あけましておめでとうございます。
本年も「凝れば凝るほど」お付き合いよろしくお願いいたします。
「どこから来たの?」
「東京」
「これで?」
「そう」
「うわあ、うらやましい!」
ぼくのうしろのほうにさがっていてなにかやっていた彼女は、
「カワサキさん」
と、呼んだ。
(片岡義男 彼のオートバイ、彼女の島より)
ここからバイク乗りの彼と瀬戸内の島からやってきた彼女のラブストーリーが始まります。
この会話の後kawasaki W3に乗る彼と、ほどよい長さの髪に化粧っ気のない小麦色の顔の女の子は、信州上田の混浴公衆浴場でばったり再会します。
当時80年代初頭にバイク乗ってた少年たちは誰しもこの妄想に取り憑かれ信州を目指したものです。
かくいうこの私も・・・
でも、彼女は現れませんでした。当然か。
「わたしはつなぎの下にビキニだけ着て、海まで走ってつなぎ脱いでそこで肌を焼くのをやってみたいの」
そんな話をしてくれた女の子と出会ったことをふと思い出しました。これは実話です。アルバムひっくり返したら写真が出てきました。会社の同僚に誘われて参加した大所帯のツーリングクラブで出会った結構好みのタイプの女の子。
何でそのとき電話番号聞かなかったんだろう?
誰かと付き合ってた時期?
そんなのカンケーネェだよね?
今ならLINE交換とかしたんだろうけどね。
今となっては遠い昔の思い出です。
タンデムラン(二人乗り)は疲れるからあまり好きじゃありませんでした。でも当然親密度合いは深まりますよね。
こんなCMがありました。
今と違って高速道路は二人乗り禁止だったので遠出は出来ません。
そこで妙案を考えました。
中央自動車道府中バス停で待ち合わせ、女の子が乗った高速バスの後ろをひたすら甲府まで付いて走ります。
甲府からは甲州街道〜清里〜野辺山への快適なワインディングロードはすぐそこです。
これも今となっては遠い昔の思い出です。
さて、話は戻って「彼のオートバイ・・・」の彼女について。
この彼女「ミーヨ」こと白石美代子は片岡義男さんが小説に書いた全くの想像上の女性です。
しかし、ミーヨのイメージに極めて近い女性が実在したのであります。
高校時代バイクで日本一周をした女性ライダー
ご覧ください、このライディングフォーム
片岡義男さんは彼女の存在に感激し、自身の愛車HONDAの旧車CB450Kをプレゼントしたのです。
しかしこの彼女、格好よすぎませんか?
彼女、三好礼子さんとの超私的思い出をひとつ。
1985年のある日、ボクは青山から銀座に向かって50ccスクーターで内堀通りを走っておりました。
するとヘルメットから長い髪をなびかせた大型バイクの女性ライダーが前方に。
そして実に堂々たるライディングフォーム。
女性ライダーって前屈みで上目遣いで乗ってる方が殆どなんですが、この女性は背筋伸ばしてどっしりと構えて走っている。
スケベ根性丸出しで、国会議事堂前交差点の信号待ちで隣に並んでヘルメットの中のお顔を拝見すると・・・
思わずドキッとするような美人、と言うかマジドキッとしました。
ハーフにも見えました。モデル?
そんなことあり得る?
次の桜田門交差点の赤信号でも隣に並ぶと、乗ってるバイクがホンダのかなり古いCB。
あれ〜?ひょっとして・・・
三好礼子!?
次の祝田橋交差点で止まったとき、意を決してお声がけをしました。
「それって片岡さんのバイクですよね?」
「ええ。でも最近洗車してないから汚れぱなしで・・・」
三たび並んでスタート。
すると有楽町マリオン前でテレビカメラが待っていて、彼女はそこでバイクを止めました。
なにかの取材だったのでしょうね。
その先の信号で止まって振り返ると、大きなジェスチャーで手を振ってくれました。
今となっては遠い昔の思い出です。
昨年のfacebbokでご本人からレス頂きました!
そのコメント入れた三好礼子さんのfacebook投稿
お隣の男性はもちろん片岡義男さんです。
(片岡義男 幸せは白いTシャツより)
今こうやって写真見ているとあまりに素敵で心が痛いです。
あの頃に戻りたい。
2021年01月09日
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