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2021年06月14日

若葉の頃に(2)担任編

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ご訪問頂き有難うございます。感謝致します。

前回の(暴力)担任編に続き、今回は(アル中)担任編を書かせて頂きます。はい、実話です(遠い目)

アルコール中毒の担任は高校2年生時の担任でした。こんな事を書きたくは無いのですが、リアル・ブタゴリラと言いますか、カバゴリラとい言いますか、カバ感の強いブタゴリラという風貌でした(笑)勿論男性です、担当教科は英語でした。

そうなんです、とても問題の多い担任教師でした。当時で60代前半だったかと思います。とにかく酒臭い。近くまで行かなくてもお酒臭くて、顔はいつも赤く喜怒哀楽の「怒」が強く出ている時は、まともな会話も出来ません。突っかかってきて、生徒を殴ります。それも、ブタゴリラですから手も大きくて、ゲンコツで殴って来ます。先生の愛車はボルボでしたが、ビールの缶や酒瓶がいくつも転がっていてせっかくの外車も台無しでした。

先生がお酒を飲まない日は殆ど無かったのですが、それ程深酒では無い日はニコニコしていて、私がこっそり読んでいた「珍遊記」BY漫☆画太郎先生の漫画の単行本を他の教科の先生に取り上げられてしまった時も「代わりに花を持って来い!」と言って、私が言われた通りにすると、他の教科の先生と話し返してくれるよう融通してくれ、本を返して貰えたりしました。機嫌が良い時はユーモアがあり良いのですが、不機嫌の時との差があまりに激しく、女子高生の私達は殴られたくないので機敏に先生の変化を感じ取り行動していました。

私が約束の花を持って行き、花瓶に飾って教壇に置くと「これは何だ!これは便所花だろ!(笑)」と笑われたのですが、時期的に寒く花があまりなかったものの、ちゃんとお金を出して菊の花を買いました(笑)
「誰が花を持って来いと言われて、菊の花を持ってくる奴がおるか?」と笑い、私に「おい、菊の花は英語でなんだ?」と質問され、すぐに「クリサントマム」と答えると満足そうに「知ってたか」と機嫌が良くなったのを覚えています。先生はすぐ英語の質問をしてくるので、菊の花を持ってくる時点で予想を立てて辞書で調べておきました(笑)先生は単純だから、質問してくるだろうと思ったら案の定です(笑)

そんなアル中の先生ですが、酩酊状態でも他のクラスでは授業をしていたそうです。なぜ、していたそうかと言うと他のクラスの友人に聞いたからです。そして…私達は担任クラスであるにも関わらず、1年間で1度もまともに授業した事がありませんでした。普通なら許されない事です。1年です、1年。授業をしない(汗)
酒臭い荒い息をしてドカッとイスに座っていたり、来てもすぐに教室を出て行ったり。

「先生、期末テストが近いのでたまにはきちんと授業して下さい」とクラスの子が言えば、機嫌が良いほろ酔いモードの時は「そんなの教科書読んでたら馬鹿でも分かるでしょうが」と言い、機嫌が悪い深酒モードの時は「何だと!」と急に殴り掛かって来ます。なので1度もまともに英語の授業を教わった事がありません。
多分、学校の職員は誰一人知らなかったと思います。あと真冬の寒い時期で制服のスカートの下に体育ジャージを穿いていると「みっともない」と深酒時は殴ってきます。自分のアル中状態は棚に上げてです。何度も言いますが、女子高生です。そうそう殴られて良いわけありません。殴られた子を見て、「先生、止めて下さい」と言った子はその子まで思いきりゲンコツされていました(涙)

先生はアル中で、感情の起伏が激しく職員達の中で本当に「鼻つまみ者」でした。本人も自覚していると言っていましたし、実際他の教師は嫌な顔をしていました。先生は医者になりたかったそうです。でも色々な理由があり、夢破れて奥様とは離婚し、息子とは仲違いして疎遠になっており、唯一の楽しみはオーストラリアに留学されている娘さんとの手紙や電話だったそうです。

職員室に居場所がなく、高校は看護科もあったので看護科職員室に入り浸っている状態でした。寂しい人だったんだと思います。医者になりたかったので看護科の職員室が落ち着いて良かったのかもしれません。歓迎されていたかは知りませんが、そこしか行く場所が無かったんですね、普通科の職員室では先生と話す人はいませんでしたから。それでも私はそんな弱い所があるアル中で感情の起伏が激しい先生が人間的に好きでした。人間味がある先生だったと思います。私達の担任でも教師らしい所は少しも無かったですが(笑)

高校3年生になる前の春休み、先生から電話を貰いました。私は友人から見ると明るく面白く見られるようですが、極端な人見知りです(笑)自分でも自覚しています。そこで先生が、3年生になってクラス替えもあるし不安ではあるだろうが「人見知りは今後の人生でも損だから気を付けなさい」と言ってくれました。でも電話越しにでも、先生が酔っている事は分かりました。生徒名簿を見ながら、生徒達に電話をしていってくれたんだと思います。そんな思いやりがあるのに、なぜ酒ばかり飲み授業をしてくれなかったのか?(笑)思いやりの方向性が違います。

不安もありましたが3年生になり、新しく担任になったJ先生とも問題なく(笑える問題は色々起こりましたが)過ごしていきました。授業中寝ていて席が廊下側だったので、早めによその授業が終わって廊下を歩くJ先生に開いた窓越しに頭をはたかれたのも今では思い出です(笑)卒業アルバムのクラス写真と個人写真のページにふざけたイラストを私が担当し描いたのですが「よくもこんな変な絵を描きやがったな」と呼び出されたのも良い思い出です(笑)

そして高校3年生の冬休み、お正月にクラスメイトから電話がありました。「驚かないで聞いてね、〇〇〇〇先生が亡くなったよ」と。2年時のアル中担任でした。「嘘でしょう?そんな訳ないじゃん」と私は言ったものの、アルコール漬けの先生でしたので、電話越しに静かに現実を受け止めていました。いつものように飲み、先生のお兄さんが見つけた時には亡くなられていたそうです。ブタゴリラのような先生を思い出し、なんでお正月の1月1日にこんな思いをしなければならないのかと涙が出ました。そして2年時のクラスメイトである友人8人で初七日に先生の自宅へ行きました。有難い事に連絡を受けて頂き、先生のお兄さんの奥様(兄嫁さん)が対応して下さいました。

悲しい気持ちで先生のご自宅に伺うと、玄関に大きな水槽が。何の魚だろうと見ると、兄嫁さんが「ピラニアなんですよ、お正月に食べるってTさんが楽しみにしてたんだけどね」と言うじゃないですか。おい〜(遠い目)笑わすんじゃないと呆れつつも少し気持ちが落ち着き、部屋へ入らせて頂きました。
先生の遺影がまた驚きです。満面の馬鹿笑いの写真です。なぜ普通の笑顔の写真では無いのか(遠い目)きっと普通の写真が無かったんでしょうが、それにしてもです(笑)なぜこの写真という…私は吹き出してしまった程です。
友人が「ちょ、ちょっとあの写真見て。ウケる」と言い、「分かってる、もう言わないで」と言い合い笑い合い、お線香を立てました。兄嫁さんが「急だったからね。本人もビックリしていると思うわ。あなた達、Tさんが2年生の時に受け持った生徒よね?あなた達の事を凄く心配していたのよ」と言われ、寂しいやら切ないやら、写真は可笑しいやらでしばらく泣き笑いしました。「ピラニアをお正月に食べれなかった事が悔やまれてるでしょうね」と兄嫁さんが何度も言うので、何とも言えない気持ちになりました(笑)食べる為にそんな魚を育てる先生(笑)

その後、私達が帰る際に兄嫁さんが「渡す物が無い」となぜか大きな花瓶に飾っていた孔雀の羽根を1人1本ずつ渡され、帰路に着きました(笑)こんなのどうしろっていうの、バスに乗って帰るのに(笑)この先生の初七日はどこから突っ込んでいいやらのオンパレードだったのですが、帰りは誰一人泣く事も無く、先生らしい最後だと思う事にしました。

先生と生徒達で旅行する夢は叶いませんでしたし、一緒にお酒を飲む事も無く、良い思い出ばかりでは決して無いですが記憶にとても残っています。そして「人見知りだと損をするぞ」と気にかけてくれた優しい部分もある先生。他のクラスの生徒にとってはアル中なだけでも、私達には沢山の楽しくも変な思い出をくれた先生です。少なくとも、1年生の頃の担任よりずっと良い先生でした。少なくとも自分が気に入っている生徒とそうでない生徒とかは作らず、平等に見てくれていました。勉強面ではアウトですが。

医者になれなかった自分を悲観し、奥様との離婚、息子さんとの不和、日本とオーストラリアという遠く離れた娘さんとの距離。それがお酒に逃げ、お酒に溺れてしまったんだと思います。授業が終わると学校帰りにお酒を買い込む姿をクラスメイトはよく見ていたそうです。私も先生が機嫌が良い時には「酒臭いよ、先生」と言っていましたが、先生は「お前達は乳臭い。やかましいセサミストリートキッズだ」と言い返されていました。そういう所は英語の教師です(笑)「オーストラリアは良いぞ、留学をしなさい」と何度も私に言ってくれました。娘さんが留学しているオーストラリアがきっと好きだったんでしょうね。

なかなか出来ない経験をさせて貰った先生です。そして最後の最後まで呆れて、笑わせて貰いました。
本当に色々ありました。それでも先生が好きでしたし、いつまでも記憶に残る先生です。今だったら、いえ今じゃ無くても珍しいほど滅茶苦茶な先生だったと改めて思います。

皆様の学生時代、記憶に残っている先生はいらっしゃいますか?尊敬出来る先生に出会えた方は凄くラッキーだと思います。私は尊敬できるという意味では、学生時代に出会えませんでした(笑)尊敬とは違い、インパクトのある「クセが強い」教師ばかりに出会ってきた気がします。

これでも色々話を端折ったのですが、とても長い話になりました。

本日もお読み頂き有難うございました。感謝致します。
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