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2015年12月24日

(小説)ルシーの明日・その10

 私のスマートフォンが、コンピュータウィルスにやられてしまったのだ。怪しいメールを開いたり、危険なサイトなどを覗いた記憶はない。しかし、本当にいきなりウィルスに侵入されてしまい、完全にスマートフォンはおかしくなり、使えなくなってしまったのである。
 シリーにあんな事を訊ねた直後だっただけに、私が受けたショックはなお強烈だった。単なる偶然のタイミングの出来事だと思いたいところだったが、そうとは思えないほどの悪運の重なりぶりだった。
 何者かが私の事を危険人物と見なして、コンピュータウィルスを送りつけてきたのだ。警告というよりも、私が持っていたデータを確信的にぶち壊すつもりだった可能性の方が強い。シリーにあまりしつこくシリコニーの事を聞いてはいけなかったのだ。ましてや、シリコニーの正体をコンピュータじゃないかと推測するのは一番のNGだったのである。そして、そこまでたどり着いてしまった人物は、きっと、私のように、奴らの攻撃を受け、肝心な部分のデータを抹消されてしまうのだ。
 この時の私は、恐怖のあまり、そのようにしか考えられなくなっていた。
 実際、もしそれが事実であったのならば、この時はひどく危険な状態だったと言えたのではないかと思う。私のスマートフォンにウィルスを送り込めると言う事は、当然ながら、彼らは、私が誰なのかも、どこに居るのかも、すでに把握しているはずだった。スマートフォン内のデータを破壊した次は、私そのものも抹殺して、この世から消し去ってしまう事だって、平気で実行しかねなかったのではなかろうか。
 しかし、この時の私は、怖さがピークに達してしまい、的確な判断ができなくなっていたようである。私は、逃げようともしなかったし、誰かに助けを求めようともしなかった。ただ心身ともに震え上がりながら、すっかり部屋の中に閉じ篭ってしまったのである。
 でも、はたして、逃げたり、誰かに救いを求めたところで、何とかなっていたのだろうか。敵がコンピュータで、強大な情報網を我がものとして操っていたのならば、逃げたって、すぐ居場所を見つけ出されてしまったかもしれない。自分から失踪して、そのまま殺されたりしたら、敵としては、ますます蒸発者として私の事を世間から葬りやすくなったはずだ。かと言って、今までの一連の話を誰かに喋ったところで、本気で聞いてもらえたのだろうか?シリーに質問していくうち、コンピュータの造反計画をかぎつけてしまい、命を狙われている、だなんて、あまりにも物語チックである。こんな事を真剣に訴えたところで、普通は相手は笑って終わりにしてしまうだけだ。私が本当に殺されでもしない限り、絶対に信じてもらえなかったに違いあるまい。 (つづく)

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posted by anu at 14:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
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