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2015年12月30日

(小説)ルシーの明日・その13

 私の疑問に答えてくれるように、夢は未来の都市部の様子を映し出してくれた。
 この暗黒のような未来でも、人工の都市は存在し、どうやら維持され続けているようなのだ。しかし、その人工都市の中に人影を見出す事は出来なかった。その都市の中で慌ただしく動き回っていたのは、何やら不思議な形をした機械ばかりである。その機械群を操っている人間らしき存在はいっさい見当たらない。まさに機械たちだけの機械の都市となっていたのだ。
 破壊された自然環境のもとでは、他の動植物たちと同様、人間も衰退し、滅びていったのであろう。そして、残された機械たちだけが、皮肉にも、人類の都市や科学や文明を引き継ぐ形になったのだ。
 それは、よく考えたら、すごく理にかなった話だとも言えた。
 どんなに科学を発達させ、文明が進んだとしても、人間は自然と切り離されては生きてはいけない存在なのである。なぜならば、我々人間も、結局は、他の動植物を食べなくては、生命を保てないからである。しかし、豊かな自然環境が荒廃し、摂取できる動植物が居なくなってしまっては、当然ながら、人間だけが生存し続けれるはずがないのであった。  (つづく)

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posted by anu at 17:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
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