2009年06月07日
第七の栄養素『ファイトケミカル』とカプサイシン
万病の原因活性酸素
私達の身体は60兆個ある細胞の塊です。そのひとつひとつの全細胞は電子というエネルギーを帯びて生存しています。 例えるならばどんなに精密で便利なパソコンでもアダプター(電気)がないと全く作動しないのと同じように私達の細胞一個がパソコン以上の精密なDNAというデータを起動させるには電子というアダプターが必要なのです。健康な人は電子も満タンですが、年と共にバッテリー切れを起こし始めたことを老化現象といいます。
生物学では細胞から電子が離脱することを『酸化』と勉強します。逆に電子が戻ることを『還元』と言います。酸化とは釘が錆びるのと同じ意味です。還元とは枯れかけた花に水を与えて元気を取り戻すのと同じです。細胞が死滅することを酸化、活性化することを還元と言います。少し説明が長くなりましたが、活性酸素は強力な酸化力があり細胞からどんどん電子を奪い自分を安定させようとします。
そして活性酸素をやっつける正義の味方がファイトケミカル(抗酸化物質)です。今回は抗酸化力と共に身体を温める効果のあるファイトケミカルをご紹介します。
カプサイシン
唐辛子に含まれる抗酸化物質です。カプサイシンが体内に入ると、中枢神経を刺激してホルモンの分泌を促し、エネルギー代謝を盛んにし体脂肪の分解を進めるため、肥満の予防効果があります。また、末梢神経を刺激して体温を温め血行を促進するので、冷え性、肩こりも改善することが分かっています。 更にカプサイシンは胃液の分泌を促進し消化を助けたり、胃液の調整をして胃潰瘍の治療を助けたりします。
カプサイシンを多く含む食べ物
唐辛子、キムチ
ジンゲロール
生の生姜に多い薬効成分で、すぐれた抗酸化作用があります 。生姜の主な薬効成分はジンゲロールとショウガオールという成分で、生の生姜にはジンゲロールが多く、加熱することでショウガオールがぐんと増えるのが特徴です。
●ビタミンEを上回る強い抗酸化作用
●体を温め、血液循環をよくして発汗を促す
●末梢の血管を拡張し、血流をよくする働き
●肝臓の働きをよくして血中コレステロールを下げる作用
●殺菌作用
●生姜はタンパク質分解酵素のプロテアーゼを含んでいます。
漬けダレに加えれば肉を柔らかくし、一緒に食べることで消化促進に役立ちます。その意味では、豚肉の生姜焼きは理にかなった料理といえるでしょう。
ジンゲロールを多く含む食べ物
生姜(生)
サンショオール
サンショオールは大脳を刺激して内臓器官の働きを活発にする作用があると言われることから、消化不良を改善するなど健胃作用に効果的とされています。
また、サンショオールは辛味成分の作用の他に局所麻酔性があり、食すると舌先がしびれるのはそのせいです。
さらにサンショオールはホルモンを刺激して基礎代謝がアップさせる働きがあることや、発汗作用があることからダイエットなどにも効果があると言われてきています。
サンショオールを多く含む食べ物
山椒