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2022年10月07日
ナチスドイツ末期と酷似するプーチンロシア
ロシア政府は3日、ウクライナ北東部ハリコフ州の攻略を担当していたロシア西部軍管区のジュラブリョフ司令官を解任しました。
反転攻勢を続けるウクライナ軍が9月にハリコフ州の広範な地域をロシア側から奪還しており、米シンクタンク「戦争研究所」は、プーチン露大統領が作戦失敗の責任を同司令官に転嫁し、ロシア国内で高まる不満をそらすための人事と分析しています。
同研究所が3日に公表した分析によると、西部軍管区は過去数カ月間、ハリコフ州での作戦の際に明確な指揮官がいない状態で、ジュラブリョフ氏も姿を見せない時期があり、後任司令官にはベルドニコフ中将が任命されたと報じられています。
ロシア軍は9月以降、ハリコフ州イジューム、東部ドネツク州リマンなどの要衝から次々に撤退するなど劣勢が目立ち、同研究所は、こうした地域での今後のロシア軍の作戦失敗についてはプーチン氏が「ベルドニコフ氏に責任転嫁するかもしれない」と分析しています。
ロシアでは9月下旬にも補給作戦を担当していたブルガコフ国防次官が解任されたと報じられており、軍幹部の解任や更迭が相次いでいます。
一方、ロシア南部チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長は5日、ロシア軍で3番目に高い上級大将の称号を授与されたと発表しました。
カディロフ氏はウラジーミル・プーチン大統領の支持者で、ロシアのウクライナ侵攻も全面的に支持。元軍人の同氏が統治するチェチェン共和国では、人権侵害が横行しています。
同氏はメッセージアプリのテレグラムに、プーチン氏から「個人的に」決定を知らされたと投稿、自身にとって「大きな名誉」だとしました。
ロシア軍は現在ウクライナで苦戦を強いられているが、カディロフ氏は「特別軍事作戦を速やかに終了させるため、あらゆること」を行うとし、チェチェンからは、同氏の私兵団として悪名高い民兵組織「カディロフツィ」を含む部隊がウクライナでロシア正規軍と共に戦っています。
カディロフ氏はこれまで、ウクライナで極端な戦術を用いるよう繰り返し呼び掛けており、今週には、ロシア軍がウクライナ東部リマン撤退を強いられたことを受け、低出力核兵器の使用検討を提言、さらに自身の14〜16歳の息子3人をウクライナの前線に送ると表明しました。
軍幹部の解任や更迭が相次ぐ一方で、子飼いの部下を手元に引き上げる様は、プーチン大統領の心理状態をよく反映していると思います。
そしてこれは、第二次大戦のナチスドイツ末期と酷似していると言えるでしょう。
政権末期、ヒトラーは総統府に上がってくる報告に対して最前線の兵隊に対する命令を直接出していました。
参謀の話を無視し、現場の将軍をプーチンが直接指揮しているなら、これは参謀の意見に耳を貸さずに直接部隊指揮した、ヒトラーそのものなのです。
聡明と言われ、西側首脳からも一目置かれていたプーチン大統領は、既に存在していないのです。
反転攻勢を続けるウクライナ軍が9月にハリコフ州の広範な地域をロシア側から奪還しており、米シンクタンク「戦争研究所」は、プーチン露大統領が作戦失敗の責任を同司令官に転嫁し、ロシア国内で高まる不満をそらすための人事と分析しています。
同研究所が3日に公表した分析によると、西部軍管区は過去数カ月間、ハリコフ州での作戦の際に明確な指揮官がいない状態で、ジュラブリョフ氏も姿を見せない時期があり、後任司令官にはベルドニコフ中将が任命されたと報じられています。
ロシア軍は9月以降、ハリコフ州イジューム、東部ドネツク州リマンなどの要衝から次々に撤退するなど劣勢が目立ち、同研究所は、こうした地域での今後のロシア軍の作戦失敗についてはプーチン氏が「ベルドニコフ氏に責任転嫁するかもしれない」と分析しています。
ロシアでは9月下旬にも補給作戦を担当していたブルガコフ国防次官が解任されたと報じられており、軍幹部の解任や更迭が相次いでいます。
一方、ロシア南部チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長は5日、ロシア軍で3番目に高い上級大将の称号を授与されたと発表しました。
カディロフ氏はウラジーミル・プーチン大統領の支持者で、ロシアのウクライナ侵攻も全面的に支持。元軍人の同氏が統治するチェチェン共和国では、人権侵害が横行しています。
同氏はメッセージアプリのテレグラムに、プーチン氏から「個人的に」決定を知らされたと投稿、自身にとって「大きな名誉」だとしました。
ロシア軍は現在ウクライナで苦戦を強いられているが、カディロフ氏は「特別軍事作戦を速やかに終了させるため、あらゆること」を行うとし、チェチェンからは、同氏の私兵団として悪名高い民兵組織「カディロフツィ」を含む部隊がウクライナでロシア正規軍と共に戦っています。
カディロフ氏はこれまで、ウクライナで極端な戦術を用いるよう繰り返し呼び掛けており、今週には、ロシア軍がウクライナ東部リマン撤退を強いられたことを受け、低出力核兵器の使用検討を提言、さらに自身の14〜16歳の息子3人をウクライナの前線に送ると表明しました。
軍幹部の解任や更迭が相次ぐ一方で、子飼いの部下を手元に引き上げる様は、プーチン大統領の心理状態をよく反映していると思います。
そしてこれは、第二次大戦のナチスドイツ末期と酷似していると言えるでしょう。
政権末期、ヒトラーは総統府に上がってくる報告に対して最前線の兵隊に対する命令を直接出していました。
参謀の話を無視し、現場の将軍をプーチンが直接指揮しているなら、これは参謀の意見に耳を貸さずに直接部隊指揮した、ヒトラーそのものなのです。
聡明と言われ、西側首脳からも一目置かれていたプーチン大統領は、既に存在していないのです。
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2022年09月08日
物価高による倒産件数が過去最多を更新
2022年1〜8月の「物価高倒産」は累計150件となり、調査開始の2018年以降で最多だった2021年(138件)を8月時点で上回り、年間最多を早くも更新しました。
8月単月では34件判明し、月間最多だった7月(31件)をさらに上回り、2カ月連続で最多を更新、前年同月(13件)の約2.6倍に急増した。これらの数字は、個別の取材の中で倒産理由が判明したケースのみ集計しており、あくまで氷山の一角に過ぎず、実際にはさらに多方面に、物価高の影響が広がっている可能性があります。
2022年に発生した150件を業種別にみると、「運輸業」(42件)がトップで、全体の約3割を占め、「建設業」(34件)、「卸売業」「製造業」(各23件)が続き、このうち8月は「運輸業」(9件)、「製造業」(8件)、「建設業」(7件)、「卸売業」(5件)の順で、規模別にみると、全体の約8割が負債5億円未満の中小企業が占めました。
業種詳細別にみると、「運輸業」(42件)がトップとなり、次いで「総合工事」(19件)、「飲食料品製造」(13件)、「飲食料品卸売」「職別工事」(各10件)、「飲食料品小売」(8件)が続きました。
製造、卸売、小売を合わせた「食品」関連が31件に達し(うち8月は5件)、上位を運輸、建設、食品関連の3業種が占めました。
8月の全国企業倒産件数は4カ月連続で増加となり、長らく続いた減少基調からの“底打ち感”が鮮明となり、中小・零細企業の多くは、すでにコロナ禍で経営体力を消耗しています。
足下の燃料、原材料、電気代、物流コストの高止まりによる収益悪化が、新たな倒産の引き金になりかねません。
各業界において、価格転嫁を目的とした「値上げ」「再値上げ」の動きも広がりつつあるものの、企業にとっては十分な転嫁ができるとは限らず、価格を据え置く他社との競争激化による売上減少といったリスクもはらみ、先行きは楽観視できない状況です。
電気代の上昇や円安の進行も加わり、物価高の影響はむしろこれから本格化し、資金需要が例年高まり、企業倒産が相次ぐ年末にかけて、物価高倒産はさらに増えるおそれがあります。
政府は9月9日、物価高への対応を検討する「物価・賃金・生活総合対策本部」を開催し、パンや麺類を中心とした食料品全般の価格上昇への対応、ガソリン等の燃料油価格の負担軽減、住民税非課税世帯への給付金などについて追加策が取りまとめられています。
この間も、原油や燃料、原材料等の「物価高」の影響を受けた倒産が相次いでおり、経営体力が限界に達した中小・零細企業を中心に、物価高が“最後の追い打ち”となり、事業継続断念に追い込まれる「物価高倒産」が、年末にかけてさらに増えそうです。
ウクライナ情勢でのロシアによるインフレ爆弾が、世界中に落ち続けています。
世界経済が疲弊する中、日本経済も例外ではなく、物価の上昇に苦しんでいるのです。
体力の乏しい中小企業では、経営に限界が見えている会社も少なくありません。
政府による中小企業対策が求められるところですが、残念ながら今のところ腰が重いように感じられます。
8月単月では34件判明し、月間最多だった7月(31件)をさらに上回り、2カ月連続で最多を更新、前年同月(13件)の約2.6倍に急増した。これらの数字は、個別の取材の中で倒産理由が判明したケースのみ集計しており、あくまで氷山の一角に過ぎず、実際にはさらに多方面に、物価高の影響が広がっている可能性があります。
2022年に発生した150件を業種別にみると、「運輸業」(42件)がトップで、全体の約3割を占め、「建設業」(34件)、「卸売業」「製造業」(各23件)が続き、このうち8月は「運輸業」(9件)、「製造業」(8件)、「建設業」(7件)、「卸売業」(5件)の順で、規模別にみると、全体の約8割が負債5億円未満の中小企業が占めました。
業種詳細別にみると、「運輸業」(42件)がトップとなり、次いで「総合工事」(19件)、「飲食料品製造」(13件)、「飲食料品卸売」「職別工事」(各10件)、「飲食料品小売」(8件)が続きました。
製造、卸売、小売を合わせた「食品」関連が31件に達し(うち8月は5件)、上位を運輸、建設、食品関連の3業種が占めました。
8月の全国企業倒産件数は4カ月連続で増加となり、長らく続いた減少基調からの“底打ち感”が鮮明となり、中小・零細企業の多くは、すでにコロナ禍で経営体力を消耗しています。
足下の燃料、原材料、電気代、物流コストの高止まりによる収益悪化が、新たな倒産の引き金になりかねません。
各業界において、価格転嫁を目的とした「値上げ」「再値上げ」の動きも広がりつつあるものの、企業にとっては十分な転嫁ができるとは限らず、価格を据え置く他社との競争激化による売上減少といったリスクもはらみ、先行きは楽観視できない状況です。
電気代の上昇や円安の進行も加わり、物価高の影響はむしろこれから本格化し、資金需要が例年高まり、企業倒産が相次ぐ年末にかけて、物価高倒産はさらに増えるおそれがあります。
政府は9月9日、物価高への対応を検討する「物価・賃金・生活総合対策本部」を開催し、パンや麺類を中心とした食料品全般の価格上昇への対応、ガソリン等の燃料油価格の負担軽減、住民税非課税世帯への給付金などについて追加策が取りまとめられています。
この間も、原油や燃料、原材料等の「物価高」の影響を受けた倒産が相次いでおり、経営体力が限界に達した中小・零細企業を中心に、物価高が“最後の追い打ち”となり、事業継続断念に追い込まれる「物価高倒産」が、年末にかけてさらに増えそうです。
ウクライナ情勢でのロシアによるインフレ爆弾が、世界中に落ち続けています。
世界経済が疲弊する中、日本経済も例外ではなく、物価の上昇に苦しんでいるのです。
体力の乏しい中小企業では、経営に限界が見えている会社も少なくありません。
政府による中小企業対策が求められるところですが、残念ながら今のところ腰が重いように感じられます。
2022年08月10日
ソフトバンクG、赤字3兆円、過去最悪
ソフトバンクグループが8日発表した2022年4〜6月期連結決算(国際会計基準)は、純損益が3兆1627億円の赤字(前年同期は7615億円の黒字)に転落しました。
世界的なインフレや景気後退懸念を背景とした株価下落が響き、投資先企業の価値が大幅に減少、大手証券によると、赤字額は国内上場企業の四半期決算として過去最大となりました。
純損益の赤字は、2兆1006億円を計上した22年1〜3月期に続き2四半期連続で、孫正義会長兼社長は東京都内で開いた決算説明会で「しっかりと反省し、戒めとして覚えておきたい」と語りました。
赤字の要因について「世界的株安」と「円安」を挙げた。世界的な金利上昇に伴う株安で、未上場のテクノロジー株に多額を投資する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が2兆3308億円の評価損失を計上、さらに急速に進んだ円安で外貨建ての負債が膨らみ、約8900億円の為替差損が生じたことも響きました。
孫氏が経営の最重要指標と位置づける、保有株式価値から単体の純有利子負債を差し引いた時価純資産「NAV」(Net Asset Valu)は、前四半期(3月末時点)から約160億ドル(約2兆2000億円)減少した一方、円安の影響で、円建てのNAVは6月末時点で18.5兆円となり、前四半期比で横ばいとなりました。
なお、ピーク時の2020年〜2021年から比較すると、NAVは大きく減少している点について、孫正義氏は「高いときに買うと下がる確率が上がる。未上場のユニコーンを高いマルチプルで買っても正当化されると思いこんでいた。今振り返ってみると、自分たちの中で(未上場企業に対する)評価に関してはバブル状態があったのではないかと反省している」と述べました。
加えて「(株式市場が傷んでいる)今が買い場ではないかと私も思うし、多くの人がそう思うかもしれない。しかし、上場株は毎日値洗いが行われているが、ビジョンファンドが投資する未上場株は値洗いが行われていない」として、上場株よりも未上場株が割高になっている状況を指摘。未上場のユニコーンは冬の時代がしばらく続くとの認識を示し、ビジョンファンドの投資活動はしばらく抑制する方針を示しました。
こうした厳しい市場環境に対応するため、孫氏はビジョンファンドの人員削減も表明、具体的な規模は明示しなかったが、バックオフィスを含め、日本を含むグローバルで人員を削減するとしました。
孫正義会長にいつもの元気はありませんでした。
今まで幾多のピンチを切り抜けてきた孫会長の、運が尽きるかもしれません。
9日の東京株式市場ではソフトバンクグループ株が大幅に売られ、一時前営業日比5%安に迫りましたが、この傾向はしばらく続くと思われます。
投資会社の定めではあるものの、世界経済がリセッションに入りつつある現状では、起死回生の選択肢はなかなか見つかりません。
果たして、孫正義会長は再び這い上がることができるでしょうか。
世界的なインフレや景気後退懸念を背景とした株価下落が響き、投資先企業の価値が大幅に減少、大手証券によると、赤字額は国内上場企業の四半期決算として過去最大となりました。
純損益の赤字は、2兆1006億円を計上した22年1〜3月期に続き2四半期連続で、孫正義会長兼社長は東京都内で開いた決算説明会で「しっかりと反省し、戒めとして覚えておきたい」と語りました。
赤字の要因について「世界的株安」と「円安」を挙げた。世界的な金利上昇に伴う株安で、未上場のテクノロジー株に多額を投資する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が2兆3308億円の評価損失を計上、さらに急速に進んだ円安で外貨建ての負債が膨らみ、約8900億円の為替差損が生じたことも響きました。
孫氏が経営の最重要指標と位置づける、保有株式価値から単体の純有利子負債を差し引いた時価純資産「NAV」(Net Asset Valu)は、前四半期(3月末時点)から約160億ドル(約2兆2000億円)減少した一方、円安の影響で、円建てのNAVは6月末時点で18.5兆円となり、前四半期比で横ばいとなりました。
なお、ピーク時の2020年〜2021年から比較すると、NAVは大きく減少している点について、孫正義氏は「高いときに買うと下がる確率が上がる。未上場のユニコーンを高いマルチプルで買っても正当化されると思いこんでいた。今振り返ってみると、自分たちの中で(未上場企業に対する)評価に関してはバブル状態があったのではないかと反省している」と述べました。
加えて「(株式市場が傷んでいる)今が買い場ではないかと私も思うし、多くの人がそう思うかもしれない。しかし、上場株は毎日値洗いが行われているが、ビジョンファンドが投資する未上場株は値洗いが行われていない」として、上場株よりも未上場株が割高になっている状況を指摘。未上場のユニコーンは冬の時代がしばらく続くとの認識を示し、ビジョンファンドの投資活動はしばらく抑制する方針を示しました。
こうした厳しい市場環境に対応するため、孫氏はビジョンファンドの人員削減も表明、具体的な規模は明示しなかったが、バックオフィスを含め、日本を含むグローバルで人員を削減するとしました。
孫正義会長にいつもの元気はありませんでした。
今まで幾多のピンチを切り抜けてきた孫会長の、運が尽きるかもしれません。
9日の東京株式市場ではソフトバンクグループ株が大幅に売られ、一時前営業日比5%安に迫りましたが、この傾向はしばらく続くと思われます。
投資会社の定めではあるものの、世界経済がリセッションに入りつつある現状では、起死回生の選択肢はなかなか見つかりません。
果たして、孫正義会長は再び這い上がることができるでしょうか。
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