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2015年09月26日

きしめん

今日東京に用事があって出掛けた。
新幹線で行くので名古屋駅(こちらでは名駅(めいえき)と呼ぶ)まで出た。
用事は昼からだったので、昼ご飯をどうしようかと思案していた。

久々(15年ぶり?)に渋谷でランチをしてもいいし、
新幹線内で駅弁を食してもよい。
(前回の用事の時は時間は無いわ、荷物は重いわ、雨は降るわで
 全然余裕がなかったので昼ヌキだった)
さて、どうしよう?

そうだ!きしめんにしよう!

名古屋駅といえば、
新幹線のホームで立ち食いきしめんを食べるのが結構有名である。
一度も食べたことがないので食べてみよう!

さて、きしめんであるが、
今は味噌煮込みだ、ひつまぶしだ、手羽先だ、あんかけスパゲティだ、と
名古屋メシもいろいろと全国的に有名になっているが、
一昔前で名古屋というと
「きしめん」しか思いつかなかったような気がする。
あと「ういろう」か。
注)筆者は広島出身で、その後東京に出たクチです。

「名古屋と言えばきしめん」というぐらい
ワンセットになっているメニューだけれども、
こちらに住み始めて早や15年以上経つが、
きしめんを食べたのはおそらく数えるくらいしかない。

定食のおまけでついてくる麺類で
(そばorうどんorきしめん)
たまにセレクトするくらいで、
それも「あんま食べたこと無いなあ」と思って
あえて、特に食べたいわけでもなく食べるという
ちょっと失礼な食べ方しかしたことがない。

まず家できしめんが出てこない。
家庭料理はカミさん次第なので
よその家庭は出ているのかもしれないが、
うちに限っては出てこない。
だってカミさん、きしめん嫌いだから。(笑)

スーパーの食品売り場でも
きしめんが大きな顔をしているわけでもない。
どっちかというと、うどんの方が多いんではなかろうか?

名古屋でうどんと言えば「山本屋本店」が有名だ。
巷では有名だというのをわりと最近知った。
数回行ったことがあるが、(最近知って行くようになった)
筆者はグルメではないので、その辺の微妙な違いはよくわからないが
麺にコシがあって、歯ごたえがしっかりしていることはわかる。

一番のオススメは、
前菜(?)に出てくる漬け物(三種)である。
なんとおかわり自由なのだ!

また話が違う方向に飛んで行ってしまった。
話を元に戻そう。

名駅できしめんを食べることにした私。
東京行きホームで早速きしめん屋を探した。
たしかこのあたりにあったはず。
なかなか見つからない。

筆者は自由席に乗るので1号車に向かって歩いていたのだが
いっこうに出会えない。
もしかして、16号車寄りか!?
さては貧乏人ではなく金持ち目当てか!

下衆(下司、下種)の勘ぐりをしているうちに
目当ての店が見えてきた。
※後からわかったことだが、
 この店は東京行きと大阪行きのそれぞれのホームの
 1号車寄りと16号車寄りの両方に店を構えているとのこと。
 ナント計4店も出店している!
 ちなみに、JR在来線(千種駅とか)のホームにも出してます。

店の名前は「住よし」。
噂によれば、新幹線を途中下車して食べる強者もいるとか。
ここは食券制だ。
何にしようか?
メニューがいっぱいある。
かき揚げ、きのこ、山菜、にしん、玉子、名古屋コーチンetc
トッピングの選択も可能なので選び放題だ。

基本は素の「きしめん」だろうが
筆者はわかめが好きなので「わかめきしめん」にした。
育毛効果を狙っているのではなく、純粋に海藻が好きなのだ。

狭い店内に入るとおばちゃんが二人
忙しそうにカウンターの中で働いていた。
こちらに気付いて「いらっしゃいませ」
と聞こえるか聞こえないかぐらいの挨拶。

食券をカウンターの上に置いても
「わかめきしめんですね!」の一言もなく
一瞥するのみ。

残念ながら「もう二度と来ないだろうな」と心の中で思った。
きしめん自体の味は可もなく不可もなくで
(元々グルメじゃないので、余程のことがないとわからないせいもある)
味で吸引されるほどのものではないかな。

このお店に限ったわけではないが
最近よく感じるのが、店員さんの愛想の無さというか
接客をしているという意識を感じないというか
ある意味すごく機械的なんだよね。

人間って、ある意味いつまで経っても人間なので
感情は機械じゃないんだよね。
そして、その感情に行動はほぼ支配されちゃうんだよね。

昔の自分は意識的に、
機械的に物事を考えるようにしていたことがあったけれど
今思えば、食事に関しては結構感情で選んでいたような気がする。

安いから行く、
味がおいしいからその店を選ぶ、
のではなく、店をやっている「人」を選んで
その店に通っていたような気がする。

食堂もそうだし、居酒屋もそうだし、スナックもそうだった。
客として行っているのだけれど
一人の「人」として接してくれていたのだと
今ではわかる。

会話が違うんだよね。
会話の中身が。
上っ面だけじゃない。
会話をあまりしないお店でも
こちらのことをよく見ていて
「この人はこういうことが好きなお客さんなんだな」と
相手のことを理解しようとするその姿勢。

そういったお店は不景気だろうがなんだろうが
常連客ができるし、
常連客に連れられてきた人が
ファンになってリピーターになる。
口コミは最強の宣伝というけれど
まさにその通り。

そういう地元の根強い人気店もいつかは廃れていく時もくる。
たまにテレビで取り上げられることもあるが
そういう時って、お店の人の「気」(意識)がやっぱり
弱っているんだよね。
その状況を知って昔の馴染み客が戻ってきたりして
盛り返してもそれは一時的。
根本的なところが変わってしまっているから
昔のようにはならない。

話をさっきのお店に戻すと、
最近思うんだけど、自分が経営者だったら
基本的に「元気で、(健康で、)愛嬌のある子」を選んで雇うし
(今は人手不足で難しいんだろうけど)
そういった子(ちゃんと挨拶・接客できる子)には
倍の給料払ってもいいと思う。
それだけの効果はあるよ。

入っては辞めるスタッフ募集の求人費用はホント馬鹿にならない。
そんなドブに捨てるようなことするくらいなら
今いる大事な人にお金を使うべきだと思う。

その人だけ時給を倍にしたら、
そうじゃない人から総スカン食らうからできないというのなら、
せめてことあるごとに、
ほめてあげるなり、プレゼントでもあげるなり、
「ちゃんと見てるよ」「ありがとう」
ということを示してあげれば
やってる方もわかってくれるし、定着もしてくれると思う。

なんか、最近こんなことばかり思う。

そんなこんなで品川で降りて
山手線に乗り換えようとコンコースを移動していたら
改札前で土産物の特設販売をしていた。

楽天で人気だとかいうドーナツはスルーして
大福の前で足が止まった。
次男坊とカミさんが和菓子が好きなので
ちょっと気になった。
今回のお土産は銀座たまやの
「ぽてたまご」と決まっていたのだが
ついつい気になって足を止めてしまった。

売り子のお姉さんが
塩と豆とよもぎの説明をしてくれる。
日持ちのことを訊いたら
「今日までだが冷凍したら持ちますよ!」と。

「明日の朝なら大丈夫ですよね?」と訊いたら
笑顔で返してくれた。
法律云々のことをいったらややこしくなるが
要はそういうことである。
(わかってもらえるかなあ?)

レジのお姉さんも
笑顔で「ありがとうございます!」
結局これなんだよね。

東京に住んでたら
きっとリピーターになってるな、絶対。


用事が終わって東京駅でいつもの売店を探した。
今日は珍しくお兄ちゃんが売り子だった。
目当ての「ぽてたまご」(その時まではうろ覚えでよくわかってなかった)が
ないのかなと思案していると
「お探しのものがあるんですね。どちらですか?
ものによってはこちらとは違う売店で販売してます」
と教えてくれた。
結局「ぽてたまご」はここでは売ってなくて
5番ホームの方の売店を「笑顔」で教えてくれた。
これなんだよね!

結構、東京駅の売店の売り子さん達は笑顔だし、
土産がいっぱいだと大きな袋にまとめてくれるし
ホント接客業を心得ていると思う。
会社の教育なんだろうか。

最近聞かなくなったが
ひと頃マクドナルドが
「スマイル0円!」とやっていた。
結構あれって大事なんだよね。
しょせん掛け声なんだけれども
その掛け声がなかったら、スタッフの意識はどこへ行く?

マクドナルドの凋落の原因は
原材料をあーしたこーしたの問題じゃない。
そんなことしてたって、
売ってる人がいい人だったら買いにくる。
ちゃんと理由をつけて!

「なかにはそういうのもあるかもしれない。
 でもこれは違う!(根拠はないよ(笑))
 もしそうでも、この人が売ってるんだったらいいや」
とまで思う。
それが人間なんだ!

ちょっとお酒が入って熱くなってしまったけど
だからこそ、ホントの部分がわかる。
(と思ってる。本人は)

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