2019年01月27日
前週備忘、及び、1月28日〜2月1日経済指標
【前週備忘】
(米政府閉鎖解除)
米政府機関閉鎖は過去最長となり、政府職員は給料日が2か月続けてなくなっていました。「給料が出なければ借りたらいい」と言った閣僚もいたらしく、当然、わやくそに叩かれました。
25日、とうとう米大統領は暫定予算への署名を表明しました。一部政府機関の閉鎖は3週間解除されるそうです。3週間後、再び政府機関が閉鎖されるような雰囲気になってるはずがない、と思いますが、大統領は3週間後に「大統領による非常事態宣言に基づく壁の建設」を表明しているそうです。
ともあれ、以前から2大政党がともに「言い分が通らないと公務員の給料を出さない」という状態を繰り返していることの方が、もしも非常事態が起きたときに非常事態な気がします。
政府閉鎖開場でUSD買かと思ったら、前週NY終盤はそうでもなかったようです。
(米中貿易関連)
米国は3月1日に猶予していた中国製品への25%関税を実施することになっています(12月1日米中合意)。これを回避するため、今週1月30日・31日に中国は副首相が米国財務長官やUSTR(米通商代表部)と協議を行う予定です。
そろそろ交渉先行きを楽観視する解説記事が増えてきたものの、その論拠は、
@ 既に中国側が今後6年間で1兆ドルの米産品輸入で貿易収支改善を提案済、
A 現時点で米中対立を激化しても、経済的にも軍事的にもまだ中国側の分が悪い、
B 中国製品への高関税は米国経済にも悪影響、
ということのようです。
米中覇権争いというのはさておき、当初問題視された知財権問題・市場自由化・国有企業問題での進展を論拠にした解決見通しを示した記事はまだ見当たりません。米商務長官は24日、現状を「米中合意には程遠い」と発言し、中国の構造改革について交渉が難航していることを明らかにしました。そりゃそうでしょう。
米中対立の激化はJPY高・AUD安、対立ひとまず解消はAUD高・USD高・JPY安、です。
この問題についておもしろかった記事に、ロイター『コラム:米中摩擦の着地点、「囚人のジレンマ」回避できるか』熊野英生(第一生命経済研究所首席エコノミスト)2019年1月24日17:03、があります。
プロフェッショナルの記事は勉強になります。
(欧州情勢)
24日のECB理事会結論は「市場予想通り現状維持」で、成長の先行き見通しは下方リスクが高まっており、次の利上げ見通しは従来通り夏の終り以降、ということでした。市場の認識は、利上げ時期を2020年半ばまで後ずれしています。 また、ECBは25日に経済予測調査を発表し、2019年のインフレ率予想は従来の1.8%から1.5%へと下方修正しました。そして、独政府は26日、2019年年の成長率予想を1.8%から1.0%に引き下げました。
EURは24日こそ売られたものの翌25日には買われて、週足は陽線で引けました。
EUが問題山積にも関わらず売り込まれない点について、下記解説記事が参考になりました。
ロイター『コラム:ユーロ相場、域内失速でも堅調の訳』唐鎌大輔(みずほ銀行チーフ・マーケットエコノミスト)2019年1月24日10:21
23日、英国から主にフランクフルトに、大手銀行がバランスシート上の資産7500億EUR(約93兆5000億円)を移そうとしている旨、伝えました(ブルームバーグ『ロンドンから金融機関が資金逃避加速、英政府がEU離脱で争う中』Will Hadfield, Steven Arons,2019年1月24日)。
GBPは「合意なき離脱」回避を見込んで買われていますが、現実問題としてGBPを売ってEURやUSDを買う動きが強まると考えれば、どこかでどすんと落ちる恐れがあります。危なくって、スキャル以外でGBPは持てません。
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前々週と前週成績を集計しておきます。
・事前分析成績は8勝6敗(分析採用回数14回、的中率57%)
・事前分析の取引方針を採用できなかったことは、前提を満たさずに取引できなかったことが13回、判定不可及び取引不可だったことが2回で、計15回です(29回の取引を事前準備し、うち14回で取引可能=方針採用率48%)。
・過去分析に基づく事前方針に沿った取引は3勝3敗でした(勝率50%、事前準備した取引方針29回に対する方針実施率21%)。
・それとは別に、過去分析に基づかない、もしくはポジション保有時間延長による取引は5勝1敗でした(全取引に対する方針順守率50%)。
・前々週及び前週の取引時間は39分19秒、損益は+36.59pipsでした。1分足1本当たりの損益は+0.9pipsということになります。
【今週指標】
太字は詳細分析記事にリンクしています。
米政府閉鎖で指標発表予定が変わる可能性があります。また、次週から中国市場は春節で休場となります。週後半は、中国資金が市場から抜ける可能性が高いので注意しましょう。
1月28日(月)豪州休日
23:00 ECB総裁発言
23:30 BOE総裁発言
1月29日(火)英議会のEU離脱代替案採決
24:00 1月集計分CB消費者信頼感指数
1月30日(水)
09:30 10-12月期豪州四半期CPI
22:15 12月集計分米国ADP雇用統計
22:30 10-12月期米国四半期GDP速報値
28:00 FOMC金融政策
28:30 FRB議長会見
1月31日(木)
09:30 10-12月期豪州四半期輸入物価指数
22:30 12月集計分米国PCEコアデフレータ・PCE・個人所得
2月1日(金)
09:30 10-12月期豪州四半期PPI
18:30 1月集計分英国製造業PMI
19:00 1月集計分欧州HICP速報値
22:30 12月集計分米国雇用統計
24:00 12月集計分米国ISM製造業景況指数
以上
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