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2019年10月09日

イブラヒムの愛読書だったイタリアの詩人、ダンテ・アリギエーリの著書「神曲」について【オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム】


オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜 シーズン1 DVD-SET 1 [DVD]


オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレムでは

ドラマ作中で主要登場人物の皇帝スレイマンや
皇帝妃ヒュッレムたちが事あるごとに手紙などで
ポエム(詩)をしたためています。

特にイブラヒムはパルガの漁師の息子であるという
自分の出生や皇女ハティジェへの恋心を
頻繁にポエムとしてラブレターを
書いてみたりしていました。

あまりにも脈絡なく唐突に始まる
ポエミーな自分語りにポエム慣れしていない
日本人視聴者の多くは当初、茫然とし

やがて「まぁ、こういう文化と時代だったんだろう」と
受け入れていったかと思うのですが
特にイブラヒムがポエマーとして
影響を受けたであろう書物が

ドラマ、オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム
作中でもイブラヒムの愛読書として頻繁に登場している
イタリアの詩人、ダンテ・アリギエーリの著書「神曲」ですね。

史実の大宰相パルガル・イブラヒム・パシャ

実在した史実の大宰相イブラヒムが
ダンテ・アリギエーリの著書「神曲」を
熱心に愛読していたかどうかまでは
実際のところは分かりませんが

「神曲」はイタリア文学最大の古典とされていて
地獄篇、煉獄篇、天国篇の3部作で構成されている大作です。

また地獄篇と煉獄篇が執筆されていた1319年には
すでにヨーロッパで多くの人々に読まれ
中には熱狂的に支持する人もいたということですから

著者のダンテ・アリギエーリが
1321年9月14日に56歳で死去していて
パルガル・イブラヒム・パシャが
1493年に生まれていることを考えれば

ヨーロッパ諸国と頻繁に物資の貿易があった
オスマントルコ在住の人々やイブラヒムが
「神曲」に目を通していたとしても
歴史的に不思議はないんですよね。

歴史的な考察からも矛盾がない愛読書「神学」の設定

特にイブラヒムは幼少期に海賊に誘拐され
奴隷としてオスマントルコに売り飛ばされてから
皇帝スレイマンの寵臣となるまでに
多くの書物に目を通していたのは間違いないです。

さらに史実のパルガル・イブラヒム・パシャ本人は
キリスト教圏であるヴェネツィア共和国領である
ギリシャ北部エピルスのパルガ出身ながら

奴隷としてオスマン帝国に仕えることになってから
イスラム教に改宗していましたが

イブラヒムの両親はギリシャ正教
(キリスト教)信者のまま
後にイブラヒムと共にオスマン帝国の首都
に住んでいたということですから

オスマン帝国で皇子だった時代の
スレイマンに仕えるために表面上は
イスラム教に改宗したけど

実際のところは幼少期から信仰していた
キリスト教と完全に縁を切ることは
できていなかったと考えられます。

「神学」という作品はキリスト教の影響を多大に受けている作品

またドラマの作中に出て来る
イブラヒムの愛読書「神曲」は
キリスト教の影響を非常に色濃く受けたもので

作者であり「神曲」の登場人物で
主人公ダンテが地獄に迷い込みながらも
歴史上の実在人物、詩人ホメロスや淑女ベアトリーチェの導きで
天界を目指すというのがザックリとしたあらすじなのですが

神曲の主な舞台の場所はキリスト教における
神の敵対者、悪魔や魔人、罪人が落とされている
地獄の階層を延々と旅して、

裏切りや愛欲、暴食、憤怒など
キリスト教で悪徳とされる罪を犯した者が死後、
地獄で苦しむということが描かれているので

イスラム教圏であるオスマントルコで
「神曲」を愛読しているという時点で
かなり思考的にキリスト教寄りで

倫理観もキリスト教圏寄りだったのではないか
ということが伺えます。

イブラヒムが「神学」に感情移入しやすかった理由

また史実の詩人ダンテ・アリギエーリは
実在した女性であるベアトリーチェに
恋心を募らせていたにも関わらず

彼女はダンテ以外の男性と結婚した後、
若くして亡くなったとも言われています。

「神曲」作中でも永遠の淑女ベアトリーチェが
愛の象徴として描かれていることから
「オスマントルコ〜愛と欲望のハレム」第一シーズンにおいて

イブラヒムが鷹匠頭だった時代、
皇帝スレイマンの妹ハティジェに
叶わぬ恋心を募らせていた自分と

地獄を旅する「神曲」の主人公ダンテ
愛の象徴である淑女ベアトリーチェと
自分が焦がれる皇女ハティジェを
重ね合わせていたであろうことが伺えます。

実際に皇女ハティジェへの恋が許されない
身分であるという気持ちが抑えきれず
筆を執って自分の気持ちを書きつづり

その文面を見て皇帝スレイマンがイブラヒムに
自分への裏切りは許さないと告げるも
イブラヒムは神曲に書かれている詩の一節であり
気に入ったから書いたのだと弁明していました。

上記の知識を踏まえてドラマを見ると

内容が難解な詩であると同時に
オスマントルコ的には異国語であるイタリア語の
トスカーナ方言で書かれていたであろう「神曲」は

イブラヒムにとって表面上は
ヨーロッパの文化や教養、
ポエムを勉強するためのインテリな書物であり

実質はキリスト教の思考に耽溺できる
愛読書だったとも考えられます。

また史実の皇帝スレイマンは詩人としても
数々のポエムを残している人ですから
「神学」がキリスト教の影響を色濃く受けている
作品であるということは知っていたとしても

文学、ポエム作品として非常に
優れた物であるということを認め
教養を学ぶための愛読することは
容認していたのだと思われます。

もともとオスマントルコは寛容なところがあり
とにかく皇帝に忠誠を誓って税金を納めてくれるなら
宗教の自由を認めるという方針だったそうですから
そういう土壌があったからこそ

皇帝スレイマンもイブラヒムが
「神曲」を所持して愛読していても
特に咎めたりしなかったんでしょうね。

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官職や称号について調べてみた件【オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム】


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「オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム」を見ていると日本人には馴染みのない官職や称号などが出てくることがあります。おおよそ雰囲気で察することが出来ますが改めて調べてみました。

側女:本妻以外の妻という意味と、側近くに仕える女という意味の二通りがあります。オスマン帝国外伝では後宮にいる大部屋住みの身分の低い奴隷女がみんな「側女」でかつては皇妃ヒュッレムも「側女」という身分でした。

ドラマの作中では本妻以外で皇帝が自由にできる女性であり、側近くに仕える女、両方の意味がある為「側女」という風に翻訳されたのだと思われます。

大宰相:オスマン帝国の最上位の官位であり、皇帝以外は大宰相を辞めさせることはできない、皇帝の代行者という絶対的な権力者でした。

複数いる宰相の中から最も年齢が上の者が年功序列で大宰相に就任するのが慣例。
イブラヒムが大宰相に抜擢されたのがいかに異例のことか分かりますね。

皇妃:皇帝の妻に与えられる称号。これは文字通り、皇帝の伴侶。皇帝妃ですね。
ただし、ドラマの作中でも描かれている通りイスラム教では男性が複数の妻を持つ事が許されていましたから皇帝の妻である皇妃は複数人いました。

そのため皇帝スレイマンの時代(ドラマの作中)は第一皇妃ギュルフェム、第二皇妃マヒデブラン、第三皇妃ヒュッレムとなっていました。皇妃は皇帝の寵愛次第で他の側女から入れ替わることもあったため、皇妃としての地位を盤石なものにするためには皇帝の子供を産み、皇子が次期皇帝になることが重要でした。

皇帝の子供を産んでいない側女は、皇帝の死後に「嘆きの家」と呼ばれる場所で全員ひっそりと暮らしたそうですから、自分が栄華を誇る為に皇帝の寵愛を勝ち取り、皇帝の子供を産む。次期皇帝の母になるというのはハレム女性全員の夢であったと思われます。

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2018年11月06日

皇帝スレイマンがアルヴィーゼ・グリッティに渡していた長衣(カフタン)とは何だったのか調べてみた件【オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム】


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長衣(カフタン)とは何だったのか調べてみた件

オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜シーズン1でベネチア元首の息子、アルヴィーゼ・グリッティが皇帝スレイマンに宝石などの貢ぎ物を贈った礼としてスレイマンはアルヴィーゼ・グリッティに長衣(カフタン)を与えるよう臣下に指示を出していました。

この長衣、ようするにオスマン帝国時代の民族衣装なのですが、あれだけ大量の宝石を贈った見返りが服?と疑問を抱いてしまいましたが、長衣の色や模様、ボタンで階級を示していたそうで、つまりオスマントルコ時代に皇帝から長衣をもらうというのは相応の身分や階級、官職を与えられるのと同等の意味合いがあったようです。

長衣の素材としては主にカシミア、コットン、シルクなどが使われ、それに金糸や銀糸で刺繍がある豪華なものほど身分が高かったようです。そして、毛皮で裏打ちされている長衣もあるそうです。(時代によって違いがあると思いますが)

つまり、イブラヒムがトプカプ宮殿内で着用している金糸の刺繍が入った派手な意匠の長衣は、皇帝スレイマンが自らイブラヒムに与えた大宰相としての職に見合った制服的な物だったんでしょうね。

分かりやすい例としては、皇帝の親衛隊である精鋭部隊イェニチェリや皇帝の周囲を警護している斧持ちですね。彼らはみんな赤色の服を着ています。赤い服は皇帝に近い場所を警護する兵士や親衛隊という意味合いがあったんでしょう。

それを踏まえて「オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム」シーズン1の公式HPトップを見るとイブラヒムやヒュッレムの衣装は無地に近く地味ですが、シーズン2になり身分が上がると細かい植物模様をモチーフにした金糸や銀糸の刺繍が入っていて、衣装からも身分が上がっているのが一目瞭然です。

ミシンや機械による刺繍なんて出来ない時代ですから、細かい刺繍は全部が人の手によるものだった(すごく手間暇とお金がかかっている)と考えれば、細かい刺繍がたくさん入った物ほど身分が高いのが一目で分かったんでしょうね。


新帝の誕生

皇帝から服を贈られるというのは特別なこと

皇帝から贈られる服には身分を与えるのと同等の意味がある特別なことだと分かると、ヒュッレムがスレイマンから毛皮の上着をもらったことの重大さ、そして同じく毛皮の上着をもらった為にヒュッレムから激しく嫉妬されて劇薬で顔がただれてしまった側女マリアのことも、ヒュッレムがなぜ夜伽に呼ばれたマリアに対して、あそこまで危機感を持ったのか事の重大性が分かりますね。

もちろんマリアの身分は側女(女奴隷)ですから、即座に身分が上がるという状況ではなかったと思いますが、ドラマの作中でマリアは皇帝スレイマンに二回、夜伽に呼ばれたいわゆる「お気に入り」だった訳ですがヒュッレムと同じ毛皮の上着を贈られていることは寵妃、もしくは皇妃になりえる見過ごせない存在だととらえたんでしょうね。

ちなみに皇帝の夫人は基本的に四人までと決まっていたようですが、皇子を産んでいた方が有力だったり皇帝の寵愛が深い寵妃が夫人(皇妃)になったりと入れ替わることもあったそうなので、ヒュッレムから見た最悪のシナリオとしては評判が悪い自分より、マリアに今の地位を取って変わられるかも知れない。

ましてマリアはスレイマンとの夜伽のあと、イスラム教に改宗している。同郷の親友とはいえ油断は出来ないと考えてしまった可能性が高いのだと思われます。

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スレイマンとイブラヒムは男色関係にあったのか?【オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム】


オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~ シーズン1 DVD-SET 1 [DVD]

海外ドラマ「オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム」

見ていると、登場人物が異様に悩んでいるシーンや憎み合ったりしているシーンが多く、理解できる場合もあれば理解しがたい場合もあります。理解しにくい物の一つが序盤の見どころである

・皇女ハティジェとイブラヒムによる身分違いの恋
・皇妃ヒュッレムと大宰相イブラヒムの対立
皇女ハティジェは皇帝の妹で生粋のお姫様

ドラマが始まった当初のイブラヒムの地位は「小姓頭、鷹匠頭」でしたから、皇女と奴隷の身分違いの恋が周囲に認められないというのは分かりやすかったです。しかし、ドラマが進むとイブラヒムは皇帝スレイマンにより大宰相に抜擢され、皇帝に次ぐ地位を与えられました。

しかし、大宰相になってもイブラヒムは皇女ハティジェとの結婚をすぐ、スレイマンに嘆願しようとはしませんでした。そもそもオスマントルコにおける「小姓」というのは容姿端麗で頭脳明晰な異国の男奴隷から選出されていて、彼らは結婚も禁じられている身分でした。

つまり皇女ハティジェが身分的に高嶺の花というだけでなく、そもそもイブラヒムは結婚を禁じられている奴隷という立場で、史実的には皇帝のそば近く仕えて寵愛を受けていた、いわゆるスレイマンの同性の愛人という立場だった可能性も高いと歴史家から言われています。


イブラヒムの運命

スレイマンとイブラヒムが衆道関係と考えると

イブラヒムが小姓頭から大宰相へと異例の大抜擢で出世をしたこと、そしてドラマの作中に皇帝スレイマンに皇女ハティジェとの結婚を嘆願できなかった理由が皇帝スレイマンと衆道関係にあったからと考えれば、どうしてイブラヒムが皇女ハティジェとの仲を逡巡していたのか腑に落ちます。

ちなみにオスマントルコでは大宰相になる人物は、複数いる宰相の中で最も年齢が高い者が選ばれるという年功序列が慣例になっていたそうです。ドラマの作中で後にエジプトで謀反を起こす宰相アフメトが「次の大宰相は俺だ」というセリフを言っていましたが、自意識過剰ということではなく現在の大宰相が辞めれば常識的にも年功序列的にも、自分が大宰相になるのが当然と思っていたんでしょう。

もっとも現在、イスラム教では一般的に同性愛は禁止ということになっていますからドラマ内で大っぴらに皇帝スレイマンとイブラヒムが男色関係にあったことを具体的に示す描写はなく、あくまでも友情や主従愛の範囲におさまる表現になっています。

しかしイブラヒムが皇帝スレイマンに恋愛感情も抱いていたとなると、皇妃ヒュッレムに対して異常に敵対心を燃やしたり、スレイマンの寵愛が薄れたマヒデブランの肩を持ち、第一王子ムスタファを支持し続けたり、ドラマの作中で画家レオとの不貞を疑った際に毒かけロクムを渡したのも、スレイマンに溺愛される皇妃ヒュッレムに対して嫉妬や憎悪があったからと考えれば、イブラヒムがどうしてあそこまでヒュッレムを追い詰めたのかという理由がはっきりします。

本来ならイブラヒムは皇帝の臣下に過ぎない訳で、後宮の女官や側女たちのようにマヒデブランとヒュッレムどちら派でも良いけど勝ち馬に乗りたいと考えるのが普通ですが、イブラヒムがヒュッレムと和解できなかったのがスレイマンを挟んだ三角関係によるものだと邪推すると不思議と納得できてしまいますね。


死の宣告

イスラム教だけどオスマントルコは寛容だった

ちなみにオスマントルコは多民族国家で多くの住民はイスラム教でしたが、基本的には無理やり改宗を迫ったりしなかったそうなので、そういう寛容な気質がイスラム教でありながら同性愛に対しても全面否定しなかった歴史背景もあるようです。

ドラマの作中で皇帝スレイマンが他国を侵略した時、現地キリスト教系の住民たちに対して信教の自由を認めると同時に最初は税金を免除すると発言していました。

宗教、信教まで強制はしないし、無茶な税金の徴収もしないけど将来的にはきちんと税金を納めて欲しいと公言することで現地の住民から受け入れられるようにしていたのだと思いますが、こういう容認できる部分は柔軟にしていたからこそスレイマンの時代は領土をオスマン帝国の歴史上、最大にまで広げられたんでしょうね。

とりあえず、スレイマンとイブラヒムの関係については中世のオスマントルコの文化的背景を考えると

・若い頃のスレイマンとイブラヒムは衆道関係にあってもおかしくない位、親密だった。
・少なくとも友人以上の信頼関係があった。
・年功序列の慣習を無視してイブラヒムを大宰相に抜擢した背景に、衆道関係が無かったとは言い切れない。

という感じですね。明確な証拠が残ってない以上、限りなく黒に近いグレーな疑惑という所でしょうか。

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2018年10月31日

中世の避妊について調べてみた件【オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム】


オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜 シーズン1 DVD-SET 1 [DVD]

オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜 シーズン2になってから

成長した第一皇子ムスタファに側女エスフンが用意されて、側女はムスタファと肉体関係を持っても妊娠してはいけないから避妊をするようにしないといけないということで、普通なら次期皇帝に最も近い第一皇子に子供ができるのはめでたいことなのに何で避妊しないといけないかというと、現在ムスタファは皇帝スレイマンと同じトプカプ宮殿に住んでいて、トプカプ宮殿の主は皇帝スレイマン。

そして後宮にいる側女(奴隷女)はすべてスレイマンの物なので、ムスタファ皇子がトプカプ後宮の側女に子供を産ませるというのは、あってはならないことだったようです。このあたりの感覚、日本人にとっては理解が難しいですよね。

仮に戦国時代や江戸時代の将軍や大名の息子が城中で働いている下働きの娘に手を付けて妊娠させても、娘が非難される事は無いです。むしろ子宝の誕生は祝われるはず。日本の大河ドラマや時代劇などでも正室と側室、両方に子供ができるという描写がありますが、側室は避妊しなければいけないと言ってる登場人物はまずいません。

ドラマ内の側女が妊娠してはいけなかった最大の理由と思われるのは、史実の皇帝スレイマンは立法帝とも呼ばれた人物で法律を整備したそうで、そのスレイマン自らが不倫はいけない。もし不倫したら厳罰(男性器を切断)。という法律を作った人物なのです。

ですからトプカプ宮殿の主は皇帝スレイマンであり、皇帝の所有物である後宮の側女がムスタファ皇子の子供を妊娠するのは不倫に該当するので非常にマズいということで側女はムスタファと肉体関係を持っても避妊はしっかりするようにと言われていたのだと思われます。

ムスタファが地方の知事になった時点で別の家を持ち、ムスタファが家長になるので知事になれば子供が作れるというのはそういうトルコの宗教や法律が絡んだ問題があったのだと思われます。ちなみに新皇帝が即位するとトプカプ宮殿にいた前皇帝のハレムの女たちは「嘆きの家」という住居に移されて全員、入れ替えるそうです。前皇帝の子供と、新皇帝の子供どちらか分からないという事は無いようにというシステムなんでしょうね。

これトルコやイスラム圏で放送してる内はそういう中世トルコの常識や法律を把握してる人が視聴する分には説明いらないだろうけど、日本人みたいにイスラム教や中世トルコの法律に明るくない人間にとっては、側女がムスタファ皇子の子供を身籠ったらいけないっていう設定は理解不能ですよね。

なんとか字幕とかでその辺の事情説明入れるとかできなかったのかなぁ。字幕説明が無理なら公式サイトではその辺の背景を説明して欲しいです。イスラム文化とか詳しくないシロウトなので調べるのも限界があるんですよね。


新帝の誕生

気になったのは側女が避妊するようにと言われて、実際に避妊できたか

調べた所、古代中国では水銀や鉛を服用して子供が生まれない身体にするという方法があったそうですが、これは水銀や鉛の毒で内臓を痛めることにより子供を妊娠することが出来なくするという恐ろしい方法です。中国怖すぎですね。

皇帝スレイマンの時代、1400年代のオスマントルコでの避妊方法というのはよく分らなかったのですが、その年代に近い中世ヨーロッパでは牛や豚の腸や睾丸を材料に使ったコンドーム的な避妊道具が作られていました。ヨーロッパとトルコは地中海でつながっていましたし、貿易も盛んだったようですから動物の腸を材料にした避妊具がオスマントルコに伝わっていても不思議ではないと思われます。

まぁ、材料が動物の内臓で避妊に利用したのであればトルコに伝わって作られていたとしても現物が残っていなくても不思議は無いと思ったり。ちなみに日本だと江戸時代に和紙や水牛のツノを材料にした物を避妊道具として利用していたそうです。水牛のツノを避妊具として使うなんて痛そうでゾッとしますが、内部を取り除いてお湯につけて柔らかくしてから使用するので意外と使い心地は悪くなかったとか(マジか)

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あと和紙に関しては習字に使うような薄っぺらい半紙を連想してしまいがちですが

和紙を口に含んで柔らかくしてから避妊具として使用していたそうなので、ある程度じょうぶな和紙を避妊具として利用していたんでしょうね。

吉原みたいな所では女性器に和紙を入れて精子が着床しないように防いでいたらしいですが、梅毒などの性病が蔓延していた事などを考えると現代のコンドームのような信頼性は無かったでしょうね。

あるいは和紙での避妊には成功しても性技を売り物にしている遊女は当然、客である男性の性器を口技で満足させるという機会も多かったでしょうから、そこから性病にかかるというケースも多かったんでしょうね。

ちなみに昨今は特に若い人の間で梅毒などの性病にかかる率が高まっているそうですが、性交の際にコンドームさえつけていれば性病は100%防げるという物では無く、男性器を口にする形での性接触で性病に感染するケースが非常に多いそうです。

性病は粘膜の接触で感染するので、性病にかかっている人が性病由来の口内炎をわずらっている場合にキスやフェラなどで直接、接触すると口からでも高確率で性病をうつされることがあるそうです。とにかく不用意に粘膜(口、女性器、男性器、肛門など)での接触をしないように心がけることが大事でしょうね。

TBSで放送していた医療ドラマ「仁〜JIN」で梅毒の治療薬として主人公がペニシリンを作って遊女たちを治療するというエピソードがありましたが、史実の中世や江戸時代ではペニシリン、抗生物質は存在してませんから当時の梅毒や性病は恐ろしい不治の病だったんですよね。不特定多数の人と性的な接触を持つと性病をうつされる可能性が高まるというのもあって中世トルコでは不倫に厳しかったというのもありそうですね。

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2018年10月29日

大宰相イブラヒムの処刑にヒュッレムの影響があったと言われている件について


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前の記事で

ヒュッレムが悪女と呼ばれている理由に皇妃マヒデブランや皇子ムスタファより、ヒュッレムの評判が悪いからと書きましたが

他国の外交官が皇妃マヒデブランや皇子ムスタファは人々から尊敬されてるけどヒュッレムのことを良く言う人は皆無と報告しているというのも大きいです。

そしてヒュッレムが暗躍した為に皇帝スレイマンが決断と言われているのが大宰相イブラヒムの処刑です。
大宰相パルガム・イブラヒム・パシャの処刑に
ヒュッレムの影響があったからと言われている件について

イブラヒムは皇帝スレイマンの命令で処刑されてしまいますがスレイマンがイブラヒムを処刑したのはことあるごとにヒュッレムがスレイマンに対してイブラヒムの悪口を吹き込んでいたからだと言われています。

しかし、ヒュッレムにしてみれば皇子ムスタファの後見人である大宰相イブラヒムは目の上のたんこぶ状態でスレイマンだってヒュッレムの心理や状況は分かっていた筈です。

そしてヒュッレムによる陰口が無くてもイブラヒムはイスラム教で偶像崇拝が禁止されていたにもかかわらず彫像を設置し、オスマントルコ帝国の大多数だったイスラム教徒から眉をひそめられ、

自分が居ないと国政が成り立たないなど皇帝をないがしろにするような趣旨の傲慢な発言をしたり最終的に称号を「セラスケル・スルタン」にしたことで決定的にスレイマンの寵を失ったと言われています。


新帝の誕生

「セラスケル・スルタン」という称号の何がいけなかったのか

「セラスケル」とは「統治者」や「総司令官」という意味で「スルタン」は日本語で「皇帝」とか「国王」と訳されています。時代や地域によって「スルタン」の意味は微妙に違いますが

スレイマンの名前がスレイマン1世(Kanuni Sultan Süleyman I)ということでイブラヒムが皇帝スレイマンと同格の称号を使い始めたというのは至高の皇帝であるスレイマンにとって到底ゆるせることでは無かったでしょう。

特にイブラヒムは次期皇帝の有力候補である第一皇子ムスタファの後見人です。もっと言えば成人になり若さ溢れるムスタファは民衆やイェニチェリからの支持も厚かった。

反面、スレイマンは年を取り年齢的に衰える一方。特にオスマントルコ帝国では皇位をめぐって兄弟殺し親子同士での殺し合いが当たり前に行われていました。スレイマンの父親であるセリム一世は

父バヤズィト2世からトラブゾン知事に任命され、東方に目を光らせていたセリムは父の消極性に不満を持っていた。当初は3番目の子で上の兄コルクト・アフメトがいたため継承順位はもっとも下だったが、1511年にサファヴィー朝に同調したシャー・クルの反乱を契機として、兄達が反乱にてこずっている隙を付いてクーデターを仕掛けた。1度目は失敗してクリミア半島へ追放されたが、翌1512年にイェニチェリに擁立され兄達を排除、父を退位させて皇帝に即位したセリム1世は、父が即位時にしたのと同じように、即位後の内紛を避けるために兄弟達とその子らを次々と殺した。父もその後すぐに歿しているが、セリム1世の暗殺も疑われている。

という風に皇子時代に皇帝である父親バヤズィト2世を退位させて自ら皇帝の地位についています。

実の父親がそういう経緯で皇帝になったのですから我が子である皇子ムスタファがイブラヒムと組んでスレイマンを退位、もしくは暗殺する可能性があるという猜疑心をもともと持っていたのは間違いないでしょう。

イブラヒムの「セラスケル・スルタン」という称号がコップから今にも溢れそうだった不安の水に最後の一石を投じたのは間違いないでしょう。
とにかく史実としてきちんと記録されているだけでも

・皇帝をないがしろにする発言
・イスラム教で禁止されている偶像崇拝と受け止められる彫像設置
・自分に皇帝と同格の称号をつけた

イブラヒムが自分でやった事がこれだけ把握されています。ぶっちゃけ、ヒュッレムがスレイマンに悪口を言っていなくてもイブラヒムが勝手にやらかして自滅していたという気がします。

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ヒュッレムは本当に悪女だったのか考えてみた件【オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜】


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オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜のヒロイン

皇妃ヒュッレムは悪女としても名高い女性な訳ですが
スレイマンやヒュッレムが存命の頃から庶民や外交官なども
ヒュッレムは評判が悪かったそうです。

それもあってオスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜作中で
ヒュッレムの性格は気が強く、特に序盤は計算高さや
怒りっぽく、周囲の者を片っ端から敵に回す描写が目立ちました。
しかし実際の史実でそこまで悪い女だったのかなと思いました。

ヒュッレムが悪女と呼ばれた理由

@奴隷から皇妃にまで昇りつめたから
Aマヒデブランと取っ組み合いのケンカをしたと言われているから
B自分で顔に傷を作り、マヒデブランにされたように思わせたから
C奴隷から解放されて皇帝スレインと結婚式をあげたから
D大宰相イブラヒムが処刑されるように暗躍したと言われているから
E第一皇子ムスタファが処刑されるように仕向けたとされているから

以上の6つがヒュッレムが悪女と呼ばれる主な理由だと思われます。

ヒュッレムの生まれについて

諸説ありますが祖国クリミア(現在のウクライナ)で
牧師の父や家族と敬虔なキリスト教徒として
育ってたと言われています。

いずれ結婚して牧師である父や家族に祝福されながら
愛した人と教会で結婚し幸せな家庭を築くのが
ささやかな夢だったと思います。

しかし、タタール人の襲撃で家族を殺害され
自分はオスマン帝国に奴隷として売られ
後宮に入れられた以上は逃げ場もなく、

そこで生きていくために皇帝スレイマンに気に入られ
イスラム教に改宗したけど、小さい頃からの夢である
結婚式はあげたいと夫であるスレイマンに頼んで
奴隷から解放されて結婚式をあげたという流れだと思われます。


新帝の誕生

皇帝以外はみんな奴隷という状態だったオスマン帝国

オスマン帝国では後宮にいる側女も
皇子の母親マヒデブランも宦官長も
母后ハフサ・アイシェですら皆、奴隷です。

奴隷市場で日常的に美女など多くの奴隷が売買されていたことから
庶民の中にも多くの奴隷が存在し、特に
奴隷女に子供を産ませるということが多かったので
普通のオスマントルコの庶民も奴隷の子供ということが多かったそうです。

また、皇帝から臣下に後宮にいる
ハレムの女を下げ渡されることもあったので
皇帝に仕える、それなりの地位の者でも奴隷が妻、
奴隷が母親ということが珍しくなかったようです。

大宰相イブラヒムですら奴隷なのです。
それなのにヒュッレムだけが奴隷から解放されて
皇帝と結婚し正式な皇帝妃となりました。

このことはオスマン帝国の歴史上、初めてのことで
特に奴隷の立場だった者からは
かなりの、やっかみがあったと思われます。


初めての夜伽

ヒュッレムの視点で考えると

しかし、ヒュッレムにしてみれば
自分には何の非も無かったのに
村を襲撃されて突然、奴隷にされていた訳で

奴隷という身分から解放されて
愛する人と結婚式を挙げる事の
どこが悪いのか? という見方もできると思います。

キリスト教圏の人や現代の価値観からすると
ヒュッレムが奴隷解放と結婚を望んだ事は
ごく自然なことで、この事で悪女と言われるのは
ヒュッレム本人も大変、不本意だったと思います。

まぁ、ドラマの作中で劇薬を毛皮に塗って親友であるマリアの
顔をただれさせたり追い詰めたりしたアレに関しては
擁護が不可能なレベルで悪女その物でしたが(^^;)

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「イェニチェリ」について調べてみた件【オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜】


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オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜を見ていると

「イェニチェリ」という兵隊が出てきます

オスマン帝国の軍隊というのは何となく理解できますが
「イェニチェリ」は作中で赤い軍服を身にまとい
血気盛んな戦闘集団という描写で他国への遠征、
自分たちの活躍の場が無いことや給金の賃上げを要求して

皇帝スレイマンがトプカプ宮殿を留守にした隙をついて
反乱を起こし、町の露店などを襲い略奪行為を行っていました。

皇帝を完全に排除して次期皇帝の座を狙って反乱を起こすならともかく
自分たちの賃上げ要求をのませるために反乱を起こしたり
市民に対して略奪行為を行うというのが信じられなかったのですが

史実では実際に「イェニチェリ」が首都で反乱を起こして
市民に対して略奪行為を行い、時の皇帝を廃したり
宰相を更迭させたりといったことが
たびたび起こっていたそうです。

つまりドラマ、オスマン帝国外伝の作中で
「イェニチェリ」が反乱の際に露店から
略奪行為を行っていたことなども史実に基づく描写だったんですね。
そもそも「イェニチェリ」とは

イェニチェリ(トルコ語: Yeniçeri、オスマン語: يڭيچرى、ギリシア語: Γενίτσαροι、イタリア語: Giannizzeri、英語: Janissaries)は、14世紀から19世紀の初頭まで存在したオスマン帝国の常備歩兵軍団で、スプーンをシンボルにしていたことが知られている。常備軍団カプクルの中核をなし、火器で武装した最精鋭であった。トルコ語でイェニは「新しい」、チェリは「兵隊」を意味する。

ということで当時の最新鋭の武器を扱う
皇帝直属の精鋭部隊だったんですね。

当時は特に銃や大砲が普及し始めたばかりの時期でしょうし
最新鋭の武器を所持してる兵隊が反乱を起こすというのは
大変な脅威だったのは間違いなかったでしょうね。

オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜作中で
「イェニチェリ」が反乱を起こしたと聞いた
皇帝スレイマンが慌てて王宮に戻り


新帝の誕生


王宮にいた母后ハフサ・アイシェや母后付き女官長ダイェ、
皇帝妃マヒデブラン、皇子ムスタファや女官長ニギャールが
宦官長スンビュルにうながされて地下牢に避難するという場面があったり

大宰相イブラヒム邸にいた皇女ハティジェ、
皇帝妃ヒュッレムも地下室に避難するという
描写がありましたが、

皇帝ですら殺害しかねないような
力を持った集団だったので
皇族たちが逃げまどったのも無理なかったんですね。

ちなみに「イェニチェリ」は

オーストリア国境での戦争時には、国境地帯のセルビア人居住地域から略奪を行い、また勝手に住み着いて支配階級として振舞ったりしている

という時代劇の悪者その物のような
暴虐を行っていたようですが

1459年 - セルビア公国がヨーロッパに侵攻してきたオスマン帝国に滅ぼされる。
1817年 - セルビア公国が成立し、オスマン帝国から自治権を獲得。事実上の独立を果たす。
1838年 - ベオグラード遷都。
1878年 - ベルリン条約により、オスマン帝国から完全に独立。
1882年 - セルビア王国が成立。
1912年 - 第一次バルカン戦争でオスマン帝国に勝利し、領土を拡大。


というふうにオスマン帝国や「イェニチェリ」が
他国にも大きく影響を与えていたことが分かります。

第一次世界大戦後、1918年のサン=ジェルマン条約により、旧オーストリア=ハンガリー帝国領の南スラヴ人地域はスロベニア人・クロアチア人・セルビア人国として分離した。


イェニチェリについて調べていて
スロベニア、クロアチアの名前が出て来て
個人的に驚きました。

スロベニア、クロアチアといえば日本でも
NTTdocomoのCM楽曲「影武者」で話題になった
二人組のチェロリスト、2Cellosのルカ・スーリッチと
ステファン・ハウザーの縁の国であり、出身地なんですよね。


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中世から近年まで長年、戦争、内戦に巻き込まれていた
スロベニア、クロアチアもオスマン帝国の
影響があった土地なのかと思うと感慨深い物があります。

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オスマン帝国外伝の時代に「せっけん」があったのか調べてみた件【オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム】


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オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレムを見ていると

皇帝スレイマンや寵妃ヒュッレム、マヒデブラン、そして後宮にいる他の側女たちも頻繁に浴場で汗を流してさっぱりするという場面を見ます。

当時のオスマン帝国のお風呂は蒸し風呂で蒸気で汗をかいて水(ぬるま湯?)で洗い流すといった感じらしいのですが、髪や身体も洗っている感じですよね。作中でせっけんがあるように思えたので本当に当時、中世トルコ時代にせっけんが存在したのか調べてみたんですね。

すると古代エジプトの時代からシリアでオリーブオイルを原材料に作ったせっけんが愛用されていたというのが分かりました。日本でも流通しているのでご存知の方もいらっしゃると思います。アレッポのせっけんです。


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シリアは地理的にトルコの右下で距離的にも近く

アレッポのせっけんはシリア産のオリーブオイルとトルコ産の月桂樹を原料に天然由来成分のみを使用して作られているため、オーガニック系の物を愛用する方から現代も根強く支持されているそうです。

実はオスマン帝国外伝を視聴するより前に、偶然にも「アレッポのせっけん」を購入して使っていたことがあるんですよね。まぁ、ドンキホーテで安売りしていて世界中で長年支持されてる天然由来成分100%のせっけんって明記されてたので値段も安かったから興味本位で購入したんです。

使ってみるとまずニオイにクセがある。というか強いて言うと「ねんど」のようなニオイ。お世辞にも良い香りとは言いがたく使い心地は油っぽい。オリーブオイルが原材料なので油分を感じるのは当然だとは思うのですが、とにかく独特のニオイがきつくて外出前などに使えなかったです。

種類によっては月桂樹(ローレル)がたっぷり入った物は、油っぽい独特のニオイが抑えられてる物もあるそうなので、皇帝や皇妃はそういう高級なせっけんを利用していたのかも。

ただ、ニオイはともかく保湿効果はすごいんですよね。通常のせっけんやソープなら洗った後、顔が突っ張ったり化粧水で保湿したいと思うんですが、アレッポのせっけんを使って顔を洗うとオリーブオイルの保湿効果で顔の皮膚が突っ張らなから化粧水もいらないんじゃないかというくらいで乾燥肌の人には良いんじゃないかと思います。

また化学物質、香料、保存料、着色料が入ってませんから、そういう化学物質がダメと言う人には良いんでしょうね。長年、世界中で愛用されてる物だし、製造の過程では職人さんが味をみながら作成してるそうなのできっとお子さんが間違って口にしても少しくらいなら問題ないのだと思われます。


新帝の誕生


オスマントルコ時代、シリアからトルコに大量のせっけんが輸出されていた

そうなので史実のスレイマンやヒュッレムもきっとアレッポのせっけんで髪や顔、全身を洗っていたんだと思うんですよね。熱心なオスマン帝国外伝ファンでヒュッレムたちが使ったせっけんを使ってみたい!という方にはアレッポのせっけんを試してみるのもいいかも。

ちなみに近年のシリアは内戦は頻発している関係でこのせっけんもシリアのアレッポからトルコに避難してきた職人さんたちが作り上げた物なのだそうです。経済支援という意味でもせっけんを購入すると現地の方から喜ばれると思われます。

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スレイマンが言っていた「我がミカン」について【オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜】


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オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜の作中で

大宰相イブラヒムや皇帝スレイマンが独白であったり、手紙に詩をしたためているシーンがあります。イブラヒムの場合は「私はイブラヒム。パルガ人の漁師、マノリスの息子〜」みたいな出だしの独白ポエムが多いですが皇帝スレイマンの場合は史実でも詩が堪能だったそうでムヒッビー(恋する者)という筆名(ペンネーム的な名前)で数々の詩をつづっていたそうです。

「オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜」の作中でスレイマンがヒュッレムを「我がミカン」と言っていたことが何だか妙に面白かったのですが、いくらなんでもトルコの大皇帝スレイマンが「我がミカン」とは言わないだろうと思ったんですよね。


新帝の誕生

ミカンと言えば日本人が思い浮かべるのはこたつでミカン

段ボールでひと箱、まとめ売りしているような庶民的な果物なわけですが中世トルコが舞台の「オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜」なら時代背景的にミカンではなく「オレンジ」と日本語訳すべきだったんじゃないかと思いました。

調べてみるとミカンの発祥はインドのアッサム地方で中国を経由して日本に渡った物は「温州ミカン」欧州に広まったのは「マンダリン・オレンジ」なので作中でスレイマンは「マンダリン」と言っているのだと思われますが、日本では「マンダリン」が「ミカン」だとは分からないので翻訳では「ミカン」にしちゃったんでしょうね。

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トルコのハレムでオレンジが植えられていた

バレンシアオレンジあたりが日本で「太陽の果実」みたいなキャッチコピーつけられてるし、色や形的にも昔からオレンジが太陽に例えられてきたとしてもおかしくないからスレイマンも陽気なヒュッレムを「我が太陽」みたいなニュアンスで表現したのかなぁと思って少し調べてみたんですが

ちょうどスレイマンの時代、1400年頃のトルコでは後宮(ハレム)に観賞用のオレンジが植えられてたそうなんですね。

当時のオレンジは現代のように食べやすく品種改良されてなかったようで、食用ではなく観賞用で見た目の形や色、香りを楽しんでいた海外産の希少品だったそうです。現代でもオレンジ、シトラス、柑橘類系の香水や芳香剤が支持されているのを考えれば中世トルコのひとたちが当時、まだ珍しかったオレンジの芳香を好んだもの分かりますね。


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それを考慮すると作中で日本語訳された
「我がミカン」というスレイマンのポエムは

「後宮にある綺麗で希少価値があって、清涼感のある良い香りがする私の果実」あたりの意味合いがニュアンス的に近いのかなぁと思われます。

後宮の庭をスレイマンとヒュッレムが散歩していた時にロクセラーナ(ロシア人の女)と呼ばれていたクリミア(ウクライナ)出身のヒュッレムはオレンジを初めて見て、とても気に入ったりスレイマンがヒュッレムに「おまえはオレンジのようだ」とか言った可能性もあるなぁとか考えます。

特にヒュッレムより先に第一皇子ムスタファを産んでいた皇妃で第二夫人のマヒデブランは皇帝スレイマンから「ギュルハバル」(春の薔薇)という意味を持つ名前をもらっていたのを考えると一番のお気に入りだったヒュッレムを薔薇に対抗できるような当時のトルコで希少だった植物、オレンジに例えたのは自然だったのかも

史実のヒュッレムの髪色は赤色と言われてますし、赤色に近いオレンジが当時のトルコにあったのなら、なおさらヒュッレムの髪色に近く連想しやすかったでしょうね。

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