2020年01月25日
新型インフルエンザの恐怖!“突然変異”による強烈な感染力と世界的流行の危険性!

今、中国・武漢市で感染拡大している「新型肺炎」と同様に、
「新型インフルエンザ」の新たな発生にも警戒しておく必要があります。
新型インフルエンザは、
新たに発生したA型インフルエンザウイルスの“突然変異”によって引き起こされる、
強烈な感染症のこと。
新型の変異株なので、ワクチンで予防することもできず、また人の獲得免疫もないので、
強力な感染力で広範囲に急速に拡大し、世界的流行に発展する危険性があります。
今回は、この新型インフルエンザについて、
新型ウイルスの特徴や突然変異による強烈な感染力、症状の重症化の懸念、
世界的流行の危険性などについてお伝えします。
新型インフルエンザは“突然変異”で発生

インフルエンザは、毎年冬の季節になると、日本列島を北から南へ縦断するように
日本中に流行します。
毎年流行するインフルエンザを「季節性インフルエンザ」と呼んでいます。
この季節性インフルエンザとは大きく異なる新たな抗原性を獲得した、
新型ウイルスによる感染症を「新型インフルエンザ」と呼んで区別しています。
新型インフルエンザは、
その抗原であるインフルエンザウイルスの“突然変異”によって発生します。
新型インフルエンザの定義
日本の感染症予防法による新型インフルエンザの定義を解釈すると、
1. 新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とする
2. 一般に国民がこのウイルス感染症に対抗する免疫を獲得していないこと
3. この感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与える恐れがあると認められるもの
となっています。
新型インフルエンザは、
「鳥インフルエンザ」や「豚インフルエンザ」などと呼ばれるように、
主に哺乳動物や鳥類を“宿主”としています。
感染能力(感染経路)は、「動物→動物」「動物→人」「人→人」があり、
新型イフルエンザの断定には、「人→人」の伝染能力があることが1つ目のポイントです。
また突然変異により今までとは異なる抗原性(病原体)を持つウイルスなので、
既存の「獲得免疫」では対抗できないことが、2つ目のポイント。
さらに、感染症が急速に全国規模に拡大し、
国民の健康・生命に重大な影響を与えるような症状の重症化が予測できることが、
3つ目のポイントです。
新型インフルエンザの感染経路
新型インフルエンザの感染経路は、季節性インフルエンザと同じです。
”飛沫感染”を主体として”接触感染”でも伝染します。
“飛沫感染”は、
感染者の咳やくしゃみから放出されたウイルスを口や鼻から吸い込むことで伝染。
“接触感染”は、
感染者のウイルスが付着したドアノブなどに触れた手から口や鼻を通じて伝染します。
新型インフルエンザの特徴は、
季節性インフルエンザよりも感染力が強烈なことから、
速いスピードで感染が拡大しやすく、より多くの人が広範囲で感染してしまうことです。
季節性インフルエンザとの大きな違い

新型インフルエンザの季節性インフルエンザとの大きな違いは主に3つあります。
1.新型ウイルスの感染力の強烈さ
「季節性インフルエンザ」のウイルスは、
A型(ソ連型、香港型)、B型、C型の3種類に大別されます。
C型が最も感染力は弱く、A型の感染力は極端に強烈になります。
「新型インフルエンザ」のウイルスは、
すでに強烈な感染力を持つA型で多く発生する“新型の変異株”。
A型インフルエンザウイルスは、
常に変異を起こしながら1日に100万個以上という驚異的なスピードで増殖していく
とされています。
そして何年も変異を繰り返すA型インフルエンザウイルスは、
ある時急に“突然変異”を起こして「まったく異なる型」にモデルチェンジします。
これが「新型インフルエンザ」の病源体となる「新型インフルエンザウイルス」です。
A型ウイルスは季節性インフルエンザにおいても強烈な感染力がすでにあるのに、
それがモデルチェンジしたとあれば、さらに強烈な感染力を誇ります。
2.感染のスピードの速さと感染規模の大きさ
「新型インフルエンザウイルス」は、今までとは”まったく異なる新型”なので、
対抗できるワクチンも開発されておらず、また抗体としての獲得免疫も誰にもないので、
猛威を振るって世界的規模の大流行を招く危険性がります。
季節性インフルエンザでは一度感染して治癒すると、
二度と同じウイルスには感染しにくい「獲得免疫」を得ることができます。
また流行する前に「ワクチン」を注射して対抗することもできます。
しかし突然発生した「新型インフルエンザ」では、
ワクチンでも獲得免疫でも対抗できないので、
驚くほどの感染スピードの速さで、瞬く間に世界的な感染規模に拡大されます。
3.症状が重症化しやすく死に至るリスクが高まる
季節性インフルエンザの症状は、
突然の“38℃以上”の高熱が出て、「頭痛・悪寒・倦怠感・関節痛・筋肉痛・食欲不振」
などの「全身での身体症状」が強く現れるのが特徴です。
その後やや遅れて、咳(せき)・喉の痛み・鼻水などの「呼吸器症状」が現れ、
吐き気などの「消化器症状」を訴えることもあります。
特に、高齢者や生活習慣病などの慢性疾患を抱えている人は、
免疫力が低下しており重症化や合併症のリスクが高くなります。
重症化すると「気管支炎」や「肺炎」を合併しやすく、
さらに重症化が進むと「脳炎」や「心不全」を招いてしまうこともあります。
このような季節性インフルエンザの症状は、
「新型インフルエンザ」の症状においても良く似ています。
しかし、「新型インフルエンザ」の
季節性インフルエンザとの大きな違いは、重症化するリスクの高さにあります。
「新型インフルエンザ」ともなると、
さらに重症化する患者数が多くなり、多くの死者まで出してしまう危険性が増します。
「肺炎」や「肺炎」や「心不全」などを疾患し、死に至るリスクが非常に高くなります。
特に「肺炎」は死亡の最大の原因となっているので特に注意が必要です。
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過去の新型インフルエンザの世界的流行の例


過去に発生した「新型インフルエンザ」について、
「1918年のスペイン風邪」と「2009年の豚インフルエンザ」の2つの例をご紹介します。
1918年のスペイン風邪
「スペイン風邪」は、1918~1919年において世界的に大流行した新型インフルエンザ。
このインフルエンザの発生源はアメリカであったが、
最初の感染情報の発信がスペインなので「スペイン風邪」と命名されたらしい。
スペイン風邪は、1918年3月に米国のデトロイトやサウスカロライナを発生源とし、
その後ブレスト、ボストン、シエラレオネなどからヨーロッパまで爆発的感染が拡大。
カナダの「鴨(カモ)」を宿主とするウイルスがイリノイ州の豚に感染したと推測されています。
鴨(カモ)を宿主とするため「鳥インフルエンザ」とも呼ばれています。
スペイン風邪は、人類が遭遇した最初のインフルエンザの世界的大流行(パンデミック)
であると位置づけられています。
なんと感染者は約5億人以上、死者は5,000万人~1億人とされています。
当時の世界人口は推定で18~20億人とされ、
世界全人口の約3割が感染したことになっています。
日本でも、当時の人口5,500万人に対し39万人も死亡したとされています。
2009年の豚インフルエンザ
「豚インフルエンザ」は、2009~2010年にかけて世界的に流行した新型インフルエンザ。
まず、2009年にメキシコと米国において局地的に集団感染が発生。
その後、両国からカナダ、ニュージーランド、ヨーロッパにも感染が拡大され、
世界的大流行(パンデミック)の危機と大騒ぎになりました。
当時メキシコや米国の「豚」の間で流行していた「豚インフルエンザウイルス」を、
抗原(病原体)とし豚から人に感染した新型インフルエンザとされています。
豚を宿主とすることから「豚インフルエンザ」と呼ばれるようになったのです。
感染した患者からは、「人→人」でも感染する、
インフルエンザウイルスの「A型H1N1亜型」が検出されています。
発生時点でのメキシコでの死者は100人を超え、
感染者のいずれも20歳以下の青少年で小児や高齢者の感染者はいなかったらしい。
世界保健機構(WHO)の発表によると、
2009年8月までの死者数は2,185人とされ、
特にブラジルで577人、米国で522人もの死者を出しています。
日本でも2010年1月までに203人の死者があったと発表されています。
なお現在では、
「A型H1N1亜型」のウイルスに対抗する「ワクチン」は完備されており、
季節性インフルエンザと同様の扱いとされています。
個人でできる新型インフルエンザの予防対策


私たち個人でできる新型インフルエンザの予防対策は、
季節性インフルエンザやノロウイルスの予防対策と一緒です。
それは、
1.“飛沫感染”を防ぐ
2.“接触感染”を防ぐ
3.免疫力を高める
の3つです。
1.口や鼻からの“空気飛沫感染”を防ぐ
新型インフルエンザの感染経路は、“空気飛沫感染”が主流。
患者の咳から飛散したインフルエンザウイルスは、
乾燥した空気から口や鼻を通じて体内の細胞に侵入していきます。
一旦、人の体内へ侵入すると細胞内で活発に増殖していきます。
季節性インフルエンザなどと同様に、
「マスクを着用」して口や鼻からの侵入を最小限に抑えます。
また「うがいの励行」も怠らないようにします。
2.手からの“接触感染”を防ぐ
新型インフルエンザウイルスの感染経路として、“接触感染”もあります。
患者が触れた食器やドアのノブなどに“接触”することで、
手→口という経路で感染します。
この“接触感染”も季節性インフルエンザやノロウイルスの予防対策と同様に、
「手洗いの励行」で予防します。
3.免疫力を高めて“重症化”を防ぐ
新型インフルエンザウイルスにおいても、
症状が重症化する感染者の特徴として「免疫力の低下」が挙げられます。
高齢者や生活習慣病を持病として抱えている人はもちろん、
睡眠不足やストレスなどで免疫力が低下している人は、特に注意が必要です。
これらの免疫力が低下しているほど、重症化のリスクが高まってしまいます。
日頃から、食生活や生活習慣を改善して、
「免疫力を高めておく工夫」が大切です。
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まとめ
今、中国・武漢市において“新型”のコロナウイルスが発生し、
人にも感染して重篤な「新型肺炎」が急速に拡大しています。
このように「新型インフルエンザ」も、いつどこで新たに発生するかもしれません。
この機会に、「新型インフルエンザ」に関する知識も十分に理解して、
重症化しないように予防対策を考えておくことが大切です。
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