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2019年01月14日
医療的ケア児のママあるある?(ヘルプマーク編)
次男も気管切開をしていますが、外出時は人工鼻の上からスタイをしていることが多いので、ぱっと見では「なんらかの障害がある」ということに気が付かない方もいらっしゃるかもしれません。
でも、そんな次男がもし外出先で誰かの支援が必要になることがあれば…。
それはおそらく一刻を争う事態。
私が万全の態勢でいつもそばにいれればよいのですが、常にそうであるとは限りません。
そんな時、まずは周囲の方に次男は支援が必要な子であるということをできるだけ迅速に知ってもらう必要があります。
そんな思いを込めて、外出時に携帯している「ヘルプマーク」。
援助や配慮を必要としている方々が、そのことを周囲の方に知らせる手助けとなるマークです。
自治体などで配布されていますが、もともとは東京都から始まった取り組みのようですね。
また、ヘルプマークと同じような目的を持つものとして、見た目では分からない身体内部に障害のある方へ対する理解と協力を広めるために作られたマークに「ハートプラスマーク」というものもあります。
これらのマークは外出時にバッグなどにつけて使用されることが多いですね。
私も次男と外出の際には、ヘルプマークをつけた次男専用のバッグ(これに携帯用の吸引器やカニューレの予備、手指消毒用のスプレーなどを入れています)を持ち歩いています。
さて、先日のこと。
長男&次男を近くのショッピングモールへ連れて行きました。
子どもたちが遊べるような、小さな公園がショッピングモールの中庭にあるので、そこで遊ばせるためです。
子どもたちは当然大はしゃぎ。
あっという間に二人で遊具の方へ駆け出して行ってしまいました。
本当なら私はベンチに座って遊ぶ子どもたちをのんびり眺めていたいところなのですが、なにせ相手は気管切開児&難病児。
人ごみに紛れて何かあってはいけないと、私も二人の後を追っかけまわして監視(見守り?)をしていました。
そんな風に30分も遊んでいると、さすがにちょっと疲れてきてしまいます。
「こっちに来て〜!ちょっと休憩!」
二人を捕まえてソファーに座らせ、水分補給。
お茶を飲ませていたら、隣のベンチに座っていたご婦人から声をかけられました。
「お母さん、大変ねぇ。」
男の子×2人を一人で遊ばせていることに対して言われたのかと思って、思わず愛想笑いで何か返そうとしたら、ご婦人の目はヘルプマークにくぎ付けになっていました。
「ええと、ちょっと呼吸器の病気があって…」
次男のことが気になるのかな?と思って、少し説明しようとすると、「あら…」とご婦人は心配そうな目で私を見てうなづきました。
「それなのに、小さい男の子二人を追っかけたりするなんて、大変ねぇ。大丈夫なの?無理しちゃだめよ」
…んん?
もしかして、私自身が呼吸器の病気と思われてる?
次男のために、次男用のバッグにつけているヘルプマークですが、そのバッグを肩から掛けているのは紛れもなく私。
そりゃあ、ご婦人じゃなくても勘違いしてしまいますよね。
「実は私じゃなくて、ヘルプマークが必要なのはこの子なんです」
そんな風に言おうとした私ですが、なんだか申し訳なくてやめました。
ご婦人はそのまま去って行かれましたが、お心遣いはとっても嬉しかったです。
ヘルプマークやハートプラスマークが次第に普及し、こうした思いやりが広がっていくのは医療的ケア児の母としてとても嬉しいものです。
今は私がマークを付けたバッグをもっていますが、次男自身が持つバッグにつけることも検討する必要があるなぁと思った出来事でもありました。
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2018年12月21日
大掃除を機に吸引器のパーツを一新
この時期にしては気温が高く、過ごしやすい日々が続きますね。
毎年「寒いから…」と大掃除をどんどん後回しにして大みそかに泣きを見る私ですが、こう暖かいと言い訳もできず、できるところからぼちぼち取り組んでいます。
今日は吸引器をきれいにお掃除しました。
ふだんは週に1〜2回、塩素系の漂白剤でざっと消毒しているのですが、今回はブラシを使って隅々まで丁寧に。
とはいっても、ゴムのパッキンとか、チューブとかは劣化があったり、落としきれない黒ずみなどもでてきてしまうので、消耗品パーツは定期的な交換も必要です。
我が家では、吸引器は「パワースマイル」を使っていますが、毎年この時期にチューブを新しいものに交換しています。
早めに注文しておいたので、大掃除の時期に間に合いました!
しかし、このチューブの長さって2mも必要なのでしょうかね。
感染予防上必要とか、吸引圧の関係で必要とか、明確な理由が知りたくて、一度業者の方に尋ねたことがあるのですが、結局はっきりと分からずじまい。
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さらに今年は、吸引器の上蓋一式も丸ごと交換!
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別に蓋が割れたとかいうわけではないので、丸ごと交換する必要はなかったのですが…。
上蓋についているパーツの一つ一つが意外に高価で…。
例えば、瓶の蓋のパッキンだけ買うと、一つ1,000円くらい。
フロートのセットが1,700円くらい。
アダプターが5個セットで1,500円くらい。
欲しいパーツだけを購入すると、非常にコスパが悪いのです。
なので、思い切って上蓋のセットを購入してまるごと交換!してしまいました。
その結果…、
まるで新品?! と見まごうような美しさに…。
(ちょっと言いすぎか?!)
私としては大満足の仕上がりです。
2018年12月03日
保育園の利用申請書を提出したら、返送された
福岡市では、書類の提出先は「第一希望の保育園」なので、第一希望の公立保育園へ直接書類を持って行ったのですが…、やはり「医療的ケア時の受け入れは現状ではできない」とのことでした。
ただ、福岡市の当局の方には確認をしてもらえるとのことで、書類だけ提出して帰りました。
帰宅後しばらくして、保育園から連絡があったのでちょっと嫌な予感がしたのですが…。
要件は以下の通りでした。
福岡市のほうでは、今後医療的ケア時の受け入れがどうなるかはまだ決定していない。決定したら改めて連絡をするので、平成31年度4月利用開始の申請書は出す必要はありません、とのことでした。
もし、受け入れが可能になれば、改めて別の書式で書類を提出し、一般の申し込みの方たちとは別スケジュールで動くことになるそうです。
そのため、提出した書類(マイナンバーとか大事なものも入っているので)を返したいと言われたので、自宅に郵送してもらうことにしました。
で、翌日にはもう私の手元に書類一式が帰ってきていましたとさ。
利用申請書には第二希望以降に私立の保育園も希望として挙げていたのに、書類丸ごと返されたってことは、こっちはそもそも選考の対象にもならないんでしょうか。
締め切りまでまだ少しあるから、私立の保育園を第一希望にして園に提出…というのも考えましたが、結局は利用決定可否の判断をする人は同じなので意味ないですよね…。
医療的ケア児には選択肢がそもそもないんだもんなぁ…と痛感しました。
心の中にもやもやしたものや言いたいことはいろいろあるけど、次男の体調不良やお兄ちゃんの病気の診断のことで心身ともに疲弊してしまったので、ちょっとまとまりそうにありません。
今日はここまでにします。
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2018年11月02日
公立保育所の見学へ…。次男はショックで涙。
10人くらいの見学者が来られていたのですが、見たところ0〜1歳の赤ちゃん連れの方ばかり。
さすがに4歳児の見学はうちの次男だけでした。
園の概要について説明を受け、その後教室の見学。
だいたい30分くらいだったでしょうか。
見学が終わった後、見学担当者の方に声をかけて、少し個別でお話をさせてもらいました。
担当者の方に、次男は気管切開をしている医療的ケア児であることを伝えると、「どんなケアが必要ですか?」と聞かれたので、いつも通り「痰が溜まった時に吸引したり、ティッシュで拭うなど…」と説明。
すると、「保育士は医療的な行為はできない。看護師が必要になると思いますが、うちは看護師がいないので、うちではお受けできません」とのこと。
その場でこれ以上話をしてもどうしようもなさそうだったし、気持ちもしおれてしまったので「分かりました」と答え、そのまま帰宅することにしました。
やっぱり公立でも無理なんだな…。モデル事業も拡大はナシなのか…。と思いながら靴に履き替え、次男の手を引いて帰ろうとすると、次男はしゅんしゅんと鼻をすすりあげていました。
どうしたの?!と顔を覗き込むと、「先生、ダメって・・・?」と次男は泣いていました。
なんて答えたらいいのかと考えながら、「大丈夫、泣かなくてもいいよ」と言うと、「なんで、ぼくだけ行ったらダメなのー!」「保育園、行きたいのにー…!」うわーん!と本泣きに。
次男をなだめようと抱っこで背中をトントンしながら、私も「ほんとに、なんでなんだろう…」と、悲しい気持ちでいっぱいに…。
少し落ち着いてからも、次男は思い出してしくしく泣いたり、怒ったりしながら、「なんでなの?」としきりに言っていました。
そんな次男を見て、私も胸がつぶれる思いです。
4歳の次男は、大人の話している内容は、もう大体わかります。
それが自分に関わることならなおさらです。
普段から「ぼくも保育園行きたいなー、毎日お友達と遊んだりしたい」と話している次男。
それを、目の前で大人にバッサリ否定されることは、まるで自分自身を否定されたかのように感じてしまったかもしれません。
正直、今回のことが心の傷になったりしないか心配です。
こういったことも、結局は親がフォローしていくしかないのでしょうね。
お受けできませんと言われた以上、利用申請はするだけ無駄ということなのでしょう。
思えば、昨年の同じ時期にも「出すだけ無駄」と、市のこどもみらい局から言われましたが、今年も同じようなことを言われたということは昨年と状況はあまり変わっていないようですね。
福岡市の医療的ケア児を取り巻く状況は本当に厳しいです。
今年一年を棒に振った次男、さらに来年度も「お預かりできませんよ」と、存在を無視をされ続けるのでしょうか。
「今」「すぐ」の支援が必要です。
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2018年10月22日
平成31年度 保育園利用申請書の配布が始まりました
福岡市のホームページにアップされた内容には目を通しましたが、医療的ケア児保育モデル事業については一言も触れていません。
31年度はどうなるんでしょうか?!
請願審議の場でのこどもみらい局の「スピード感を持って」という言葉を疑うわけではないですが、現段階で告知がないのでやるのかやらないのか分かりません。
新規募集がなければ、また来年一年を棒に振ることに…?
考えただけで恐ろしいです。
それとも、私立の保育園も選択肢に入れれるほど、支援が進んでいるとか?!
だから、あえてモデル事業の告知をしていないとか?!
来年は次男は年中さんです。
先日、子ども病院で受けたSTの評価でも、「集団生活は可能だし、むしろ必要」と言われました。
来年度こそは、是非とも通えるようにして下さい。
通園は次男のためでもあるし、家族全体のためでもある。
実は、長男にも病気が見つかり、今後は長男のためにも時間を割く必要がでてきました。
切実です。
2018年10月10日
吸入器の買い替え(メッシュ式からコンプレッサーへ)
NICUのころから使用していた、オムロンのメッシュ式ネブライザ―が、とうとう故障してしまいました。
実は、2年前くらいからちょくちょく調子が悪くなっていて(汗)
だましだまし使っていたのですが、今回ばかりはお手上げです。
メッシュを新品にしてもダメだし、電池を新しくしてもダメ。
別売りで購入したACアダプターも使えないし、薬液ボトルを新調してもダメ。
購入した業者さんに連絡して、念のため診てもらったのですが原因不明。
時折、狼煙のようにひょろっと霧がのぼるのですが、「あっ!」と思った次の瞬間には消えてしまって使えないのです。
次男は吸入が欠かせないので、なんとか使えるようにならないかと、製造元のオムロンにも電話してみました。
すると、現物を見てみないとわからないとのこと。
(当然ですよね^^;)
修理費用は部品代+メンテナンスや確認のための費用4000円+送料(1000円)だそうで、確認のための費用は故障部位が治っても治らなくっても必要なんだとか。
もし、修理できなかったら、まるまる5000円が無駄な出費に・・・。
もともとは、このネブライザーは自治体の日常生活用具の給付を利用して購入したもの。
なので、定価の一割負担(2,400円)で済んだのですが、この日常生活用具給付は5年に一度しか申請できません。
あと一年半・・・。
ネブライザーは必需品なので、少しでも安いところで同じものを買うべきか。
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と、あれこれ迷っていたのですが、メッシュ式にこだわらなければもっとコスパの良いものがありました!
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コンプレッサー式のネブライザ―。
値段だけ見ると、メッシュ式の半額以下です。
コンプレッサーっておっきくて重たいイメージがあったのですが、これは手のひらサイズ。
しかも、性能を比べてみると、メッシュ式にこだわらなくてもいいんじゃないかという気になるほど高性能。
メッシュ式とコンプレッサー式の比較です^^
《メッシュ式》
噴霧方式:メッシュ式
電源 :DC3V(単3形乾電池2本使用)/DC2.4V(単3形ニッケル水素電池2本使用)/AC100V(50/60Hz)
噴霧粒子径分布 :MMAD約5μm
噴霧能力 :0.25mL/分以上
薬剤槽容量:最大7mL
最低霧化可能薬剤量:0.3mL
適正薬剤量 :7mL以下
薬液ボトル残液量 :0.3mL以下
《コンプレッサー式》
噴霧方式:コンプレッサー式
電源 :AC100V(50/60Hz) 10VA(専用ACアダプタ)
噴霧粒子径分布 :MMAD約3μm
噴霧能力 : 約0.30mL/分
薬剤槽容量:最大10mL
最低霧化可能薬剤量:約2mL
適正薬剤量 : 2mL〜10mL
薬液ボトル残液量: 約0.7mL
比べてみると、コンプレッサー式の方が霧の粒子が細かいんですね。
いざというときに電池が使えないのは困るけど、ひとまずはコンプレッサー式を購入して様子をみることにしました。
こちらです。
ゾウとウサギのキッズアクセサリーがついているのがポイントです(笑)
すごく軽い!
ネブライザ―キットのセットも簡単です。
でも、使用中にそれぞれのパーツがちょっと外れやすい感じがするのが気になるかな。
寝ている次男に吸入。
マスクの付け方が本来の向きとは違いますが、気切口にしっかりあてようとすると横向きの方がいいみたいなので…。
音もそれほどうるさくないので、眠っているときに使っても起きませんでしたよ。
お手入れも、メッシュ式に比べると楽ですね!
さっと洗って、週に一度ミルトンタイプの消毒をするだけ。
使い終わったら、本体もキットも、それぞれセリアのカゴに入れています。
そういえば、キッズアクセサリーのゾウとウサギは?!
購入して2−3日で子どもたちが飽きてしまいました…。
毎回セットするのも面倒なので、今は普通におもちゃとして使っています。
メッシュ式を使っていた時は、消耗品のメッシュやら電池やら、こまごましたことにお金がかかっていたけど、コンプレッサー式はそういったわずらわしさがないからいいですね。
まだ使って1週間ですが、大満足!
2台目としても、おすすめです!
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2018年09月13日
パブリックコメントに対する市の意見
そして今日、提出したパブコメに対する市の意見が記載された冊子がたまたま用事で出かけた療育センターに置いてあったので、その一部を頂いてきました。
障害福祉計画の元々の素案では、「医療的ケア児支援のための協議の場をH30年度中に設ける」ということが目標になっていたので、
・協議の内容やゴールを明確にしてほしいこと
・H30年度内に具体的な支援を実動することを目標としてほしいこと
に加え、医療的ケア児をとりまく様々な問題に関する積極的な支援をお願いしました。
それに対する市の考え方としては、
「国の基本指針がH30年度末までに協議の場を設けることとなっているので、素案のままとさせていただきます」
とのことでした。
相変わらずの消極的な反応です。
分かってはいたものの、がっかり。
「協議の場をとりあえず一回設けたから、今年度はこれで終了〜」なんてことにはしないで下さいよ!!!!
一年遅れれば、その一年間支援を受けられないまま成長していく子どもたち。
その意味をよくよく考えて欲しいものです。
ちなみに、請願審議の時に「スピード感を持って進める」と言っていた、医療的ケア児の実態調査。
届いていませんよ!!
気管切開ではないものの、医療的ケアが必要なお子さんをお持ちのお母さんも、「実態調査?何それ聞いたことない」と言ってましたよ。
事業所を通してのアンケートでは、事業所を使っていない(もしくはタイミング的に医療機関の受診がない)子たちは漏れてしまいます。
正確な実態調査を行うつもりがあるのなら、それなりの実態調査の方法があるはずです。
「やりますよ」と期待させておいて、フタを開けてみるとがっかりで。
そんなことの繰り返しで支援を先延ばしにされているのではないか。
そんな疑心暗鬼になってしまう私たち母親なのですよ。
「予算が・・・」という前に、子どもたちが将来の納税者でもあることを忘れないで頂きたいですね。
2018年08月27日
求められすぎてないですか?医療的ケア児の親は1人何役こなす?
医療的ケア児の母親に求められる役割、多すぎやしませんか。
よく世間で言われているのは「3足のわらじ」。
母親と、妻と、会社勤め。
もちろん、これだけでも大変なのは重々承知。
でもそれ以外が重すぎる。
専門的な知識を要するような役割ですら、必至に調べたりしながら、1人で全部こなす必要があるのですよ。
・看護師
日常的な健康管理に始まり、毎日の医療的ケア、体調不良時の徹夜看護。
うちの場合は気管切開しているので、カニューレにまつわるリスク管理を含めると気の休まる時がありません。
・支援員
(というものがあるのだと最近知りました。行政曰く、うちは対象外なんだとか)
使えるサービスを探したり、行政機関の窓口へ問い合わせや交渉。申請書類の準備や作成など。
身体・知的に障害のない医療的ケア児は、たいてい「使えるものはない」とか「前例がない」断られます。
「検討します」と言って、返事をもらえず曖昧にされます。
裏を取るために法律について調べたり、厚生労働省の政策について勉強したりと、自分たちの権利を求めるための勉強が不可欠。
どんなに嫌な思いをして心を病みそうになっても、あきらめたらそこまで。
頑張るしかありません。
・医師
医師というと、ちょっと大げさかもしれませんが。
今後の方針とか、予後についてとかは、黙っていても情報をもらえません。
自分たちで専門書をあさり、論文を読んだりして、自分の子どもの疾患や状況について熟知していないと医師と満足のいくやりとりはできません。
同じような医療的ケアのお子さんの保護者の方と繋がり、治療法や、医療機関、日々の工夫について情報交換をし合うことで、勉強させてもらうことも大切。
・リハビリの療法士
医療的ケアの子の中には、身体機能・認知機能等に問題がないとの理由でリハビリに通うことができない子もいます。
でも、圧倒的な「経験不足」からくる遅れがないとは言い切れません。
親と自宅で過ごしている医療的ケア児が集団へと移行する場合、なんらかの専門的な支援が必要な場合が多いのではないかと思います。
でも、リハビリを使えない子は、保護者が試行錯誤したり、工夫したりしながらその役割もこなすしかありません。
・保育士
自分の子どもだから保育は当たり前、と思われるかもしれませんが、単に子育てをするのと保育士さんの保育とは大きな違いがあります。
親は自分の子どもと客観的に接することはほとんど不可能です。
お互いに甘えが出たり、安心する関係性だけに留まったりします。
でも、保育園等に通えない医療的ケア児の保護者は、自宅で保育士のような役割をこなさなければならないこともあります。
子どもの成長・発達を促すために公園に連れて行って遊ばせたり、家で一緒に工作をしたり、読み書きを教えたり。
大抵の母親は家事の合間に時間をとって、子どもと関わっていきますが、兄弟児がいたり、他に介護が必要な家族がいたりすると、こうした時間が十分に摂れません。
「子どものために自分がやらなきゃ」と思いつつも、毎日の生活に追われて時間が取れず、焦燥感にかられてしまうこともあります。
・FP
医療的ケア児の子育てを社会で支えていくというシステムは、現在のところ「無し」と言っても過言ではありません。
預かり先もなく、保育園も使えない。
元々共働きをしていた家庭でも、母親は仕事を辞めざるを得ず、世帯収入は激減します。
こうした収入が少ない状況に加え、子どもの医療費、医療的ケア児の生活を支える医療用品、受診や入院に伴う交通費や雑費など、出費がかさみます。
限られた収入の中でなんとかやりくりしていくためには、家計の見直しが常に必要です。
わが家でも、大幅な保険の見直しを行ったり、将来に向けたライフプランの設計などを行いました。
でも、未だに将来には不安があります。
家庭を運営していくために必要と、お金のことについて勉強すればするほど、不安が募ります。
ちょっと思いつくままに書いてみたのですが…やっぱり負担が大きすぎやしませんか。
頭も心もパンパンになってしまい、破裂寸前のお母さんはたくさんいます。
少しでもその役割を減らせるように、手助けしてほしい。
ヘルプを出せるような場所を作ってほしい。
市議会での請願審議の結果について
請願審査までの簡単な流れを念のため説明すると、
@請願者が請願書を作成
A市議会の各会派を回り、市議会議員に紹介議員になってもらえるようお願いする。
*この時点で紹介議員になることを断る会派もあります。
B紹介議員の中から「筆頭紹介議員」を選出し、関係書類を提出
C請願審査の日程の1週間前に日時決定の連絡届く(ギリギリすぎて、社会人は調整が厳しいです)
という感じです。
請願審査の場合、請願の内容によってそれぞれどの委員会で審議を行うかが決まります。
今回の場合は、子ども育成、社会福祉、保健衛生、教育などが担当となる委員会で行われます。
請願項目の採択には、その委員会に所属する全ての会派が「採択」の結論を出さねばなりません。
一つでも「採択」を選択しない会派があれば、請願は通らず、その年度内での審議は終了となります。
ただし、「採択」とならず「継続」となった場合、次年度に再度請願を提出することが可能です。
請願を通すためには、いかに全ての会派に賛同を得られるか(実際はそれだけではうまくいかないこともあるようですが・・・)が大切なようですね。
請願審査当日は、請願者は冒頭陳情(希望制なのでしない場合もあり)の後は、傍聴席について審査の流れを見守ります。
実際のやりとりは、市議会議員とこどもみらい局とで行われることになります。
今回の請願の審査では、傍聴者全員にこどもみらい局が作成した「請願審査資料」が配布されました。
そこに示された請願に対する「市の考え方」は以下の通りです(要約)。
・医療的ケア児についても可能な限り保育施設等で受け入れを行う必要があると考える。
・しかし、医療的ケア児は一人一人の状況が異なるため、子どもの状況に応じた対応を検討する必要がある。
・看護師の確保、ニーズ量を踏まえた配置、どのような受け入れ態勢が必要か課題が多い。
・平成30年度の開始したモデル事業を通して課題を把握・整理し今後のあり方について検討進める。
医療的ケア児の実態把握は、これまでも何度も上がってきた問題点です。
これについては、市議会議員からも遅れを指摘する声が目立ちました。
さらに今回のモデル事業についても、利用者の選定基準のあいまいさ、市内1か所のみで開始という「地域格差」、態勢の不十分さについても言及されていました。
こども未来局長からは、最終的に、「スピード感を持って今後の支援を進める」との言葉を引き出すことができました。
しかし、審議の結果自体は「継続」。
採択とはなりませんでした。
各会派が結論を求められたときに、一つの会派のみが「これだけの課題をこなすのには時間が必要なので」とか言う理由で、採択を拒否。
親からすれば信じられないような理由です。
でも、結論は覆らず。
「継続」です。
ハッピーエンド、という形ではありませんできたが、福岡市こども未来局長の「モデル事業は不十分な点があると認識している。まずは実態を把握し、スピード感を持って今後の進め方を再検討する」を信じて見守ります。
くれぐれも、「検討」だけで今年度が終わりませんように。
少なくとも、来年度に必ずつながりますように。
2018年08月20日
医療的ケア児の保育園入園を求める請願の署名のご協力、ありがとうございました。
請願の趣旨に賛同していただいた方の署名は、審議前日までで,4100筆を超えていました。
請願審査当日の朝まで、署名の提出を受け付けると説明を受けていたので、福岡市医療的ケア児親の会の方をはじめ、周囲の方々にギリギリまで声掛けをお願いし、請願審議の直前にさらに数百の署名をお預かりしました。
審査の当日に配布された資料には、直前に提出した署名数は反映されていませんが、おそらく審議の記録には残るはずです。
これほど多くの方が、福岡市における医療的ケア児の現状に関心を持ち、請願の内容に賛同して頂いたこと、感謝でいっぱいです。
まずは、この場を借りてお礼を申し上げます。
請願審議の内容については、長くなりますので改めて投稿いたしますね。