2020年02月20日
新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの違い｜感染力・潜伏期・症状・重症度など
中国武漢市での発生から2ヵ月余り経過しても、
中国本土で猛威を振るう新型コロナウイルスによる肺炎感染症。
2020年2月20日現在で世界28ヵ国に感染拡大し、
日本国の11都道府県で感染者が確認され、国内での感染拡大の兆候が見られます。
しかし、国内ではインフルエンザの流行の時期と重なり、
新型コロナウイルス感染症との区別が困難とされています。
この記事では、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザについて、
それぞれの感染力、潜伏期間、症状、重症度についての特徴を比較して、
両者の違いをまとめてお伝えします。
新型コロナとインフルエンザのウイルスの特徴と感染力の違い
新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスとの感染力の違いは、
圧倒的に新型コロナウイルスの方が感染力が強いということ。
その理由の1つは、
新型コロナウイルスには予防に効果的な「ワクチン」や「自己獲得免疫」がないこと。
もう1つの理由は、
新型コロナウイルスの潜伏期間はインフルエンザの約5倍と長く、
症状の出ない潜伏期間でも感染能力があることです。
インフルエンザウイルスの特徴と感染力
「インフルエンザ」は、インフルエンザウイルスの感染によって発症します。
インフルエンザは季節性が高く、11月〜12月の冬の初めに感染・流行が始まり、
乾燥が強まる1月〜3月上旬に発症時期のピークを迎えます。
〇インフルエンザウイルスの種類と特徴
インフルエンザウイルスは、
A型（ソ連型、香港型）、B型、C型の3種類に大別されます。
C型が最も感染力は弱く、A型の感染力は極端に強烈になります。
インフルエンザウイルスにおいては、
突然変異による”新型の変異株”が出てくるのも特徴で、
「新型インフルエンザ」と呼ばれています。
「新型インフルエンザ」はA型で多く発生し、ワクチンの開発も後手になりやすくなります。
その影響で、世界的な大流行を引き起こすことがあります。
〇インフルエンザウイルスの感染経路と感染力
「インフルエンザ」は、
“飛沫感染”が主体で“接触感染”でも発症します。
インフルエンザに感染した人の咳やくしゃみによって空気中に飛散したウイルスを、
他の健康な人が口や鼻から吸引することで、次々に飛沫感染して流行が拡散していきます。
一度流行したインフルエンザには、「ワクチン」が用意されているとともに、
一度感染した人には「獲得免疫」があるので、同じ種類のインフルエンザには感染しません。
新型コロナウイルスの特徴と感染力
「新型コロナウイルス」とは、
今までにその性質を究明することができていない“新種のコロナウイルス”のこと。
ウイルスは生きた細胞の中でしか生き延びることはできないので、
さまざまな動物（人）の細胞で増殖していきます。
〇新型コロナウイルスの感染経路と感染力
新型コロナウイルスの感染経路は、
『動物→動物、動物→人、人→人』と感染・拡散していきます。
私たち人間にとってもっとも危険な状態は、
「新型ウイルス」が『人→人の感染力を持っていること』です。
仮に『動物から人への感染力はあっても、人から人への感染力がなければ』、
感染の拡散は限定的になります。
しかし『人から人への感染力があるとなれば』、
瞬く間に世界中に感染が拡散する危険性があります。
〇人から人への感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」の2つ
「飛沫感染」とは、
感染者の咳やくしゃみなどの飛沫と一緒に放出されるウイルスを、
他者が口や鼻から吸い込んでしまうことで感染すること。
主な感染場所は、
満員電車や映画館などの劇場や学校などの人の密集地で、
1m以内の至近距離での濃厚接触が多いところです。
「接触感染」とは、
感染者が咳やくしゃみやマスクを手で押さえたその手で触った物体を、
他者が同じ物体を触ることで付着していたウイルスを触った手に付着させ、
その手で口や鼻を触ることで感染すること。
主な感染場所は、
電車やバスのつり革やドアのノブや階段やエレベーターの手すりなどです。
〇無症状の潜伏期間であっても感染能力がある
今回の新型コロナウイルスの特徴として、
『感染していても発熱や咳などの肺炎の初期症状を発現しない』
という症例が多いことです。
その原因は『12.5日間』という潜伏期間の長さにあります。
なお感染症の専門家たちは、
『症状の出ない潜伏期間であっても新型コロナウイルスの感染能力はある』
と注意を呼び掛けています。
新型コロナウイルスの感染を疑わない多くの“無症状の隠れ感染者”が、
新型ウイルスを周囲にまき散らす危険性が非常に高いと言えます。
2月4日の北海道大の西浦博教授（理論疫学）の記者会見において、
『新型コロナウイルスを感染した2人に1人が、
発熱などの症状が出ていない潜伏期間中の感染者から伝染されていた』
とする研究結果が発表されています。
さらに、感染してから12.5日間は新型肺炎の症状が出ないこともあることから、
自覚症状のない隠れ感染者が10人以上の人に感染させる「スーパースプレッダー」になる可能性が、
非常に高いと言えます。
〇新型コロナ感染症にはワクチンも自己獲得免疫もない
新型コロナウイルスは、今までにその性質などが究明されていない、
突然に現れた”新種のウイルス”。
従って、感染を予防する「ワクチン」や抵抗力のある「自己獲得免疫」もありません。
だから、一度流行してしまうとその感染を防ぐのは、インフルエンザよりも困難だと言えます。
また、死亡に至る重症化を治療する方法も確率されていません。
既存の薬を活用する方法で、タイの症例で重症化を防いだ「抗HIV薬」が効果的ではないかと、
日本国内でも臨床試験が開始されます。
〇感染の有無はPCR検査（ウイルスの遺伝子情報検査）で実施
新型コロナウイルスに感染しているか否かは、
「PCR検査」で行われ、陽性反応を示すと“感染”が確認されます。
「PCR検査」とは、
感染が疑われる人から抽出した微量の検体を高感度で検出する手法で、
Polymerase Chain Reaction（ポリメラーゼ連鎖反応）の頭文字をとって、
「PCR」とされています。
ウイルスなど顕微鏡では見識することのできない病原体の有無を調べる検査。
病源体であるウイルスのDNA（遺伝子）を増幅させることによって、
検出する検査方法であり正確な診断が下せるとされています。
なお、検査時間は、
ウイルス遺伝子の増幅に要する時間だけでも、2時間程度が必要とされています。
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新型コロナとインフルエンザの潜伏期間と症状の違い
「潜伏期間(潜伏期)」とは、
感染症においてウイルスに感染してから、症状が発現するまでの期間のこと。
新型コロナウイルスの潜伏期間の最大の特徴は、
インフルエンザウイルスに比べて約5倍と長いことです。
インフルエンザウイルスの潜伏期間と症状
〇インフルエンザの潜伏期間は「1〜3日間」
インフルエンザの潜伏期間は短く、「1〜3日間」です。
インフルエンザウイルスに感染すると、
約1〜3日の潜伏期間を経て、インフルエンザの症状が発現します。
インフルエンザの症状は、
突然の“38℃以上”の高熱が出て、「頭痛・悪寒・倦怠感・関節痛・筋肉痛・食欲不振」
などの「全身の身体症状」が強く現れるのが特徴です。
さらにその後、「咳（せき）・喉の痛み・鼻水」などの「呼吸器症状」が現れ、
「吐き気・腹痛」などの「消化器症状」を伴うこともあります。
インフルエンザは、一般的には“6日〜10日前後”で症状が落ち着いて治癒します。
インフルエンザに一度感染して治癒できると、
「獲得免疫（抗体）」が出来て、同じ種類のウイルスには感染しないようになります。
また、インフルエンザは、肺炎や脳炎（インフルエンザ脳炎）などを合併して重症化することがあります。
新型コロナウイルスの潜伏期間と症状
新型コロナウイルスの潜伏期間は非常に長く、
インフルエンザウイルスの潜伏期間の約5倍以上となっています。
〇新型コロナウイルスの潜伏期間は「2日〜14日間」
季節性インフルエンザウイルスの潜伏期間は「1〜3日間」ですが、
新型コロナウイルスの潜伏期間は、WHO（世界保健機構）の指針では「2日〜12.5日間」とされ、
CDC（アメリカ疾病予防管理センター）の指針では『2日〜14日間』とされています。
これまでの症例からすると平均潜伏期間は『5日〜6日間』とされています。
今回の武漢市が発生地の「新型肺炎」の病原体である、
「新型コロナウイルス」の特徴のひとつは、“潜伏期間が非常に長い“こと。
つまり、「新型コロナウイルス」に感染してから、
『新型肺炎』の発熱や咳などの症状が確実に発現するまでに『12.5日間』を必要とすること。
だから今回の新型肺炎において、
新型コロナウイルスの感染を早急に確認する困難さが想定できます。
〇新型コロナウイルス感染症の症状はインフルエンザ症状に酷似
新型コロナウイルス感染症（肺炎）の症状としては、
初期に発熱や咳、下痢や筋肉痛などの症状があり、
重症化すると胸の圧迫感や呼吸困難の症状などが発現するとされています。
WHO見解による潜伏期間は12.5日となっていますが、
短い場合にはインフルエンザと同じように2〜3日で症状が発現し、
長い場合では14日間程度も症状が発現しないこともあるとされています。
しかし重症化すると、呼吸困難や呼吸不全などにより死亡するケースも見られます。
新型コロナウイルス感染症の重症化や死亡に至るケースは、
なんらかの「生活習慣病を持病として抱えている人」や、
「免疫力が低下して抵抗力が弱まっている高齢者」などに多いようです。
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新型コロナとインフルエンザの重症度と死亡の危険性の違い
新型コロナウイルスで重症化や死亡に至る危険性があるのは、
イフルエンザと同じく高齢者で免疫力が低く抵抗力のない人や、
生活習慣病などの慢性疾患を抱えている人です。
インフルエンザは重症化や合併症も伴う
インフルエンザでは、「重症化」や「合併症」にも注意が必要。
特に高齢者や生活習慣病などの慢性疾患を抱えている人は、
免疫力が低下しており重症化や合併症のリスクが高くなります。
インフルエンザは、「気管支炎」や「肺炎」を合併しやすく、
重症化すると「脳炎」や「心不全」を招いてしまうこともあります。
特に注意したいのは「肺炎」であり、
インフルエンザの死亡原因の90％以上を占めています。
なお、インフルエンザにおける致死率は、先進国において0.1％未満とされています。
新型コロナ感染症は重症化すると肺炎の症状が深刻
新型コロナウイルス感染症においても、
インフルエンザと同様に、「重症化」や「合併症」への注意が必要です。
今回の新型コロナウイルスによる肺炎の症状は、
発熱や咳や胸の圧迫感などの症状があり、
重症化すると呼吸困難や呼吸不全の症状などが発現し、死亡するケースも出ています。
肺炎症状の重症化や死亡に至るケースは、
糖尿病や冠動脈疾患やパーキンソン病などの持病を抱えていたとされています。
なんらかの慢性疾患などを持病として抱えている人や、
高齢者など免疫力が低下して抵抗力が弱まっている人は、特に十分な注意が必要です。
なお、中国本土における新型肺炎での致死率は2.0％程度になっています。
しかし、2.0％という致死率は実態とはかなりかけ離れた見かけ上の数字と
思っておくべきです。
武漢市の致死率が5.0％前後で異常に高く、中国全体の致死率を押し上げています。
武漢市では診察する医療機関がパニック状態で
受診できない感染者や感染に気付かない無症状者など、
多数のカウントされない隠れ感染者がいると判断しておくべきです。
実際の致死率は1.5％未満程度？と思われます。
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自分でできる新型コロナの予防対策
私たち個人でできる新型コロナウイルスの予防対策は、
インフルエンザの予防対策と一緒です。
それは、
1．人混みを避ける｜1m以上の距離を保つ
2．"飛沫感染”を防ぐマスク着用とうがいの励行
3．“接感触染”を防ぐ手洗いの励行
4．免疫力を高めて重症化を防ぐ
の4つです。
1．人混みを避ける｜1m以上の距離を保つ
日常生活において、必要以外は“人混みを避ける”ことは非常に重要です。
どうしても人混みを避けることができない場合には、“1m以上の距離を保つ”こと。
新型コロナウイルスの感染経路は、“飛沫感染”と“接触感染”です。
感染者の咳やくしゃみから飛散するウイルスの吸収を、
“1m以上の距離を保つ”ことで防止できます。
2．口や鼻からの“飛沫感染”を防ぐマスクの着用とうがいの励行
新型コロナウイルスの感染経路は、“飛沫感染”が主流。
患者の咳やくしゃみから飛散したコロナウィルスは、
乾燥した空気から口や鼻を通じて気道へと進入していきます。
一旦、人の体内へ進入すると細胞内で活発に増殖していきます。
インフルエンザなどと同様に、
「マスクを着用」して口や鼻からの侵入を最小限に抑えます。
また「うがいの励行」も怠らないようにします。
3．手からの“接触感染”を防ぐ手洗いの励行
新型コロナウイルスの感染経路として、“接触感染”もあります。
患者が触れた食器やドアのノブなどに“接触”することで、
手→口という経路で感染します。
この“接触感染”もインフルエンザやノロウイルスの予防対策と同様に、
「手洗いの励行」で予防します。
4．免疫力を高めて“重症化”を防ぐ
新型コロナウイルスはもちろん、
インフルエンザウイルスやノロウイルスにおいても、
症状が重症化する感染者の特徴として「免疫力の低下」が挙げられます。
高齢者や生活習慣病を持病として抱えている人はもちろん、
睡眠不足やストレスなどで免疫力が低下している人は、
もし感染したとしても重症化しないように特に注意が必要です。
日頃から、食生活や生活習慣を改善して、
「免疫力を高めておく工夫」が大切です。
新型コロナウイルス感染症は「指定感染症」と「検疫感染症」に指定
世界保健機構（WHO）は、
今回の中国武漢市における新型コロナウイルス感染症の発生状況について、
「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当すると決定しています。
これらの背景を踏まえて日本内閣府は、新型コロナウイルス感染症について、
感染症法に基づく「指定感染症」と検疫法に基づく「検疫感染症」に指定しています。
内閣府、厚生労働省、都道府県のホームページを参照すること
内閣や厚生労働省のホームページでは、
国内での新型コロナウイルス感染症による感染状況や予防対策などの情報が、
随時公開されています。
また感染者が確認された都道府県では対策本部が設置され、
ホームページでも情報が公開されます。
これらの情報を随時閲覧することで、情報を共有することが大切です。
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【参照すべきホームページとアドレス】
■内閣官房：新型コロナウイルス感染症対策
https://www.cas.go.jp/jp/influenza/novel_coronavirus.html
■厚生労働省：新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
【コチラの記事もご参照！】
『新型コロナ肺炎の恐怖！ＡＣＥ２受容体の発現部位で異なる症状と重症化のプロセス』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/200/0
『新型コロナウイルスを完全シャットアウト！励行すべき5つの防御方法と科学的根拠』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/193/0
『新型コロナウイルスと互角に戦える免疫力！自然免疫を高めると無症状・軽症で回復』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/180/0
『コロナウイルスとは何もの？新型ウイルスの正体と強力な感染力による拡散の危険性！』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/142/0
『新型コロナウイルスの細胞での増殖から肺炎の発症までの過程とその危険度とは』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/179/0
『新型コロナウイルス感染症の危険度はどれくらい？感染主要5ヵ国の致死率と重症率』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/176/0
『新型コロナ感染症をどうやって防ぐ？国内感染の状況・感染拡大の要因・予防策のまとめ』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/171/0
『新型コロナウイルス感染症の国内流行が身近に迫った時にやるべき心構え10ヵ条』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/165/0
『新型コロナウイルスと新型肺炎の特徴まとめ｜感経染路・潜伏期間・症状・予防＆治療方法』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/160/0
『【新型肺炎】感染力の強い新型コロナウイルスの感染規模がSARSを超えた5つの理由』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/158/0
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