2018年10月29日
大宰相イブラヒムの処刑にヒュッレムの影響があったと言われている件について
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前の記事で
ヒュッレムが悪女と呼ばれている理由に皇妃マヒデブランや皇子ムスタファより、ヒュッレムの評判が悪いからと書きましたが
他国の外交官が皇妃マヒデブランや皇子ムスタファは人々から尊敬されてるけどヒュッレムのことを良く言う人は皆無と報告しているというのも大きいです。
そしてヒュッレムが暗躍した為に皇帝スレイマンが決断と言われているのが大宰相イブラヒムの処刑です。
大宰相パルガム・イブラヒム・パシャの処刑に
ヒュッレムの影響があったからと言われている件について
ヒュッレムの影響があったからと言われている件について
イブラヒムは皇帝スレイマンの命令で処刑されてしまいますがスレイマンがイブラヒムを処刑したのはことあるごとにヒュッレムがスレイマンに対してイブラヒムの悪口を吹き込んでいたからだと言われています。
しかし、ヒュッレムにしてみれば皇子ムスタファの後見人である大宰相イブラヒムは目の上のたんこぶ状態でスレイマンだってヒュッレムの心理や状況は分かっていた筈です。
そしてヒュッレムによる陰口が無くてもイブラヒムはイスラム教で偶像崇拝が禁止されていたにもかかわらず彫像を設置し、オスマントルコ帝国の大多数だったイスラム教徒から眉をひそめられ、
自分が居ないと国政が成り立たないなど皇帝をないがしろにするような趣旨の傲慢な発言をしたり最終的に称号を「セラスケル・スルタン」にしたことで決定的にスレイマンの寵を失ったと言われています。
新帝の誕生
「セラスケル・スルタン」という称号の何がいけなかったのか
「セラスケル」とは「統治者」や「総司令官」という意味で「スルタン」は日本語で「皇帝」とか「国王」と訳されています。時代や地域によって「スルタン」の意味は微妙に違いますが
スレイマンの名前がスレイマン1世(Kanuni Sultan Süleyman I)ということでイブラヒムが皇帝スレイマンと同格の称号を使い始めたというのは至高の皇帝であるスレイマンにとって到底ゆるせることでは無かったでしょう。
特にイブラヒムは次期皇帝の有力候補である第一皇子ムスタファの後見人です。もっと言えば成人になり若さ溢れるムスタファは民衆やイェニチェリからの支持も厚かった。
反面、スレイマンは年を取り年齢的に衰える一方。特にオスマントルコ帝国では皇位をめぐって兄弟殺し親子同士での殺し合いが当たり前に行われていました。スレイマンの父親であるセリム一世は
父バヤズィト2世からトラブゾン知事に任命され、東方に目を光らせていたセリムは父の消極性に不満を持っていた。当初は3番目の子で上の兄コルクト・アフメトがいたため継承順位はもっとも下だったが、1511年にサファヴィー朝に同調したシャー・クルの反乱を契機として、兄達が反乱にてこずっている隙を付いてクーデターを仕掛けた。1度目は失敗してクリミア半島へ追放されたが、翌1512年にイェニチェリに擁立され兄達を排除、父を退位させて皇帝に即位したセリム1世は、父が即位時にしたのと同じように、即位後の内紛を避けるために兄弟達とその子らを次々と殺した。父もその後すぐに歿しているが、セリム1世の暗殺も疑われている。
という風に皇子時代に皇帝である父親バヤズィト2世を退位させて自ら皇帝の地位についています。
実の父親がそういう経緯で皇帝になったのですから我が子である皇子ムスタファがイブラヒムと組んでスレイマンを退位、もしくは暗殺する可能性があるという猜疑心をもともと持っていたのは間違いないでしょう。
イブラヒムの「セラスケル・スルタン」という称号がコップから今にも溢れそうだった不安の水に最後の一石を投じたのは間違いないでしょう。
とにかく史実としてきちんと記録されているだけでも
・皇帝をないがしろにする発言
・イスラム教で禁止されている偶像崇拝と受け止められる彫像設置
・自分に皇帝と同格の称号をつけた
イブラヒムが自分でやった事がこれだけ把握されています。ぶっちゃけ、ヒュッレムがスレイマンに悪口を言っていなくてもイブラヒムが勝手にやらかして自滅していたという気がします。
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