2020年09月03日
地球のほろびる時
昭和の頃の子供向け雑誌には、恒例のように、「地球や人類はどう滅びるか?」と言うテーマの特集記事が載っていました。
それらの特集では、地球に大接近する巨星や、氷河期で凍りついた都市など、恐ろしい光景がリアルなイラストで描かれており、読んでいる私たち子どもの心にも強烈に突き刺さったのでした。
雑誌内でとどまらず、とうとう、まるごと一冊「人類滅亡」について語った本としては、秋元文庫の「地球のほろびる時」(秋元書房・1975年)や、ナンバーワン・ブックスの「地球滅亡と未来の世界」(フレーベル館・1975年)などがあります。
特に、「地球滅亡と未来の世界」は、この先の人類を襲うかもしれない暗黒の未来が、群を抜いて、多く紹介されており、読者の心に不安と恐怖を掻き立てます。
まず、カラー口絵で、1982年に起きる「惑星直列」が提示されていて、太陽系の全惑星が並んだイラストで、読む者にショックを与えるとともに、時代を感じさせてくれます。
当時は、本当に、惑星直列で何かが起きるのではないかと騒がれたのですが、結局は、全く何も起きませんでした。そもそも、惑星直列は179年周期で到来しますので、その度に絶滅規模の大異変があるのなら、当然、過去の記録が残っているはずなのであります。
続いて、短編マンガ「もしも」が載っているのですが、これが宇宙ビールスを題材にしたSFです。皮肉にも、新型コロナに翻弄される今の人類そっくりの情景が描かれているのでした。
以降、「人間がつくった地球の危機」「おろかな人間!!くりかえす戦争」「地球大異変」「なにもない地球」という章タイトルが並び、テーマに分けて、さまざまな人類の危機が紹介されます。地球が滅びるところまでいかないネタも多いのですが、人類が苦しみながら生き続けているイラストは、逆に、地味に怖いです。
こんな本を真剣に読んでいた私が、のちに、ノストラダムスの滅亡予言の熱心な愛好者になってしまったのも、ある意味、当然なのであります。私の書く小説が、ネガティブで、人類や文明社会に批判的なのも、これらの本の影響を受けているからなのです。
ただし、「地球滅亡と未来の世界」には、実は、さりげなく良心も詰め込まれておりまして、最終章「ぼくたちの未来は!?」では、夢あふれる未来科学の数々についても触れられていたのでした。まるで、パンドラの箱の中の「希望」なのです。
そして、こうした人類滅亡ネタの本が沢山、発行されていた時代から、およそ50年が経ちました。
今、我々が住んでいる地球は、本当に、これらの本に書かれていた事が現実に起きています。温室効果だったり、大地震だったり、核戦争勃発の危惧だったり、人口の爆発的増加だったり、地球に落下しかねなかった小惑星ですら頻繁に見つかっています。
半世紀も前から予測されていたのに、結局、これらの脅威を実際に招いてしまった人類のことが、やはり、ほんとに愚かだったのだとも思わざるを得ないのです。
それらの特集では、地球に大接近する巨星や、氷河期で凍りついた都市など、恐ろしい光景がリアルなイラストで描かれており、読んでいる私たち子どもの心にも強烈に突き刺さったのでした。
雑誌内でとどまらず、とうとう、まるごと一冊「人類滅亡」について語った本としては、秋元文庫の「地球のほろびる時」(秋元書房・1975年)や、ナンバーワン・ブックスの「地球滅亡と未来の世界」(フレーベル館・1975年)などがあります。
特に、「地球滅亡と未来の世界」は、この先の人類を襲うかもしれない暗黒の未来が、群を抜いて、多く紹介されており、読者の心に不安と恐怖を掻き立てます。
まず、カラー口絵で、1982年に起きる「惑星直列」が提示されていて、太陽系の全惑星が並んだイラストで、読む者にショックを与えるとともに、時代を感じさせてくれます。
当時は、本当に、惑星直列で何かが起きるのではないかと騒がれたのですが、結局は、全く何も起きませんでした。そもそも、惑星直列は179年周期で到来しますので、その度に絶滅規模の大異変があるのなら、当然、過去の記録が残っているはずなのであります。
続いて、短編マンガ「もしも」が載っているのですが、これが宇宙ビールスを題材にしたSFです。皮肉にも、新型コロナに翻弄される今の人類そっくりの情景が描かれているのでした。
以降、「人間がつくった地球の危機」「おろかな人間!!くりかえす戦争」「地球大異変」「なにもない地球」という章タイトルが並び、テーマに分けて、さまざまな人類の危機が紹介されます。地球が滅びるところまでいかないネタも多いのですが、人類が苦しみながら生き続けているイラストは、逆に、地味に怖いです。
こんな本を真剣に読んでいた私が、のちに、ノストラダムスの滅亡予言の熱心な愛好者になってしまったのも、ある意味、当然なのであります。私の書く小説が、ネガティブで、人類や文明社会に批判的なのも、これらの本の影響を受けているからなのです。
ただし、「地球滅亡と未来の世界」には、実は、さりげなく良心も詰め込まれておりまして、最終章「ぼくたちの未来は!?」では、夢あふれる未来科学の数々についても触れられていたのでした。まるで、パンドラの箱の中の「希望」なのです。
そして、こうした人類滅亡ネタの本が沢山、発行されていた時代から、およそ50年が経ちました。
今、我々が住んでいる地球は、本当に、これらの本に書かれていた事が現実に起きています。温室効果だったり、大地震だったり、核戦争勃発の危惧だったり、人口の爆発的増加だったり、地球に落下しかねなかった小惑星ですら頻繁に見つかっています。
半世紀も前から予測されていたのに、結局、これらの脅威を実際に招いてしまった人類のことが、やはり、ほんとに愚かだったのだとも思わざるを得ないのです。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10167276
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック