコイズミ無線(スピーカー類)、エレキット(キット)などであるが、需要が少ないせいか秋月電子にトランスミッターは2点しかなかった。安い奴とちょっと高い奴。ちなみに、安い方はLC発信、高い方はPLLシンセサイザー。安い方の基板の写真を見てみると、如何にもって感がある。それにマイクが2個も着いている。うむ、何でもありタイプかと言う感じで、多分安物買いになるんだろうな思った。それに駆動が電池なので電源回路も着けなければならない。配線とかケースとかいろいろ悩んだ結果、トランスミッターのキットとしてはちょっとお高い\4,800の物を購入する。このモデルはCPUで周波数などを制御する。だから2行表示の液晶が付いている。この内容からするとマニアの好きそうな仕様である。説明では「新潟精密製FMトランスミッターモジュール使用」と書いてある。
発注後一日おいて商品は到着した。その日はいろいろ用事があったので翌日、組み立てに入る。キットを開封して唖然とした。部品点数が少ないのである。既に基板に配置されている部品がかなりある。これでは半完成品ではないか。梱包には組み立てマニュアルもついており、実写真も載っている。素人でも十分組み立て出来るタイプであるが、もう少しハードの技術的な情報も欲しかった。この製品はマニア向けなのか素人向けなのか良く解らない。プラモデル感覚で組み立てる。そもそもデジタル回路の組み立ては昔からプラモデル感覚である。組み立てそのものは短時間で終了する。いつも凡ミスするので念入りに部品配置を確認する。部品の足間隔がかなり狭いので半田付けには結構気を遣かった。この基板はスルホール基板と言う物で、穴には導電性の筒が入っており両面(表裏)を導通させている。そのせいか、半田ののりが悪かった。きちんと着いているかどうかが心配である。また足間隔も狭いので隣どうしがくっついていないかどうかの確認も必要である。念入りに確認はしているが確信も持てないままその作業に飽きてしまった。「はやくONせよ」と心の声が叫ぶ。いざ、電源投入。あれ?
何の変化もない。電源を抜いて再度目視確認。部品に触れてみるが熱くもない。液晶に何も表示されていないので動作してるかどうかの判断が付かない。初期投入で「FM Transmitter Freq=87.5Mhz」が表示されるとマニュアルには書いてある。少し悩みながら、トリマ(半固定抵抗)がついているだから何か変化があるかもと回して行くと、出た、液晶に文字が現れた。後でマニュアルを読み直してみると、「6.・・・電源を入れVR1を回し液晶が鮮明に表示する様にコントラスト調整を行います。」と書いてあった。マニュアルは読み飛ばし専門なので肝心な所が抜けてしまっていたのだ。上から下までゆっくり読むことが苦手である。トリマはほぼMax位置である。Maxではあまり意味が無いように思えるのだが。液晶に表示されたことはされたのだが、文字ではない。■である。どこかが間違っている。目視やらマニュアル見直しやらを繰り返す。原因が一向に解らない。キット製造元のホームページに載っている説明文をチェックする。内容は同梱されてきた印刷物と同じであるが、ホームページの写真は印刷物より鮮明である。画面を見ながら自分の基板と比較する。しばらく写真を眺める。そこではたと気づく。LSI(CPU)の向きが違う。LSI上にはピンクのドットマークが付いている。このマークを1番を表すマークと勘違いをしていた。だがそこは一番ではなかった。何のマークなんだ。LSIの短面には凹みのマークがあり、ここを基板上のソケットの凹みと合わせるのだ。ソケットの基板への取り付けの時はこの凹みマークを気にして取り付けたのに、本体装着時には別のマークに気を取られてしまっていた。初歩中の初歩のミスである。言い訳を言えば、キットを組み立てるのも久しぶりだったし、マークされているのは一番だと言う先入観があった。しかしそのマークは全く別物であった。とほほである。
LSIが正しくセットされたことで液晶にはマニュアル通りの文字が表示された。最初から正しくセットされていれば「何て簡単なキットなんだ。つまんないの。」となったことだろうが、自ら迷路に入ってしまい、十分と言っていいほど組み立て作業を楽しんだと思える。しかし、難しいところで悩むのなら致し方ないが、こんな単純なミスで迷うとは情けない。稼働を確認できたので実際に音楽ソースを流してみるが、電波はちゃんと飛んでおりラジカセで十分受信出来た。説明書を見ながら取りあえず発信周波数を変更する。プレイヤーの出力電流が小さいので、「Audio In Level」を100mVとする。デフォルトは200mVとなっている。後のパラメーターは今いち良く解らないのでそのままとする。
それでは早速、車で動かしてみよう。まだ12Vの電源ケーブルを購入してなかったので、持っている機器で代用する。AC100Vコンバーターで12Vを100Vに昇圧し、家庭用の12V DCアダプターで12Vに降圧する。何ともおかしな話ではあるが、今動かそうとするとこの方法しかない。プレイヤーはYUPITERUのカーナビYPB517siの音楽プレイヤー機能を使用する。電源供給が楽だし、立ち上げも早く選曲も楽だったので使用することにした。音楽を鳴らしてみる。何か変だ、音も変だし、ノイズだらけである。トランスミッターの組み立てで変なことをしたので狂ったか。どうやっても聴くに堪えられない。苦難去ってまた一難。どこかの調整がまずいのか。車から取り外しまた家でテストをすることにしよう。
取り外したトランスミッター+を家で鳴らしてみる。やはり同じノイズが出る。原因は供給電源ではないようだ。車のノイズでもない。トランスミッターの制御盤よりパラメーターの数値をいろいろ変えてみるが変化はない。音楽を停めてみる。それでもノイズが鳴り響く。もしかしたら音楽プレイヤーが問題なのではと疑う。ちょっと古いが音楽専用プレイヤー CREATIVEのZENに換えてみる。おや?ノイズが聞こえない。原因は音楽プレイヤーにあったのだ。カーナビのプレイヤー機能は、デッキとしては使えないことが解った。ZENはかなり前から使っており、バッテリーが少しへたって来ているがまだ現役である。このZENとガーミンのGPSは、昔の中国出張時の旅の友であったことを思い出す。音楽を聴きながら何カ所か調整をした。また入力電圧が低かったので、入力側に着いているアッテネーターをパスするように改造した。今は専用電源ケーブルも手に入り、車内の位置に関係なくラジオは電波を拾ってくれるので音楽を毎日楽しんでます。音はいい音だと思います。満足です。
基本仕様と調整箇所は次の通りです。
CPU:PIC16F648A(NS73Mコントロール、液晶表示、
キー入力制御)
FM送信モジュール:新潟精密 NS73M
周波数:87.5MHz〜89.9MHz 100KHzステップ
入力:60KΩ、100%変調時 100mV/140mV/200mV 選択可
プリセット・メモリー・チャンネル:10チャンネル
不揮発メモリー
液晶表示器:16桁、2行
アンテナ:リード線またはBNC付きホイップアンテナ
電源:DC 8V〜15V 50mA
基板寸法:90mm x 55mm 1.6t両面ガラススルホール基板
制御盤より変更したパラメーター
Frequency 送信周波数 → 88.3MHzに変更
Charge Pump 発信器チャージポンプ電流 → 125μAに変更
低中域の位相ノイズ低減、
実際ノイズは消えた
本当は1.25μAらしい
Audio In Level → アッテネーターを回避したがなお電圧が低く
100mVへ変更
※写真をクリックすると拡大表示します
結線状態
ここではAC 100VからDC 12Vを取っている
電源投入で液晶は周波数を表示
液晶表示器を外したところ
基板の裏側
挿入ミスを犯したLSI
下のピンクのマークを一番と勘違い
黄色の輪の中に合わせる為の凹みマークがある
作業で組み込んだ部品と改造位置
基板を香水の箱に入れてみました(^^)
手前に立てかけてあるのはZENです
急いで取り寄せた電源ケーブル
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箱を使った香水
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