サンジョウノ・春姫の初登場!
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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(7) (GA文庫) [ 大森藤ノ ] 価格:766円 |
<ベルのレベルアップ!>
ベル・クラネル、Lv.3到達。
――所要期間、一ヶ月。
戦争遊戯(ウォーゲーム)の興奮が冷めやらない中、多くの冒険者を騒がせる情報が都市中を駆け巡りました!
<ヘスティア様の衝撃の事実!>
ベル:「わあ……!」
ヘスティア:「どうだい、今日からここにボク達が住むんだぜ!?」
アポロン・ファミリアの使っていた館を改装し、ヘスティア・ファミリアの新しい拠点(ホーム)ができあがりました!
内部はとても広く、今のメンバーだけでは使いきれません!
『【ヘスティア・ファミリア】、入団希望者募集! 来れ!、子供達!』そんな文言の張り紙をヘスティア様は用意していました。
ヘスティア:「これと同じ広告紙をギルド本部の看板や、おばちゃん達に頼んでバイト先に貼り出してもらったんだ! 紙に書いてある時間まであとちょっと……入団を希望する子供達が、そろそろ集まってくる頃だぜ!」
外を見ると、屋敷の正門の前に様々な種族の亜人(デミ・ヒューマン)が、人垣となって集まり出していました!
50人を超す入団希望者がホームに集まっています。
リリ:「戦争遊戯(ウォーゲーム)に勝利したことで一躍有名になってしまいましたからね。特に、オラリオに来たばかりの新人冒険者の目には魅力的に映ったのでしょう。今、一番勢いがある派閥だと」
ベル:「つ、ついに零細【ファミリア】脱出……!! 神様っ、やりましたね!?」
ヘスティア「ああ! 【ファミリア】を発足してから苦節三か月ッ……短いようで長かった!!」
ファミリアの拡大に喜び、これから加入の面接をしようという所で命(ミコト)が血相を変えて飛んできました!
「へ、ヘスティア様ぁー!?」
「に、に、荷物の中からっ……!!」
「借金二億ヴァリスの契約書がぁ―――――――――――――!?」
この借金はベルの持つ『神様のナイフ』をヘファイストスに作ってもらった時のもの。
ファミリアの主神が膨大な借金を抱えていたことが明るみになり、加入希望者はみんな去っていってしまいました……。
<命(ミコト)の不審な行動?>
「よし、追うぞ」
「尾行は盗賊業以来ですねー」
「い、いいのかなぁ……」
夜中にこっそり抜け出して街へ向かう命の後を、ヴェルフ、リリ、ベルの3人は尾行しました。
命は道中でタケミカヅチ・ファミリアの千草(チグサ)と合流し、二人はナゼか歓楽街へと向かいました!
露出の高い衣装を着た蠱惑的な娼婦たちは、ベルには少し刺激的過ぎました。
命と千草が、遊びに来ていた男神たちに絡まれたのでヴェルフとリリは助けてあげました。命たちの話を聞くと、彼女たちは数年前から行方不明になっている友人を探しに来ていたそうです。
一方その頃、ベルはリリ達とはぐれてしまい、歓楽街で一人になっていました!
アマゾネスの娼婦たちに目を付けられ、(性的に)襲われ逃げ回っているうちにベルは建物の2階に窓から突っ込み、そこで春姫(はるひめ)という獣人の女性と出会います。
娼婦らしい春姫は、ベルを客と勘違いして相手を務めようとしますが、ベルの上着を少し脱がせたところで「とっ、殿方のっ、鎖骨ぅ〜〜っ!?」と叫んで気絶してしまいました。
意識を取り戻した春姫の身の上話を聞いたり、二人の好きなお伽話や童話の話などで盛り上がりました。彼女はもともと高貴な身分でしたが、複雑な事情でこの街に売られてしまったようです。
(その後ベルは無事に逃げきれた)
<命が春姫と会うが……>
「で?説明してもらおうか?」
「歓楽街に行って、朝帰り〜? ほら、ベルくぅん、申し開きはあるのか〜い?」
ベルは神様にしっかり怒られました。そしてベルが出会った女性、春姫こそが、命や千草の行方不明だった友人であることも発覚!
その後、命は男装して歓楽街へ行き、春姫と再会を果たしました。
しかし、旧友と会った春姫は今の自分を恥ずかしく思い、他人のフリをしてしまいます。
春姫:「……他人の、空似でしょう。私は、貴方のような方を存じません……」
命:「待ってっ、待ってください、春姫殿!?」
<イシュタル・ファミリアの不穏な動き>
娼婦たちを多く抱える歓楽街は、【イシュタル・ファミリア】の管轄しているホームでもあります。
イシュタルは自分と同じ美の女神であるフレイヤをライバル視しており、フレイヤが目を付けているベルに手を出そうと計画していました。
ここでは【イシュタル・ファミリア】が【フレイヤ・ファミリア】と抗争を起こすかのような、不穏な会話がされていました。
神イシュタル:「『殺生石』が準備でき次第、フレイヤ達と戦争だ。あのガキにも挑発の道具なり何なり役に立ってもらう……お前達、心しておけよ」
<春姫を買い取る?>
神ヘルメス様から、ベルと命はアドバイスをもらいました。娼婦には『身請け』という制度があり、娼婦を店から買い取ることができるそうです。
「み、身請けの金額は!?」
「娼婦の位にもよるけど……相場は二、三百と聞くかな?」
……大金ですが、今ならなんとかなりそうな金額でもあります。
更にヘルメス様は、神イシュタルに『殺生石』というアイテムを届けたことも伝えてくれました。
<ベルが攫われた!>
ダンジョンの探索中。
イシュタル・ファミリアのアマゾネスであるアイシャに襲われ、ベルは戦いに敗れて連れ去られてしまいました!
アイシャは春姫が得意とする『妖術』で能力を強化されていて、ベルは全く歯が立ちませんでした。(春姫は誘拐のターゲットがベルだった事を知って悲しむ)
神タケミカヅチは『殺生石』について知っていました。リリ、ヴェルフ、命、ヘスティア達が話を聞きました。
『殺生石』というのは春姫のような狐人(ルナール)の専用アイテム。自分の魔法を、他人にも使えるようにするアイテムです!
石の使用者である狐人(ルナール)の魂を石に封じ込め、その石を砕くと、その石の破片一つ一つが『妖術』を行使できる魔法の発動装置となります。効果はオリジナルと変わらず、詠唱も不要。
ちなみに春姫の『妖術』は他人の能力を大きく上昇させる、強力な効果を持っています!
『殺生石』に狐人(ルナール)の魂を移す儀式が行えるのは、満月の日。
そして偶然にも今夜がその満月の日です!
それを聞いた命はすぐさま走り去って行ってしまいました。
狐人、つまり春姫の魂を救うため、また攫われたベルを救助するため、ヘスティア・ファミリアは行動を起こします。
<春姫を助ける!>
攫われたベルは、春姫が逃がしてくれました。
春姫も一緒に連れていきたいところですが、彼女には首輪の魔道具が付けられていて、居場所がイシュタルたちにバレてしまいます。
ベルと春姫の所へ命が到着。アマゾネスもやってきて、ベルと命は一度逃げることにしました。
本来なら勢力の大きいイシュタル・ファミリアと対立したくないところですが、ベルは春姫を助けることを決心しました。
命:「……ヘスティア様達には、自分も土下座をして謝ります。一杯叱られましょう!」
<春姫奪還!>
「まず、もとより狙われていたベル殿が宮殿に侵入し、敵の注意を引き付け……」
「命さんが、その間に春姫さんを助け出す」
「……二十分、いえ十分耐えてください。必ず自分が春姫殿を見つけ出し、連れ出します」
「……最後に、この試みが失敗した時のことも話しておきます」
「春姫殿と接触した際、如何にかかわらず閃光弾を上げます。緑は成功、そして赤が――」
「失敗……その時は」
「……敵の警戒が最大になっている儀式の場へ乗り込み、『殺生石』そのものを破壊するしかありません」
「その際は臨機応変に対応するしかありませんが……どちらかがおとりになり、もう一人が石を壊す。今はこれくらいしか決められないと思います」
「それでは、ベル殿……ご武運を」
「命さんも、春姫さんをお願いします」
ベルは『ファイア・ボルト』でイシュタル・ファミリアへ先制攻撃!
その爆発を見て歓楽街へ来ていたヘスティア、ヴェルフ、リリ達も特攻を開始!
更にはベルに手を出したイシュタルに向けて、フレイヤも屈強な冒険者たちを率いて侵入!
ベルがアマゾネス達と戦って春姫捜索の時間稼ぎをしていると、ファミリアの主神であるイシュタル本人が登場。
そのままアマゾネス達を立ち退かせ、彼女たちには儀式場へと向かわせました。
ベルと二人きりになったイシュタルは裸になり、ベルと性行為をするために襲い掛かってきます!しかし、ベルにはイシュタルの『魅了』が効かず、逃げられてしまいました。
※イシュタルがベルの貞操を奪おうとしたのは、憎む神フレイヤへの当てつけのため(フレイヤはベルが好きなので)。春姫の『妖術』を手に入れようとしたのも、フレイヤ・ファミリアと戦って勝つため。
イシュタルの行動は、全てフレイヤを意識したものです。
命が春姫を見つけ、彼女を説得しますが失敗。命は不意打ちを食らってしまい、建物から落下してしまいました。
その後、命は敵に襲われ自分の魔力を暴走させて自爆。敵と相打ちになり重症を負いました。
春姫を助けるため、儀式場でアマゾネス達と戦っていたベル。彼の説得で、春姫は自分は遂に自分の感情に素直になることができました。
自分の『妖術』である【ウチデノコヅチ】を詠唱し、ベルに掛けることに成功。彼女の妖術の効果は『一時的にレベルを上げる』という凄まじいものでした!(この世界では基本的にレベルが上の相手には勝てません)
身体能力が急上昇したベルが暴れ、更にはフレイヤ・ファミリアの屈強な冒険者たちがアマゾネス達を襲撃!
神フレイヤ本人がイシュタルを追い込み殺害。イシュタルを天界へと送り返してしまいました。(神はこっちの世界で死ぬと天界へ送り返されて、戻ってこれなくなる)
春姫を連れて逃走するベルは、これまで何度も戦ったアイシャというアマゾネスと決戦になります。
アイシャ:「……来たね」
ベル:「春姫さんを、連れていきます」
「……いい顔になったじゃないか」
(ちなみにこの後の会話で、春姫がまだ処女であることが発覚。いつも気絶してしまい、男客の相手をできたことは一度も無いそうです……)
戦いの最後は、ベルが拳をアイシャに叩き込みながら、『英雄願望(アルゴノゥト)』で強化され全精神力(マインド)を傾けた『ファイアボルト』を打ち込み決着。
ベルは春姫を奪うことに成功し、イシュタル・ファミリアはフレイヤによって崩壊しました!
<サンジョウノ・春姫がヘスティア・ファミリアに加入!>
「今日から、僕達は家族(ファミリア)です。よろしくお願いします」
「こちらこそ……ベル様、どうか末永くよろしくお願いします」
「ちょっと待つんだ春姫君っ、いま変な言い回しをしなかったか!?」
「そうです、今何かがおかしかったです!!」
「そ、そうでございますか?」
「ま、まぁまぁ。ヘスティア様、リリ殿」
「そんなことよりも……新しい入団者だ、今日は羽目を外していいんじゃないか?」
「おっ!話がわかるじゃないかヴェルフ君、よしっ、今日は春姫君の歓迎パーティーだ!」
「や・め・て・く・だ・さ・い!? これ以上の散財癖がついたら派閥(ファミリア)は……!」
――春姫が仲間になりました!
(『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』7巻の荒筋・ネタバレ)