2020年09月01日
長渕剛
長渕剛が人気が出だした頃(1978年)、私の姉も長渕氏のファンになっておりましたので、必然的に、私も長渕氏の曲をよく聴く事になりました。
姉は、しっかり、長渕氏のファーストアルバム「風は南から」(1979年)のレコード盤も持っておりまして、私も目いっぱい一緒に聴かされました。時期は、私が小学六年生の時です。
でも、その事で、私にも、このアルバムから、いくつも、心に残る曲が生まれたのでした。
普通だったら、「巡恋歌」「俺らの家まで」あたりの代表作がピックアップされるところなのでしょうが、私が特に好きだったのは「僕の猫」「不快指数100%ノ部屋」「今宵最後のブルース」の三曲です。
やはり、これらの曲が好きになった背景には、当時、私が読んでいた本も影響していたのでした。
まず、「僕の猫」が気に入っている理由は、少年期の私が猫を飼っていたからです。そう、この歌は、猫好きにとっては、たまらない歌詞なのでした。
また、私が小学六年生の時は、東京に居た兄が、自分の持ってた本を、大量に、私のいた実家に送り込んできた年でもあり、それらの本の中に、白土三平の劇画マンガ「忍者武芸帳」(小学館文庫)も混ざっておりました。
当時、貪欲に本を読んでいた私は、この「忍者武芸帳」も夢中で読ませてもらって、なぜか、「忍者武芸帳」の登場人物の一人である蛍火に激しい恋心を抱いてしまったのでした。思春期の男の子にとっては、はじめて、マンガの中の女性に心を時めかした瞬間です。(ちなみに、私には、小説のヒロインでも、映画のヒロインでも、はじめて恋したキャラが、はっきりと存在します)
そして、アダルトな雰囲気の「今宵最後のブルース」を聴くと、蛍火に恋した、当時の甘酸っぱい気持ちが、なんとなく、浮かび上がってしまうのでした。
最後の「不快指数100%ノ部屋」ですが、このアンニュイな感じの曲は、私には、眉村卓の小説と結びついています。当時の私は、難しめの小説もガンガン読み始めていた時期で、その中でも、特に眉村氏の小説を気に入って、集中して読み出していたのでした。
眉村氏の大人向けの小説は、短編ですら、スッキリしない終わり方のものが多いです。当時の私は、角川文庫の「変な男」や「奇妙な妻」などを読んでいたのですが、これらの作品は、氏のジュブナイル小説とも雰囲気が異なり、その殺伐さが、ひどく「不快指数100%ノ部屋」の世界観ともマッチしたのでした。
さて、長渕剛は、その後も「順子」や「GOOD-BYE青春」「ろくなもんじゃねえ」などのヒット曲を飛ばし続け、姉も聴き続けていたようなのですが、私はあまりハマりませんでした。
理由として、私も、中学生になると、姉のお下がりの曲ばかりは聴かなくなりましたし、姉自身も、その頃、就職する為に、実家から出て行ってしまい、姉のイチオシ曲を聴く機会そのものが減っていったからです。
だから、私にとっての長渕剛とは、あくまで、ファーストアルバムの「風は南から」で止まったままなのでした。
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