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2017年04月10日
英国物価指標「CPI・RPI・PPI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年4月11日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
この段落、11日09:00頃に加筆しました。
今朝08:01に発表された3月分BRC小売売上高調査前年比の結果は△1.0%でした。これは、前回結果(△0.4%)・市場予想(△0.3%)を下回っています。よって、下記修正せず、そのままとします。
2017年4月11日17:30に英国物価指標「CPI・RPI・PPI」が発表されます。CPIは消費者物価指数、RPIは小売物価指数、PPIは生産者物価指数、のことです。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
同日朝08:01に実態指標「BRC小売売上高調査」が発表されます。3月物価動向を考察するため、結果を見ておきましょう。また、本指標発表から30分後の18:00には、独欧ZEW・独鉱工業生産が発表されます。これら指標が次に発表される影響は過去の経験から無視しても差し支えありません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
市場は明らかに前月結果から低下を予想しています。また、過去平均の反応は31pipsに達しており、大きな反応をする指標だと言えるでしょう。過去92%は15pips以上の反応となっています。直後1分足跳幅が過去最大のときは69pips(2015年7月分データ、同年8月18日発表)でした。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
物価は、生産者→小売→消費者の順に波及すると考えられます。他の主要国ではこれら物価指数が別々に発表されますが、英国は一度に発表しています。
CPIは、消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国ではタバコ・アルコールの価格変動が大きいのでしょうか。不思議です。
RPIに含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されています。
PPIはあまり大きな反応を生じないように見受けられます。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
上から、CPI・RPI・PPIの順です。CPIとRPIは黒線がコア前年比で、他が前年比・前月比です。PPIはコア前年比のみ示しています。過去の傾向を見る限り、CPI>RPI>PPIのコア前年比の順、そしてCPIとRPIは前年比>前月比の順に反応に寄与します。
もうご存知だと思いますが、グラフで市場予想だけの変化は取引に何ら関係ありません。市場予想はそれぞれ前月結果と見比べて意味を持ちます。
先述の通り、今回の市場予想はPPIコアを除いて、前回結果よりも同値か低下をしています。今回の事前差異はマイナスと覚えておきましょう。
関連指標を見てみます。
まず、3月分景気指標を2月分と比べると、製造業・建設業PMIが低下、サービス業PMIが上昇です。GFK消費者信頼感調査はマイナスで横這いです。
次に、実態指標は住宅関連以外がまだ3月分が公表されておらず、2月分を1月分と比べてみましょう。鉱工業生産指数・製造業生産指数は前月比マイナスとなっています。但し、小売売上高指数はプラスに改善となっています。3月分住宅関連指標は総じて価格上昇が鈍化しています(ライトムーブ住宅価格前月比・ネーションワイド住宅価格前月比)。
関連指標は、小売売上高指数を除き、全て前月よりも同値か低下となっています。
その小売売上高指数について、もっと詳しく見てみましょう。FX会社HP等で過去の推移を表示できる人は、ご自身で確認を願います。
2月が前月比プラスとなっていたものの、その水準は翌3月の悪化を予感させる位置にあります。小売売上高指数前月比は、プラスとマイナスを周期的に繰り返す傾向があります。3月はマイナスのタイミングに当たります。
過去の結果を見てみましょう。2013年以降2016年までの過去4回の3月データは、4回とも前月よりも低くなっています(4回のうち3回がマイナス、2014年のみがプラスで前月よりも低下)。
今回は、市場予想も前回結果よりも低くなっていますが、結果は更に下がるのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足には陽線、直前1分足には陰線が目立ちます。但し、直前1分足は最近、以前よりも陰線率が下がっているように見受けられます。後記する反応一致性分析で、数字を確認しておきましょう。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が68%、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが47%しかありません。指標発表後の反応方向を確認しても、とても追いかけてポジションを取って良い数字ではありません。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前10-1分足は陽線率が73%、直前1分足は陰線率が78%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直後1分足は、事前差異との方向一致率が82%となっています。
また、事後差異との方向一致率も80%となっているものの、直後11分足と事後差異との方向一致率は54%しかありません。このことは初期反応こそ発表結果に対して素直なものの、発表後11分後にはどちらに反応するかがわからない、ということです。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年4月11日21:20頃に追記しています。
結果はCPIコア前年比が市場予想通り、RPIコア前年比が市場予想を0.1%下回り、PPIコア前年比が市場予想を上回りました。
CPI前年比については、今後3%への上昇を見込む解説が多く見受けられます。今後上昇の論拠は、4月に電力料金値上げが予定されていることと、ポンド安が挙げられていました。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
結果は、消費者物価指数(CPI)コア前年比が市場予想通りで、小売物価指標(RPI)コア前年比が市場予想を下回りました。
反応は分析通り陰線でしたが、これはCPIコア前年比が前月結果を下回る市場予想だったため、と考えられます。また次に重視すべきRPIコア前年比は市場予想を下回り、この結果も直後1分足を陰線にした原因と考えられます。
当初、指標発表後の動きでわからなかったことは、指標発表後2本目の1分足形成途中で大きく反転し始めた点です。巻頭箇条書きの注意点で、反応が一方向に伸び難い指標であることは承知していたものの、2本目か3本目の1分足から急激に陽線側へと転じた点が不可解でした。急すぎる点が不可解でした。
この動きは、英国債金利が本指標発表と前後して急上昇していたようです。金利急騰の理由は、今回のCPI前年比が市場予想通りに低下しなかった(しそうもなかった)ことで、来月以降近々にCPI前年比の3%到達が確実視されたようです。CPI前年比(コアではありません)の3%突破は、利上げに繋がると見る向きが多かったのでしょう。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
シナリオ1はポジション取得を諦めました。
もともと直前10-1分足では、無理にポジションを取るつもりがなかった上に、ポジション取得を迷っていた17:20頃は、ちょうど1分足チャート上で小レジスタンスに当たっていました。結果的には陽線となったようですが、危ない橋を渡る必要はないので、判断良しとします。
シナリオ2は分析を外しました。但し、これは確率上のことゆえ仕方ありません。
シナリオ3は分析通りでした。今回は巻頭箇条書きの注意点に記載の通り、反応方向を見てから追撃ポジションを取るつもりがありませんでした。その結果、つい通常よりも長く、ポジションを持ちました。結果的には最も良い時点で利確できました(もし最大利確できても、せいぜいあと1pipsぐらい)。こういうことも、たまにあります。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
この段落、11日09:00頃に加筆しました。
今朝08:01に発表された3月分BRC小売売上高調査前年比の結果は△1.0%でした。これは、前回結果(△0.4%)・市場予想(△0.3%)を下回っています。よって、下記修正せず、そのままとします。
ーーー以下、10日12:00頃の投稿分ですーーー
2017年4月11日17:30に英国物価指標「CPI・RPI・PPI」が発表されます。CPIは消費者物価指数、RPIは小売物価指数、PPIは生産者物価指数、のことです。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
同日朝08:01に実態指標「BRC小売売上高調査」が発表されます。3月物価動向を考察するため、結果を見ておきましょう。また、本指標発表から30分後の18:00には、独欧ZEW・独鉱工業生産が発表されます。これら指標が次に発表される影響は過去の経験から無視しても差し支えありません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
市場は明らかに前月結果から低下を予想しています。また、過去平均の反応は31pipsに達しており、大きな反応をする指標だと言えるでしょう。過去92%は15pips以上の反応となっています。直後1分足跳幅が過去最大のときは69pips(2015年7月分データ、同年8月18日発表)でした。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず、本指標取引にあたっての注意点です。
反応性分析の結果、直後11分足は、直後1分足との方向一致率が68%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが47%しかありません。
このことは、指標一致性分析の結果が、直後1分足と事後差異との方向一致率も80%もあるものの、直後11分足と事後差異との方向一致率は54%しかないことで裏付けられています。初期反応こそ発表結果に対して素直なものの、発表後11分後にはどちらに反応するかがわからない、ということです。
本指標は、過去の傾向から言えば、追撃ポジションを取っても良い指標ではありません。 - 次に、指標発表についてです。
今回は市場予想を下回る、と予想しています。
論拠は、小売売上高を除く他の景気指標・実態指標が3月分が全て低下、乃至は低下を示唆しています。そして、小売売上高も3月は過去4年全て前月より悪化し、先月発表された2月分データが3月悪化を示唆する位置にあります。
よって、今回は市場予想が前回結果よりも低くなっているものの、更に発表結果が市場予想を下回るのではないでしょうか。 - シナリオは次の通りです。
(1) 反応一致性分析の結果、直前10-1分足は陽線率が73%です。がしかし、今回の事前差異(前回結果ー市場予想)がマイナスとなっています。事前差異がマイナスなときには、直前10-1分足は陰線になることが他の指標では多いので、注意しておきましょう。ポジション取得は止めても構いません。
(2) 反応一致性分析の結果、直前1分足は陰線率が78%となっています。
(3) 指標定性分析結論に依り、今回は市場予想を下回ると予想しています。そして、指標一致性分析の結果、直後1分足は事前差異との方向一致率が82%もあります。直後1分足は陰線と予想します。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
物価は、生産者→小売→消費者の順に波及すると考えられます。他の主要国ではこれら物価指数が別々に発表されますが、英国は一度に発表しています。
CPIは、消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国ではタバコ・アルコールの価格変動が大きいのでしょうか。不思議です。
RPIに含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されています。
PPIはあまり大きな反応を生じないように見受けられます。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
上から、CPI・RPI・PPIの順です。CPIとRPIは黒線がコア前年比で、他が前年比・前月比です。PPIはコア前年比のみ示しています。過去の傾向を見る限り、CPI>RPI>PPIのコア前年比の順、そしてCPIとRPIは前年比>前月比の順に反応に寄与します。
もうご存知だと思いますが、グラフで市場予想だけの変化は取引に何ら関係ありません。市場予想はそれぞれ前月結果と見比べて意味を持ちます。
先述の通り、今回の市場予想はPPIコアを除いて、前回結果よりも同値か低下をしています。今回の事前差異はマイナスと覚えておきましょう。
関連指標を見てみます。
まず、3月分景気指標を2月分と比べると、製造業・建設業PMIが低下、サービス業PMIが上昇です。GFK消費者信頼感調査はマイナスで横這いです。
次に、実態指標は住宅関連以外がまだ3月分が公表されておらず、2月分を1月分と比べてみましょう。鉱工業生産指数・製造業生産指数は前月比マイナスとなっています。但し、小売売上高指数はプラスに改善となっています。3月分住宅関連指標は総じて価格上昇が鈍化しています(ライトムーブ住宅価格前月比・ネーションワイド住宅価格前月比)。
関連指標は、小売売上高指数を除き、全て前月よりも同値か低下となっています。
その小売売上高指数について、もっと詳しく見てみましょう。FX会社HP等で過去の推移を表示できる人は、ご自身で確認を願います。
2月が前月比プラスとなっていたものの、その水準は翌3月の悪化を予感させる位置にあります。小売売上高指数前月比は、プラスとマイナスを周期的に繰り返す傾向があります。3月はマイナスのタイミングに当たります。
過去の結果を見てみましょう。2013年以降2016年までの過去4回の3月データは、4回とも前月よりも低くなっています(4回のうち3回がマイナス、2014年のみがプラスで前月よりも低下)。
今回は、市場予想も前回結果よりも低くなっていますが、結果は更に下がるのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足には陽線、直前1分足には陰線が目立ちます。但し、直前1分足は最近、以前よりも陰線率が下がっているように見受けられます。後記する反応一致性分析で、数字を確認しておきましょう。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が68%、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが47%しかありません。指標発表後の反応方向を確認しても、とても追いかけてポジションを取って良い数字ではありません。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前10-1分足は陽線率が73%、直前1分足は陰線率が78%となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直後1分足は、事前差異との方向一致率が82%となっています。
また、事後差異との方向一致率も80%となっているものの、直後11分足と事後差異との方向一致率は54%しかありません。このことは初期反応こそ発表結果に対して素直なものの、発表後11分後にはどちらに反応するかがわからない、ということです。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
- (1) 反応一致性分析の結果、直前10-1分足は陽線率が73%です。がしかし、今回の事前差異(前回結果ー市場予想)がマイナスとなっています。事前差異がマイナスなときには、直前10-1分足は陰線になることが他の指標では多いので、注意しておきましょう。ポジション取得は止めても構いません。
(2) 反応一致性分析の結果、直前1分足は陰線率が78%となっています。
(3) 指標定性分析結論に依り、今回は市場予想を下回ると予想しています。そして、指標一致性分析の結果、直後1分足は事前差異との方向一致率が82%もあります。直後1分足は陰線と予想します。
以上
2017年4月11日17:30発表
以下は2017年4月11日21:20頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
結果はCPIコア前年比が市場予想通り、RPIコア前年比が市場予想を0.1%下回り、PPIコア前年比が市場予想を上回りました。
CPI前年比については、今後3%への上昇を見込む解説が多く見受けられます。今後上昇の論拠は、4月に電力料金値上げが予定されていることと、ポンド安が挙げられていました。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 今回は市場予想を下回る、と予想しています。
論拠は、小売売上高を除く他の景気指標・実態指標が3月分が全て低下、乃至は低下を示唆しています。そして、小売売上高も3月は過去4年全て前月より悪化し、先月発表された2月分データが3月悪化を示唆する位置にあります。
よって、今回は市場予想が前回結果よりも低くなっているものの、更に発表結果が市場予想を下回るのではないでしょうか。
結果は、消費者物価指数(CPI)コア前年比が市場予想通りで、小売物価指標(RPI)コア前年比が市場予想を下回りました。
反応は分析通り陰線でしたが、これはCPIコア前年比が前月結果を下回る市場予想だったため、と考えられます。また次に重視すべきRPIコア前年比は市場予想を下回り、この結果も直後1分足を陰線にした原因と考えられます。
当初、指標発表後の動きでわからなかったことは、指標発表後2本目の1分足形成途中で大きく反転し始めた点です。巻頭箇条書きの注意点で、反応が一方向に伸び難い指標であることは承知していたものの、2本目か3本目の1分足から急激に陽線側へと転じた点が不可解でした。急すぎる点が不可解でした。
この動きは、英国債金利が本指標発表と前後して急上昇していたようです。金利急騰の理由は、今回のCPI前年比が市場予想通りに低下しなかった(しそうもなかった)ことで、来月以降近々にCPI前年比の3%到達が確実視されたようです。CPI前年比(コアではありません)の3%突破は、利上げに繋がると見る向きが多かったのでしょう。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- (1) 反応一致性分析の結果、直前10-1分足は陽線率が73%です。がしかし、今回の事前差異(前回結果ー市場予想)がマイナスとなっています。事前差異がマイナスなときには、直前10-1分足は陰線になることが他の指標では多いので、注意しておきましょう。ポジション取得は止めても構いません。
(2) 反応一致性分析の結果、直前1分足は陰線率が78%となっています。
(3) 指標定性分析結論に依り、今回は市場予想を下回ると予想しています。そして、指標一致性分析の結果、直後1分足は事前差異との方向一致率が82%もあります。直後1分足は陰線と予想します。
シナリオ1はポジション取得を諦めました。
もともと直前10-1分足では、無理にポジションを取るつもりがなかった上に、ポジション取得を迷っていた17:20頃は、ちょうど1分足チャート上で小レジスタンスに当たっていました。結果的には陽線となったようですが、危ない橋を渡る必要はないので、判断良しとします。
シナリオ2は分析を外しました。但し、これは確率上のことゆえ仕方ありません。
シナリオ3は分析通りでした。今回は巻頭箇条書きの注意点に記載の通り、反応方向を見てから追撃ポジションを取るつもりがありませんでした。その結果、つい通常よりも長く、ポジションを持ちました。結果的には最も良い時点で利確できました(もし最大利確できても、せいぜいあと1pipsぐらい)。こういうことも、たまにあります。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年04月09日
6-4. AUDJPY週次分析(2017年4月9日更新)
先週はRBA政策金利発表があり、結果は市場予想通り現状維持でした。また、小売売上高が悪化、住宅建設許可が増加、貿易収支が黒字拡大でした。
AUDJPYが大きく下げたのは特に週前半でした。先週月曜に発表された小売売上高が大きく市場予想を下回ってマイナスとなったことと、火曜に発表されたRBA声明で当面の利上げがなく、今後主要国では緩和政策がないこと(豪州への投資が減る要素)が示されたため、と思われます。そしてトドメは、中国PMIの数値低下、中国中銀による中国内銀行への査定強化、米軍シリア攻撃、です。
リスクと中国にからっきし弱いAUDの特徴が現れた週だったと言えるでしょう。
直近のAUDJPYの週足チャートと3通貨値幅を下図に示します。
先週末終値は83.3円付近です。
上図週足チャートには、3月20日週の高値・安値の幅(約3円)の下降チャネルを赤線で引いてみました。今週は赤線に挟まれたチャネルが81円〜84円に到達します。そして、下側の青線は2015年8月頃の安値と2016年3月末に開けた大きな窓の上端を結んだサポートです。
次に、手元のツールで一目均衡表を表示してみてください。
月足では現在、82円に転換線、85円に基準線が位置しています。週足では、81円付近に雲上端、82.5円に基準線、85.5円に転換線が位置しています。
現在値83.3円に対し、上下にサポート・レジスタンスが集まっています。
3通貨ペアの関係を見ると、先週のAUDJPYの下降は、AUDがJPYに対してもUSDに対しても売られたためのようです。JPYに買われる理由があっただけでなく、AUDには弱くなる理由があったのです。
よって、次週は82円〜84円と予想し、もし82円を下抜けたら81円を目指すと予想しています。
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。先週に20%を下回り、RSIが20%・80%を超えたら、その日は追撃です。
SMAは完全に下降トレンド配置です。このペースだと21日線は、週末に84円台中盤ぐらいまで下がります。
RSIは20%近くに達しており、20%を下抜けたらその日は追撃です。
テクニカル分析も下降トレンド継続を示唆しており、まだ上昇に転じる兆しがありません。
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日豪の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日豪の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから13週のうち7週が週足と方向一致しています。Δ株価比差は13週のうち8週が方向不一致となっています。先週は、Δ金利差・Δ株価比差・週足の方向が自然な向きとなっていました。
もしこの自然な関係が崩れるなら、日株上昇か豪株下落か豪金利上昇、です。これらが1つずつ起きると為替が暴れだし、2つ以上起きると為替のトレンド転換になりがちです。3つとも起きると為替がトレンド転換しがちです。(※ 日金利は無視しました)
チャート・テクニカル・ファンダメンタルのいずれも、現状継続(下降トレンド)です。
さて今週は、2月分住宅ローン件数(10日10:30)と3月分NAB企業景況指数(11日10:30)と3月分雇用統計(13日10:30)が発表されます。また、12日10:30には3月分中国物価指標(CPI・PPI)が発表されます。つまり、月曜から金曜まで毎日10:30は要注意です。特に、12日の中国物価指標と13日の雇用統計は、発表結果次第で大きく反応するのでご注意ください。
但し、いずれの指標でAUDJPYを上げても、大きくトレンドを転換するだけの力はないと見込みます。巻頭に挙げた理由の通り、利上げが遠のき豪州への投資が減る外部要因が増えたことを、実態指標の小売悪化で裏付けたのが先週です。豪雇用統計と中国物価指標が少しぐらい良くても、先週のAUD安の理由を改める力はないでしょう。だから、もしAUDが買われても深追いは禁物です。
上記に同じです。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
AUDJPYが大きく下げたのは特に週前半でした。先週月曜に発表された小売売上高が大きく市場予想を下回ってマイナスとなったことと、火曜に発表されたRBA声明で当面の利上げがなく、今後主要国では緩和政策がないこと(豪州への投資が減る要素)が示されたため、と思われます。そしてトドメは、中国PMIの数値低下、中国中銀による中国内銀行への査定強化、米軍シリア攻撃、です。
リスクと中国にからっきし弱いAUDの特徴が現れた週だったと言えるでしょう。
【6-2-1. 現状チャート】
直近のAUDJPYの週足チャートと3通貨値幅を下図に示します。
先週末終値は83.3円付近です。
上図週足チャートには、3月20日週の高値・安値の幅(約3円)の下降チャネルを赤線で引いてみました。今週は赤線に挟まれたチャネルが81円〜84円に到達します。そして、下側の青線は2015年8月頃の安値と2016年3月末に開けた大きな窓の上端を結んだサポートです。
次に、手元のツールで一目均衡表を表示してみてください。
月足では現在、82円に転換線、85円に基準線が位置しています。週足では、81円付近に雲上端、82.5円に基準線、85.5円に転換線が位置しています。
現在値83.3円に対し、上下にサポート・レジスタンスが集まっています。
3通貨ペアの関係を見ると、先週のAUDJPYの下降は、AUDがJPYに対してもUSDに対しても売られたためのようです。JPYに買われる理由があっただけでなく、AUDには弱くなる理由があったのです。
よって、次週は82円〜84円と予想し、もし82円を下抜けたら81円を目指すと予想しています。
【6-1-2. 現状テクニカル】
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。先週に20%を下回り、RSIが20%・80%を超えたら、その日は追撃です。
SMAは完全に下降トレンド配置です。このペースだと21日線は、週末に84円台中盤ぐらいまで下がります。
RSIは20%近くに達しており、20%を下抜けたらその日は追撃です。
テクニカル分析も下降トレンド継続を示唆しており、まだ上昇に転じる兆しがありません。
【6-1-3. 現状ファンダメンタル】
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日豪の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日豪の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから13週のうち7週が週足と方向一致しています。Δ株価比差は13週のうち8週が方向不一致となっています。先週は、Δ金利差・Δ株価比差・週足の方向が自然な向きとなっていました。
もしこの自然な関係が崩れるなら、日株上昇か豪株下落か豪金利上昇、です。これらが1つずつ起きると為替が暴れだし、2つ以上起きると為替のトレンド転換になりがちです。3つとも起きると為替がトレンド転換しがちです。(※ 日金利は無視しました)
【6-1-4. 今週以降の定性分析】
チャート・テクニカル・ファンダメンタルのいずれも、現状継続(下降トレンド)です。
さて今週は、2月分住宅ローン件数(10日10:30)と3月分NAB企業景況指数(11日10:30)と3月分雇用統計(13日10:30)が発表されます。また、12日10:30には3月分中国物価指標(CPI・PPI)が発表されます。つまり、月曜から金曜まで毎日10:30は要注意です。特に、12日の中国物価指標と13日の雇用統計は、発表結果次第で大きく反応するのでご注意ください。
但し、いずれの指標でAUDJPYを上げても、大きくトレンドを転換するだけの力はないと見込みます。巻頭に挙げた理由の通り、利上げが遠のき豪州への投資が減る外部要因が増えたことを、実態指標の小売悪化で裏付けたのが先週です。豪雇用統計と中国物価指標が少しぐらい良くても、先週のAUD安の理由を改める力はないでしょう。だから、もしAUDが買われても深追いは禁物です。
【6-1-5. まとめ】
上記に同じです。
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
タグ:AUDJPY
6-3. GBPJPY週次分析(2017年4月9日更新)
先々週までに英国経済は、インフレが中銀目標の2%に達し、MPCメンバーの一人が利上げ検討を主張していました。先週、別のMPCメンバーからは、物価上昇に問題あるにせよ、成長・景気の減速懸念が示され、利上げどころじゃない旨、発言がありました。実際、先週発表された製造業・建設業PMIと鉱工業生産は、それを予感させる結果となりました。
今週は、3月分物価指標(11日17:30)と3月分雇用統計(12日17:30)が発表されます。物価は総じて前月並みの上昇と予想され、失業保険申請件数は先月まで3か月連続マイナスを4か月に伸ばすと予想されています。
直近のGBPJPYの週足チャートと3通貨値幅を下図に示します。
先週末終値は137.6円付近です。
上図週足チャートでは、赤線が2016年12月16日週からの下降トレンド線で、レジスタンスとして機能しています。赤線は今週139.5円付近まで下がります。青線は2016年7月1日週に開けた窓の下側から続くサポートとなっていましたが、先週これを下抜けました。今週はレジンスタンスとして機能します。
よって、今週は上が138.7円ないしは139.5円までと読み取れます。
次に、手元のツールで一目均衡表を表示してみてください。下を示唆するサインがないか見てみましょう。
週足には雲下端が136.5円付近にあります。この136.5円は1月16日週の安値でもあり、下側の緑線で示しました。そして、月足一目均衡表にには135円付近に転換線があります。もし136.5円を下抜けたら、次の下降目標は135円付近を示唆しています。
よって今週は、下が135円〜136.5円で、上が138.7円ないしは139.5円を示唆している、と捉えます。
3通貨ペアの関係を見ると、先週のGBPJPYの下降は、GBPUSDでGBPが売られ、USDJPYでJPYが買われました。GBPだけ売られた訳です。今週のUSDJPYは、シリア軍基地攻撃のリスク回避でも、米雇用統計の大きな下振れでも抜けなかった110円が下に控えています。少なくともJPYは、先週ほど買えない週になると予想されます。よって、先週ほどGBPJPYは大きく下がらないのではないでしょうか。
以上、チャートからは、135乃至は136.5円〜138.7乃至は139.5円で大きくは下げない、見込んでいます。
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。先週に20%を下回り、RSIが20%・80%を超えたら追撃の法則は、また当たりました。但し、この法則は「超えた日」です。以降にはこの法則が使えませんので。
SMAは下降トレンドは位置となっています。このペースだと21日線は、週末に138円台中盤ぐらいに位置するでしょう。チャート分析の結果と合わせて、上にはレジスタンスが細かく多くなっています。
RSIは約40%で、下げる余地がまだ残っています。
テクニカル分析も下降トレンド継続を示唆しており、上昇に転じる気配は見出せません。
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日英の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日英の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから13週のうち12週が週足と方向一致しています。Δ株価比差も、13週のうち8週が方向不一致となっています。先週は、Δ金利差・Δ株価比差・週足の方向が自然な向きとなっていました。
もしこの自然な関係が崩れるなら、日株上昇か英株下落か英金利上昇、です。これらが1つずつ起きると為替が暴れだし、2つ以上起きると為替のトレンド転換になりがちです。3つとも起きると為替がトレンド転換しがちです。(※ 日金利は無視しました)
チャート・テクニカル・ファンダメンタルのいずれも、現状継続(下降トレンド)です。
さて、先週4月7日、英中銀総裁は、(1) インフレ加速に依る消費者需要の緩やかな減速の兆しがあり、(2) それも想定範囲内だが注視する必要があり、(3) 金利への質問には両サイド(利上げ・利下げ)のリスクがある旨、を述べたと報道されました。先のMPCで利上げ意見があったことを無効にする発言だと言えるでしょう。また、(4) EUとクロスボーダー取引を行う金融機関には、7月14日までにEU離脱後の対応策を英中銀に報告するよう求めた、とのことです。
4月7日発表されたハリファクス1-3月期住宅価格指数は前年比+3.8%で、上昇率が2013年年5月以来の低水準でした。先に3月31日発表されたネーションワイド3月住宅価格も前月比△0.3%で、2015年中頃以来のマイナスでした。
過熱していた英国住宅市場の減速を示唆するとの報道も多いようですが、前年比+3.8%ですからねぇ。但し、物価上昇率鈍化の兆しと捉えると、今週発表される物価指標(RPI・CPI・PPI)への予想判断にも影響するかもしれません。
その他、先週は製造業関連がPMI・鉱工業生産が低下しました。今はまだ、絶対値が高いものの、ずっと好調でプラスだった値が小さくなったという段階です。但し、サービス業PMIと小売売上高はまだ成長鈍化の兆しが表れていません。
以上の点から、現状は物価上流側から成長鈍化の兆しとも取れる兆しが表れ始めています。同時に、物価自体も加速的上昇が続いていたことが、少なくとも一旦鈍化する局面を迎えつつあるようです。直近の英物価は、数字が増えることを「改善」と呼ぶべきか迷い始めていたため、これは良い兆候かも知れません。
このような状況で紛らわしいことに、先月のEU離脱通告とEU側の交渉方針開示が行われたことで、求人が手控えられて雇用指標が悪化すると、GBPは大きく売られるリスクがあります。
チャートもテクニカルもファンダメンタルも、全て下降トレンドを否定したり、トレンド転換を示唆するサインが出ていません。
政治経済的には、取引量が多いEUR側の問題で相対的にGBPが売られにくくなったものの、USDがそんなに弱くないことが先週判明しました。GBPはEURよりもUSDの動きに追従することが多いので、今週はやや戻り(GBP上向き)が発生しやすくなっています。
経済実態(指標)は、物価上昇の鈍化の兆候が現れ始めているものの、今週発表される物価指標と雇用指標の内容によっては悪い兆しが強く印象付けられてしまいます。
緩やかなGBP下落は続くと思われるので、多少の戻り(GBP上向き)があっても、大きな意味での順張りは売り方向なので深追いは禁物です。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
今週は、3月分物価指標(11日17:30)と3月分雇用統計(12日17:30)が発表されます。物価は総じて前月並みの上昇と予想され、失業保険申請件数は先月まで3か月連続マイナスを4か月に伸ばすと予想されています。
【6-2-1. 現状チャート】
直近のGBPJPYの週足チャートと3通貨値幅を下図に示します。
先週末終値は137.6円付近です。
上図週足チャートでは、赤線が2016年12月16日週からの下降トレンド線で、レジスタンスとして機能しています。赤線は今週139.5円付近まで下がります。青線は2016年7月1日週に開けた窓の下側から続くサポートとなっていましたが、先週これを下抜けました。今週はレジンスタンスとして機能します。
よって、今週は上が138.7円ないしは139.5円までと読み取れます。
次に、手元のツールで一目均衡表を表示してみてください。下を示唆するサインがないか見てみましょう。
週足には雲下端が136.5円付近にあります。この136.5円は1月16日週の安値でもあり、下側の緑線で示しました。そして、月足一目均衡表にには135円付近に転換線があります。もし136.5円を下抜けたら、次の下降目標は135円付近を示唆しています。
よって今週は、下が135円〜136.5円で、上が138.7円ないしは139.5円を示唆している、と捉えます。
3通貨ペアの関係を見ると、先週のGBPJPYの下降は、GBPUSDでGBPが売られ、USDJPYでJPYが買われました。GBPだけ売られた訳です。今週のUSDJPYは、シリア軍基地攻撃のリスク回避でも、米雇用統計の大きな下振れでも抜けなかった110円が下に控えています。少なくともJPYは、先週ほど買えない週になると予想されます。よって、先週ほどGBPJPYは大きく下がらないのではないでしょうか。
以上、チャートからは、135乃至は136.5円〜138.7乃至は139.5円で大きくは下げない、見込んでいます。
【6-1-2. 現状テクニカル】
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。先週に20%を下回り、RSIが20%・80%を超えたら追撃の法則は、また当たりました。但し、この法則は「超えた日」です。以降にはこの法則が使えませんので。
SMAは下降トレンドは位置となっています。このペースだと21日線は、週末に138円台中盤ぐらいに位置するでしょう。チャート分析の結果と合わせて、上にはレジスタンスが細かく多くなっています。
RSIは約40%で、下げる余地がまだ残っています。
テクニカル分析も下降トレンド継続を示唆しており、上昇に転じる気配は見出せません。
【6-1-3. 現状ファンダメンタル】
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日英の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日英の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから13週のうち12週が週足と方向一致しています。Δ株価比差も、13週のうち8週が方向不一致となっています。先週は、Δ金利差・Δ株価比差・週足の方向が自然な向きとなっていました。
もしこの自然な関係が崩れるなら、日株上昇か英株下落か英金利上昇、です。これらが1つずつ起きると為替が暴れだし、2つ以上起きると為替のトレンド転換になりがちです。3つとも起きると為替がトレンド転換しがちです。(※ 日金利は無視しました)
【6-1-4. 今週以降の定性分析】
チャート・テクニカル・ファンダメンタルのいずれも、現状継続(下降トレンド)です。
さて、先週4月7日、英中銀総裁は、(1) インフレ加速に依る消費者需要の緩やかな減速の兆しがあり、(2) それも想定範囲内だが注視する必要があり、(3) 金利への質問には両サイド(利上げ・利下げ)のリスクがある旨、を述べたと報道されました。先のMPCで利上げ意見があったことを無効にする発言だと言えるでしょう。また、(4) EUとクロスボーダー取引を行う金融機関には、7月14日までにEU離脱後の対応策を英中銀に報告するよう求めた、とのことです。
4月7日発表されたハリファクス1-3月期住宅価格指数は前年比+3.8%で、上昇率が2013年年5月以来の低水準でした。先に3月31日発表されたネーションワイド3月住宅価格も前月比△0.3%で、2015年中頃以来のマイナスでした。
過熱していた英国住宅市場の減速を示唆するとの報道も多いようですが、前年比+3.8%ですからねぇ。但し、物価上昇率鈍化の兆しと捉えると、今週発表される物価指標(RPI・CPI・PPI)への予想判断にも影響するかもしれません。
その他、先週は製造業関連がPMI・鉱工業生産が低下しました。今はまだ、絶対値が高いものの、ずっと好調でプラスだった値が小さくなったという段階です。但し、サービス業PMIと小売売上高はまだ成長鈍化の兆しが表れていません。
以上の点から、現状は物価上流側から成長鈍化の兆しとも取れる兆しが表れ始めています。同時に、物価自体も加速的上昇が続いていたことが、少なくとも一旦鈍化する局面を迎えつつあるようです。直近の英物価は、数字が増えることを「改善」と呼ぶべきか迷い始めていたため、これは良い兆候かも知れません。
このような状況で紛らわしいことに、先月のEU離脱通告とEU側の交渉方針開示が行われたことで、求人が手控えられて雇用指標が悪化すると、GBPは大きく売られるリスクがあります。
【6-1-5. まとめ】
チャートもテクニカルもファンダメンタルも、全て下降トレンドを否定したり、トレンド転換を示唆するサインが出ていません。
政治経済的には、取引量が多いEUR側の問題で相対的にGBPが売られにくくなったものの、USDがそんなに弱くないことが先週判明しました。GBPはEURよりもUSDの動きに追従することが多いので、今週はやや戻り(GBP上向き)が発生しやすくなっています。
経済実態(指標)は、物価上昇の鈍化の兆候が現れ始めているものの、今週発表される物価指標と雇用指標の内容によっては悪い兆しが強く印象付けられてしまいます。
緩やかなGBP下落は続くと思われるので、多少の戻り(GBP上向き)があっても、大きな意味での順張りは売り方向なので深追いは禁物です。
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
タグ:GBPJPY
2017年04月08日
6-2. EURJPY週次分析(2017年4月8日更新)
先週の分析結論は「上昇反転の兆しが生じる可能性がある」としていたので、これは完全に誤りでした。
EURは、そろそろ5月の仏大統領選を睨んだ報道が増えてくるでしょう。本選は5月ですが、第1回目投票は4月23日です。
極右政党代表の支持率が下がらければEURが売られ、たまに逆の報道があって「どん」と上がると見ておきましょう(先週の逆です)。つまり、チャート・テクニカル・ファンダメンタルといった分析よりも、苦手な定性分析の方がEURの動きを当てやすい時期になってきます。こんな時期は定量分析に凝っても仕方ありません。
EUR絡みでは、次週、鉱工業生産と独ZEWと独CPIが発表されます。EUR安が大きなトレンドになっている以上、ドイツ国内経済が不調になりにくくなっています。国家間の富の偏在を是正することに為替が関係しない以上、通貨EURは投機にも向かない通貨になりつつあるのではないでしょうか。
直近のEURJPYの週足チャートと3通貨値幅を下図に示します。
先週末終値は117.6円付近です。
上図週足チャートでは、3月27日週に引いた平行線が赤線で、間隔が3円です。今週、青い水平線を新たに引き直して、上から123円・120.5円・118円で2.5円間隔です。
4月23日の仏大統領選第1回投票までは赤い平行線の間を通って、次週は115円〜118円という予想が基本です。がしかし、後述するように「ばーん」と陽線に跳ね上がるリスクも無視できず、青線を引いた訳です。
今週は、この大きな流れにおいて、経済指標の良し悪しなんて関係ない週だと言えるでしょう。
という訳で、一目均衡表を使っての話も今週は省略です。
3通貨ペアの関係を見ると、今年になってからEURJPYが陽線になるときには、EURUSDもUSDJPYも陽線となったときだけです。気になる点は、先週のEURJPYの下降は、EURUSDのEUR売りよりもUSDJPYのJPY買いが主体だったことです。先週はJPYが買われて、EURは売られて、ちょっとだけUSDが買われたようです。今週は引き続きJPYを買う理由が見当たりません。EURが売られるかどうかを見ていれば良い訳です。
以上、チャートからは、今週陰線で115円〜118円という予想が基本です。
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。先週に20%を下回り、RSIが20%・80%を超えたら追撃の法則は、また当たりました。但し、この法則は「超えた日」です。以降にはこの法則が使えませんので。
テクニカル分析上は、どっからどう見ても下降トレンドです。
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日独の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日独の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから13週のうち12週が週足と方向一致しています。Δ株価比差も、13週のうち10週が方向不一致となっています。先週は、Δ金利差・Δ株価比差・週足の方向が自然な向きとなっていました。
もしこの自然な関係が崩れるなら、日株上昇か独株下落か独金利上昇、です。これらが1つずつ起きると為替が暴れだし、2つ以上起きると為替のトレンド転換になりがちです。3つとも起きると為替がトレンド転換です。(※ 日金利は無視しました)
チャート・テクニカル・ファンダメンタルのいずれも、現状継続(下降トレンド)です。
さて、仏大統領選は、4月23日の第1回投票で極右政党候補が当選するものの、5月本選では他の候補が1本化されて、EU離脱の国民投票を公約している極右政党候補は当選できない、という報道・解説記事が多く見受けられます。
ではもしも、今週、問題の極右政党候補が世論調査結果で2位以下に転落したら、何が起きるでしょう。ばーんと陽線に跳ねあがる可能性があるのです。順張りが基本で逆張りは駄目なのですが、昨年の英EU離脱国民投票や米大統領選での動きを考えると、両方向ともイメージしておきましょう。
但し、もしこの「ばーん」というのがあっても、どれほどの期間続くかは疑問です。EURは、ギリシャ問題・英国との交渉・ECBの資産購入規模縮小と、問題山積です。EURを買うべき理由は、EURの悪い情報がひとつずつ消えていくという消極的理由しかありません。
きっと今年は、EURJPYがUSDJPYよりも安くなる年になるのでしょう。そうならない方が困ります。EURJPYが基本下降トレンドで、それ以上の速度でUSDJPYが下降する事態は、日本の景気に水を差してしまいます。
チャートもテクニカルもファンダメンタルも、全て下降トレンドを否定したり、トレンド転換を示唆するサインが出ていません。
今後、仏大統領選絡みで動くことが増えると予想されます。現時点では、5月本選での楽観論(新保守勝利)が悲観論(極右勝利)よりも多く報道されています。但し、その前の4月23日の第1回投票が問題となっているのが、今の時期です。
こんなときは、EURに近づかないのが一番です。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
EURは、そろそろ5月の仏大統領選を睨んだ報道が増えてくるでしょう。本選は5月ですが、第1回目投票は4月23日です。
極右政党代表の支持率が下がらければEURが売られ、たまに逆の報道があって「どん」と上がると見ておきましょう(先週の逆です)。つまり、チャート・テクニカル・ファンダメンタルといった分析よりも、苦手な定性分析の方がEURの動きを当てやすい時期になってきます。こんな時期は定量分析に凝っても仕方ありません。
EUR絡みでは、次週、鉱工業生産と独ZEWと独CPIが発表されます。EUR安が大きなトレンドになっている以上、ドイツ国内経済が不調になりにくくなっています。国家間の富の偏在を是正することに為替が関係しない以上、通貨EURは投機にも向かない通貨になりつつあるのではないでしょうか。
【6-2-1. 現状チャート】
直近のEURJPYの週足チャートと3通貨値幅を下図に示します。
先週末終値は117.6円付近です。
上図週足チャートでは、3月27日週に引いた平行線が赤線で、間隔が3円です。今週、青い水平線を新たに引き直して、上から123円・120.5円・118円で2.5円間隔です。
4月23日の仏大統領選第1回投票までは赤い平行線の間を通って、次週は115円〜118円という予想が基本です。がしかし、後述するように「ばーん」と陽線に跳ね上がるリスクも無視できず、青線を引いた訳です。
今週は、この大きな流れにおいて、経済指標の良し悪しなんて関係ない週だと言えるでしょう。
という訳で、一目均衡表を使っての話も今週は省略です。
3通貨ペアの関係を見ると、今年になってからEURJPYが陽線になるときには、EURUSDもUSDJPYも陽線となったときだけです。気になる点は、先週のEURJPYの下降は、EURUSDのEUR売りよりもUSDJPYのJPY買いが主体だったことです。先週はJPYが買われて、EURは売られて、ちょっとだけUSDが買われたようです。今週は引き続きJPYを買う理由が見当たりません。EURが売られるかどうかを見ていれば良い訳です。
以上、チャートからは、今週陰線で115円〜118円という予想が基本です。
【6-1-2. 現状テクニカル】
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。先週に20%を下回り、RSIが20%・80%を超えたら追撃の法則は、また当たりました。但し、この法則は「超えた日」です。以降にはこの法則が使えませんので。
テクニカル分析上は、どっからどう見ても下降トレンドです。
【6-1-3. 現状ファンダメンタル】
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日独の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日独の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから13週のうち12週が週足と方向一致しています。Δ株価比差も、13週のうち10週が方向不一致となっています。先週は、Δ金利差・Δ株価比差・週足の方向が自然な向きとなっていました。
もしこの自然な関係が崩れるなら、日株上昇か独株下落か独金利上昇、です。これらが1つずつ起きると為替が暴れだし、2つ以上起きると為替のトレンド転換になりがちです。3つとも起きると為替がトレンド転換です。(※ 日金利は無視しました)
【6-1-4. 今週以降の定性分析】
チャート・テクニカル・ファンダメンタルのいずれも、現状継続(下降トレンド)です。
さて、仏大統領選は、4月23日の第1回投票で極右政党候補が当選するものの、5月本選では他の候補が1本化されて、EU離脱の国民投票を公約している極右政党候補は当選できない、という報道・解説記事が多く見受けられます。
ではもしも、今週、問題の極右政党候補が世論調査結果で2位以下に転落したら、何が起きるでしょう。ばーんと陽線に跳ねあがる可能性があるのです。順張りが基本で逆張りは駄目なのですが、昨年の英EU離脱国民投票や米大統領選での動きを考えると、両方向ともイメージしておきましょう。
但し、もしこの「ばーん」というのがあっても、どれほどの期間続くかは疑問です。EURは、ギリシャ問題・英国との交渉・ECBの資産購入規模縮小と、問題山積です。EURを買うべき理由は、EURの悪い情報がひとつずつ消えていくという消極的理由しかありません。
きっと今年は、EURJPYがUSDJPYよりも安くなる年になるのでしょう。そうならない方が困ります。EURJPYが基本下降トレンドで、それ以上の速度でUSDJPYが下降する事態は、日本の景気に水を差してしまいます。
【6-1-5. まとめ】
チャートもテクニカルもファンダメンタルも、全て下降トレンドを否定したり、トレンド転換を示唆するサインが出ていません。
今後、仏大統領選絡みで動くことが増えると予想されます。現時点では、5月本選での楽観論(新保守勝利)が悲観論(極右勝利)よりも多く報道されています。但し、その前の4月23日の第1回投票が問題となっているのが、今の時期です。
こんなときは、EURに近づかないのが一番です。
以上
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ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
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