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Q
フリーエンジニア
とは、本当に自由ですか? フリーランスができる業種はたくさんありますが、なぜ、フリーエンジニアだけが、
高額な賃金体系なのでしょうか?
フリーランスの翻訳家とか儲かると言った話を聞いたことがありません。
月額80万(年収1000万円)以上で稼ぐエンジニアは本当は自由ではないのでしょうか?
リーマンSEよりもかなり忙しく、、体調を壊すような作業量をこなしているのでしょうか?
もし、リーマン時代よりも忙しくなったSEがいれば自由ではないように思えます。
月額80万以上で本当に自由なフリーエンジニアは居ますか?
グッドワークス
A
1千万クラスなら何人か知っていますが、毎年それが続く保証はありません。
大きなプロジェクトの場合は3〜4年は続くので良いのですが、普通は谷間があります。
その期間を収入が減っても充電や勉強に当てている人もいますし、安い仕事をこなす
人もいます。
給与が高い理由は、上記のように谷間の部分を企業が払わなくてもよい、勉強の費用を
持たなくても良く、メーカーのエンジニアと比べても安いからです。
高度な技術の場合は研修など一通りのコースで100万円近くかかる場合も多いですし
社員として給与を800万円支払う場合は、会社としての費用はその倍と考えてください。
忙しいかどうかは、その人の仕事に対する考え方と、今のプロジェクトの状態にかかってるので
一概には言えません。
但し、「フリー」とは、仕事の話があった時に規模・内容・期間・報酬を検討して、自分で選択する
自由があるという意味だと考えてください。
仕事を受けた時点で、自由はありません、逆に社員よりも責任は重く自由は減ります。
最後に月収80万円と書いてますが、何年間その金額を維持したかで変わるような気がしますし、
手取りがいくらになるかでも変わります。
例えば、半年や1年程度の限定であれば月収80万といわず100万越える仕事は、ある程度の
エンジニアならすぐに見つかりますが、それを10年間続ける自信がない人がほとんどです。
継続して仕事を見つけるには「エンジニア」以外の資質が必要です。
新年最初のテーマは、最近エンジニア達から脚光を浴びているアドテクノロジーについて。登壇者は、神田勝規氏(サイバーエージェント)、久森達郎(@myfinder)氏(フリークアウト)、関陽介氏(Fringe81[フリンジハチイチ])と「日本のアドテク業界を牽引していると言っても過言ではない(菅原氏)」豪華なメンバーだ。モデレータは、菅原健一氏(スケールアウト)に務めていただいた。
当日、会場には多くのエンジニアが訪れた。「アドテク」という言葉を知っている参加者も大変多く、この分野への関心の高さを伺わせた。かくいう筆者も1年ほど前からアドテクノロジーに携わっており、イベント当日を心待ちにしていた一人である。
○アドテクノロジーの4つの挑戦
最初に、アドテクノロジーとはどういうものであるか、モデレータの菅原氏より簡単な説明が行われた。「アドテク」とはadvertising technologyであり、直訳すると広告の技術である。
しかし、ひとえに広告の技術と言っても多岐に渡るものであり、様々な分野が複合されている。菅原氏はそれらについて、「4つの挑戦」という言葉でまとめた。量への挑戦は広告サービスのトラフィックの量を表しており、「月間1,000億インプレッションを捌かねばならない(菅原氏)」。
速度への挑戦は現在主流となったRTB(Real-TimeBidding)への挑戦であり、「100ms以内にレスポンスを返さなければならない(菅原氏)」。質への挑戦も必要だ。データを元に、なるべく効果の高い広告を配信する必要がある。具体的には、ビッグデータの分析を行うことが必須とされる。
また、アドテクノロジーのシステムではシステムの完成度が企業の利益に直結している。「開発がうまくいけば儲かる(菅原氏)」と言うことだ。入札ロジックの質が低ければRTBのオークションにおいて良い成果は出せないし、「今ここで話している間でもシステムは取引を続けている(久森氏)」のだ。菅原氏はこれを、ビジネスへの挑戦という言葉で表現した。
○厳しいレイテンシの中、いかに実現するか
久森氏は、以前はソーシャルゲームのプラットフォームをシステム運用していたそう。ソーシャルゲームとDSP(Demand-sideplatform。広告主側の立場に立つ企業のこと)は決められたリクエストに対して定められた時間内で応答することは類似しているが、「ソーシャルゲームは5秒だが、DSPでは100msで返さなければいけないという点が際立った違い」だという。
神田氏は在学中はコンピュータサイエンスを専攻しており、その後学生ベンチャーで研究開発などに携わった経歴を持つ。アドテク業界について、「データ、トラフィックがとにかく多い。思っていたより0が2つ多い(神田氏)」とデータ量について言及。その上で、「サーバのトラフィックについては教科書に出ている待ち行列理論に沿うデータがそのまま現れる(神田氏)」と、大規模だけに机上の理論がそのままデータに現れてくる面白さについて触れた。
一方、関氏は以前はフリーエンジニアとして活躍していた。バンドマンとしても活動していたが、「Fringe81が面白そうだった(関氏)」と入社を決意。現在は同社のプロダクトであるTagKnightのプロジェクトマネージャとして活躍している。「適切なソリューションにより、ネット広告が鬱陶しいという感覚は無くせる(関氏)」と新しい価値の想像という観点からアドテクノロジーの面白さを伝えた。
○常にトラフィックに追い立てられている
広告配信システムがビジネスの中心となるアドテク業界。そのシステムの開発や運用の体制はどうなっているのだろうか。
神田氏によれば、「プロダクトの品質に意識が高いエンジニアが多い。No Test, No Commit(神田氏)」であり、比較的モダンなスタイルで開発しているそう。関氏、久森氏もこの意見に同調した。「テストは大量にあり、実行に30分かかるようになったことから並列化した(久森氏)」といった話には、興味を持った参加者も多かったようだ。久森氏は故障が近づいたサーバを社内に持ち込んで並列テストに使っており、リソースの有効活用にも一役買っている。
トラフィックの増加の激しいアドテクでは、リソースについて考える機会は多い。各サーバについてCPUとメモリ、ディスクのバランスをどうしているかという神田氏の問に対し、関氏は「AWSを使っているので後から調整することが可能」とクラウドによる恩恵を強調した。「調達コストを考えると、ハイスペックの同じサーバを揃えるのがよい(久森氏)」と久森氏。とは言え、ソフトウェアエンジニアとしては「ハードを調達せずになんとかチューニングできると嬉しい(神田氏)」というのがエンジニアの本音であろう。
●ネットワークレイテンシはアプリへのペナルティとなる
○ネットワークレイテンシはアプリへのペナルティとなる
イベントも終盤に差し掛かり、会場からの質問を受け付けることとなった。オークションの具体的な仕組みやプロトコルについての質問も出され、登壇者がそれぞれについて丁寧に解説していた。
DSPとSSP(Supply-sideplatform。媒体側の立場に立つ企業のこと)の間のプロトコルは、「国内初のDSPであるフリークアウト社が定めたプロトコルを慣習的に使うSSPも多い(菅原氏)」一方で、最近は「OpenRTBという共通プロトコルの普及が進み、それを用いることが多い(久森氏)」のだそうだ。
また、ネットワークレイテンシーへの質問については「SSPのサーバの所在地はいつも気にしている。海外ではAWSでリージョンを適切に選ぶ必要がある(神田氏)」「AWSでアベイラビリティーゾーンを選ぶことは必要(関氏)」「米国の東海岸と西海岸では100msを超えてしまい不可能(菅原氏)」といずれも厳しい意見が相次いだ。ネットワークレイテンシーが大きければその分アプリのロジックに使える時間が減るので、レイテンシは少なければ少ないほどいいというのが、アドテクノロジーでの共通認識のようだ。
○枯れた技術を、極限までチューニングする
このように最先端の技術を必要とするアドテクノロジーのシステムを、どのようなプロダクトを用いて構成すべきなのかは興味があるところだ。会場からは、枯れた技術と新しい技術のどちらを使うべきかという質問が出された。
「レガシーの技術をベースとする。毎月のように出てくる新しいプロダクトはとりあえず試す(関氏)」「枯れた技術をチューニングして使う。新しいものも取り入れる(神田氏)」と新しい技術は必要なものの、やはり基本となるのは世間に定着している安定したプロダクトのようだ。また、久森氏は、「自分たちの要件にあっていて使いこなせるかが重要で、枯れているか新しいかは関係ない。結果としてノウハウの溜まっている古いプロダクトを使うことになるだけ(久森氏)」とも話した。
広告を見ているオーディエンスのデータをどう保存すべきかについては、登壇者全員がKVSなど保存技術を選定している段階であると解答。Tokyo、Tyrant、Riak、Redis、Redshiftなど名前が上がったが、アドテクで扱う大量のデータの運用に対する決定打となるプロダクトはまだ無いようだ。膨大なデータとむき合う必要のあるアドテクの難しさについて垣間見える結果となった。
○日本発の技術を産み出すチャンスがある
最後に、登壇者が考えるアドテクの未来についてそれぞれに思いを語って頂いた。
それぞれ、「ここにいるメンバーが居なければアドテクは10年は遅れていた、と言われるようになりたい(関氏)」「アドテクは日本発のプロダクトを海外に輸出できるチャンスのある領域(神田氏)」「DMP(datamanagement platform。オーディエンスデータを管理する枠組み)事業、海外事業共に進めている状態であり、アドテクは今後の発展にも期待できる(久森氏)」とアドテクはまだまだこれからも伸びていく分野であることが伺えるコメントが相次いだ。最後に、モデレータの菅原氏は、「海外でも日本でも成長過程にある業界で、エンジニアが牽引している(菅原氏)」とアドテクにおけるエンジニアの役割について強調する形でイベントを締めくくった。
予定時間をオーバーしたのにも関わらず、参加者は最後まで興味深く話を聞いていたようだ。Twitterで振り返っても、もっとアドテクについて知りたいというような好意的な反応が多かったように思える。様々な技術が交錯するアドテク業界。腕に自信のあるエンジニアはこの群雄割拠を勝ち残り、日本から世界の頂点を目指してみるのはいかがだろうか。
著者プロフィール
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本間雅洋 北海道苫小牧市出身のプログラマー。好みの言語はPerlやPython、Haskellなど。在学中は数学を専攻しており、今でも余暇には数学を嗜む。現在はFreakOutに在籍し、自社システムの開発に注力している。
共訳書に「実用Git」(オライリー・ジャパン)、共著書に「FFmpegで作る動画共有サイト」(毎日コミュニケーションズ)がある。
・twitter :@hiratara
・blog :