2009年08月13日
非常に縁起の良い食べ物
■神様も喜ぶ食べ物
昔から縁起の良い日、神事、年中行事といった日に必ず食べるものというと何を連想しますか?日本は、はるか昔から稲作中心の農耕民族として成長し、種族を繁栄してきました。いま私達が存在するのも穀類が豊富に収穫できた結果なのかもしれません。その為か神様にお供え物として使われたり、お祝い事に使われるようになったと言われるのがお米や餅、団子などの穀類でできた食品です。
信仰によると、お餅やお米は最も神様に願いが伝わりやすく、また神様の力が宿りやすいという性質があるそうです。
■晴れの日とケの日
食育検定の試験問題にも必ず出てくる設問に『晴れの日』とはどういう日かというような内容を問う問題があります。
晴れの日、晴れの舞台、晴れ着 という言葉があるように晴れとは非常におめでたい日のこと言います。
逆に普段の平穏な日の事を『ケの日』と言います。昔は頻繁に使っていた言葉のようですが今ではあまり耳にしない言葉です。
主な晴れの日とお餅の関係を挙げてみます。
■晴れの日とお餅の関係
●1月
正月 雑煮、鏡餅、花びら餅
成人式 紅白餅
●3月
桃の節句(ひな祭り) 菱餅、桜餅、草餅
春の彼岸 ぼた餅(おはぎ)
●4月
卒業・入学式 紅白饅頭、お赤飯
お花見 お花見団子
●5月
端午の節句(たんごのせっく) 柏餅、ちまき
●7月
土用の日 土用餅
七夕の節句(しちせきのせっく) 索餅
●9月
十五夜 月見団子
秋の彼岸 おはぎ(ぼた餅)
●10月
重陽の節句(ちょうようのせっく)
亥の刻(いのこく) 亥の刻子餅
●11月
七五三 紅白饅頭
●12月
餅つき 丸餅
●その他の行事
結婚
仏事
就職祝
誕生餅
賀寿祝
地鎮祭
快気祝
巻き餅
などのめでたい日に紅白饅頭や紅白餅を配る風習があります。
■体にも良い力餅
ここまで神事、行事に使われる食べ物はお餅以外にはありませんがお餅は縁起がいいだけではなく体にも凄くいいことが分かっています。
●母乳と餅
昔から、母乳が出ない女性には餅を食べさせると不思議と乳の出が良くなることが民間療法で伝わっています。
●アスリートと餅
マラソンランナー、陸上選手など高エネルギーを瞬時に必要とするアスリートの間では試合当日にお餅を食べることが栄養学的にも効果が実証されています。
●温熱療法と餅
お餅というと寒い日を連想しますが、お餅は東洋医学的にも非常に体を温める性質を持つため冬場に食べるのは理にかなっています。同じ体を温める『よもぎ』や『汁物』などと一緒に食べると相乗効果があります。
●ここぞという時に餅
力うどん、力餅=力持というように、お餅には高エネルギー源となる良質なたんぱく質と糖質を兼ね備えているため、脳の栄養としても瞬時に力を発揮させるには非常に良いと考えられます。仕事や、家庭、試験や大会などここぞという大事な時にはお餅がエネルギーと体力を高めてくれるのでお勧めです。
■餅の雑学
みなさんの地域のお餅は形が『丸い』ですか?それとも『四角い』ですか?
私は生まれが四国なのですが、そういえば田舎の餅は間違いなく『丸餅』だったんですが今現在東京都内に住むようになってから丸餅を見かけなくなり、いつの間にか餅は『角餅』が当たり前になっていました。
この現象はみなさんにも当てはまる方がいるかもしれませんが実は餅が丸い、四角いと分れた理由は徳川家康と関係があるそうです。
世紀の大戦『関ヶ原の戦い』で勝利した家康は江戸に幕府を構え独特の江戸文化を構築しました。江戸っ子というと威勢がよく短気なだけど気前の良い性格を想像しますが、実はこの江戸っ子の気性が餅の文化さえも変えてしまったのが角餅のルーツだそうです。
もともと餅は全国丸餅が当たり前でした。神様に捧げる為お月様と同じまん丸い形にしたという説もあれば、家族円満という意味で角を立ててはいけないので丸くしたという説もあるようです。餅を丸くするという事は、ついた餅を手で丸くこねるという手間が生じます。
ところが気性の激しい江戸っ子は手間を省いてしまい棒状に練りあがった餅を包丁でトントントントンと四角く切ってしまいそのまま四角い餅を使ったことから角餅ができあがったのが最初と言われています。
ですので、徳川家康率いる東軍(関ヶ原から東の地区)は角餅が広がり、豊臣方の西軍(関ヶ原から西の地区)はそのまま、丸餅が広がったそうです。正確には関ヶ原が所在する岐阜県から東が『角餅』西が『丸餅』だそうです。なので西に当たる四国では丸餅が当たり前だったわけで納得できます。
■西と東(上りと下り)
これと同じで高野豆腐が西、凍み豆腐が東に伝わったとも言われています。
おもしろい話に『くだらないもの』という言葉がありますが、これも西と東が関係し江戸当時、東(江戸)に商品が流れる事をおのぼり品といい「上京する」とか「のぼり」と表現するのは東の江戸幕府に向かうということを意味します。つまり今でいう最も流行の品物です。そして東で話題になった物は西に流れます。これを物が下る(くだる)と言ったそうですが、流行りもしないで消えてしまった商品は、西に下ることはありませんでした。このことから『西に下らない』ことから『くだらない物』という言葉が使われ始めたそうです。
西と東の文化って何だか色んな面白い関係があります。
この他にも、もし皆さんの中で西と東で別れるおもしろいエピソードがあれば是非教えて下さい。