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2017年06月20日
オーディオブランド「aiwa」が復活
2008年に生産を終了したオーディオ機器の「aiwa」ブランドが復活することになりました。
ソニーが持っていたブランド使用権を国内EMS(電子機器の受託製造サービス)企業が取得し、音楽プレーヤーや4Kテレビ、CDコンポなどを中国で製造し、今秋から国内外で販売予定としています。
「aiwa」ブランドの新製品は、ソニーからブランドの使用権を譲り受けたオーディオ機器のEMSの十和田オーディオが設立した新会社「アイワ」が家電卸の角田無線電機と販売代理店契約を結び、全国の家電量販店や総合スーパーで販売します。
アイワは1951年に創業し、1980年代から、ヘッドホンステレオやラジオ付きカセットレコーダー(ラジカセ)をはじめ、手ごろな価格で若者に人気のオーディオブランドでした。
スピーカーとチューナー部が独立したミニコンポなどもヒットしました。
1969年にソニーと資本提携した後、2002年に吸収合併され、ソニーの完全子会社となっていました。
「aiwa」ブランドは、ソニーのオーディオ製品のサブブランドとなりましたが、当時の経営陣から評価されず、2008年にブランド終了となりました。
アイワ製品はリーズナブルな価格設定と、機能を絞った現実的な性能で、主に若年層から一定の指示を得ていました。
しかし、オーディオのデジタル化の波についていけず、ソニーに吸収されてしまいます。
更に不運なことに、当時のソニー経営陣は低価格帯商品を評価しない傾向がありました。
この時期は高級ブランド志向の流れがあり、安っぽいイメージがソニー経営陣に嫌われたフシがあります。
これはつまり、アジアや中近東のマーケットを自分から放棄しているようなものでした。
低価格帯商品をを小馬鹿にし、高級ブランドで海外展開するつもりでいたのでしょう。
ソニーは2010年頃より経営が傾き始め、上場来初めて配当を見送り、人員整理、事業統合といったリストラに迫られます。
円高で北米市場を失ってしまったこともあるのですが、何より、当時の経営陣が見通しを誤ったことが大きいように感じられます。
何をしてもうまくいかず、ソニーの家電ブランドは大きく失墜しました。
もっとも、こうした経営方針は、ソニーに限らず、日本の家電メーカー全体に言えることかもしれません。
シャープ然り、パナソニック然り。
無難な経営方針が、企業本来の独自性を貶めていったのでしょう。
その結果が、今の日本の家電メーカーが不振にあえいでいる理由なのかもしれません。
その中で、一念発起、金融と不動産へ大きく舵を切って、経営危機を抜け出したソニーの現経営陣は、まだ有望と言えるでしょう。
そのソニーが譲渡を決めたことで、老舗ブランドの再挑戦が始まるのです。
ソニーが持っていたブランド使用権を国内EMS(電子機器の受託製造サービス)企業が取得し、音楽プレーヤーや4Kテレビ、CDコンポなどを中国で製造し、今秋から国内外で販売予定としています。
「aiwa」ブランドの新製品は、ソニーからブランドの使用権を譲り受けたオーディオ機器のEMSの十和田オーディオが設立した新会社「アイワ」が家電卸の角田無線電機と販売代理店契約を結び、全国の家電量販店や総合スーパーで販売します。
アイワは1951年に創業し、1980年代から、ヘッドホンステレオやラジオ付きカセットレコーダー(ラジカセ)をはじめ、手ごろな価格で若者に人気のオーディオブランドでした。
スピーカーとチューナー部が独立したミニコンポなどもヒットしました。
1969年にソニーと資本提携した後、2002年に吸収合併され、ソニーの完全子会社となっていました。
「aiwa」ブランドは、ソニーのオーディオ製品のサブブランドとなりましたが、当時の経営陣から評価されず、2008年にブランド終了となりました。
アイワ製品はリーズナブルな価格設定と、機能を絞った現実的な性能で、主に若年層から一定の指示を得ていました。
しかし、オーディオのデジタル化の波についていけず、ソニーに吸収されてしまいます。
更に不運なことに、当時のソニー経営陣は低価格帯商品を評価しない傾向がありました。
この時期は高級ブランド志向の流れがあり、安っぽいイメージがソニー経営陣に嫌われたフシがあります。
これはつまり、アジアや中近東のマーケットを自分から放棄しているようなものでした。
低価格帯商品をを小馬鹿にし、高級ブランドで海外展開するつもりでいたのでしょう。
ソニーは2010年頃より経営が傾き始め、上場来初めて配当を見送り、人員整理、事業統合といったリストラに迫られます。
円高で北米市場を失ってしまったこともあるのですが、何より、当時の経営陣が見通しを誤ったことが大きいように感じられます。
何をしてもうまくいかず、ソニーの家電ブランドは大きく失墜しました。
もっとも、こうした経営方針は、ソニーに限らず、日本の家電メーカー全体に言えることかもしれません。
シャープ然り、パナソニック然り。
無難な経営方針が、企業本来の独自性を貶めていったのでしょう。
その結果が、今の日本の家電メーカーが不振にあえいでいる理由なのかもしれません。
その中で、一念発起、金融と不動産へ大きく舵を切って、経営危機を抜け出したソニーの現経営陣は、まだ有望と言えるでしょう。
そのソニーが譲渡を決めたことで、老舗ブランドの再挑戦が始まるのです。
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2017年06月16日
前川前事務次官が目指す先
松野博一文部科学相は15日の記者会見で、安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる「総理のご意向」などと記された文書の存否に関する再調査結果を発表しました。
民進党が入手して調査を求めるなどした19の文書のうち、少なくとも14の文書については、同じ内容か酷似する文書が確認されました。
文部科学省はこれらの文書について先月の時点で「存在は確認できなかった」と発表していました。松野文科相は「前回確認できなかった文書の存在が明らかになったことは大変申し訳なく、真摯(しんし)に受け止めている」と述べ、陳謝しました。
文書の存在を確認した文部科学省の再調査を受け、戦略特区を所管する山本幸三地方創生担当相は16日、閣議後の記者会見で「総理のご意向」などと発言した職員はおらず、それを裏付ける文書も発見されなかったとの内閣府の調査結果を発表、両者の言い分に食い違いが生じています。
一方、萩生田光一官房副長官が獣医学部新設の条件を修正するよう指示したことをうかがわせる内容のメールを内閣府職員が文科省側に送ったことは認めつつ、指示は萩生田氏でなく、山本担当相だったとし、職員が「事実関係を確認しないまま発信してしまった」と説明しました。
文科省の再調査とのずれについては、内閣府職員が他省庁との議論で、規制改革全般について「スピード感を持って実現すべきだ」との安倍晋三首相の発言に言及していたとし、文科省の文書は「作成者の受け止め」「内閣府職員が時として使用する強い口調が反映された」などとしました。
文部科学省の再調査結果を受け、文書の存在を主張していた前事務次官の前川喜平氏は15日、代理人弁護士を通じ「文書が確認されたのは当然」とするコメントを出しました。
国家戦略特区を活用した獣医学部新設について、「責任を文科省に押しつけるなど言語道断」と内閣府を断罪し、「事業者を初めから加計学園と決めていたのではないか」「『1校に限り』とされたことをどう説明するのか」など6項目を挙げ、内閣府に説明を求めています。
文部科学省前事務次官の前川喜平氏からは、その極めて冷静な表情の奥に沸き立つ、凄まじい怨念のようなものが感じられます。
怨念の対象はもちろん内閣府です。
前川氏は文部科学省の頂点に登り詰めながら、天下り問題で世間の批判に晒され、責任を負わされ辞職しました。
文部科学行政を司るべき省が、内閣府に主導権を握られ、事務方のトップとして、はらわたが煮えくり返る思いがあったのでしょう。それに天下り問題が追い打ちとなり、不本意な形で省を追われました。
今回の一連の流れは前川氏が絵を描いたとも言われています。
今回の文書をリークした張本人と疑う声も少なくありません。
今後は内閣府の再調査が実施されることになると思われますが、加計学園問題の本質は、安倍首相がその権限を悪用し、特別な口利きをしたか否か、この一点に尽きます。
加計学園は小泉内閣の頃より、獣医学部新設の申請を続けており、今になって急遽、安倍首相が口利きをする必要性がありません。
このタイミングで口利きに走るのは、むしろ不自然です。
なので今回確認された文書に、どれほどの事件性があるのか、甚だ疑問に感じられます。
それでもしばらく、この問題は鎮静化しないようです。
民進党が入手して調査を求めるなどした19の文書のうち、少なくとも14の文書については、同じ内容か酷似する文書が確認されました。
文部科学省はこれらの文書について先月の時点で「存在は確認できなかった」と発表していました。松野文科相は「前回確認できなかった文書の存在が明らかになったことは大変申し訳なく、真摯(しんし)に受け止めている」と述べ、陳謝しました。
文書の存在を確認した文部科学省の再調査を受け、戦略特区を所管する山本幸三地方創生担当相は16日、閣議後の記者会見で「総理のご意向」などと発言した職員はおらず、それを裏付ける文書も発見されなかったとの内閣府の調査結果を発表、両者の言い分に食い違いが生じています。
一方、萩生田光一官房副長官が獣医学部新設の条件を修正するよう指示したことをうかがわせる内容のメールを内閣府職員が文科省側に送ったことは認めつつ、指示は萩生田氏でなく、山本担当相だったとし、職員が「事実関係を確認しないまま発信してしまった」と説明しました。
文科省の再調査とのずれについては、内閣府職員が他省庁との議論で、規制改革全般について「スピード感を持って実現すべきだ」との安倍晋三首相の発言に言及していたとし、文科省の文書は「作成者の受け止め」「内閣府職員が時として使用する強い口調が反映された」などとしました。
文部科学省の再調査結果を受け、文書の存在を主張していた前事務次官の前川喜平氏は15日、代理人弁護士を通じ「文書が確認されたのは当然」とするコメントを出しました。
国家戦略特区を活用した獣医学部新設について、「責任を文科省に押しつけるなど言語道断」と内閣府を断罪し、「事業者を初めから加計学園と決めていたのではないか」「『1校に限り』とされたことをどう説明するのか」など6項目を挙げ、内閣府に説明を求めています。
文部科学省前事務次官の前川喜平氏からは、その極めて冷静な表情の奥に沸き立つ、凄まじい怨念のようなものが感じられます。
怨念の対象はもちろん内閣府です。
前川氏は文部科学省の頂点に登り詰めながら、天下り問題で世間の批判に晒され、責任を負わされ辞職しました。
文部科学行政を司るべき省が、内閣府に主導権を握られ、事務方のトップとして、はらわたが煮えくり返る思いがあったのでしょう。それに天下り問題が追い打ちとなり、不本意な形で省を追われました。
今回の一連の流れは前川氏が絵を描いたとも言われています。
今回の文書をリークした張本人と疑う声も少なくありません。
今後は内閣府の再調査が実施されることになると思われますが、加計学園問題の本質は、安倍首相がその権限を悪用し、特別な口利きをしたか否か、この一点に尽きます。
加計学園は小泉内閣の頃より、獣医学部新設の申請を続けており、今になって急遽、安倍首相が口利きをする必要性がありません。
このタイミングで口利きに走るのは、むしろ不自然です。
なので今回確認された文書に、どれほどの事件性があるのか、甚だ疑問に感じられます。
それでもしばらく、この問題は鎮静化しないようです。
2017年06月15日
イエレン議長の出口戦略
米連邦準備制度理事会(FRB)は14日、連邦公開市場委員会(FOMC)において主要政策金利を0・25ポイント引き上げることを決めました。
政策金利の誘導目標は1〜1・25%となり、8年半ぶりに1%を超えることとなります。
経済の堅調な拡大を受け、段階的な金融緩和の縮小に迫られていることや、米国債など、リーマン・ショック後に拡大したFRBの保有資産の縮小を年内に始める計画も決め、金融政策の正常化に向けた道筋を示しました。
FRBのイエレン議長は、FOMC後の記者会見で、利上げについて「経済のこれまでの進展や、雇用最大化と物価の安定に向かうという見通しを反映したものだ」と説明し、「今後数年間はゆるやかな経済成長が続く」との見方を示しました。
FRBはリーマン・ショック後、国債などを大量に購入して市場に資金を供給する量的緩和政策を実施し、その結果、保有資産の規模が約4兆5000億ドルまで拡大していた。
資産規模縮小は、非常時の金融政策を正常に戻す意味合いがあります。
今回の利上げ決定にはFOMCで投票権を持つ9人の参加者のうち、8人が賛成に回りました。
イエレン議長は従来から、金融緩和の「出口」戦略についてコメントし、利上げの必要性を訴え続けているので、今回の決定は順当なものと言えます。
一方、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏など、政策金利の水準を維持するべきと主張する意見も少なくありません。
そして何より、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、大統領選挙戦の最中から、イエレン議長を徹底的に非難していました。
有権者への単なるリップサービスだったのかもしれませんが、大統領就任以来、何らFRBに関与していないトランプ大統領の存在は、実に不気味なものがあります。
経済状態が良ければFRBへの批判を避けられますが、国際情勢はいつ、何が起きても不思議ではありません。
イスラム国に代表される過激派のテロや、アフリカでは未だに沈静化していないエボラウイルスの脅威など、懸念材料はいくらでもあるのです。
その時、イエレン議長がどのような戦略を練るのか、興味深いものがあります。
政策金利の誘導目標は1〜1・25%となり、8年半ぶりに1%を超えることとなります。
経済の堅調な拡大を受け、段階的な金融緩和の縮小に迫られていることや、米国債など、リーマン・ショック後に拡大したFRBの保有資産の縮小を年内に始める計画も決め、金融政策の正常化に向けた道筋を示しました。
FRBのイエレン議長は、FOMC後の記者会見で、利上げについて「経済のこれまでの進展や、雇用最大化と物価の安定に向かうという見通しを反映したものだ」と説明し、「今後数年間はゆるやかな経済成長が続く」との見方を示しました。
FRBはリーマン・ショック後、国債などを大量に購入して市場に資金を供給する量的緩和政策を実施し、その結果、保有資産の規模が約4兆5000億ドルまで拡大していた。
資産規模縮小は、非常時の金融政策を正常に戻す意味合いがあります。
今回の利上げ決定にはFOMCで投票権を持つ9人の参加者のうち、8人が賛成に回りました。
イエレン議長は従来から、金融緩和の「出口」戦略についてコメントし、利上げの必要性を訴え続けているので、今回の決定は順当なものと言えます。
一方、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏など、政策金利の水準を維持するべきと主張する意見も少なくありません。
そして何より、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、大統領選挙戦の最中から、イエレン議長を徹底的に非難していました。
有権者への単なるリップサービスだったのかもしれませんが、大統領就任以来、何らFRBに関与していないトランプ大統領の存在は、実に不気味なものがあります。
経済状態が良ければFRBへの批判を避けられますが、国際情勢はいつ、何が起きても不思議ではありません。
イスラム国に代表される過激派のテロや、アフリカでは未だに沈静化していないエボラウイルスの脅威など、懸念材料はいくらでもあるのです。
その時、イエレン議長がどのような戦略を練るのか、興味深いものがあります。