前回上げた「ポパイが教えてくれた」から、雑誌のオリジナリティについて考察の続きであります。
あまりにも有名な創刊号の表紙です。
`76年創刊のPOPEYEが78年以降巷で話題になるになるにつれ、掲載される広告もどんどん増え、しかもPOPEYEの為だけに創られた広告ビジュアルも大手企業中心に登場しました。
ただ編集と広告のクオリティギャップもかなりあって、今見ると思わず赤面しちゃう広告も結構ありましたね。
そこで、編集サイドが広告を作ると言った「編集タイアップ」広告も多くのクライアントに受け入れられ始めました。これも一般的には平凡出版(現マガジンハウス)がananなどでパイオニアであると思います。
ただ、その薄さが魅力のひとつだったのに、広告が増えて束が厚くなった事はボクにとっては一寸残念でした。
しかし販売収益に加えて広告収益がどんどん増えれば、ヨソの出版社が黙って指をくわえている訳ありません。
そこで案の定やってくれたのが講談社であります。題してHOT DOG PRESS。
判型、紙、印刷等ハード面は全くのコピー。前回触れた巻頭コラム集"POP*EYE"に対しては「熱犬通信」という恥ずかしいパクリ。もちろん取材テーマと内容、その深さ=クオリティ、アートディレクションに於いては比ぶべくもありませんでしたが。
そもそも雑誌、特に情報誌(ファッション誌を含んで)の存在理由は新しい文化・流行を新聞やテレビに先んじて読者に紹介する事なのに、ヨソのパクリをやっても雑誌本来の持つ使命を果たせる訳ないでしょう?
それでも、その当時企業の宣伝部はいっぱいお金を持ってたからPOPEYEの広告サイズに作った原稿を同じ判型のHOT DOGにも入れたんじゃないかな?
その後HOT DOGはギャル、SEX路線に活路を見いだし、それがウケて部数的にもPOPEYEを凌駕するに至りました。
でも、そのSEX特集も実は1980年にこれも平凡出版から創刊されたBRUTUS1981年の100 Things You should know about SEXと言う特集があってからこそと確信します。(英語のサブタイトルの付け方なんてモロですよねぇ)
その後POPEYEも80年代中盤から、これはファッションの流行自体が変わってきたこともあるけれど、本来の "Magazine for City Boys"から離れていった印象です。
ボク自身のビジネスには思いっきり使わせて頂きましたし、当時の編集長には色々とお教えていただき、それが今にも役に立っておりますが・・・。
その後HOT DOGは2004年に休刊。
POPEYEは、と言うと3年前から再度"Magazine for City Boys"としてリニューアルされてから、また新しい文化を創り出し始めていることはとても嬉しく思います。
で、BRUTUS,TARZAN,GULLIVER,relux,CASA,Olive,Hanako,Ku:nel,GINZA,&Premiumに続くその他の雑誌については、時を改めてまたお話します。
しかし、上記に上げるために思い出した雑誌って、やっぱりすべて新しいジャンルのオリジナルですよね。
そこがマガジンハウスの凄いところって改めて思います。
最後に、先月15日に発売のBRUTUSのハワイ特集を今少しずつ読んでますが、やはり他じゃできないなぁって内容です。今まで30回近くハワイ行って色んなガイドブックや雑誌の特集見てるけど、ドリス・デュークの話なんて初めて読みました。
ではまた。
2015年11月01日
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