新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2017年04月07日
2017年4月第1週までの成績と、4月第2週主要指標の過去反応pips
多くのFX関連書籍・記事で主流・基本だと言うトレンドフォローでの取引は、多くの結果が示す通り、ほとんどの人に適していません。普通の人がFXを始める際には、もっと適した方法があると思って、このブログを始めました。このブログでは、経済指標発表前後の短期シナリオ手法というやり方を紹介しています。詳細は「FXは上達するのか」をご覧ください。
2017年年初からの成績と、今週(4月第1週)の成績を一覧集計しておきます。
先週の取引時間は53分19秒、1指標当たり平均5分55秒です。損益は+15,031円、1指標当たり+1,670円です。
シナリオ単位では負けた指標もありましたが、指標単位では8勝1敗と運が良かった。大きく分析を外したことは、英サービス業PMIと米雇用統計です。ともに初期反応が大きかったので、外したのは私だけじゃなかったのでしょう。
今週は、最後に米軍のシリア攻撃があり、3分で60pips強のリスク回避円高がありました。中国主席訪米中にこうしたことが起きるとは、誰も思っていなかったでしょう。
仏大統領選が近づいているため、EURが荒れると予想していましたが、これは見込み違いでした。
4日に公表された豪州RBA議事録では、当面の政策変更なしが確認できました。
また、同日発表された米国2月貿易収支は、反応こそ小さかったものの、中国からの輸入が対前月27%減少というのには驚きました。さすが中国です。
5日に発表された英国3月サービス業PMIでは、直後11分足跳幅が70pipsもの反応となりました。市場予想は前回結果を僅かに上回っていたものの、大きく発表結果が改善したことが意外だったのです。
その後で、米国3月ADP雇用統計が発表され、市場予想をかなり大きく上回る内容となっていました。
6日未明に公表されたFOMC議事録では、FRBのバランスシート縮小に今年中に着手する可能性が高いことが示されました。この公表に先立ち、FOMCメンバーが何人か、利上げを急がない旨、発言を行いました。
7日に発表された米国3月雇用統計は、ロイターやWSJもさっそく言い訳記事を載せているぐらいですから、私なんか外しても仕方ありませんね。
次週、4月第2週で注目すべき点は次の通りです。
その他、関心を持っている指標を下表に纏めておきます。
この表の右3列の数字は、過去の直後1分足跳幅・値幅・直後11分足値幅の平均pipsです。データはまだ、前回記事で用いた値ですから、3月発表時の反応を踏まえた値にはなっていません。よって、3月発表時のpipsも含めると、誤差が1-3pips程度あるかも知れません。そのつもりでご覧ください。
【1. 今週成績及び所感】
2017年年初からの成績と、今週(4月第1週)の成績を一覧集計しておきます。
先週の取引時間は53分19秒、1指標当たり平均5分55秒です。損益は+15,031円、1指標当たり+1,670円です。
シナリオ単位では負けた指標もありましたが、指標単位では8勝1敗と運が良かった。大きく分析を外したことは、英サービス業PMIと米雇用統計です。ともに初期反応が大きかったので、外したのは私だけじゃなかったのでしょう。
今週は、最後に米軍のシリア攻撃があり、3分で60pips強のリスク回避円高がありました。中国主席訪米中にこうしたことが起きるとは、誰も思っていなかったでしょう。
仏大統領選が近づいているため、EURが荒れると予想していましたが、これは見込み違いでした。
4日に公表された豪州RBA議事録では、当面の政策変更なしが確認できました。
また、同日発表された米国2月貿易収支は、反応こそ小さかったものの、中国からの輸入が対前月27%減少というのには驚きました。さすが中国です。
5日に発表された英国3月サービス業PMIでは、直後11分足跳幅が70pipsもの反応となりました。市場予想は前回結果を僅かに上回っていたものの、大きく発表結果が改善したことが意外だったのです。
その後で、米国3月ADP雇用統計が発表され、市場予想をかなり大きく上回る内容となっていました。
6日未明に公表されたFOMC議事録では、FRBのバランスシート縮小に今年中に着手する可能性が高いことが示されました。この公表に先立ち、FOMCメンバーが何人か、利上げを急がない旨、発言を行いました。
7日に発表された米国3月雇用統計は、ロイターやWSJもさっそく言い訳記事を載せているぐらいですから、私なんか外しても仕方ありませんね。
【2. 次週主要指標の過去反応】
次週、4月第2週で注目すべき点は次の通りです。
- 英豪雇用統計があり、これらは結果次第で大きく反応します。
- 米英物価指標が発表されます。ともにインフレ過熱への警戒感が高まっており、週末に解説記事が多く出るでしょう。
- 仏大統領選1回目投票が4月23日に控えています。これまでは、1回目投票は極右候補が勝ち、5月の決戦投票で極右候補が落選するという解説一色です。
その他、関心を持っている指標を下表に纏めておきます。
この表の右3列の数字は、過去の直後1分足跳幅・値幅・直後11分足値幅の平均pipsです。データはまだ、前回記事で用いた値ですから、3月発表時の反応を踏まえた値にはなっていません。よって、3月発表時のpipsも含めると、誤差が1-3pips程度あるかも知れません。そのつもりでご覧ください。
以上
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
米国雇用指標「非農業部門雇用者数(NFP)・失業率」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年4月7日21:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月7日21:30に米国雇用指標「雇用者数(NFP)・失業率」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
最も参加者が多い指標であり、最も大口の参加者が多い指標でもあります。値がピョンピョンと動くことが多いので、ポジションを取り損なったら、決して無理に参加しないことです。
そもそも大きく反応しかねない指標で取引するのなら、過去の直後1分足跳幅・値幅を確認しておき、直前のレートから平均値分だけ動いたらいくらかを頭に入れておきましょう。チャート画面での動きの大きさが他の指標と違うため、ポジションは値を見て取るようにしましょう。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本指標発表で過去に最も反応したのはNFPですが、最近は平均時給への注目が高まっています。
平均時給への注目が高くなっているのは、以前にFRB幹部が注目していると発言したからです。現在、米国経済は緩やかな成長とインフレが持続しています。インフレが進むのに賃金が上昇しなければ、いずれ成長が腰折れしてしまいます。だから、平均賃金への関心が高まっているのです。
直近の3月ADP雇用統計では、民間雇用者数が市場予想を大きく超えました。3月ISMでも雇用は改善されています。週次の失業保険申請件数も2月は約40年ぶりの少なさだったと報道され、3月申請件数もそれほど極端に増えていません。
関連指標からは、先月に引き続き今回もNFPの数字が良いことを示唆しています。平均時給がマイナスにさえならなければ、NFPの足を引っ張る力はないと考えています。
NFPに関する限り市場予想よりも良い、と予想します。
反応については少し心配な点があります。
先月3月のFOMCでは利上げを行いました。上述の通り、賃金上昇を超えるインフレを抑えるためです。議事録に依れば、雇用にはまだ若干の上昇余地があると記載されています。但し、FRBと市場の関心は、インフレと雇用に水を差さないように、利上げとバランスシート縮小をどうやるか、に移っています。
現状は、雇用が良ければ、FRB(FOMC)が利上げとバランスシート縮小を行いやすくなるのです。利上げもバランスシート縮小も、政策方向は金融引き締めです。
よって、NFPが良くて平均時給が悪くなければ、初期反応は陽線となるでしょう。がしかし、どれぐらいの期間、その反応が持続するのかが予想できません。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
本表には、平均時給に関する情報が用意できていません(いつも通り失業率を記載)。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足(上から2番目)をご覧ください。反応一致性分析で後述するように、陰線率が85%です。もし買ポジションで指標発表を迎えるつもりなら、指標発表直前までポジション取得を待ちましょう。もし売ポジションで指標発表を迎えるつもりなら、指標発表1分前にポジションを取りましょう。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が88%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが50%です。追いかけてポジションを取るなら、発表直後に大きく跳ねたときに慌ててはいけません。注意深く戻りを待って、ポジションを取るべきです。2回に1回は、直後1分足終値に直後11分足終値が達しないのです。
但し、最も参加者が多い指標であり、最も大口の参加者が多い指標でもあります。値がピョンピョンと動くことが多いので、ポジションを取り損なったら、無理に参加しないことです。
こうした指標で発表後に追撃ポジションを取るのなら、発表後の反応方向だけを狙いましょう。発表後が陽線のうちは買うチャンスだけを狙い、発表後が陰線のうちは売るチャンスだけを狙いましょう。チャンスがなければ参加しない、が基本です。
大切なことは、大きく反応する指標では逆張りをしない、と決めておくことです。例え、そろそろ反転しそうだと思っても駄目です。長い目で見ると、我々アマチュアは順張りでしか稼げます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は、陰線率が85%です。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
有意な情報は、直後11分足が事後差異との方向一致率が73%という点です。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年4月8日12:10頃に追記しています。
失業率は改善、平均時給は横這い、そしてNFPが前回結果・市場予想を大幅に下回りました。
WSJでは、今回の雇用統計調査にタイミング上の問題(天候が悪いときのデータ収集)を挙げ、ロイターも結果に疑問を呈するような解説を報道しています。一方、暖冬で1月・2月の雇用者数が多かったので、その反動ではないか、という解説もありました。
ともあれ、間違いがあれば来月発表時に今月データが上方改定されるでしょうし、取引はもう終わったのです。今回取引は残念な結果となりました。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
結果は前回結果・市場予想を大幅に下回り、反応は陰線でした。
分析を外したことは、上記のWSJやロイターと同じく、少し疑問も持っています。
反応については、今後の参考になりそうな動きをしていました。
すなわち、発表結果が市場予想を大きく下回ったのだから、まず陰線に60pips反応しています。ここまでは理解できます。次に5秒後ぐらいに40pipsに戻りました。損切はこの頃です。5-10秒経過以降は40pips付近でうろうろし、結局そのあたりで直後1分足は終値をつけました。その後は戻しの動きとなりますが、多くのパターン通りに1分足4-5本目でまた反応を伸ばそうとします。問題はその後です。その後、111円直前まで反転しました。
指標結果が悪く、株価の動きも変ではありません。111円を狙う状況ではなかったと思われます。そのとき、111円には達しなかったものの、結局、今朝の終値では111円を上抜いていたようです。
考察です。
昨日午前のリスク回避でUSDJPYは110円を狙う位置まで下げました。リスク回避事件が発生して下げたにも関わらず、110円を下抜けることはできませんでした。雇用統計前までに110円台中間を超えていたものの、雇用統計下振れでまた110円下抜けを一瞬窺いました。でも、110円を下抜けできませんでした。この動きから、110円鉄板と見られたのではないでしょうか。
110円鉄板ならば、先々110円までの下げ余地を作るまでは上昇です。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月7日21:30に米国雇用指標「雇用者数(NFP)・失業率」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
最も参加者が多い指標であり、最も大口の参加者が多い指標でもあります。値がピョンピョンと動くことが多いので、ポジションを取り損なったら、決して無理に参加しないことです。
そもそも大きく反応しかねない指標で取引するのなら、過去の直後1分足跳幅・値幅を確認しておき、直前のレートから平均値分だけ動いたらいくらかを頭に入れておきましょう。チャート画面での動きの大きさが他の指標と違うため、ポジションは値を見て取るようにしましょう。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず注意点です。
(1) 直前1分足跳幅が過去平均で18pipsもあります。もし発表を跨いでポジションを持つつもりなら、指標発表直前までこらえた方が良いでしょう。
(2) 大きく反応しがちな指標だと、予めわかっています。こうした指標で発表後に追撃ポジションを取るのなら、発表後の反応方向だけを狙いましょう。発表後が陽線のうちは買うチャンスだけを狙い、発表後が陰線のうちは売るチャンスだけを狙いましょう。チャンスがなければ参加しない、が基本です。大切なことは、大きく反応する指標では逆張りをしない、と決めておくことです。我々アマチュアはその方が稼げます。
(3) せっかくだから100通貨・1000通貨(いつもより1桁少なく)で参加すると、ポジション取得・解消の良い練習になって楽しめます。もっとも、勝ったときにはとっても悔しい思いをするのですが。がしかし、雇用統計の初期反応のスピードに慣れたら、他の指標の動きなんてトロいもんです。だから、良い指標発表前後における取引の良い練習になります。 - 次に、指標についてです。
直近の関連指標その他の情報から、最も反応に結び付きやすいNFPが市場予想を上回ると予想しています。
但し、それで初期反応が陽線となっても、それがどれぐらい続くかに自信がありません。諸状況を踏まえると、雇用統計の数字の良さは、FRB(FOMC)の金融引き締め施策が前倒しされる、とも解釈できるからです。 - シナリオは次の通りです。
(1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が85%です。
(2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。但し、同じ方向への反応がどれぐらい持続するかに少し不安を持っています。跳ねたらすぐに利確(損切)です。
(3) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が88%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが50%です。追いかけてポジションを取るなら、発表直後に大きく跳ねたときに慌ててはいけません。注意深く戻りを待って、ポジションを取るべきです。雇用統計は、2回に1回の確率で直後1分足終値に直後11分足終値が届かないのです。だから、追撃するなら短時間で数pipsを繰り返す、というやり方が望ましい姿です。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
T.調査
【1. 指標概要】
本指標発表で過去に最も反応したのはNFPですが、最近は平均時給への注目が高まっています。
平均時給への注目が高くなっているのは、以前にFRB幹部が注目していると発言したからです。現在、米国経済は緩やかな成長とインフレが持続しています。インフレが進むのに賃金が上昇しなければ、いずれ成長が腰折れしてしまいます。だから、平均賃金への関心が高まっているのです。
直近の3月ADP雇用統計では、民間雇用者数が市場予想を大きく超えました。3月ISMでも雇用は改善されています。週次の失業保険申請件数も2月は約40年ぶりの少なさだったと報道され、3月申請件数もそれほど極端に増えていません。
関連指標からは、先月に引き続き今回もNFPの数字が良いことを示唆しています。平均時給がマイナスにさえならなければ、NFPの足を引っ張る力はないと考えています。
NFPに関する限り市場予想よりも良い、と予想します。
反応については少し心配な点があります。
先月3月のFOMCでは利上げを行いました。上述の通り、賃金上昇を超えるインフレを抑えるためです。議事録に依れば、雇用にはまだ若干の上昇余地があると記載されています。但し、FRBと市場の関心は、インフレと雇用に水を差さないように、利上げとバランスシート縮小をどうやるか、に移っています。
現状は、雇用が良ければ、FRB(FOMC)が利上げとバランスシート縮小を行いやすくなるのです。利上げもバランスシート縮小も、政策方向は金融引き締めです。
よって、NFPが良くて平均時給が悪くなければ、初期反応は陽線となるでしょう。がしかし、どれぐらいの期間、その反応が持続するのかが予想できません。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
本表には、平均時給に関する情報が用意できていません(いつも通り失業率を記載)。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足(上から2番目)をご覧ください。反応一致性分析で後述するように、陰線率が85%です。もし買ポジションで指標発表を迎えるつもりなら、指標発表直前までポジション取得を待ちましょう。もし売ポジションで指標発表を迎えるつもりなら、指標発表1分前にポジションを取りましょう。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が88%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが50%です。追いかけてポジションを取るなら、発表直後に大きく跳ねたときに慌ててはいけません。注意深く戻りを待って、ポジションを取るべきです。2回に1回は、直後1分足終値に直後11分足終値が達しないのです。
但し、最も参加者が多い指標であり、最も大口の参加者が多い指標でもあります。値がピョンピョンと動くことが多いので、ポジションを取り損なったら、無理に参加しないことです。
こうした指標で発表後に追撃ポジションを取るのなら、発表後の反応方向だけを狙いましょう。発表後が陽線のうちは買うチャンスだけを狙い、発表後が陰線のうちは売るチャンスだけを狙いましょう。チャンスがなければ参加しない、が基本です。
大切なことは、大きく反応する指標では逆張りをしない、と決めておくことです。例え、そろそろ反転しそうだと思っても駄目です。長い目で見ると、我々アマチュアは順張りでしか稼げます。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は、陰線率が85%です。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
有意な情報は、直後11分足が事後差異との方向一致率が73%という点です。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以上
2017年4月7日21:30発表
以下は2017年4月8日12:10頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
失業率は改善、平均時給は横這い、そしてNFPが前回結果・市場予想を大幅に下回りました。
WSJでは、今回の雇用統計調査にタイミング上の問題(天候が悪いときのデータ収集)を挙げ、ロイターも結果に疑問を呈するような解説を報道しています。一方、暖冬で1月・2月の雇用者数が多かったので、その反動ではないか、という解説もありました。
ともあれ、間違いがあれば来月発表時に今月データが上方改定されるでしょうし、取引はもう終わったのです。今回取引は残念な結果となりました。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 直近の関連指標その他の情報から、最も反応に結び付きやすいNFPが市場予想を上回ると予想しています。
但し、それで初期反応が陽線となっても、それがどれぐらい続くかに自信がありません。諸状況を踏まえると、雇用統計の数字の良さは、FRB(FOMC)の金融引き締め施策が前倒しされる、とも解釈できるからです。
結果は前回結果・市場予想を大幅に下回り、反応は陰線でした。
分析を外したことは、上記のWSJやロイターと同じく、少し疑問も持っています。
反応については、今後の参考になりそうな動きをしていました。
すなわち、発表結果が市場予想を大きく下回ったのだから、まず陰線に60pips反応しています。ここまでは理解できます。次に5秒後ぐらいに40pipsに戻りました。損切はこの頃です。5-10秒経過以降は40pips付近でうろうろし、結局そのあたりで直後1分足は終値をつけました。その後は戻しの動きとなりますが、多くのパターン通りに1分足4-5本目でまた反応を伸ばそうとします。問題はその後です。その後、111円直前まで反転しました。
指標結果が悪く、株価の動きも変ではありません。111円を狙う状況ではなかったと思われます。そのとき、111円には達しなかったものの、結局、今朝の終値では111円を上抜いていたようです。
考察です。
昨日午前のリスク回避でUSDJPYは110円を狙う位置まで下げました。リスク回避事件が発生して下げたにも関わらず、110円を下抜けることはできませんでした。雇用統計前までに110円台中間を超えていたものの、雇用統計下振れでまた110円下抜けを一瞬窺いました。でも、110円を下抜けできませんでした。この動きから、110円鉄板と見られたのではないでしょうか。
110円鉄板ならば、先々110円までの下げ余地を作るまでは上昇です。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- シナリオは次の通りです。
(1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が85%です。
(2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。但し、同じ方向への反応がどれぐらい持続するかに少し不安を持っています。跳ねたらすぐに利確(損切)です。
(3) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が88%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが50%です。追いかけてポジションを取るなら、発表直後に大きく跳ねたときに慌ててはいけません。注意深く戻りを待って、ポジションを取るべきです。雇用統計は、2回に1回の確率で直後1分足終値に直後11分足終値が届かないのです。だから、追撃するなら短時間で数pipsを繰り返す、というやり方が望ましい姿です。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年04月06日
英国実態指標「鉱工業生産」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年4月7日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月7日17:30に英国実態指標「鉱工業生産」が発表されます。今回発表は2017年2月分の集計結果です。
同時に英国国際収支「貿易収支」も発表されます。過去の経験から言えば無視しても差し支えありませんが、EUとの関係から今後は影響が大きくなるかも知れません。とりあえず今回はまだ、「鉱工業生産」のみの分析でシナリオを用意しています。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は23pipsとなっています。平均値である23pipsを超えたことが44%です。反応が大きいほとんどの指標は、たまに極めて大きく反応して平均値を引き上げていることが殆どです。そのため、本指標のように半数近くが平均値を超える指標は珍しいと言えます。
なお、調査期間において最も反応が大きかったときは50pipsでした。
以上のことから、本指標は安定して大きく反応する、と言えるでしょう。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
英国実態指標「鉱工業生産」は、鉱工業と製造業の企業生産高を指数化した経済指標です。英国国家統計局が毎月中旬に前月比・前年比を発表し、反応は前月比>前年比となる傾向があります。他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
本指標の意義は、鉱工業生産がGDPの構成要素となっているため、その先行指標と言われています。がしかし、英国GDPに占める鉱工業部門の割合は20%程度しかありません。ですから、本指標がGDPの先行指標として役立つかは少し疑問があります。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
市場予想は、前月比+0.2%(前回△0.4%)・前年比+3.7%(前回+3.2%)となっています。過去の傾向を見ると、前年比よりも前月比で大きく反応しがちです。
前月比ですから、グラフは上下に大きく動きます。11月が大きくプラスだっただけに、前々月12月・前月1月と続けて大きく落ち込んだように見えます。がしかし、実際は前月より12月が+1.1%改善しており、1月は△0.4%落ち込んだだけです。
他の指標で見てみましょう。
製造業PMIは、11月が前の2か月より低下し、12月は大きく増加、1月が12月から横這いで、2月は低下、3月が更に低下しています。大きくプラスになった月が、景況感は12月で、鉱工業生産が11月です。
変ですね。ふつう、景気指標の方が実態指標よりも先行する、と言われているのに。変であっても、直近の特徴に従うべき、と考えます。つまり、2月の鉱工業生産は3月の製造業PMIとの相関が強い、と。
3月製造業PMIは、2月よりも低下しています。
もし、これで正しければ、次の仮説が成り立ちます。
PMIが景況感と言いながらも、企業の購買担当役員から在庫・受注・納品等が前月より「良い」「同じ」「悪い」の回答形式で集めたデータに基づきます。「感」と言っても、消費者の景況感とは違って、数字に基づく回答です。2月の業績は3月月初に纏まり、PMIのアンケートは3月中旬に行われます。3月下旬は、マークイット社のアナリストがアンケートを集計したり、他の指標を分析して、4月上旬のPMI発表に間に合わせているのでしょう。
3月製造業PMIの結果は54.2で、市場予想55.0を下回りました。2月も55.6から54.5に下方修正されたものの、発表結果はそれをも下回りました。
今回発表結果は4カ月ぶりの低い水準で、その理由はインフレ圧力の高まりとともに、消費者向け製品への需要が低迷しているため、という解説記事がありました。
よって、今回は市場予想を下回る、と予想します。重ねて、前月1月の鉱工業生産前月比が下がったのは、前月に比べてたった0.4ポイントだけです。関連指標を見る限り、2月はもっと悪くなっても不思議じゃありません。
但し、上記は前月比についての話です。前年比がどうなるかはわかりません。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
いずれも陽線・陰線への極端な偏りは無いようです。そして、ヒゲが目立ったり目立たなかったりもしていません。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が72%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが72%です。これなら発表後に反応方向を見てから追撃できますね。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は、直前10-1分足との方向一致率が28%(不一致率が72%)となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直前10-1分足は、事前差異との方向一致率が29%となっています。そして、直前1分足は、事前差異との方向一致率が75%です。先述の通り、反応一致性分析でも、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率が28%(不一致率が72%)となっており、矛盾はありません。今回の事前差異はプラスなので、直前10-1分足が陰線、直前1分足が陽線、ということになります。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年4月8日11:30頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
ロイターに依れば「このデータがEU離脱を準備によって経済成長が鈍化している可能性を示す内容」である旨、解説しています。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
結果は前月比・前年比ともに前回結果・市場予想よりも悪化で、反応は陰線でした。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足のいずれも陰線でした。直後11分足は、直後1分足終値よりも一時的に反応を伸ばしたものの、反応を縮小して終わりました。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月7日17:30に英国実態指標「鉱工業生産」が発表されます。今回発表は2017年2月分の集計結果です。
同時に英国国際収支「貿易収支」も発表されます。過去の経験から言えば無視しても差し支えありませんが、EUとの関係から今後は影響が大きくなるかも知れません。とりあえず今回はまだ、「鉱工業生産」のみの分析でシナリオを用意しています。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は23pipsとなっています。平均値である23pipsを超えたことが44%です。反応が大きいほとんどの指標は、たまに極めて大きく反応して平均値を引き上げていることが殆どです。そのため、本指標のように半数近くが平均値を超える指標は珍しいと言えます。
なお、調査期間において最も反応が大きかったときは50pipsでした。
以上のことから、本指標は安定して大きく反応する、と言えるでしょう。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 注意点は、安定して大きく反応しがちな指標だということです。
- 指標については、前年比はわかりませんが、前月比が市場予想よりも悪化する、と予想しています。
論拠は、製造業PMIが3か月連続で悪化し続けていることと、鉱工業生産前月比の前回結果(1月分△0.4%)が数字が良かった直近(11月分が前月比+2.1%、12月分が前月比+1.0%)に対して、まだ悪化程度が小さすぎるから、です。 - シナリオは次の通りです。
(1) 直前10-1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が29%となっています。陰線です。
(2) 直前1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が75%です。陽線です。 但し、反応一致性分析では、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率が28%(不一致率が72%)となっています。直前10-1分足が陽線の場合、取引を見合わせます。
(3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陰線と見込みます。
(4) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が72%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが72%です。これなら発表後に反応方向を見てから追撃できますね。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
T.調査
【1. 指標概要】
英国実態指標「鉱工業生産」は、鉱工業と製造業の企業生産高を指数化した経済指標です。英国国家統計局が毎月中旬に前月比・前年比を発表し、反応は前月比>前年比となる傾向があります。他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
本指標の意義は、鉱工業生産がGDPの構成要素となっているため、その先行指標と言われています。がしかし、英国GDPに占める鉱工業部門の割合は20%程度しかありません。ですから、本指標がGDPの先行指標として役立つかは少し疑問があります。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
市場予想は、前月比+0.2%(前回△0.4%)・前年比+3.7%(前回+3.2%)となっています。過去の傾向を見ると、前年比よりも前月比で大きく反応しがちです。
前月比ですから、グラフは上下に大きく動きます。11月が大きくプラスだっただけに、前々月12月・前月1月と続けて大きく落ち込んだように見えます。がしかし、実際は前月より12月が+1.1%改善しており、1月は△0.4%落ち込んだだけです。
他の指標で見てみましょう。
製造業PMIは、11月が前の2か月より低下し、12月は大きく増加、1月が12月から横這いで、2月は低下、3月が更に低下しています。大きくプラスになった月が、景況感は12月で、鉱工業生産が11月です。
変ですね。ふつう、景気指標の方が実態指標よりも先行する、と言われているのに。変であっても、直近の特徴に従うべき、と考えます。つまり、2月の鉱工業生産は3月の製造業PMIとの相関が強い、と。
3月製造業PMIは、2月よりも低下しています。
もし、これで正しければ、次の仮説が成り立ちます。
PMIが景況感と言いながらも、企業の購買担当役員から在庫・受注・納品等が前月より「良い」「同じ」「悪い」の回答形式で集めたデータに基づきます。「感」と言っても、消費者の景況感とは違って、数字に基づく回答です。2月の業績は3月月初に纏まり、PMIのアンケートは3月中旬に行われます。3月下旬は、マークイット社のアナリストがアンケートを集計したり、他の指標を分析して、4月上旬のPMI発表に間に合わせているのでしょう。
3月製造業PMIの結果は54.2で、市場予想55.0を下回りました。2月も55.6から54.5に下方修正されたものの、発表結果はそれをも下回りました。
今回発表結果は4カ月ぶりの低い水準で、その理由はインフレ圧力の高まりとともに、消費者向け製品への需要が低迷しているため、という解説記事がありました。
よって、今回は市場予想を下回る、と予想します。重ねて、前月1月の鉱工業生産前月比が下がったのは、前月に比べてたった0.4ポイントだけです。関連指標を見る限り、2月はもっと悪くなっても不思議じゃありません。
但し、上記は前月比についての話です。前年比がどうなるかはわかりません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
いずれも陽線・陰線への極端な偏りは無いようです。そして、ヒゲが目立ったり目立たなかったりもしていません。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が72%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが72%です。これなら発表後に反応方向を見てから追撃できますね。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は、直前10-1分足との方向一致率が28%(不一致率が72%)となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直前10-1分足は、事前差異との方向一致率が29%となっています。そして、直前1分足は、事前差異との方向一致率が75%です。先述の通り、反応一致性分析でも、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率が28%(不一致率が72%)となっており、矛盾はありません。今回の事前差異はプラスなので、直前10-1分足が陰線、直前1分足が陽線、ということになります。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
2017年4月7日17:30発表
以下は2017年4月8日11:30頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
ロイターに依れば「このデータがEU離脱を準備によって経済成長が鈍化している可能性を示す内容」である旨、解説しています。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 指標については、前年比はわかりませんが、前月比が市場予想よりも悪化する、と予想しています。
論拠は、製造業PMIが3か月連続で悪化し続けていることと、鉱工業生産前月比の前回結果(1月分△0.4%)が数字が良かった直近(11月分が前月比+2.1%、12月分が前月比+1.0%)に対して、まだ悪化程度が小さすぎるから、です。
結果は前月比・前年比ともに前回結果・市場予想よりも悪化で、反応は陰線でした。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- (1) 直前10-1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が29%となっています。陰線です。
(2) 直前1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が75%です。陽線です。 但し、反応一致性分析では、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率が28%(不一致率が72%)となっています。直前10-1分足が陽線の場合、取引を見合わせます。
(3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陰線と見込みます。
(4) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が72%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが72%です。これなら発表後に反応方向を見てから追撃できますね。
直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足のいずれも陰線でした。直後11分足は、直後1分足終値よりも一時的に反応を伸ばしたものの、反応を縮小して終わりました。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年04月05日
米国金融政策「FOMC議事録」公表前後のUSDJPY反応分析(2017年4月6日03:00発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月6日03:00に米国金融政策「FOMC議事録」が公表されます。今回公表される議事録は2017年3月15-16日の開催されたFOMC分です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
意外に反応は小さいのです。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
でも、起きれる・起きていられるでしょうか。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
今回のFOMC議事録公表では、年内利上げ回数(次の利上げは何月か)と、FRBバランスシート縮小と、に関心が集まるでしょう。
利上げ回数に関心が集まるのは当然ですが、バランスシート縮小というのは何でしょう。
以前は、FRBも現在の日銀やECBと同様に、低金利・債券購入の緩和政策を採っていました。その結果、FRBは、当時購入した債券(国債を含む)を大量に保有しています。もし、この債券をFRBが放出したら、市場に従来よりも多くの債券が出回ることになるため金利が下がると思っていたら、それは違います。逆に、金利は上がる可能性が高いのです。
ここが、ちょっとわかりにくいリツクですよね。
以下、細かな説明が面倒なので、債券=全部国債に統一して話を進めます。
実は現在、既に償還期限を迎えた国債と同じ額だけ、FRBは国債を再購入しています。FRBが国債買い入れを既に止めているというのは、「新規の買い入れを止めている」ということです。だから今もFRBの国債保有残高は、以前の量的緩和時に買いまくっていたときのままです。
FRBバランスシート縮小とは、この国債も含めた債券保有残高を減らす、ということです。
FRBが償還期限を迎えた国債への再投資を止めると、当然、FRBの国債保有残高が減ります。これを「FRBには将来の国債購入余地が増えた」と解釈すると、国債売却先の安心度が増して金利が上がる可能性があるのです。本質は量的緩和縮小の一貫と捉えるべき政策なのです。
いっぺん聞けばロジックはわかるにせよ、それにしても何て妙な理屈なんだと思いませんか。
さて、FRBがこうした償還期限を迎えた国債への再投資を止めて、バランスシート縮小を開始したと仮定します。一旦、始めてしまえば、FOMC毎に次回の再投資を止める金額次第で、金利を左右できます。ここがFRBにとって非常に魅力的な政策なのです。
同時に、先述の通り将来の国債購入余地が増やせるので、将来の政策余地を増やすことにも繋がります。
もし、米債金利が上がって日本がそのままならば、自然に考えるとドル高になります。
がしかし、もう騙されません。
前に、FRBが量的緩和の縮小を開始する(テーパリング)、と最初に発表したときのことです。「いつやるとか」とか「どうやるとか」とかでなく、「やる」という意思を示しただけで、USDJPYが10円ぐらい円高に動いたのです。2013年5月のことでした。
当時、あ痛たたたたっ、と言った人は多かったハズです。
一旦、始めてしまえばFRBにとって魅力的で、我々だってルールが理解できるにせよ、最初はちょっと訳がわからない警戒をしておく必要がある話でした。
なお、いつもの通り、正確な話は他所を当たってください。「バーナンキ」「テーパリング」で検索すると、当時の正確な情報が調べられるでしょう。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの18回分のデータに基づいています。
前回FOMCでは、市場予想通りに政策金利を0.50%から0.75%に変更しました。これまでの政策金利を下図に示します。
この利上げについて、FOMCは声明を出しています。
ざっくり、その声明の要点は次の通りです。正確な話は他を当たってもらえると助かります。
まず結論。
FOMCは、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標水準を0.75%〜1%に引き上げることを決定した。
その根拠となる現状認識と見通し。
この決定は、労働市場環境とインフレの現状・見通しを踏まえて行った。そして(この決定をしても)、金融政策の姿勢が引き続き緩和的なため、労働市場環境を更に強化することと、インフレが2%に安定的に回帰すること、は現状の見通しのままだろう。
FOMCが2月会合以降に入手した情報は、米労働市場が引き続き強化され、米経済成長が引き続き緩やかに拡大したことを示していた。雇用の伸びは依然として堅調、失業率はこの数カ月間にほとんど変わっていなかった。家計支出は引き続き緩やかに増加し、設備投資は幾分堅調さが表れた。インフレはこの数四半期、長期目標の2%に近づいた。
但し、コアインフレはほとんど変化なく、依然として2%を若干下回っている。市場ベースのインフレ調整分の指標は依然低く、長期インフレ期待の指標はほとんど変わっていない。
よって、雇用の最大化と物価安定の促進を目指すためには、現時点における金融政策の緩やかな調整によって、経済が緩やかに拡大し、労働市場の環境はさらに強固になり、インフレは中期的に2%付近で安定する、と予想される。インフレ指標と国際経済・金融情勢については引き続き注視していく。
そして、今後の方針と見通し。
FOMCは、FF金利誘導目標水準の今後の調整時期と規模を判断するために、雇用最大化と2%物価目標に関する経済情勢を、実績と見通しから評価する。その評価は、労働市場環境に関する指標、インフレ圧力やインフレ期待の指標、金融、国際的な情勢の解釈を含む幅広い情報、を考慮して行う。
現状のインフレ進展と見通しは、予測に上下幅を持たせて行う。経済情勢は緩やかな利上げを正当化する形で進展すると予測するものの、FF金利誘導目標水準は長期的に予測されている水準を、一定の期間下回るだろう。実際のFF金利誘導目標水準の先行きはデータが示す経済見通しに追従させるからだ。
FF金利誘導以外の政策について。
FOMCは、各種保有証券の償還資金を再投資している現在の政策を維持する。この政策は、FF金利誘導目標水準の正常化が十分に進むまで行う見通しである。この相当額の長期証券保有を継続する政策は、金融市場の緩和状態の維持を支えるはずだ。
あとは、利上げに誰が賛成して誰が反対したのか、という話です。反対者は1名でした。
こうした文書の解釈は非常に難しいですよね。
要するに、経済が緩やかに成長することを邪魔しないため、利上げを慎重に行う。データに基づいて少し遅れて利上げを行い、利上げ以外の政策(バランスシート縮小)は金利が目標に近づいてからにする、という訳です。最後の一文は最近よく話題に挙がるバランスシート縮小を拙速に行って、金融引き締めを加速するつもりがない、というのだから、慌てて株を売る必要がない、という訳ですね。
ところで、FRBが目標とする金利は何%なのでしょう。
すぐに金利を上げない、すぐにバランスシート縮小を行わない、が議事録公表で追認されたら、USDJPYがどちらに動くか、です。
利上げが遠のく以上はUSDが売られ、引き締め施策が遅れる以上はUSDが買われます。だから、どっちに動くかがわかりません。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が59%、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが70%です。方向一致率が低くて追撃ができません。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が80%高いほか、目立った傾向が見受けられません。
利上げが行われた2015年12月・2016年12月のFOMC議事録は、それぞれ翌月に公表されています。
利上げ直後のFOMC議事録公表時の反応は、直後1分足・直後11分足ともに陰線です。
巻頭の箇条書きを参照ください。
以下は2017年3月6日19:00頃に追記しています。
寝てました。リアルタイムでチャートを見ていないので、以下推測を交えます。
公表直後に陽線側に跳ねたものの、すぐに陰線側に反転(直後1分足終値)、その後もう一度上値をトライするものの失敗して、朝までUSDが売られたようです。
USD売りはEURUSDでも確認できたので、結果は公表内容への失望・陰線です。
失望の内容は、大きく2つあったと思われます。
ひとつは利上げを急ぐ・増やすヒントがなかったこと、もうひとつはFRBバランスシート縮小を年内に始める議論があったことです。一部報道で、6月利上げのヒントがあったいう趣旨の見出しを確認したものの、当会ではまだ確認できていません。
それと気になる点は、公表直後に陽線側に跳ねていることと、一旦下がってからもう一度、上値をトライしようとしていることです。
リアルタイムでチャートを見ていなかったので、最初の跳ねは「決め打ち」があったのかも知れません。がしかし、公表後3本目の1分足で安値を付けてから、10本目に高値を付ける動きがわかりません。
この項は、もう少し調べてから追記・改訂するかも知れません。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
起きられなかったので、取引できませんでした。
事前調査分析内容は、
「すぐに金利を上げない、すぐにバランスシート縮小を行わない、が議事録公表で追認されたら、USDJPYがどちらに動くか、です。利上げが遠のく以上はUSDが売られ、引き締め施策が遅れる以上はUSDが買われます。だから、どっちに動くかがわかりません。」
でした。
「わからない」が結論です。
結果は「利上げを急がず、バランスシート縮小を急ぐ」と受け取られたので、陰線に反応したものと推察されます。
この項は、議事録を見てから追記・改訂するかも知れません。
シナリオは、直前1分足の陰線しか用意していませんでした。直前1分足は陰線となりました。
追撃が難しいという点は、その通りだったようです。
シナリオには問題ありません。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月6日03:00に米国金融政策「FOMC議事録」が公表されます。今回公表される議事録は2017年3月15-16日の開催されたFOMC分です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
意外に反応は小さいのです。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 注意すべき点は、過去の反応平均が小さい割に、値がぴょんぴょん動くことがあるので、ポジションを取るのが難しいことがあります。
- 公表内容は、次回利上げ時期のヒントがなく、FRBのバランスシート縮小についてはまだ先の話となるでしょう。次回利上げが慎重に行われることが嫌われる点はUSD売り、バランスシート縮小が先延ばしになることはUSD買い、です。
どちらに反応するかはわかりません。 - シナリオは次の通りです。
(1) 直前1分足は売りです。根拠は反応一致性分析で陰線率が80%と高いことです。
(2) 直後1分足も売りです。根拠は、2015年12月と2016年12月の利上げ時FOMC議事録が公表されたとき、ともに陰線だったからです。
でも、起きれる・起きていられるでしょうか。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
T.調査
【1. 指標概要】
今回のFOMC議事録公表では、年内利上げ回数(次の利上げは何月か)と、FRBバランスシート縮小と、に関心が集まるでしょう。
利上げ回数に関心が集まるのは当然ですが、バランスシート縮小というのは何でしょう。
以前は、FRBも現在の日銀やECBと同様に、低金利・債券購入の緩和政策を採っていました。その結果、FRBは、当時購入した債券(国債を含む)を大量に保有しています。もし、この債券をFRBが放出したら、市場に従来よりも多くの債券が出回ることになるため金利が下がると思っていたら、それは違います。逆に、金利は上がる可能性が高いのです。
ここが、ちょっとわかりにくいリツクですよね。
以下、細かな説明が面倒なので、債券=全部国債に統一して話を進めます。
実は現在、既に償還期限を迎えた国債と同じ額だけ、FRBは国債を再購入しています。FRBが国債買い入れを既に止めているというのは、「新規の買い入れを止めている」ということです。だから今もFRBの国債保有残高は、以前の量的緩和時に買いまくっていたときのままです。
FRBバランスシート縮小とは、この国債も含めた債券保有残高を減らす、ということです。
FRBが償還期限を迎えた国債への再投資を止めると、当然、FRBの国債保有残高が減ります。これを「FRBには将来の国債購入余地が増えた」と解釈すると、国債売却先の安心度が増して金利が上がる可能性があるのです。本質は量的緩和縮小の一貫と捉えるべき政策なのです。
いっぺん聞けばロジックはわかるにせよ、それにしても何て妙な理屈なんだと思いませんか。
さて、FRBがこうした償還期限を迎えた国債への再投資を止めて、バランスシート縮小を開始したと仮定します。一旦、始めてしまえば、FOMC毎に次回の再投資を止める金額次第で、金利を左右できます。ここがFRBにとって非常に魅力的な政策なのです。
同時に、先述の通り将来の国債購入余地が増やせるので、将来の政策余地を増やすことにも繋がります。
もし、米債金利が上がって日本がそのままならば、自然に考えるとドル高になります。
がしかし、もう騙されません。
前に、FRBが量的緩和の縮小を開始する(テーパリング)、と最初に発表したときのことです。「いつやるとか」とか「どうやるとか」とかでなく、「やる」という意思を示しただけで、USDJPYが10円ぐらい円高に動いたのです。2013年5月のことでした。
当時、あ痛たたたたっ、と言った人は多かったハズです。
一旦、始めてしまえばFRBにとって魅力的で、我々だってルールが理解できるにせよ、最初はちょっと訳がわからない警戒をしておく必要がある話でした。
なお、いつもの通り、正確な話は他所を当たってください。「バーナンキ」「テーパリング」で検索すると、当時の正確な情報が調べられるでしょう。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの18回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
前回FOMCでは、市場予想通りに政策金利を0.50%から0.75%に変更しました。これまでの政策金利を下図に示します。
この利上げについて、FOMCは声明を出しています。
ざっくり、その声明の要点は次の通りです。正確な話は他を当たってもらえると助かります。
ーーー$€¥ーーー
まず結論。
FOMCは、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標水準を0.75%〜1%に引き上げることを決定した。
その根拠となる現状認識と見通し。
この決定は、労働市場環境とインフレの現状・見通しを踏まえて行った。そして(この決定をしても)、金融政策の姿勢が引き続き緩和的なため、労働市場環境を更に強化することと、インフレが2%に安定的に回帰すること、は現状の見通しのままだろう。
FOMCが2月会合以降に入手した情報は、米労働市場が引き続き強化され、米経済成長が引き続き緩やかに拡大したことを示していた。雇用の伸びは依然として堅調、失業率はこの数カ月間にほとんど変わっていなかった。家計支出は引き続き緩やかに増加し、設備投資は幾分堅調さが表れた。インフレはこの数四半期、長期目標の2%に近づいた。
但し、コアインフレはほとんど変化なく、依然として2%を若干下回っている。市場ベースのインフレ調整分の指標は依然低く、長期インフレ期待の指標はほとんど変わっていない。
よって、雇用の最大化と物価安定の促進を目指すためには、現時点における金融政策の緩やかな調整によって、経済が緩やかに拡大し、労働市場の環境はさらに強固になり、インフレは中期的に2%付近で安定する、と予想される。インフレ指標と国際経済・金融情勢については引き続き注視していく。
そして、今後の方針と見通し。
FOMCは、FF金利誘導目標水準の今後の調整時期と規模を判断するために、雇用最大化と2%物価目標に関する経済情勢を、実績と見通しから評価する。その評価は、労働市場環境に関する指標、インフレ圧力やインフレ期待の指標、金融、国際的な情勢の解釈を含む幅広い情報、を考慮して行う。
現状のインフレ進展と見通しは、予測に上下幅を持たせて行う。経済情勢は緩やかな利上げを正当化する形で進展すると予測するものの、FF金利誘導目標水準は長期的に予測されている水準を、一定の期間下回るだろう。実際のFF金利誘導目標水準の先行きはデータが示す経済見通しに追従させるからだ。
FF金利誘導以外の政策について。
FOMCは、各種保有証券の償還資金を再投資している現在の政策を維持する。この政策は、FF金利誘導目標水準の正常化が十分に進むまで行う見通しである。この相当額の長期証券保有を継続する政策は、金融市場の緩和状態の維持を支えるはずだ。
あとは、利上げに誰が賛成して誰が反対したのか、という話です。反対者は1名でした。
ーーー$€¥ーーー
こうした文書の解釈は非常に難しいですよね。
要するに、経済が緩やかに成長することを邪魔しないため、利上げを慎重に行う。データに基づいて少し遅れて利上げを行い、利上げ以外の政策(バランスシート縮小)は金利が目標に近づいてからにする、という訳です。最後の一文は最近よく話題に挙がるバランスシート縮小を拙速に行って、金融引き締めを加速するつもりがない、というのだから、慌てて株を売る必要がない、という訳ですね。
ところで、FRBが目標とする金利は何%なのでしょう。
すぐに金利を上げない、すぐにバランスシート縮小を行わない、が議事録公表で追認されたら、USDJPYがどちらに動くか、です。
利上げが遠のく以上はUSDが売られ、引き締め施策が遅れる以上はUSDが買われます。だから、どっちに動くかがわかりません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が59%、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが70%です。方向一致率が低くて追撃ができません。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が80%高いほか、目立った傾向が見受けられません。
【5. 指標一致性分析】
利上げが行われた2015年12月・2016年12月のFOMC議事録は、それぞれ翌月に公表されています。
利上げ直後のFOMC議事録公表時の反応は、直後1分足・直後11分足ともに陰線です。
【6. シナリオ作成】
巻頭の箇条書きを参照ください。
以上
2017年4月6日03:00発表
以下は2017年3月6日19:00頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
寝てました。リアルタイムでチャートを見ていないので、以下推測を交えます。
公表直後に陽線側に跳ねたものの、すぐに陰線側に反転(直後1分足終値)、その後もう一度上値をトライするものの失敗して、朝までUSDが売られたようです。
USD売りはEURUSDでも確認できたので、結果は公表内容への失望・陰線です。
失望の内容は、大きく2つあったと思われます。
ひとつは利上げを急ぐ・増やすヒントがなかったこと、もうひとつはFRBバランスシート縮小を年内に始める議論があったことです。一部報道で、6月利上げのヒントがあったいう趣旨の見出しを確認したものの、当会ではまだ確認できていません。
それと気になる点は、公表直後に陽線側に跳ねていることと、一旦下がってからもう一度、上値をトライしようとしていることです。
リアルタイムでチャートを見ていなかったので、最初の跳ねは「決め打ち」があったのかも知れません。がしかし、公表後3本目の1分足で安値を付けてから、10本目に高値を付ける動きがわかりません。
この項は、もう少し調べてから追記・改訂するかも知れません。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
起きられなかったので、取引できませんでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容は、
「すぐに金利を上げない、すぐにバランスシート縮小を行わない、が議事録公表で追認されたら、USDJPYがどちらに動くか、です。利上げが遠のく以上はUSDが売られ、引き締め施策が遅れる以上はUSDが買われます。だから、どっちに動くかがわかりません。」
でした。
「わからない」が結論です。
結果は「利上げを急がず、バランスシート縮小を急ぐ」と受け取られたので、陰線に反応したものと推察されます。
この項は、議事録を見てから追記・改訂するかも知れません。
【9. シナリオ検証】
シナリオは、直前1分足の陰線しか用意していませんでした。直前1分足は陰線となりました。
追撃が難しいという点は、その通りだったようです。
シナリオには問題ありません。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上