探偵はもう、死んでいる。 1巻 / 二語十(にごじゅう)
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『探偵はもう、死んでいる』について:
まず、主人公の君塚君彦(きみづか きみひこ)は4年前、『シエスタ』と名乗る名探偵少女に気に入られ、それから3年間の間シエスタの助手として世界中を冒険していました。
しかし1年前、シエスタは敵対する秘密組織・《SPES》(「スペース」と読む)に殺害されてしまいました。
それから1年間の間、君塚は高校生として生活し、現在は3年生です。
<第一章>
主人公の君塚君彦は極度の巻き込まれ体質で、普段から色んな事件に遭遇します。警察官にも知り合いがいて、「この街で起こる犯罪、その第一発見者の七割がお前だぞ。自作自演を疑われても仕方ないと思うが?」などと言われてしまうほど、普段から事件に巻き込まれます。
そんな、今は高校生として学生生活を送っている君塚のところに『夏凪渚(なつなぎ なぎさ)』という女子が声をかけてきました。
君塚は自分の身の回りで起こる事件を日常的に解決してるので、地元の新聞にしばしば名前が載ります。それを見た夏凪は君塚に、人探しを依頼してきました。
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君彦:「それで?誰を探してるんだ?」
夏凪:「さあ、それは分からない。あんたには、あたしが探してる人を探してほしいの」
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話を聞くと、夏凪渚は小さい頃から心臓が悪く病院で暮らしていて、1年ほど前に心臓移植の手術を受け、最近学校に通うようになったそうです。
夏凪は心臓を移植して以来、心臓の元の持ち主の意志が宿ったかのように、特定の誰かに会いたくなるそうです。しかし自分が(心臓が?)会いたい人は年齢も性別も、どこに住んでいるかも分かりません。
尚、夏凪はいきなり君彦の口に指を入れて「あたしの質問を無視するつもりなら容赦なく、あんたののどちんこを触る」と脅してきたり、いきなり抱きついて来たりと、行動がかなり大胆。
君塚は夏凪を連れて警察署に行き、『コウモリ』と呼ばれる人造人間に会いました。コウモリは聴覚に特化した人造人間で、百キロ先の人の話し声も聞き取れます。彼は夏凪の心臓の音を聞き、それがかつて戦ったシエスタの物だと言いました。
(夏凪渚の心臓は死んだ探偵、シエスタの物だった!)
※この世界には異常な能力を持った『人造人間』がいます。君塚が助手をしていたシエスタは《SPES》(スペース)という組織の人造人間に殺されました。
コウモリとシエスタは4年前に戦闘。その際、コウモリは耳から触手を出して攻撃してきました。
夏凪渚の心臓はシエスタの物だったと分かり、おのずと彼女が会いたかった人物も判明しました。
彼女が会いたかった人物は、探偵の助手だった主人公・君塚君彦でした!
その後、シエスタの意志を継いで夏凪渚は探偵をやると言い出しました。
<第二章>
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「――わたし、斎川唯(さいかわ ゆい)っていいます! アイドルをやっています!
「時価三十億円のサファイアが盗まれるのを、未然に防いでほしいんです!」
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いま日本で注目の歌って踊れる女子中学生アイドル、斎川唯から大きな依頼が来ました。
彼女の下に『斎川唯のドームライブ当日、時価三十億円のサファイアをいただく』という犯行予告の手紙が届いたそうです。斎川の家(豪邸!お金持ち)には『奇跡のサファイア』と呼ばれる家宝があるので、それをライブ当日に守って欲しいという依頼でした。
夏凪と君塚はこの依頼を受け、君塚は依頼主である斎川のことを調べました。
斎川唯の両親は既に他界しており、彼女は左目にいつも眼帯をしています。彼女はステージ上で『さいふぁあ☆ふぁんたずむ』という曲の大サビを歌う時だけ、眼帯を外して左目の青い義眼を見せるパフォーマンスをします。
ライブ当日、君彦と夏凪は斎川の家ではなく、彼女のライブ会場にいました。そして『さいふぁあ☆ふぁんたずむ』のサビで斎川唯が眼帯を外そうとした時、君塚はステージの上に駆け上がり、斎川を抱きかかえて飛んできたボウガンの矢を回避しました。
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君彦:「――時価三十億円の奇跡のサファイアとは、斎川唯の左眼のことだ!」
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斎川は、《SPES》に脅されて君塚と夏凪を亡き者にしようとしていたようでした。(本来君塚たちが警備する予定だった斎川邸には警察が向かい、そこで爆薬が仕掛けられているのが発見された)
斎川唯は《SPES》に協力したにも関わらずライブ中に銃撃され(犯人は《SPES》)、しかもそれを自分が罠にかけようとしていた君塚に助けられてしまいました。
斎川は、一度は君塚と夏凪を騙し殺害しようとしましたが、夏凪からのお誘いで仲間になることになりました。
斎川の左眼はサファイアでできた義眼で、何でも見通す透視能力を持っていることが分かりました。
<第三章>
斎川を海に誘った結果、斎川家が主催する豪華客船のクルージングツアーに招待してもらえました! 君塚と夏凪、斎川の3人はエーゲ海に向かって出航。八日間の船旅が始まりました。(学校は夏季休暇に入ってる)
そんな豪華客船の中で、君塚と夏凪はシャーロット・有坂・アンダーソンという少女と出会いました。
君塚はシャーロットのことを親しげに「シャル」と呼びます。君塚とシャル(シャーロット・有坂・アンダーソン)は知り合いで、二人とも名探偵シエスタに仕えていました。
シャルは今は亡きシエスタをとても慕っていて、彼女に『助手』として認められた君塚を敵視(ライバル視?)していました。
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シャル:「マームは死ぬ間際に《SPES(スペース)》を打倒するための意志を……遺産を世界中に残していた。そして、その一つがこの客船に眠っている。解析に時間はかかったけど、確かな情報よ」
※シャルはシエスタのことを『マーム』と呼ぶ
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シャルが言った情報を《SPES》も掴んでいたようで、クルージング船に人造人間の刺客が送られて来ました!
刺客の名前は『カメレオン』。彼は自分の姿を消す能力を持っていて、さらに伸縮自在の長い舌を伸ばして自由に操ります。
カメレオンは夏凪をさらい、『ゴゴハチジ、メイタンテイノ、イサンヲモッテ、メインデッキヘ、コイ』というメッセージを残しました。
君塚と斎川は、斎川の何でも見通す《左眼》を使って船の中を捜索しますが、シエスタの遺産らしき物は見つけられませんでした。
夏凪を取り戻すため、またクルージング船の乗客たちを守るため、カメレオンと戦闘になりました。
一時船から離脱していたシャルが、女性警察官の風靡さんと一緒にヘリコプターに乗って登場!
シャルはシエスタと一緒に活動していた時から戦闘が得意でした。彼女は銃器でカメレオンを攻撃。カメレオンが姿を消すと、その周辺丸ごと火をつけて彼をあぶりだしました。
カメレオンとの戦闘中、夏凪は君塚たちを助けるため、自分の中にいるシエスタと対話。一時的にシエスタに自分の体を譲り、君塚たちと戦ってカメレオンを撃退しました。
<エピローグ>
カメレオン(人造人間)の襲撃を受け、予定されていたツアーは中止になりました。
斎川家が用意した新しい客船の上で4人が集まります。
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「夏凪渚、斎川唯、シャーロット・有坂・アンダーソン、そして君塚君彦――四人で《SPES》を倒してほしい」
君たち四人こそが私の残した『遺産』で――最後の希望。
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死んだ名探偵と対話した夏凪が、シエスタの真意を伝えてくれました。
不意に客船のアナウンスが聞こえました。
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『えー、お客様にお知らせがございます』
『詳細を明かすことはできないのですが』
『お客様の中に、探偵の方はいらっしゃいませんか?』
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(終)
(『探偵はもう、死んでいる』1巻のネタバレ・あらすじ)
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